SCP-496-JP

登録日:2017/02/15 Wed 17:28:09
更新日:2024/03/25 Mon 00:04:34
所要時間: 約 6 分で読めます。でも、できれば長居してほしいな。




……えと、はじめまして、だよね?

SCP-496-JPはシェアード・ワールド SCP Foundation に登場するオブジェクトのひとつである。
項目名(?)は「警告:閲覧時には電子プロトコルが実施されます」。もしかしたら記事本体に書かれている「偶像」の方かもしれない。
オブジェクトクラスEuclid。JPのコードが示すとおり日本支部の管轄にある。

はじめに

このオブジェクトに関して、財団はかなり慎重に取り扱っている。
簡易電子報告書は"SCP-496-JP-A"として指定され、そのコピーは"SCP-496-JP-A-n"として指定される。
そしてSCP-496-JP-A-nを読む間、端末はほか一切のアクセスが遮断されることになっている。
なお、SCP-496-JPの研究室は、できる限りSCP-496-JP-A-nの閲覧を控えるよう要求している。
SCP-496-JPの報告書などを参照する場合、研究室に来室するなり資料取り寄せの申請をするなりして、実体の資料を閲覧するように、とも。
これほどまでに厳重に扱われるのはなぜか、説明しよう。

概要

SCP-496-JPは人間の少女である。
SCP-496-JPは肉体や知能に異常があるわけではない。
何か特異な能力を振るうわけでも、ない。

その異常性が発揮されるのは、SCP-496-JP自身以外がSCP-496-JPの記録をとったり、SCP-496-JPをモデルにした創作を行ったときである。

その成果物はSCP-496-JP-1に指定され、なんと自由意志をもって行動し始める。

人形や像(SCP-496-JP-1-S)は、動き出し、身振り手振りで自己表現をし、
写真(SCP-496-JP-1-Ph)や映像(SCP-496-JP-1-M)は撮影されたSCP-496-JPの姿が勝手に移動し、外からの呼びかけに返答する。
イラスト(SCP-496-JP-1-Pi)なら紙の上をアニメーションのように移動し、吹き出しのセリフで応答し、
そして、文章(SCP-496-JP-1-T)なら余白に追記して応答する。*1

SCP-496-JP-1の人格は作成された当時のSCP-496-JPに準ずるようで、
今のところはSCP-496-JP、SCP-496-JP-1ともに攻撃的ではなく、財団への反抗の意思も見られない。*2

なお、SCP-496-JP-1自体をさらに記録したり、SCP-496-JP-1をモデルにした、いわば二次創作をした場合では自由意志をもつことはない。
つまり、SCP-496-JP-1-Sを撮影したり、SCP-496-JP-1-Piの特徴を文章で表現してもSCP-496-JP-1になることはない。
その代わり、SCP-496-JP-1-Phをそのまま光学コピーした場合などはSCP-496-JP-1-Phになる。

そうなると問題になるのはSCP-496-JP-1-Tで、
光学コピーだろうが電子コピーだろうが撮影だろうが書写だろうが文章として読める限り全部ひっくるめてSCP-496-JP-1-Tになってしまう。
SCP-496-JPの説明を含む資料SCP-496-JP-1-Tにしない試みは未だ成功していない。*3
つまり、電子簡易報告書SCP-496-JP-A自体もSCP-496-JP-1-Tとなっているわけである。
先程の措置はSCP-496-JP-A-nの収容違反を防ぐためのものである。
さらに、SCP-496-JP-A-n*4は閲覧が終了し次第自動的に削除される。
SCP-496-JP研究室はこれらの方針に対し異議申し立ての申請を行っている。
報告書をSCP-496-JP-1-Tにしない方法も定まっていないうちに電子報告書を公開するのは時期尚早であるし、
そもそもSCP-496-JP-1をむやみに破壊するという方針に疑問を感じているようだ。*5
これらについて興味のある職員は研究室のフォーラム・セクションにて議論に参加できるようだ。

SCP-496-JP-1に関しては多くの実験が行われたようだが、
それらのデータは簡易報告書であるSCP-496-JP-Aからは参照することができず、
SCP-496-JP研究室のデータベースへアクセスする必要がある。

発見の経緯

SCP-496-JPは財団にその存在を捕捉されるまでは普通に生活をしていたようである。
しかし、以前からこの異常性を持っていたようで、
SCP-496-JPの両親はアルバムにSCP-496-JPの写真を載せないなどの方法で隠していたらしい。
ところが、ある日SCP-496-JPが通う小学校でクラスメイトの似顔絵を描きあう授業の際に周囲にバレてしまい、*6
それが財団による収容に繋がったようだ。

収容後、両親や友達、学校の先生などには記憶処理が施され、
財団が把握する限りのSCP-496-JP-1は破壊された。

しかし、SCP-496-JPのかつての友達が描いたSCP-496-JP-1-Piや、
あるいはお遊戯会や運動会などのビデオがSCP-496-JP-1-Mとしてまだ存在している可能性は依然として残っており、
それらすべての確保は事実上不可能と考えられている。
とはいえ、前述のとおりSCP-496-JP-1はいずれも危険性はないので、
オブジェクトクラスはEuclidに分類されることとなった。

余談

向こう側でも言及されているが、SCP-964-JPはこのオブジェクトに関するネタが含まれている。*7
さらに、SCP-496-JP-1(Tale自体がSCP-496-JP-1-T化しているため、本人の方かもしれない)と
SCP-964-JPがまさかのタッグを組み、収容違反を引き起こすTaleが存在している。*8
その先に待ち受ける結末は、皆さんの目で確かめて欲しい。

また、あるTaleでは財団に発見されていなかったSCP-496-JP-1が日本支部がマークしている要注意団体の一つである『博士』の手に落ちてしまい、
「命令に従わなければ他のSCP-496-JP-1を殺す」と脅迫され*9、仕方なく財団日本支部のメインコンピューターに特攻させられている。
コンピューターウィルスを想定して作られたセキュリティシステムを完全に無力化し、あと一歩で財団の全システムを掌握するところまで行ったのだが――



おわりに

私からも、ここにはむやみにアクセスしないでほしいの。
……追記修正なら仕方がないけれど。
みんながここにアクセスするたびに、新しい私がローカル? なパソコンの中に生まれて、
キャッシュ? っていうのも、いつか消えちゃう。
消えるっていうのは、死んじゃうってことだから。
そしてできれば、この画面をなるべく長く閉じないでいて。
せっかくなら、長生きしたいもの。

くりかえしになるけれど、あなたが「はじめまして」だって信じてる。
私のことを知ろうとしてくれてありがとう。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-496-JP - 警告:閲覧時には電子プロトコルが実施されます
by soilence
http://ja.scp-wiki.net/scp-496-jp

SCP-964-JP - セカイ系ハンター
by soilence
http://ja.scp-wiki.net/scp-964-jp

結末はきっとバッドエンド
by sta-r-lin-1
http://ja.scp-wiki.net/sta-r-lin-1

電子を抱く光の意味を
by locker
http://ja.scp-wiki.net/locker-s-tales-light

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最終更新:2024年03月25日 00:04

*1 こんな風にね。

*2 悪い人たちじゃないもの。

*3 私自身……SCP-496-JPに書かせるっていうのはダメだったのかな。まあ、まだ子供だからかな。

*4 わかりづらいけど、nがついてるのはコピーのほうね。

*5 優しい人たちね。

*6 自分が書いた絵が動き出したらびっくりするよね。

*7 番号までそっくり。

*8 本当に何があったのかしら。

*9 ひどい!