アクト・ザク

登録日:2012/07/30 Mon 12:14:24
更新日:2023/11/22 Wed 06:45:35
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くくっ止まって見えるぞ
カス共が!




アクト・ザクとは、ガンダムシリーズに登場する機動兵器モビルスーツ(MS)である。



【目次】




【性能諸元】

型式番号:MS-11
所属:ジオン公国軍
   地球連邦軍
   新生ネオ・ジオン
開発:ジオン軍・ペズン基地工廠
生産形態:試作機
全高:18.2m
重量:59.1t
出力:1,440kw
推力:64,800kg
センサー有効半径:3,600m
装甲材質:超硬スチール合金
武装:ビームサーベル×2
   専用ヒートホーク×2
   ヒートホーク
   専用ブルパッブガン
   ビームライフル
   120mmマシンガン(ザク・マシンガン)
   280mmバズーカ(ザク・バズーカ)
   ザク・マシンガン改
   シールド

《主なパイロット》
マレット・サンギーヌ
ヴァシリー・ボッシュ



企画『MS-X』にて設定された軍事計画“ペズン計画”によって開発されたジオン公国軍の試作モビルスーツ(MS)。
資料によっては名前に「・(中黒)」が付かない「アクトザク」表記が為される場合も。

一年戦争末期、宇宙基地ペズンで密かに進められていた“ペズン計画”の一環として開発された。
名前からもおわかり頂けるようにジオンの傑作ザクシリーズの一種で、ザクⅡがベースとなっている。しかしその性能は別物と言って差し支えない程に向上しており、新たに“MS-11”の型式番号が与えられた。
ちなみにMS-11とは元々開発が難航していたMS-14ゲルググに割り振られる筈だった物である。


アクト・ザクは、MS-06シリーズの運動性向上を主眼に開発されたMSであり、推力は高機動型ザクやゲルググ以上に引き上げられている。

そしてアクト・ザク最大の特徴は、各所にマグネットコーティングが施されていることである。
本来マグネットコーティングは地球連邦軍系MSの駆動形式に用いられるフィールドモーターに施される技術であり、流体パルスシステム形式のジオン系MSには適していない。
アクト・ザクに施されるマグネットコーティングの技術がジオン独自で開発した物なのか連邦から奪取した物かは不明だが、本機はジオン系MSでも珍しく部分的にフィールドモーターを使用していたことは確かである。

また、ジェネレーター出力が大幅にパワーアップしているのでゲルググ同様にビーム兵器を使用することが出来る。
そのビーム兵器がなかなか完成しなかったんだがな


ぶっちゃけ、ここまでくるとザクの皮を被った何かである。


ザクどころかゲルググ以上の性能を獲得したアクト・ザクだったが、マグネットコーティングによる強化が強過ぎたのか、反応速度を大幅に強化した代償にまっとうな人間では反射が追い付かず、ろくに操縦も出来ない機体となってしまった。
その為にパイロットに合わせてリミッターが設けられたが、推力や出力は変わらないのでまともな人間が使う分には問題なかったようだ。

だがペズン計画そのものが終戦間際だったため、一部が試作されただけで本格的な量産は為されず、実戦配備された数も極少数に留まった。
また上記の「流体パルスシステムが主流のジオン軍でフィールドモーターを採用」の事情も考えると、専用設備や専用パーツ、整備士の専門知識などが求められ、
整備性や維持費、運用コストなどで問題点が多く、どっちみち軍の主力機としての採用は不可能だったと思われる。


しかし戦後、本機を接収した連邦軍はその高性能さに着目してオーガスタ基地などのニュータイプ研究所や開発基地などに配備、実験機として運用された。

開発から7年経ったグリプス戦役の頃にもギャプランの護衛としてコクピットを全天周囲モニターとリニアシートに換装するなどの近代化改修を施した機体が確認されている。

また、連邦から流出したのか新造したのかは不明だが、U.C.0090年頃には新生ネオ・ジオンへの参加も確認されている。


ジオンがザクの発展型として開発し、無念にも時期に恵まれなかったMSだった筈が戦後、連邦軍のMS開発の礎になるという、何とも数奇な運命を辿ったのであった。



【武装】


  • ビームライフル
元々の設定では「ビーム兵器の運用が可能」としか書かれていなかったが、ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』に出演した際に設定された。
形状は何故かハイザック用に開発されたBR-87Aにそっくり(アクトザクの方はフォアグリップがない)だが、これを改良・発展させた物がBR-87Aであるとする資料もある。
これに関しては後述。


  • ビームライフル(BR-87A) / ザク・マシンガン改
『Ζ』に登場した時に持っていた物。
本来はハイザック用の装備だが、近代化改修した際に規格を連邦製に合わせたのだろう。
どちらもジオンが使っていた物を改修、または参考にして開発されたもの*1で、手放した物が一周回って手元に帰ってきたことになる。


  • 専用ブルパップ・ガン
本機専用の4連装マシンガン。
映像作品やゲームに出演した時は大概ビームライフルを持っているため、影が薄い。


  • 専用ヒートホーク
ザクのそれとほぼ同様の近接格闘用装備だが、従来のそれに比べて刃が大きくなっている。
マレット機はこれを2本装備している。


  • ビームサーベル
『MSD』で新たに設定された武装。
サーベルグリップはゲルググのビームナギナタのビーム発振器を片側だけにしたような形状で、リアアーマーのラッチに2本マウント可能。

連邦軍が近代化改修した機体にも装備されていたという説もあるが、詳細不明。


  • シールド
従来のザク系と違って固定式のシールドが無く、設定などに記載もされていなかったが、マレット専用機はゲルググのシールドを装備していたので特に問題なく使用可能なようだ。


  • その他
この他にも所属陣営に合わせた規格の装備を使用可能。

設定画ではクラッカーやビームバズーカの記載もあったが、ビームバズーカの方はペズン・ドワッジにパクられた上にビーム兵器ではなくなってしまった。



【バリエーション】


◆マレット専用アクト・ザク

グラナダ特戦隊の隊長、マレット・サンギーヌ大尉の専用機
外形はブレードアンテナが装備され、上半身の装甲の強化によって両肩部・胸部の形状が若干異なる。
カラーリングは『Z』版準拠の暗いもので、左肩にジオンの紋章がでかでかとマーキングされている。
武器はビームライフルと専用ヒートホークを2本、そしてゲルググのシールド。

機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』に登場。フォルドのガンダム5号機とは幾度も激しい戦いを繰り広げた。
しかしガンダム4号機のメガビームランチャーを紙一重で避けた際にコクピット周りにダメージを負い、顔に醜い火傷を負ったマレットはただでさえ攻撃的でプライドの高い危険な性格が更に歪み、完全に狂気に走ってしまった。

終盤では停戦を認められず、リミッターを解除させたアクト・ザクに軍医を殺して奪った薬物(反射神経を強化するが副作用として人格が崩壊する)で対応、制止した味方のリック・ドムやゲルググを撃破しながらガンダム5号機を追って圧倒したが、最期はコクピットをビームサーベルで貫かれ、撃破された。

一方、if展開ではメガビームランチャーを避けられずに消滅してしまう。


アクト・ザク キシリア部隊機

『MSD』にて新たに設定された派生型。
キシリア・ザビの親衛隊が使用するタイプ。

黒いカラーリングで、頭部に親衛隊所属を表す鶏冠が付いている。
また、動力炉とスラスターが未完成の先行配備だったようで、両肩とバックパックをザクⅡから転用している。
ビーム兵器も持っていない。

あくまでMSDにおける存在なので、本家UC世界にも存在するかは不明。


ザク・マシーナリー

型式番号:MS-11R

『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』に登場。
死んだはずのハマーン・カーンを名乗る女性が率いるネオ・ジオン残党一派が使用するMS。
カラーリングと頭部と右肩のシールドがザクっぽいのでザクⅡっぽく見えるが、よく見るとあまりザクっぽくない。

元々はアナハイム社グラナダ支社が接収したアクト・ザクをリバースエンジニアリングして近代化改修を施した上で新造した機体。
一見するとアクト・ザクの系統には見えないが、試作型の段階ではもっと原型機に似た姿をしていたのでネオ・ジオンに渡ってから改修されたようだ。



【立体化】


2005年にGFFジオノグラフィで立体化。
パーツを換装してザク・フリッパーに組み換えられる。

プラモに関しては2018年1月にHGからキシリア部隊機が一般販売、従来のアクト・ザクがプレミアムバンダイからの発売。
『MS-X』版でなく『MSD』名義での商品化であるので多少従来の設定画と違う点はあるが、キシリア部隊機はジ・オリジン系統キットらしく稼働・オプション共に良好。

通常版アクト・ザクは『MS-X』準拠のデザインとカラーリングで、付属品もキシリア部隊機の物に加えて新たにビームライフル、ビームサーベル2本、2種類のバックパックが付属する完全版と呼ぶべきもの。

また、マレット専用機はどのキットでも組めない。



【ゲームでの活躍】


  • Gジェネシリーズ
基本的な性能は多少強い程度のザクだが、唯一マグネットコーティングの仕様が違う『SPIRITS』ではガンダムを上回る性能があり、コストの安さの割にジオン系でもトップクラスの性能がある。
開発先にザクⅢがあり、早めに高性能なMSが手に入れられるのもグッド。

マレットを乗せると専用機になる。
かなり性能が上がっており、ゲーム中に敵として出てくる物は更に性能が上がっていて、攻撃力とHPだけならサザビー以上という一年戦争編の鬼門となる。
幸い射程は短く、シナリオによってはフォルドのガンダム5号機しか狙ってこない*2場合があるので、絶対に近づかれないようにして射程外から攻撃しよう。


  • 機動戦士ガンダム 戦場の絆
コスト240の近距離型、同コスト帯にはイフリートゲルググMがいるが、それら二機は全体的に癖があるのに比べ安定した能力を持つ。
メイン武器は
◇6連射のザク・マシンガン改
◇3連射のブルパップガン
◇単発でジオン近距離機では唯一持つビーム・ライフル
から選べる。
サブは安定のクラッカーで、格闘はヒート・ホーク。
この機体は丁度ザクⅡの二倍のコストになっている。



【余談】

ゲームなどでは前述の通りビームライフルを装備しているが、一年戦争中なのに何故かハイザック/マラサイ用のライフルを携行している。
MS-Xの頃からビーム兵器を使用出来るという設定は存在していたが、当時は専用のデザインなどは存在せず、このライフルは「ハイザックの低いジェネレータに対応するためにゲルググのものを参考に開発されたもの」という設定であり、当時はまだ存在していない。

一説によると“『機動戦士Ζガンダム』に登場した時の設定画をPS2ゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』に登場させた時に使い回したから”らしいが、真偽は不明。
一応、漫画版以降ではアクト・ザクの物が原型となったという設定に落ち着いたようだ。








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最終更新:2023年11月22日 06:45

*1 BR-87Aは元々の設定だとゲルググのライフルを参考に開発されたとされていた。

*2 味方で囲んで5号機を射程外に逃がせば反撃しか出来なくなる