エディアカラ生物群

登録日:2017/02/09 Thu 20:50:57
更新日:2023/08/21 Mon 00:13:01
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エディアカラ生物群とは、アデレードの北方にあるエディアカラで発見される生物(の化石)のことである。


概要

エディアカラ生物群は、オーストラリアはアデレードのエディアカラにある丘陵地帯で発見された生物の化石を指す。
基本的にバージェス動物群より昔の生物である。約6億〜5億5千万年前の先カンブリア時代のころ。
バージェス動物群よりも更に体が柔らかい動物の割合が多いのだが、埋まっていた地帯が泥の層であったため、
化石化するのに都合の良い条件が揃ったわけである。要はバージェス動物群と似た経緯で残ったわけである。

バージェス動物群と比較するとでかい生き物が多いのも特徴。
直径数十cm、なんてのはゴロゴロいる。バージェス動物群ではアノマロカリスくんじゃないと太刀打ち出来ない。
まあカンブリア爆発で現れたアノマロカリスくんやオパビニアくんが太刀打ちしてしまったので絶滅したんだけどね。

以下はエディアカラが産地でない先カンブリア時代の生物も扱う。

発見の歴史

エディアカラ生物群が見つかったのは1946年、と言われているが実際にはもっと古く、1922年ごろには化石が見つかっていた。
ではなぜ1946年にスプリッグさんが発見したのが最初、と言われているか、なのだが
実は当初はバージェス動物群と同じカンブリアンモンスターと見なされていたのでそこまで注目を集めてなかったのである。

しかしスプリッグさんは「いやこれカンブリアンモンスターにしてはもっと下の層(カンブリアの示準化石よりも前)やろ」と思い、
「これは最古の化石やで」と主張したのだ。
だが1937年、当時のスプリッグさんはまだまだ大学生。若造の発見なんてものが教授たちに重要に扱ってもらえるわけもなかった。
スプリッグさんはとりあえず卒業し、地質調査しながら、『カンブリアンモンスター』の研究をしていたが、
「やっぱり先カンブリア時代の化石だよ!」とデータとともに主張、流石に認められ、後に論文を提出した。

そして後にエディアカラ以外でも20ヶ所、先カンブリア時代の化石が発見され、生物の復元図がどんどん作られ、現在に至る。

ヴェンド生物とは

この辺りの生物の分類に言及する際に、ヴェンド生物というものが出てくることがある。

これらははっきり言えば「なにがなんだかわからない」生物である。
動物でも植物でもなさそうな形をしていて、現存のどの生物とも類縁性が乏しい、
要は分類がどうなるのかはっきりしないというのがヴェンド生物。
ただし、この呼称は今は使われていない(というか提唱者一派が取り下げた)。

もともとエディアカラ生物群というのはヴェンド紀の生物群のグループの1つとして語られるのだが、
今はヴェンド紀という呼称が使われなくなり、「エディアカラン(またはエディアカラ紀)」と呼ばれているのである。


説明

★はなぜか商品化されたぬいぐるみが存在する生物。

★グリパニア/Grypania sp

最も古い真核生物のひとつで、くるりと巻いた紐のようなもの。
だからぬいぐるみも当然、小さい枕に紐が巻いたような感じになっている。

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そこまでしてぬいぐるみ作りたかったか。

ただし化石自体チューブ状で発見されているので、この表現法自体は間違いではない。

★トリブラキディウム/Tribrachidium heraldicum

三射状の対象な腕を持った生物。この腕は空洞だったと考えられる。
オーストラリアによって50セント切手が作られた。

ぬいぐるみがやったらカラフル。

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★ディッキンソニア/Dickinsonia

最大では1.2mというでかさの平たい生物。
化石の厚みはでかさとは反対に3mm。

あたたかな海を這うように移動していたと考えられ、移動した跡の化石まで残っている。
しかしあまりに分類が難しく、各国の優秀な学者がそれぞれ別の見解を出しているほど。
2013年には、「これ単一の生物じゃなくて微生物群のコロニーなんじゃね?」なんてたまげた説まで出た。


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★パルバンコリナ/Parvancorina

他のエディアカラ生物群と違い、カンブリアンモンスターへのルーツなのではないかとも。
2.5cmと、エディアカラ生物群のなかでは小さいがカンブリアンモンスターでは普通のサイズ。


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★エオアンドロメダ/Eoandromeda octobrachiata

名前の通りアンドロメダに似た感じの生き物。
エディアカラ生物群のなかでは明確に動物と言える生き物。
オーストラリアと中国の両方で発見されたことから、当時オーストラリアと中国は近かったのではないかと推測されている。
(というかこの辺の時代の大陸の様子は、研究者によって見解が大なり小なり違う。)


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★キンベレラ/Kimberella quadrata

殻をもった貝に似た軟体動物的な何か。
貝やイカタコの直接のご先祖様という説と、人や昆虫を含む動物の大部分のご先祖様という説のふたつある。
両方とも意見を取り下げる気がなくてバッチバチにやってて、正直カオス。
この生き物の位置が、カンブリア紀に動物の急激な進化が生じた(カンブリア爆発)という説の解釈に関わるので、何気に超がつく重要参考人ならぬ重要参考生物。

殻から細長い器官が伸びていて、それをつかって海底の表面のバクテリアを食っていたと考えられている。

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スプリッギナ/Spriggina

スプリッグさんからつけられたっぽい生物。
V字型の節がある細長い生き物。

カルニオディスクス/Charniodiscus

海底から生えた巨大な葉っぱのような生き物。
現代のウミエラの先祖と言われている。

プテリデニウム/Pteridinium

全長30cmほどの舟型の生き物。
海底に半分埋まって生活していた。

ヨルギア/Yorgia waggoneri

平たい左右対称の節のある生物。
もはやなにがなんだかわからない。


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最終更新:2023年08月21日 00:13