ラフム(Fate)

登録日:2017/02/16 Thu 04:40:12
更新日:2023/01/14 Sat 19:59:00
所要時間:約 10 分で読めます





※注意※

この項目には『Fate/Grand Order』シナリオ後半のネタバレが含まれています。



























「―――s@4r;f@eeyw@r
 uit@s@k94i4b@ewe?」

「3dtofd@/94、rd@~cb@4。
 fd;.t、nwnqe。」

「qkde qkde!
 g@’ffffffffffffffffff!」


新しいヒトのカタチ


ラフム(Fate)とは、『Fate/Grand Order』に登場するエネミー。


ストーリー第七章「絶対魔獣戦線バビロニア」中盤。
賢王ギルガメッシュが統べるウルクを滅ぼさんとする「三女神同盟」の最後の一角、
ゴルゴーンカルデア一行に討伐され、其の仔であるキングゥまでも退け、
特異点の根源を除去したように見えるが…しかしキングゥは余裕を崩さない。

「……しまった。そういう事か。化かし合いにおいて、一枚上をいかれるとは。」

それどころかマーリンが突然脱落。
ゴルゴーンの死によってティアマトが目覚め、自分を夢の檻に封じていたマーリンを握りつぶしたのだ。
そして――――


「我らの本当の(はは)の姿。人間(おまえ)たちの原罪の姿をとくと見るがいい!」

同時刻、ペルシア湾にある観測所。海が黒く染まっていく最中、研究員たちは、「それ」を目にした。

「――――なんだ、あれは。」
「魔獣じゃない。シュメルの怪物でもない。」
「そもそも、オレたちの世界に、あんな生き物がいる筈がない――――」



ティアマト神の復活と同時に、ペルシア湾海中に正体不明の魔力反応が大量発生。
その総数は一億以上とされ、地上に這い出てきたごく一部のものだけでも十万匹以上。
未知の生命体は瞬く間にメソポタミア全土に拡散し、各都市を襲撃し始める。

逃げ惑うウルク民を襲う生命体をなんとか撃退し、主人公一行はギルガメッシュと合流する。
激変する事態の中でも混乱することなく指揮を取り続ける王。そこでロマニ・アーキマンも生命体の分析を終え、


「時間がない。結論を言おう。アレはメソポタミア世界の基本とも言える素材―――
神代の砂と土……神の泥で構成された、これまでの生命の系統樹には存在しない個体だ。」

「この事から、ボクはあの個体を『ラフム』と名付けた。ティアマト神最初の子供にして、泥の意味を持つものだ。」

◇概要

ティアマト神の概要については彼女の項目にて。
彼女の復活に伴い大量発生したのがこのラフムである。
これを境に第七章後半の敵も魔獣からラフムへ変わり、プレイヤーによってはただ対峙する雑魚敵が変わった程度でしかないかもしれないが…

このラフム、最大の敵であるティアマトを差し置いて七章最大のトラウマとして数々のプレイヤーを恐怖の底へ叩き落とした。

◇特徴

まず語られるのはそのおぞましいビジュアル
手足こそあれど頭に当たる部分が斜め80度に傾けられた巨大な唇と形容し難い姿で、
それが画面上一杯に出現しご丁寧にズームアップまでされる様は否応なく嫌悪感を催す。
正直画像を貼るのも憚られるため、ぜひ読者諸君自らの目で確かめてほしい。

次に生態。
劇中挙げられたラフムの生態については、
  • 消化器官がなく、捕食行動を取る必要もない
  • 雄雌の個体差はなく、無性生殖で繁殖する
  • 超感覚でそれぞれの情報を共有する
など。
「生命体」としての完成度が高いとDr.ロマンは評価するが
  • 人間を集めて同士討ちさせ、残る最後の一人をラフムが殺す
  • 自分の命よりも人間の殺害を優先する
知性体として完全に狂っている。
あまりにも狂気じみた行動にラフムの指揮官に当たる筈のキングゥですら堪忍袋の緒が切れ、彼らを失敗作と言い捨てる。

そして戦闘能力。
キングゥによるとラフムは「キングゥをベースに、より単純化して量産された兵隊」である。
そのため当然強大な戦闘力を持つ。
現代人より何倍も強健なウルク兵が手も足も出ず、一方的にラフムに虐殺されるのも道理。
しかも学習能力が凄まじく、人間を殺している内に言葉を習得し、さらに上位者であるキングゥを騙し討ち、彼の体内にある聖杯を奪い飛行種へ変化する
外見に似合わず驚異な速度で進化するラフムは恐怖の一言。
聖杯を失い傷を負ったとは言えキングゥの反撃を物ともせず、彼が涙を流しながら死を覚悟するまで追い詰める雑魚敵とは一体…

なおラフムがまともな言語を習得する前は、記事上に書いてある「意味不明な数字と英単語の羅列」を口にするが、
これはキーボードの「かな配列」と「英字配列」の関係で、対応するキーを入力すれば日本語として解読できる(いわゆるところの みかか暗号 )。

「―――s@4r;f@eeyw@r
 uit@s@k94i4b@ewe?」
     ↓
「―――と゛うすれは゛いいんて゛す
 なにか゛と゛のようにうこ゛いてい?=「どうすればいいんです 何がどのように動いている?」
となる。
解読したマスター有志に敬礼。

ちなみにアニメ版ではこのギミックが再現できないので、五十音順で2文字前にずらすと意味のある文章になるようにしていた(つまりこっちは某DEBUが使った シーザー暗号 )。
「クツエ!クツエ!キユセヲエ!」
     ↓
かたい!かたい!おもしろい!=「硬い!硬い!面白い!」


ラフムが殺戮を繰り返すのは、ティアマトがラフムに「新しいヒトとして学習しろ」と命じたのを、
ラフムがよりによって人間を殺すのが楽しいという結論に辿り着いたため。
曲がりなりにも新しい人間の仔と名乗るキングゥは当然受け入れるはずもなく、ラフムを否定するも、
そもそもキングゥは最初からティアマトが覚醒するための駒でしかなく、
用済みと言わんばかりにラフムを遣ってキングゥの聖杯を奪い、完全な目覚めを迎えることに…


◇エネミーとしてのラフム

シナリオではこうして猛威を振るうラフムだが、実際戦闘においてもその上なく嫌らしい敵として幾度なくプレイヤーを苦しめる。
というかラフムが登場してからの敵は延々とラフム。ラフムラフムラフム。
概ね、以下の3種類のラフムが登場するが、たった1系統といえるにも関わらず3タイプ全部が嫌らしいユニット性能と不快感をもたらす外見のダブルパンチで精神にダメージを与えてくる。
なお、(一応)雑魚敵にもかかわらず、ラフム戦専用のBGMが用意されているという優遇っぷり。

  • ラフム(基本型)
一番頻繁に出現するタイプ…だが、この時点で十万以上のHPを持つ個体ばかり。
これまでにもHP6桁の敵はそこそこ出現するが、それらは所謂中ボスとも言える敵で精々3wave目=バトルの最後に1体ぐらいだけだった。
…が、ラフムは当然のように2体〜3体出現する。粛清騎士という前例もあるが
圧倒的な物量が反映されるのか、1waveに4体以上いるので倒してもすぐ増援が駆けつけることもある。
攻撃力が高いのは二の次で、一番嫌らしいのは「けたけた笑い」というスキル。
このスキルは一発、無条件で味方一人の掛かっているバフを全部解除+防御力ダウンとまさに嫌がらせそのもの。
特にバフ解除が厄介で、攻撃、防御バフはもちろん、兄貴呪腕殿などが持つ回数型の回避効果ですら一発で消し去る。
幸いラフムのクラスは全部「ランサー」として固定されるため、高火力のセイバーを固め全力で斬り捨てるのが吉。
+ その中には…
ある場面で、主人公一行は一匹のはぐれたラフムとの戦闘に突入にする。
このラフムは40万以上のHPを持つ個体であり、さぞかし強敵なのだろうと、多くのプレイヤーは全力で攻撃を指示したことだろう。

…しかし、いくら攻撃してもこのラフムは反撃せず、ただ意味不明な呟きと行動を繰り返すのみ。
不可解ではあるが、システム上プレイヤーは毎ターン必ず攻撃しなければならないため、その膨大なHPもあっという間に削り切られる。
戦闘終了後、このラフムは逃走(戦闘でHP0になった際も他とは異なり消滅演出でなく撤退演出になっている)し、
Dr.ロマンは情報がラフム間に共有されることを恐れ止めを刺すよう指示するが、
同行者のイシュタルは何かを察したかのようにそれを却下し、一行はその場を後にすることとなる…。

……ゲーム内で明言こそされなかったがこのラフムの正体はアニメ版で明確になっており、ウルクの祭祀長にしてギルガメッシュ王の補佐役、 シドゥリという女性その人 であった。
七章序盤から主人公一行と親交のあった女性であり、ウルクでの生活も彼女の助力があってこそと、プレイヤーにとっても親しみやすい人物。
そしてこのラフムの不可解な行動については、七章序盤にて主人公一行が彼女に「白旗」という言葉の意味を教えたためだとされている。
(七章の舞台である紀元前2600年ごろには当然ながら白旗という文化は存在せず、彼女に白旗を上げるという行動の意味を伝えるシーンが存在する)
そんな彼女がラフム化してしまった上、主人公に教えてもらった白旗のジェスチャーで無抵抗を主張するも、
主人公に気付いてもらえずプレイヤーに攻撃され続ける
…というこのシーンは、全体的に重い展開が続く七章後半の中でも屈指の胸糞シーンとして語られる。

戦闘後のイシュタルの台詞を聞くまでもなく、戦闘中にこのラフムの正体に察しがついたプレイヤーも決して少なくはないだろう。
だが、上述の通りFGOのゲームシステム上「攻撃しない」ことはまずもって不可能であるため、たとえどれだけ拒もうと彼女はプレイヤーの手によって一度は武力で退けるしかない。

彼女の逃走後の行動が、結果的に主人公一行、そしてウルクを救うことになるのは、せめてもの救いである。


  • ベル・ラフム
上述の飛行種。
能力自体はラフムと大差ないがHP20万台は当たり前、HPが40万台を軽く超える個体も出現し、もはや大ボス級と言っても過言ではない。
スキル「せせら笑い」に至ってはNPを20%も減少させる。NPは宝具を使用するために必要なパワーゲージだが、実装当時の戦力で貯めるのは決して簡単ではなく、宝具の使用頻度低下はつまりベル・ラフム戦が長引くことに繋がる。
他にも高威力、Quick性能ダウン付きのチャージアタックが脅威。
クラスは「セイバー」と弱点であるアーチャーも用意したいが、今度は「ランサー」のラフムに不利とそうは問屋が卸さない。

  • ベル・ラフム(ビースト)
最終局面にて出現する11体のベル・ラフム。
これまでのラフムはおろか、かつての通例大ボスである魔神柱すら上回る魔力量を持つ。
ティアマト直属の使い魔らしく、戦闘ではこの11体のベル・ラフムを一気に倒さねばならない。
「11回の戦闘」ではなく、「1回の戦闘で11体のラフムを倒す」とまさに総力戦。
この時点では味方に特殊な強力バフが掛かり、こっちの戦闘力も大幅に上昇しているが、
固有クラス「ビースト」の特徴として「ダメージも被ダメージも全て等倍」と弱点を突くことはできず、まともに戦うと非常に時間が掛かる。

…が、意外にも「即死」耐性が例外的にすっごい!低く、即死宝具を持つサーヴァントなら瞬殺可能。無駄に神性持ちなので、自分で使うと影が薄いアルジュナの神性即死宝具が刺さる。
しかもこの戦闘限定で超心強い助っ人が使用可能、自前ユニットも即死宝具持ちで固めれば意外と早く終わったりする。

+ クラス「ビースト」に関する補足。終章ネタバレ注意
この11匹のラフム、及びティアマトが属するクラス「ビースト」。
七章実装時こそコイツら専用のクラスだったのだが、終章実装に伴い、
今までクラス不明だった魔神柱もビーストに分類されることに。
それによって「特性が違うのに同じクラスに属する2つの種類の敵」というややこしい状況が発生。

…とはいっても、「ダメージも被ダメージも全て等倍」の特性を持つラフムとティアマトは「ビーストⅡ」、
「三騎士に有利、四騎に不利」の特性を持つ魔神柱は「ビーストⅠ」と、実はまったくの別物なのだった。
その証拠にビーストクラスのアイコンをよく見てみると、ナンバーごとに赤丸で埋まっているマークの位置が違う。

全てを総動員し、まさに世界の運命を賭けたティアマト神との決戦を主人公一行は制した。
ティアマトの仔であり、ティアマトと同一の生命であるラフムは消滅。ストーリークリア後に解禁されるフリークエストにラフムの姿は影も形もなくなる。
願わくば二度と登場してほしくないのだが、エルキドゥの幕間の物語にて、本来残っていてはいけないはずのラフムの残党が発見される。
この中にはなんとビーストクラスのラフムまで残っており、これらを掃討してようやく、本当に人類悪の痕跡を断つ事ができると言えよう。

+ チラシの裏
以上、とにかく恐怖の権化であるラフム…なのだが、こいつらを倒すとゲーム内素材「虚影の塵」がほぼ確定でドロップするという見返りがきちんと存在する。
とりわけレアな素材なわけでもないが、サーヴァントの強化に 累計1000は下らないほど超絶大量に必要 な素材であるため、
ラフムはある意味慣れたプレイヤーにとっての 上質な餌 である。
そうでなくとも七章終わってふと気づくと「虚影の塵」が百個以上増えてたいつのまにと驚愕するプレイヤーもいるはず。
同じくHP6桁を超えることもあり、当然のように複数体出現する雑魚敵である粛清騎士と比べて、『素材が美味しい』という点(だけ)は評価される事もある。

余談だが、最終章終局特異点ソロモンにて魔神柱討伐というレイドイベントが行われたのだが、そのあまりの報酬の良さからプレイヤーの多くが狂気のように周回を行い、
殺したかっただけで死んでほしくはなかった」などという迷言すら出たその様は、7章直後だったこともあってまるでラフムのようと例えられた。


「「「「タノシイ!タノシイ!ソザイ、オイシイ!オイシイ!」」」」
「「「「マジンチュウ、カワイソウ!カワイソウ!」」」」






zegd(4pe9\dh(追記修正よろしく)

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • FGO
  • Fate
  • 新人類
  • テラフォーマー
  • 雑魚敵
  • ラフム
  • バビロニア神話
  • みんなのトラウマ
  • セイバー
  • ランサー
  • ビースト
  • ベル・ラフム
  • GO
  • TYPE-MOON
  • キーボード
  • 魔神柱狩りのお前ら
  • 恐怖
  • 狂気
  • 最初の子供
  • 失敗作
  • 学習
  • ヒャクメルゲ
  • 虚影の塵
  • 新しいヒトのカタチ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年01月14日 19:59