ヴィオール(FE)

登録日:2017/02/22 (水) 09:04:35
更新日:2024/03/18 Mon 20:28:00
所要時間:約 6 分で読めます






優雅に行こう……。


出典:任天堂公式LINE、https://www.nintendo.co.jp/social/index.html#section-line、2015年9月22日、
ファイアーエムブレム 覚醒、インテリジェントシステムズ、任天堂、2012年4月19日、
(C)2012 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS


概要

『ヴィオール』とは『ファイアーエムブレム 覚醒』に登場する貴族。
初期クラスはアーチャー

CV:小上裕通

誕生日は12月10日。
軍の中で一番、よく鏡の前にいる。夢は誰もがうらやむような優雅な一生を過ごすこと。
覚醒には名門貴族のマリアベルなど貴族が何人か出て来ており、後の『風花雪月』では貴族という兵種自体が登場したが、FEファンが単に貴族と言えば、大抵はヴィオールの事を指している。
この項目でも特に理由がなければ貴族と表現している。

青い長髪を優雅に二つに分けた髪型をし、言葉や立ち振る舞い、その首元のよだれかけスカーフなど何処か気品さを感じる優男。
何事にも「貴族的」に拘る。

12章で加入するセルジュは貴族の部下であり、お互いをなんだかんだで信頼し合っている。
相棒のミネルヴァちゃんからは「ヒョーロクダマ」と思われているようだが。

性別も年齢も関係なく君付けで呼ぶ癖を持ち、絶賛婚活中のナンパ野郎。軍でのあだ名は『女たらしの優男』。
一見すればくだけた三枚目でありながら、腹の中は捉え所がない切れ者……というのが公式の弁だが、本編では切れ者描写以上に三枚目描写が多い。

しかし実際に切れ者というのは本当の話で、軍師としての単純な才能はルフレを大きく上回る
これはチェスのような盤上ゲームでの話で実際の戦場とは異なるが、
それでもルフレが貴族にほとんど勝てないのは事実である。それだけ貴族の観察眼と頭の回転力は凄いのだ。
しかしこれはルフレのゲームであってもなるべく駒を減らさずに勝利をしようという戦法と、貴族の駒を犠牲にしても勝つという戦法の相性の問題でもあるが。
これは貴族いわく「実際の戦場では使えない戦法」、ルフレいわく「卑怯でいやらしい戦法」
とにかく貴族が軍師になると勝率はルフレ以上になるが犠牲者が増えてしまうので、ルフレの方がクロム軍の軍師に相応しいと太鼓判を押している。

なおヒーローズでは軍師のエクラを相手に、今度は本当のチェスをしようとしているが、卑怯な手を使うと言ったら嫌な顔をされている。
つまり軍師として優れているエクラも貴族に卑怯な手を使われると困るという事なのだ。


そんな貴族が加入するのは第1章『砕かれた日常』
ソワレをナンパしながらクロム自警団に加入したさすらいの貴族。


何処かの国から流れて来た貴族とは本人の弁で、ぶっちゃけ長い間自称貴族だった。
実は本当だったと判明するのは舞台が別の大陸へと移動する物語の中盤になってから。

ヴィオールの正体はヴァルム大陸のロザンヌ地方のヴィオール領を治めているヴィオール公爵家の当主。実は凄い身分のお方なのだ。
ではどうして公爵が故郷を離れイーリス大陸にいるのかというと、別にスパイ活動とかではなく単に亡命しているだけ。

実は近年ヴァルム帝国が軍備を整え諸国を侵略し始めたため、一部の民と共に故郷から貴族的に脱出してきたのだ。
これだけだと非常に情けない貴族だが、これには貴族的な事情がある。
前述したとおり貴族はこれでも戦で無駄な犠牲者を出すのを拒む一面を持つ。
そこで民の安全と引き換えに自分の身を差し出すことにしたのだが、貴族の家臣は戦いもせずに散るのをよしとしなかった。
そのため貴族は「領主が戦う意思を見せずに真っ先に逃げだせば、家臣の戦意が消失し、帝国もヴィオール領の民に無茶な事はしないだろう」と考えて亡命したのだ。

しかし領民を見捨てたのも事実であり、貴族はそれに負い目を感じている。
普段の軽薄な行動とは裏腹に、領地復興の為に尽力していて、
ナンパの結果としてイーリスの名門貴族とコネを作ったり、フレデリクに貸しを作ることで復興の援助をクロムに口添えするように約束したりしている。
フレデリク自身の臣下としての能力も高く買っており、高い給金を払ってでも引き抜こうとした。

戦が終結した後ヴィオール領復興のために戻った。領民からの声は冷淡であったが、妻の奮闘のおかげで少しずつ信頼を取り戻したという。

またこんな経緯でクロム軍にいるため、貧乏生活を送っている。
まず日常的に金銭を持ち歩いておらず、貴族的にハーブティーを飲んでいるが、その原材料はその辺に生えている雑草。優雅な貴族とは縁遠い生活である。
借金取りにも追われているらしく、その額はかくまってくれたフレデリクも驚く程。
……だがさらに驚きなのは、その借金取りが追加の融資を申し出たこと。
貴族曰く、戦死されて借金が戻らず共倒れにならないようにバックアップを試みたとの事。
借金という負の関係すらプラスに転じるしたたかさも実に貴族的。


ドラマCDはvol.2のみ登場。
終始暗い雰囲気の話だが、そんな中でも貴族は変わらず優雅に振る舞う。
ルフレの看病をしていたため目立った活躍はなかったが、ルフレの覚悟を受けて、自身も貴族などと格好を着けるのではなくどんなみすぼらしい姿になろうともルフレを守り抜いてみせると誓うシーンは必聴。



歴代のアーチャーの例に漏れず、貴族にも、

  敵
 敵ヴ敵<助けてくれたまえクロム君。
  敵

ク<何をやっているんだ。

という『助けて! ○○!』のネタが存在する。
というかマリアベルとの支援で、貴族が敵に囲まれて涙目になった所をクロムに助けられた事が実際にあったと判明する。貴族ェ……。


中の人は後の風花雪月でギルベルトも演じている。
貴族とは違い、こちらはおふざけ無しの終始シリアスなキャラクターになっている。


性能

本作で序盤に仲間になる貴重なアーチャーなので、意外とお世話になる機会が多い。
というのも敵に飛行ユニットが序盤から登場するので、どうしても使わざるをえなかったりする。
貴族の能力としては技が高く速さはやや低め。成長率は全体的に高いバランス型。
クラスチェンジ先に魔道士系/ドラゴンナイト系がある。
ドラゴンナイト系に転職する場合は先にボウナイトで『弓殺し』を取得しておこう。

……しかし後半ともなると、
ただでさえ女尊男卑で男の人権がないゲームだというのに、
  • 奥義を覚えない
  • デュアル〇〇系も一つもないので後方も大したことない
という彼は大体は貴族的に後ろでお茶をしばく羽目になる。

父親ユニットとして見た場合も、
  • 傭兵になれないので『武器節約』を子供に渡せない
  • 男性専用職についていないので、娘なら素養がペガサスに変化などということもなく疾風迅雷も渡せない
  • 高貴な貴族なので強兵種ダークマージにもなれない
  • そもそも奥義を一つも覚えない。

等々……強力な子供を作ろうとすると優先順位はかなり低い。
一応スナイパーなので『弓殺し』をペガサスに遺伝できるが、
DLCで『アイオテの盾』というそもそも特効を無効化するスキルが登場しているため、
縛りプレイや無課金プレイでもない限りお呼びがかからず踏んだり蹴ったりである。

一人でその傭兵ペガサスダークマージも全て網羅するのとセレナ初音ミクっぽくなるティアモ
最初から『疾風迅雷』も『月光』もあるマリアベル、ビーストキラー回避のために『槍殺し』を遺伝させられるベルベットなどが候補か。
しかし誰とくっついても強いティアモはともかくマリアベルの相手は魔道士資質が被る分ロンクーに後れを、
ベルベットの婿としても奥義がなくソールに後れを取りやすい。そもそもシャンブレーはベルベットがドラゴンナイトになれてしまう都合、
実はベルベットに『槍殺し』を持たせることで『槍殺し』は遺伝できてしまう のでドラゴンナイトの素養はあまり意味がなかったりする。
結果的に誰が相手でも2番手以下という立ち位置になりやすい……。


二次創作等でプレイヤーの間ではセルジュとのカップリングは人気で、電撃オンラインでの実際に結婚させたカップルの調査でも2位を獲得している。
しかし、セルジュの加入時期が遅いので初見プレイでは既に貴族は誰かと結婚しているという事も多い上に、
ヴィオール父ジェロームも上限値こそバランスが良いが、
ドラゴンナイトの資質が重複するため習得できるスキルが減り、奥義も『太陽』のみになる等微妙。
利点は『弓殺し』でドラゴンマスターの弱点を補える点や、自前の『祈り』『回復』『太陽』に加えて『生命吸収』も習得し驚異的な回復力を得られる点か。
『魔防+10』『居合一閃』等DLCスキルで補強してやるのも手。
しかしDLCには例の『アイオテの盾』もあるため、そうなるとますます貴族を親とする意味がなくなる。



親世代の女性とはたいてい結婚できる。出来ないのは配信メンバーやスミア
同じく名門貴族のマリアベルとは貴族とは何かを華麗に語り、
ベルベットとは同胞を失った者同士の話をし、オリヴィエとは優雅な踊りを共に踊った。
従者であるセルジュとの支援では領主としての貴族の苦悩と、それを支える家臣の忠義が見える。
基本的には食えない態度で女性陣を翻弄する貴族なのだが、とある女性との支援のみ振り回されまくる貴族の姿が見える。
さらにその女性との間に出来た子供 に追撃をされる。



台詞

  • 聞いてくれたまえ諸君。私は高貴な弓の使い手。弓は離れた敵に攻撃出来る。近づかず戦う、それが貴族の戦い方だ。
  • 皆、行軍の邪魔だとか、配給の行列が無駄に長くなって困るなどと言って、口々に罵詈雑言を吐き捨てていくので少々辟易していたところなのだよ。
  • あぁ……まるで命の残り時間を数えられているような気分だね……。
    悪いが、本気で逃げさせてもらうよ! 私も、命は惜しいからね……!!
  • 闇に潜むよ……貴族的にね。 どういう事!?
  • 私は言葉のほうが得意だとは言ったが戦いが苦手だとは言っていない。
    もっとも、大切な人々を守ることができなかった私の未熟な腕では戦いが得意などと口が裂けても言えないのは、事実だがね。
  • 私の貴族的な力、存分に振るってくれたまえ。
  • おや、エクラくん。今、異国の盤面遊びに興じていたのだが……暇をしているのなら君も試さないかい?
    これが戦場、この美しい小石が私。実際の戦のように駒を動かすんだよ。そうそう、さすが飲み込みが早いね。
    ……おや、その小石を見捨てないのかい? 戦略上、それさえ犠牲にすれば……他の味方はずいぶん楽になるんだがね。
    それに、私や他の誰を失ったとしても、また新しい英雄を召喚すれば戦力は……それは嫌だ? そうか……ありがとう。
    君は誰一人犠牲にしない精神の者なのだね。では、一番初めに召喚された英雄として、我が主の期待に答えよう……貴族的にね。




準備はいいかな……?

当然でしょ! カルネージフォーム!!

ハリウッド的に決めるわよ!!

出典:https://goo.gl/Shhs6z、2016年1月28日。
幻影異聞録♯FE、アトラス、任天堂、2015年12月26日、
(C)2015 Nintendo/ATLUS、FIRE EMBLEM SERIES:(C)Nintendo/INTELLIGENT SYSTEMS
なんとファイアーエムブレムシリーズとアトラスとのコラボ作品にも華麗に参戦。
『アーチャー』のミラージュでハリウッド的美少女の弓弦エレオノーラ、通称エリーのパートナー。
見た目は全体的に白くなっており、腕も弓状に変化している。
戦うための姿に進化しつつも肩にワンポイントの薔薇をつけているなど、オシャレを忘れない。
ヴィオールっぽくないのにヴィオールっぽいデザインは実に素晴らしい……が、クラスチェンジすると、貴族らしさが遠ざかるのも貴族ゆえか……。

本編開始前に記憶も自我も失い人間界で暴れていたのを黒乃霧亜に倒され、傍にいたエリーのパフォーマに感化されたことで正気に戻る。
その後はエリーを淑女として社交界に送り出すために、エリーの元に留まっている。
エリーを優雅で可憐な淑女にしたい貴族と、おてんば娘のエリーは時に衝突しつつ芸能界で活動していくが、双方不幸体質なのでろくな仕事が回ってこない。

戦闘面では弓に姿を変える。
本作では唯一存在する味方側の弓使いなので戦闘面では重宝する。まぁこのゲームにいらないキャラは存在しないが。




おや……見回り、ご苦労だね。君の頑張りはいつも見ているとも。

貴族的な熱視線……嬉しいだろう?


FE初のスマホゲーにも貴族的に参加。
しかもストーリーに関係しないのにもかかわらずチュートリアルで仲間になる。
これはアンナさんという特殊な例外を除けば歴代の英雄の中で真っ先に仲間になるという大抜擢である。
星の数こそ少ないが本作で希少な弓使いである事、ガチャはオーブをため込んで使った方がお得である事、その前に城の強化に使いがちという事、
狙った職種が出るとは限らない事、敵に飛行ユニットが多いという事などなど……。
多くの事情からプレイヤー――特に無課金の人はヴィオールをメンバーに入れている事が多い。

しかしさすがに配信1年が経過する事には、プレイ開始時に星5の総選挙英雄、フィヨルム
伝承アイクなどが貰えるようになっているため、特にこだわりがなければ貴族を初期メンバーにする理由がなくなってしまっている。……最初の英雄なのに。

それにともなって一年目までの公式動画では貴族が特務機関に混じっていたが、二年目からは貴族の代わりにフィヨルムが混じっている。

そしてついに……ver2.5.0以降はチュートリアルで仲間になる最初の英雄枠がヴィオールから通常のタクミに変更される事になった。
これは初心者のプレイを快適にする改善の一環であり、インフレが進んだ昨今、ヴィオールでは環境についていけないからであった……。
なおヴィオールはマシューやレイ同様にホームでしれっと仲間枠に組み込まれる。……ならそっちをタクミに回せばいいのに……。

だが、そんな貴族にも転機が訪れる。
念願の専用武器『貴族的な弓』の実装である。
特定キャラの専用武器と言うと大半は『○○(キャラ名)の△△』という名称なのだが、
そこに貴族を持ち込んでくるのはやはりヴィオールらしい。

その性能は、敵のHPが自分よりも低く、かつ敵同士で隣接している場合、
該当の敵へパニック(かかっているバフが反転)を付与するというもの。
更に武器錬成により、自分の最大HPが敵の現在HPよりも高い場合、
戦闘中に攻撃、速さ、守備、魔防を+4とする効果を付与できる。

これまではあまり目立たなかったがヴィオールはHPに優れたユニットで、
彼よりもHPの高いユニットはかなり限られてくる。
そのため大半の相手にパニックをかけることが可能であり、
ある意味ライバルのタクミはもちろん、他の弓兵にはできない立ち回りが可能となった。

ちなみに他のスキルは、奥義は与えるダメージが2.5倍となる『流星』、
Aスキルに、ターン開始時にHPが半分以下なら魔防が+7される『魔防の覚醒3』、
Bスキルに、戦闘後に敵の速さを-7する『速さ封じ3』を持つ。
ぶっちゃけこのままでは微妙なのでスキル継承による改造推奨である。
貴族的な弓の習得とその錬成も含めると大量のSPが必要なのでその点は注意。


追記・修正は貴族的にね。

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最終更新:2024年03月18日 20:28