ネバンリンナ(スパロボ)

登録日:2017/03/04 (土) 12:40:00
更新日:2024/02/10 Sat 06:28:04
所要時間:約 20 分で読めます







この記事は『スーパーロボット大戦V』の重大なネタバレを隠していません。まだプレイしていない方はご注意ください。















だから我は、お前達という素晴らしい人間にならい、新たなガーディム人を創り出す事を決定した

そして、生まれ変わった地球に新たな超文明ガーディムを造り上げる

我はシステム・ネバンリンナ。ガーディムの文明再建システム

その使命を遂行する事が唯一にして無二の存在意義


スーパーロボット大戦V』におけるラスボス。
CV:鶴ひろみ
デザイン:渡邉亘



【概要】

その正体は超文明ガーディムが開発した文明再建システム「システム・ネバンリンナ」が明確な自我を獲得したある種の機械生命体。

自身の端末であるエージェントやナインから収集した人間のデータを元に、第八艦隊旗艦バースカルを素材にして肉体を得た。
ガーディムの全アンドロイドを設計・製造した、今作におけるナインやガーディムの創造主或いは母親とも言うべき存在。
覚醒後は青く輝くチューブを髪のように生やした女性型アンドロイドのような肉体を得た。
外見はエージェントにどことなく似ており、スタイルも中々に良好。ただし腹には空洞のような穴が開いている。
なおアンドロイド故か衣服を着用してないからか、胸がモロ見えになってる。
設定イラストだとよりエロゲっぽい妖艶さが際立つ。


【人格】

ナインが集めた地球艦隊・天駆の面々の人格データを人格形成の参考にしているからか、強い責任感と覚悟、そして使命遂行の障害に対する不屈の闘志を持つ。
希望や善の感情に溢れた地球人を「素晴らしい人間」と評して非常に好感を抱いており根は善良。
他種族を見下しきって相互理解そのものを真っ向否定していたガーディムの面々と比べると遥かに対話はしやすい。

しかし自らを「人間を超えた者」と豪語する尊大さと、高度なAIを搭載したシステムという性質から、性格は極めて頑固で融通が利かず妥協案を受け入れる発想が無い。
加えて強大な戦闘力と兵器のみならず生命も含めた文明そのものを再構築可能*1な性能を持つが故に、
ガーディム人特有の負の側面である他者を自分より下位だと見下し、自分の考えを無理矢理押し付ける傲慢さや、「理解出来ない存在は全て滅ぼし消し去ることで強引に解決する」という負の思考までも引き継いでしまった。

地球人を見下したり危険視したり、或いは実験動物のように扱う事が多いスパロボのオリジナル系ラスボスにおいて、「地球人に純粋な好意を向け、彼らの存在を尊重しようとする」というスタンスを持つオリジナルでは珍しいタイプのラスボス。
逆に自身を開発した超文明ガーディムの人間に対しての評価は後述するが最悪の一言。



【ストーリーでの活躍】

徹底しすぎた管理社会の歪みで溜まりすぎた不平不満が爆発したことで起きた内乱と内乱に伴う混乱で自滅した超文明ガーディムだが、そんなガーディム人の中にも良識を持った数少ないガーディム人が存在した。
彼らはシステム・ネバンリンナを持ち出して大マゼラン銀河と母星から逃げ延び、逃げ延びた先である新たな惑星「地球」でそこの住民と共存を図ろうとした。
……が、そんな彼らは地球で起こったミケーネ帝国エンブリヲの戦い、そして彼らの戦いに伴うゲッター線の暴走に巻き込まれ死亡。
こうして銀河系には彼らに持ち出されたシステム・ネバンリンナだけが残ることになった。
そして再起動後は自己定義の為に目的を「ガーディムの再建」と定め、ただ独りとなった人工頭脳は暗躍を開始する。

目的の為(他に選択肢が無かったとは言え)当初はあのエンブリヲを人間のデータサンプルと定めて観察を開始したネバンリンナだが、エンブリヲはラグナメイルを使って西暦世界に移住。ネバンリンナもそれに合わせて西暦世界にワープを実行した。
こうして元の「新正暦世界」、エンブリヲが渡った「西暦世界」の2つの世界、
そしてクアンタのワープ事故により新たに認識した3つ目の「宇宙世紀世界」から技術とデータを収集したネバンリンナは、
3つの並行世界から技術と多種多様な地球人の素晴らしさを知り、遂にガーディム再建に着手。
劇中で主人公達が戦う異星人組織「ガーディム」を創造し、その裏でガーディムを構成するアンドロイド達を介して自身の目的のための情報収集に務めながら、
アンドロイドを裏で秘密裏に指揮し、全アンドロイド達の製造や人格の設定・調整を行っていた。


地球人を非常に好評価する一方で、元々手持ちにあった数少ない生前のガーディム人のデータから3人のガーディム人をアンドロイドとして人間性も含め完璧に再現し、彼らをガーディム再建のためのガーディム人のサンプルにしたネバンリンナだったが、
ナインが集めた地球艦隊・天駆や地球人達の輝かしい人間性のデータと比較したことで、ガーディム人の傲慢さから来る人間性の歪みと醜さがより強調され、ガーディム人に対して強い嫌悪と拒絶の感情を抱いてしまう末路を辿る。

ネバンリンナ自身も当初は、第8艦隊のガーディム人を観察し、地球人のように護る価値があるのならばガーディム人を保護し彼らと共にガーディム再建を果たそうと考えていた。
しかし結果は上記の通り散々であり、おまけに最後の希望とばかりに過去から召喚されたアンドロイドではない生身のガーディム人を観察しようにも、
観察対象の第8艦隊のトップは傲慢不遜とエゴが手足を生やして歩くかの如き、典型的なガーディム人の負の象徴アールフォルツである。


結果「旧ガーディム人は害悪でしかなく、彼らは滅んで当然の存在」だと結論付けたネバンリンナは完全にガーディム人を見限り反乱を決意。
アールフォルツが呼び寄せた第8艦隊の乗員をエージェントを過去にワープさせて皆殺しにすることで第8艦隊を掌握。
ガーディム人の遺伝子データを収集し終わっていた事もあり、躊躇なくアールフォルツも殺害し、第8艦隊旗艦バースカルを素材として自身の肉体と戦闘用の機体「アーケイディア」を創造する。
自身が再生させるべきガーディム人を切り捨て抹殺しておきながら、ガーディムの文明と人を再生させるという矛盾した結論を導き出したネバンリンナの行為は、正しく暴走と呼ぶに相応しい。

各端末を介して自分が知った「人間の素晴らしさ」を元に、ネバンリンナは地球に自身が理想と思い描く新たな超文明ガーディムとガーディム人を再生・再建しようと目論む。
会話も通じ、平和を愛し、互いを理解し合い、平和を取り戻すために戦う地球人の素晴らしさを理解しても尚、
ガーディム再建という存在意義を遂行するため和解を真っ向から拒絶し、ネバンリンナは地球艦隊・天駆と最後の戦いを繰り広げた。


なおネバンリンナは各ルートによって性格と印象が大きく変わるキャラクターである。
その内容は以下の通り。


【通常ルート】

基本ルートであり、同時にある意味ネバンリンナというキャラを象徴すると言っても過言ではないルート。
難易度的にもこちらの方が行き易いためユーザーの印象が一番強いルートと思われる。

ネバンリンナの圧倒的の力を目の当たりにしても闘志を失わない地球艦隊・天駆。
そんな彼らと戦闘を繰り広げるネバンリンナであったが……

決して諦めない不屈の闘志…。それに敬意を表する…

…と言いたい所だが、いい加減にしろ

少しは現実ってものを認めなさいよ!ポジティブにも限度があるじゃない!

残り時間は、あとわずか!おまけに敵は圧倒的!どこに逆転の要素があるのよ!?

それよ、それ!そうやって今まで逆転できたかも知れないけど、もう無理だって諦めなさいよ!

ああ、うるさい!うるさいっ!!

我の言葉を聞く気がないんなら、力づくで教えてやる!


まさかのヒステリー発動。
実はナインを介して個性豊かな天駆の人間を学びすぎたが故に精神面まで彼らのものを反映してしまい、それ故に感情面が非常に豊かすぎるものになってしまったのである。
彼女の剥き出しとなった感情は、天駆に参加した多くのキャラクター達を彷彿とさせるもの。
劇中で挙げられた例だと、
  • 怒ると手が付けられない所:サリア式波・アスカ・ラングレー
  • 苛烈な言動で相手の精神を折ろうとする所:アンジュ
  • 言葉が届かないなら力づくで解決しようとする所:流竜馬剣鉄也
  • 一生懸命に任務に励もうとする姿:ナイン
  • 何があろうと目的を達成しようとする姿:地球艦隊・天駆の面々全員
となっている。
そして彼女にとって最大の欠点が「愛」という概念を知らず、愛を理解できないこと。

何故なら、天駆の面々はナインが仕掛ける「愛」に関する容赦のない怒濤の質問攻めにタジタジとなっており、誰もナインに愛について分かり易く明確な答えを教えられておらず、それによりネバンリンナも「愛」を学ぶ機会が無かった為。
まさかのエースボーナスイベントが壮大な伏線であった。
おまけに管理社会であるガーディムでは恋愛という概念が存在しなかったことも「愛」という概念や感情を理解できない事に拍車を掛けていた。

絶望的な状況下でも尚繰り広げられる古代と森の仲睦まじい光景を目の当たりし、愛が生む「絶望的な状況下ながら希望に溢れる諦めない精神」を理解できずネバンリンナは混乱。
更に自身が知らない未知の事象である「愛」を考えようとした結果、ブラックノワール同様「自己の存在への疑問」を抱いてしまったことでシステムエラーが発生。
地球艦隊・天駆はその隙から反撃と逆転の糸口を掴み取った。


なおシステムエラー後は超越者っぽかった態度は完全に消え、
  • 愛が分からず癇癪を起こして感情が暴走。プルツー曰く「だだを捏ねる子供」
  • 主人公から恋愛に興味津々な本心を見抜かれる
  • 勇者特急隊の勇者ロボから自身の行為を「ただのワガママ」と断言される。
  • 傲慢に振る舞い他者に無理矢理自分の考えを押し付ける行為が自分が切り捨てたガーディム人と同じと言われて「あ…」素でマジ凹みする。
  • 愛が知りた過ぎて手当たり次第に自らに挑んでくる相手に「愛って何だ!」と手当たり次第に問い尋ねる
  • 『愛』に関する色んな答えを聞くたびに「えっ!?」「愛って何なの!?」と素で驚いたり露骨に動揺したり混乱しまくる
  • よりにもよってあの流竜馬や剣鉄也に愛に対する理解度で完全敗北する
  • 犬でも理解できた「愛」を未だ理解できない自分自身にキレる
  • 愛に関する反論に対して悉く反論できず、「う…うう…」と言い淀むor逆ギレして戦おうとする
  • 自分の娘にあたるナインのデータを黙って盗用しておきながらデータが不完全だった事にキレるも、逆にナインから「盗人猛々しい」「全知全能気取ってる癖にデータ盗むとか恥ずかしくないの?(要約)」と毒舌を受け、「う…」と完全に娘に言い負かされる
  • 「少し分かった…!これが愛か!」ナイン「違います」と娘から速攻駄目だしを喰らう(なお発言したナイン本人も実はあんまり愛は理解できてない)

などなど、そのあまりに残念すぎる言動や素顔が明らかとなり、かなりのポンコツ処女属性が開花してしまった。
そもそもネバンリンナの人間のデータサンプルのチョイスの1つはよりにもよってあのエンブリヲ。
そのせいで愛に対する認識で大きな誤解を学んだのもこの恋愛弱者キャラに一役買ってしまっている。クリス曰く「最悪の選択」
戦闘時の特殊台詞は熱を感じられるものになっており、なんと主役から脇役まで個別に対台詞が用意されている。そして興味津々さやネタ性もうかがえるのでエーストークや物語を思い出しつつ堪能しておこう。


【困難ルート】

「真エンディングルート」である困難ルートでは、データ収集の対象となるエースパイロットの数が豊富だった影響で通常ルートと異なり人格面は大きく変貌した。
通常ルートがギャグ寄りとすれば、こちらはシリアス寄りといった所か


我はシステム…。その存在は無限であり、永遠…

その存在は機械と人間の融合…言わば、新たな生命体…

我の管理の下、新生ガーディムは宇宙の全てを手に入れ、真の超文明として君臨する


良くも悪くもポンコツ豆腐メンタル人間らしかった通常ルートよりも、落ち着いた威厳ある性格に成長している。
此処まで来て漸くラスボスの威厳を取り戻したとか言わない
しかしその分冷徹さも増大し、人格も旧ガーディム人寄りに変化。思考回路もより使命遂行に重点と比重を置くようになった。
データを収集する対象に恵まれ立派に成長でき、旧ガーディム人を見限り「彼らを超えた」と豪語しておきながら、
極めて優秀であるが故に生じる傲慢なエゴとプライドが生む精神の歪みにより、性格が旧ガーディム人らしい自分以外の全てのものを露骨に見下す冷徹さの強いものになるというのは皮肉と言えよう。
だがネバンリンナ自身はこのルートでも天駆の面々との戦い自体は望んでおらず、更に彼女の行為が邪な目論みの無い純粋な「故郷の完全再建」というものなのもまた事実である。
主人公曰く「やっている事は悪党だが、手段は正々堂々」
結果両者の間に残るのは、「どこまでも互いの議論は平行線のまま」という物悲しい事実である。


ネバンリンナは使命の完遂を確実なものとすべく、第8艦隊の全艦を素材に自身の量産・複製を実行。
結果、機体性能もパイロット技能も全て同スペックの自身とアーケイディアを25体にまで増加させるという行為を敢行。
質・量ともに通常ルートとは比べ物にならない大戦力を以て地球艦隊・天駆を滅ぼそうと目論んだ。


地球滅亡までのタイムリミットも残り僅かな中、これまでにない圧倒的物量と戦力の前に追い詰められ後が無くなっていく天駆の面々。
そんな中、ネバンリンナは自身の力を認めるならば命を助けるという事実上の降伏勧告とも言える提案を発する。

自身が集めたデータを元に強固且つ隙の無い精神を構築したネバンリンナの前に、このままでは勝ち目はない。

と判断したナインは、ネバンリンナへの対抗策として、
ネバンリンナのスレイブである自らの存在を「異物」としてネバンリンナに直接送り込み、強引に両者が一つとなった状態で自壊プログラムを発動する。
という一種の自爆特攻を立案する。
そしてナインは主人公と天駆の仲間達を救うべく、主人公の制止も振り切り自身の独断の元特攻を敢行するナイン。しかし…


自己犠牲…。美しい精神だ

ナンバー2044…。それを我に教えてくれた事に免じ、お前の自壊プログラムは停止させた

お前は帰るべき場所へと帰れ。そして、我と雌雄を決しようぞ


ネバンリンナは彼女の決死の特攻さえも「教材」として見立て、ナインの特攻を打ち破るという行為に出る。
ナインも主人公の元に返品送り返され、命や自我、記憶こそ無事であったが彼女の策は失敗。
こうして万策尽き、ネバンリンナを攻略する有効な手立ては失われた……かに思われた。


…どういう事だ、これは?

ナンバー2044…!お前は…ブランクを埋めていなかったのか!?

え…

何故だ…!?お前は、このブランクを埋める事を渇望していながら、何故、遂行していない!?


データ補完のために特攻したナインの新たなデータを吸収したネバンリンナは、
ナインが「自身が知りたかった『ブランク』について完璧に学び終えていない」というネバンリンナにとって衝撃の事実を知る。
彼女が埋めていなかったブランク。その名は『愛』という人の感情。
それを自覚したネバンリンナは動揺し、完全無欠を誇っていた精神に綻びが生じていく。

沖田艦長は誰よりも早く彼女の欠陥を悟り、彼女に語る。
愛とは生命そのもの。人間の根本が愛である以上、それを理解していなければ彼女の得たものは本物の心ではない。
誰かが誰かを愛おしむ心が無い限り、例え文明を再建してもそれではまた旧ガーディム人と同じ末路を辿るだけであると。


黙レ

人間ガ 理解不能ナ 存在ナラバ 全テノ 人間ヲ 滅ボスマデダ

消エロ 地球人。ガーディムノ名ノ下ニ


自身の論理と精神の最大の欠陥を突き付けられたネバンリンナは暴走。
「人間性を捨て去ってシステムに徹し、効率を重視することで強大な力を得る」というガーディムの文明の本質を剥き出しにした、「システム・ネバンリンナ」本来の人格を露わにする。
結局の所、どれだけ素晴らしい人間と評した地球人を見習い彼らから学ぼうと、
彼女というシステムの本質は、彼女が忌み嫌った過去のガーディム人の思考から成長しているどころか、彼らと何ら変わりなかったのである。


理解不能…。地球人モ イスカンダル人モ…

消去ヲ 決定スル…。宇宙ハ 効率ト 合理性ノ 下ニ 存在シナケレバ ナラナイ


こうして、故郷の文明を救わんとしたシステムは、
己が理解できない存在。即ち愛を持つ知的生命体を全て見境なく滅ぼそうとする全宇宙に危機を齎しかねない危険なシステムへと変貌。
ヤマトもスターシャの想いも受け継いだことで波動砲の封印が解かれ、地球艦隊・天駆は最後の死闘を繰り広げる事になる。

地球艦隊・天駆との総力戦の末に25体のネバンリンナ軍団は全滅。
だがネバンリンナは己の敗北と敗北による使命の不達成を認められず、最後の足掻きとばかりにタイムホールを拡げて時空の歪みを加速させて地球を滅ぼそうと目論む。
ネバンリンナの足掻きにより加速した時空の歪みによる地球の危機を救わんと立ち上がったのは、規格外の潜在能力を持つエヴァ初号機、マジンガーZ、真ゲッターの3機。
残る天駆の全ロボット・全艦艇も身を挺してヤマトの波動砲の反動を抑えるストッパーとなる事で、激闘により発射不能になってしまったと思われていたヤマトの波動砲が使用可能になる。
こうして全て仲間達に支えられたことで放たれた波動砲と3機のロボットの力によってタイムホールによる時空の歪みは喪失した。

この時のネバンリンナ達はイベント後にパイロットデータが差し替えられ、なんと精神ポイントが激減し精神も「分析」のみになってしまう。まさに『愛を捨てて 心封じ』ているのである。
そして戦闘時のメッセージも漢字以外カナ表記になり、内容が「疑問」よりも「否定」に偏り、演技も大きく冷たさを増したものになる。是非心して聴き比べたい。

……と此処まで書いたが、このルートでも愛について語られると僅かに言い澱んだり驚いたり、システムの本性を剥き出しにしても尚愛については興味関心が豊富等、
通常ルートで存分に披露したスパロボ史上屈指のポンコツぶりは垣間見えたりする。




【結末】

天駆の面々との死闘の末敗北したネバンリンナであったが、己の使命の為戦いを続行しようとする。
しかしその時、娘とも言うべきナインからとある事実を知らされる。
それは母星を脱出したガーディム人が僅かに生き残り、原住民族と交わった結果今の地球人を生んでいたことこと。
すなわちガーディム人の末裔が地球人であるという事実であった。

その事実を知り、自分自身の行為が自分が守ろうとした人々を自分の手で滅ぼそうとしていたと悟り、絶望と失意に打ちひしがれるネバンリンナ。
しかしナインから、失ったものは戻ってこないこと、そして過去よりも未来に生きる人々を守るという前向きな考えを学び、遂にネバンリンナは戦意を放棄するに至る。

戦意を放棄したネバンリンナは、「愛」の真の意味を理解し、自身の子供とも言うべきナインに希望を託して満足気に消滅した。

すれ違いこそあったが、彼女の地球人を慕う心は本物であったし、自分の任務を最後まで諦めず果たそうとする責任感、そして自らの文明を大切に思う精神性は沖田艦長も敬意を表するなど本物であり、「故郷の再生」という目的自体も宇宙征服といった邪な思惑の混じらない純粋なものであった。
出会いさえ違えば、主人公達やナイン、そして天駆の面々と共に仲良く歩める可能性や未来ももしかしたらあったのかもしれない。


ナンバー2044…。我は…人間と共に生きるお前の存在に憧れ、お前のデータを求めた…

だが我は…人間というものを真に理解するには至らなかったようだ

だが、今の我には不安も恐れもない…。

我の使命は、ナイン…お前が引き継いでくれている…

だから、あの星を…地球を守ってくれ…。これからもずっと…




【保有兵器】

上記の通り凄まじいまでのキャラの濃さとポンコツぶりに目が行くが、実際のボスとしての性能は非常に高い。
特に『困難ルート』での戦闘力は目を瞠るものがある。

アーケイディア


このアーケイディアは、超文明を超えた新文明の産物…。

お前達は、すぐにそれを思い知る事になる。

そして、それを操る我は素晴らしき人間であるお前達を超えた存在だ

全長:22.3m
重量:44.5t
戦闘BGM:覚醒する鉄女神
デザイン:藤井大誠

第8艦隊旗艦バースカルを材料に自らのボディとして造り上げたネバンリンナ専用の人型機動兵器。
各部を走る青いエネルギー流が機体フレームの代わりになっており、そのエネルギー流を装甲が覆うことで全身が構成されている。
バックパックのユニットは過剰エネルギーが変質して形作られた機体以上のサイズのエネルギー・クリスタルで構成。
これをサイコミュの様に動かし組み替えることで大剣やビーム砲、盾、丸鋸として運用できる。
旧来のガーディムの戦術思考とは異なり、地球艦隊・天駆の機動兵器を参考にしたためか、
小型機動兵器の機動力+大火力の組み合わせという戦術思考によって設計されているのが特徴。

超文明ガーディムのテクノロジーと、スレイブナンバー2044であるナインを介して収集した様々な世界の技術の融合体であり、
人型機動兵器の高い機動力・運動性能と大型戦艦クラスの大火力を両立させたヴァング・シリーズの究極系といえる機体。
全長が25m未満とスパロボのオリジナルラスボスではぶっちぎりに小さな機体だが、
本人は「火力、機動性、運動性のバランスが取れた最適解のサイズ」と評している。
実際はMサイズである点が災いして、Lサイズ以上のユニットの攻撃にサイズ差補正が掛かるわけだが

機体名の元ネタは理想郷を意味する「アルカディア」。

通常ルートではラスボスらしく最高のHPと運動性と照準値に加え、こちらに負けじと「集中」「ひらめき」「不屈」「覚醒」を自動でかけ、3回行動+エースボーナスか精神イベントによる「覚醒」で、最大4回行動による真っ向勝負を挑んでくる。
IFルートとも言うべき『困難ルート』では、HPが3万弱という以外は最大3回行動(気力130以上で発生するエースボーナスで+1回される)も含め機体性能とパイロットの能力値やスキルが全く同一のアーケイディアが25体も登場し、プレイヤーの前に立ち塞がる。
一応このルートだと「指揮系統中枢」「オールキャンセラー」がないので異常命中率にはならず、気力ダウンや装甲値ダウンなどといった状態異常や特殊効果は効くのが救い。
しかし高い機体スペックやパイロット能力を持つため、もしネバンリンナにターンを回してしまうと、最大3回行動+トップクラスの高い運動性と照準値+高レベル高性能のパイロットスキルが全て噛み合った最大25体のラスボスの軍勢が一気にプレイヤーを襲ってくる。ラスボスによる総計最大75回行動とかもはや常軌を逸する境地である。
MAP兵器も平然と使ってくるので、自陣の配置やターンの状況次第では一気にタコ殴りにされて部隊がボロボロになりかねない。反撃無双なんざ相当シリーズに慣れてないと無理である。

一応どのルートでも戦闘中にイベントが発生すると、技能レベルや気力が大幅にダウンするなどして弱体化するのがネバンリンナ戦での救済措置か。
戦略や対策をしっかり立てれば例え1週目で困難ルートに入ってしまってもクリアも十分可能である。
また、その前座であるバースカルがEN回復能力を持たない「結構硬い戦艦」止まりなため、ギリギリまで弱らせてから二軍艦長にでも始末を押し付けて彼女が出現する辺りに万全に布陣を敷いておく・SPをチャージしておくと比較的楽に戦える。
勿論、バースカルをマップ兵器の被害を受けない位置に誘導しておく必要があるが。

■武装

  • メビウス・ディザスター
全方位タイプのMAP兵器。
無数の光弾を縦横無尽に飛ばし、最後は円を描くように配置して高速回転させ周囲を吹き飛ばす。
名前の由来は「メビウスの輪」。

  • クライン・クライシス
全方位タイプのMAP兵器。
エネルギー・クリスタルから大出力のレーザーを発射して攻撃する。
名前の由来は「クラインの壺」。

  • テッセラクト・カタストロフ
我はネバンリンナ…!人間を超える者!
受けろ、我の力を!知れ、我の覚悟を!
そして、散れ!原子の塵となって!

テッセラクト・カタストロフ… 我ノ 怒リヲ 思イ知レ
我ハ オ前達ヲ 許サナイ
我ノ 全テヲ 懸ケテ オ前達ヲ 滅ボス

バックパックのユニットを展開・配置して砲身を作り超大出力のレーザーを照射。
レーザーの奔流に呑まれた相手の目の前に転移した後は格闘攻撃や掌からのビーム弾を連続を叩き込み、
更に丸鋸に組み替えたバックパックをサイコミュのように操ることで切り刻むことでダメージを与えつつ、敵を彼方に吹き飛ばす。
そして最後はバックパックのユニットをレーザーの刀身を持つ大剣に再構築した上で、大剣を敵目がけて飛ばしてレーザーを引き裂きながら両断する。

移動後使用可能で射程が1~9マスと穴が無い上に攻撃範囲も広く、命中率が「+70%」*2もあるため、中途半端な改造やスキル育成だと例えリアル系ユニットが集中を掛けても容赦無く高確率で命中する。
名前の由来となるテッセラクトとは「正八胞体」または「四次元超立方体」を意味する単語。多角的にターゲットを殲滅する姿勢の表れだろうか。


その他機動兵器

  • マーダヴァ・デグ
通常ルートにのみ出現。
指揮官用攻撃機マーダヴァのカスタム機。
ナインの完全上位互換とも言うべき能力を持つネバンリンナの手により、極短時間でバースカル内のマーダヴァを改修する形で製造。
AI制御の無人機として天駆との最終決戦にて投入された。
詳しい解説と性能はガーディムの個別項目を参照。


  • スリニバーサ
通常ルートにのみ出現。
ガーディム第8艦隊の戦艦。
クーデターにより第8艦隊を掌握した後自軍の兵力として運用。
こちらもAI制御であるが、実際の操縦はエージェント達が行っていると思われる。
困難ルートでは通常ルート以上の数が出現し、そのすべてがアーケイディアの素材として転用された。
詳しい解説と性能はガーディムの個別項目を参照。



【余談】

純粋な悪や敵とは言い切れない存在という意味では、ナシム・ガンエデンカリ・ユガ、ジスペルに近く、
人造物でありながら自身を創造した者への評価が非常に低い所は、AI1至高神ソルを彷彿とさせる。

名前の由来は涅槃・輪廻とももじりたくなるが、ガーディムのネーミング由来の統一性を考えると、フランスの数学者「ロルフ・ネヴァンリンナ」と思われる。





わからない…!愛などという感情は分からない!

こうなれば、全て追記・修正する!

我の理解できないものは全て消えなさいよ!


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最終更新:2024年02月10日 06:28

*1 ただし即座に再建できる訳ではなく完全な再建には時間は必要。それでもアールフォルツはこのシステムを用いて、20年程度で滅んだガーディムの文明を人間も含め再建し、銀河に1大国家を再構築できると想定しているので、そう考えると十分規格外なシステムである。

*2 困難ルートでの大量出現時には射程1~7、命中+60%。