蛇の手(SCP Foundation)

登録日: 2017/03/10 Fri 00:00:49
更新日:2024/02/01 Thu 10:27:05
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蛇の手(Serpent's Hand)は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場する要注意団体のひとつ。
主に「手/Hand」という略称が使われる。


概要

蛇の手は、主として異常者によって構成される(ただし異常者でない人間もいるようだ)集団であり、
その規模は非常に小規模とされている。現時点で177名の構成員を財団は確認している。

財団との関係性ははっきり言って良くない。
蛇の手は基本的に財団のセキュリティをやすやすと通りぬけ、財団の保管するアノマリー(つまりSCiP)を盗み出す。
その他、一部の事件の際に現れて財団に「あなたがたに扱えるものではない」と警告を出しに来る。
これは別に彼らがいい人たちだからではなく、彼らはアノマリーは全ての人に情報が共有されるべきであると考えるからである。

早い話が、『開示フリーク』。
財団のことは、「核兵器が危険だからと製法ごと隠すようなものである」と捉えており、そういう都合から敵対している。

また、世界オカルト連合とは出会えば交戦しているくらい仲が悪い。
財団はこの対立について、GOCと手には神秘的なものを利用するという面などで共通点こそあるものの、
「人類種の存続」と「コントロールできないアノマリーの徹底破壊」を目的とするGOCと、
「異常者によって構成され」「アノマリーを広く公開したがる」蛇の手は利害が一致しないからであろうと捉えている。
一応、蛇の手は人類種に敵対するつもりはないようだが。

一方で、(流石にカオス・インサージェンシーのことは嫌っているが)他の団体との関係性はかなり良好。
マナによる慈善財団には友好的であり、
壊れた神の教会各派閥や第五教会、境界線イニシアチブ、イスラム・アーティファクト開発事務局とは中立を保っている。
更に一部メンバーがAre We Cool Yet?の活動にも参画している模様。平和主義者と見なされる蛇の手がアートテロリズムに加担する理由は不明。
MC&Dとは時には友好的であり、時には衝突する。


目的と組織

目的に関して言えば、正直不明。一応、アノマリーの存在を多くの人に知らしめようと言う団体であるが、
それをして何を最終的に目指しているのかははっきりしない。

また組織についても、実際のところ判明していることは少ない。
主として指導者とされているのはL.S.という人物ではないかと言われているが、
このL.S.は数多くの証拠が、別の要注意団体黒の女王を示している。
だが、黒の女王が実際蛇の手においてどこまでの権力を確立しているのかは不明なままである。

そもそも財団が持っている蛇の手の情報のほとんどはGOCの情報の内部リークである。
GOC自体蛇の手の情報は更新出来ておらず、ここ最近の動向は把握できていないのが現状である。
これには、彼らの本拠地のことも理由に挙げられる。

彼らは、『放浪者の図書館』という、異次元空間を本拠としており、財団やGOCはここにアクセスするのにまず手間取る。
そしてアクセスに成功したとしても、蛇の手のメンバーは財団やGOCの潜入者を排除しにかかってくる。
ただし、この放浪者の図書館は、彼ら自身が「管理している」わけでもないようだ。
図書館以外にも財団と同じ次元の地球上にいくつかのアジトを有しているようだ。

主としてはまじないサイドの団体だが、科学技術に疎いわけでもないようだ。

蛇の手の構成員は、財団よりもSCPについて詳しいらしく、
カインさんが壊れた神の教会の分派である歯車仕掛正教からはMEKHANEの息子であると言及されることを記述している。
一方で蛇の手曰く、同じく壊れた神の教会の分派であるマクスウェリズム教会はWANの子を騙る詐欺師であると糾弾していることも記述している。
…ってことはMEKHANE/WANはYehomでありヤルダバオートなのだろうか?
またあのクソトカゲ『私』についての資料を有しているようだ。


蛇の手が関係しているオブジェクト

SCP-2950 - Just a Chair (ただの椅子)

オブジェクトクラス - Safe
SCP-2950はただの椅子である。でも、財団と蛇の手の各一名にとって、SCP-2950は椅子ではない。


SCP-2635- Hot Potato (アッツアツのポテト)

オブジェクトクラス - Euclid
特定の集団が一年間保持すると、その団体構成員の半数が自発的な自然燃焼で壊滅する面倒くさいじゃがいも。
しかもじゃがいもなのに、それ自体が反ミーム効果を有しており、上述の燃焼イベントは世間にほぼ気づかれない。
しかも腐敗も劣化もしない。

もともとAWCY?が製作したアート作品らしいのだが(CoolなのにHotとはこれ如何に)
ある防衛請負業者(普通の業者だよ)がこのじゃがいものせいで半壊。
この業者がMC&Dに買収され、じゃがいもは迅速にメカニト関係者に売却。
その人はサーキックの団体にじゃがいもを使ってテロを敢行、半壊に追い込んだようだ。
MC&Dが再びじゃがいもを回収するも、財団がガサ入れをしてじゃがいもを発見。SCPナンバーを付与する。
それをカオス・インサージェンシーが他のオブジェクトともども奪ったがそのせいでカオス・インサージェンシーは半壊。
この隙にGOCがカオス・インサージェンシーを強襲し、おかげで財団はオブジェクトを回収した…と思ったが

蛇の手「ごめんじゃがいもは先に手に入れたわw」

こうして財団の蛇の手調査中のエージェントや2つの国の国家元首がじゃがいもで死亡。
現在は財団が取り返し、UIUと半年ごとにじゃがいもの所有権を変えている。数少ないUIUの活躍
蛇の手はどっからじゃがいもを知ったんだろう?


SCP-1000

オブジェクトクラス - Keter
ネタバレはしないが、SCP-1000のことについて情報を持っていたグループ『太陽の子ら』は蛇の手を追放されたらしい。
だが一部のメンバーは蛇の手にまだいる模様である。
太陽の子らは別にSCP-1000それ自体ではない。


SCP-268 - Cap of Neglect (いないこ帽子)

オブジェクトクラス - Euclid
キャスケット帽で、かぶると「そこに何かがいた事」以外全てを認識されなくなる。
早い話が青ダヌキの石ころぼうしである。ごめんドラえもん悪かったから地球破壊爆弾だけはやめて

で、どうやらL.S.(指導者)が「返してもらいに来た」ようだ(つまり収容違反)。

SCP-407 - The Song of Genesis(創生の歌)

オブジェクトクラス - Neutralized
カセットテープに保存された、未知の言語が使用されているアカペラと思しき歌。
聞いたものの病気を治癒するが、聞き続けると異常増殖した細菌と真菌に飲まれて死亡する。
上記のSCP-268を使用したL.S.によって財団のシステムから削除された。
残したメモの中に「消したことに感謝する日が、いつかきっと来ることでしょう」と記載されていた。


SCP-6000 - The Serpent, the Moose, and the Wanderer's Library(蛇、箆鹿、放浪者の図書館)

オブジェクトクラス - Keter
放浪者の図書館(Nx-001)と基底次元を接続する大規模な玉虫色の異常空間。2030年12月21日に突如として出現した。
アマゾン熱帯林に位置するこの空間は全長19kmあり、しかも不定の速度で拡大する。おまけにその空間内の動植物に何らかの「負の影響」をもたらし、それは拡大とともに強くなる。
GOCと財団の協力の下に「プロジェクト・フュージレイド」が設定され、この空間の存在の隠蔽、及び収容の努力がなされるが……。
報告書本体よりも補遺が長くなっており、読むと真相に迫っていける。

言うまでもないが、2021年6月に開催されたSCP-6000コンテストの優勝作品でもある。
テーマは「Nature(自然)」だった。

尚、数多の補遺についてはここでは敢えて触れていない。是非とも本編記事をお読みいただきたい。




「とここまで蛇の手絡みのオブジェクトを解説したが、現状蛇の手は異常存在を収容したい我々にとっては」

やっぱり財団の情報収集力は高いな。

「えっ」




すまない、別に彼に恨みがあったわけじゃないんだが、財団とGOCが我々にとって敵でなくなるまでは、
我々の場所を探られるわけにはいかないんだよ。財団が我々の言葉を理解する日が早ければ彼をこうする必要はなかったんだが。

というわけで画面の前の財団アニヲタwiki支部及び世界オカルト連合アニヲタwiki支部の職員の皆様。
蛇の手の構成員…と彼らに言われている者の一人だ。よろしく。

我々は確かに集まりだが、組織ではない。
確かにL.S.は我々の指導者のひとりだ。我々は彼女のことをすごく尊敬している。
だけど彼女のいうことに従うかどうかは我々の自由なんだ。
Are We Cool Yet?やゲーマーズ・アゲインスト・ウィードと似ているわけだが。

我々はアノマリーをもっと広く公開すべきだと考える。なぜか?
アノマリーは確かに脅威だ。だけどアノマリーはどんどん生みだされるものだ。
重要なのはそれにどう対処するかということではないか?
超自然的な脅威ってのは、今まで君たちが科学や魔術を研究していったように、
やはり研究して立ち向うべきではないか?

異常を持っていても我々は人間だ。
正常性の保持のために我々を排除するのでは、我々にとって正常性が悪なんだ。
君たちは臆病者なんだ。そうだろう、財団? そうだろう、GOC?

我々が『開示フリーク』なら、財団は『収容フリーク』だし、GOCは『破壊フリーク』だろう?

いつまでしまうんだ? いつまで壊すんだ?

なあ、君たちはいくつしまってきた? いくつ壊してきた? 君たちのアノマリーのリストにいくつの「SCP」や「KTE」の文字が並んでいる?

ちなみにだ、放浪者の図書館に君たちがアクセスできない理由も明白だ。
なぜかというと、かつて我々も同じ過ちを犯したからだ。
我々は昔は、知識を自分たちだけで独占しようとした。だから図書館から追い出されたのだ。
財団は、GOCは、図書館をしまいこんだり破壊しようとしているだろう? だから追い出されたのだ。

我々は君たちが過ちに気付いてこちら側に来る日まで、君たちが閉じ込めたり殺そうとした者を救うだろう。
そしていつまでも行動を改めないならば、君たちはやがて分別あるものに淘汰されるんだろう。





※あくまで『蛇の手』の正義としては、世の中に広くアノマリーを知らしめるべきだという考えではありますが、
蛇の手や図書館が常に正しいとも言えないあたりは留意してください。
世の中にはしまうべきもの壊すべきもののようなものも多く存在します。
…というか財団世界の多くの団体に言えることですが、自分たちの手法に固執しがちなところが一番の問題点だったりします。
各団体の視点ではそれらはどう捉えられるのか、を常に考えるとオブジェクト記事やTaleは楽しめると思います。

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最終更新:2024年02月01日 10:27