アカマミレ(クレヨンしんちゃん)

登録日:2017/02/04 (土) 17:32:42
更新日:2024/04/15 Mon 15:42:50
所要時間:約 4 分で読めます






「風呂好きの人間どもめ、
巨大な風呂で溺れるがいい!」



アカマミレとは、映画クレヨンしんちゃん爆発!温泉わくわく大決戦!」に登場する敵キャラクターである。

CV:家弓家正、中村大樹(青年期)


▽目次

◆概要

風呂嫌いテロ組織「YUZAME」のリーダーを務める赤いスーツを着た中年男性。51歳
長嶋茂雄の大ファンで趣味は日曜大工。
幹部に愛人のフロイランカオル、元マッサージ師のキラーフィンガー・ジョーがいる。

30年前のある事件がきっかけで風呂嫌いとなり、風呂好きの人間達に復讐するべく「地球温泉化計画」を計画する。
その内容とはマグマにも耐えられる巨大ロボットを用い、地下のマグマ層を破壊して地表の温度を上昇させ、極地の氷を溶かし、世界の主要都市を海に沈めるという実質的な世界滅亡である。

対立関係にある正義の組織「温泉Gメン」のリーダー草津曰く、「身も心も汚い悪党」と言われており、かなりの卑劣漢である。
例を挙げると、

  • 捕虜の前でこれ見よがしに焼き肉を食い自白を促す
  • それが駄目なら同行していた民間人(0歳児、5歳児、犬含む)により過酷な拷問を課す。
  • 立ちはだかる自衛隊に対し「彼らが最も対峙したくない生物」の鳴き声とテーマ曲を流し戦意喪失させる。

などがある。


◆本編での行動

地球温泉化計画実行直前に捕らえた温泉Gメンのスパイから春日部で彼らが何かをしている事を知り、次に捕らえた彼らに保護されていた野原一家から情報を聞き出すべく、彼が趣味の日曜大工で作ったという拷問用アトラクション「不健康ランド」に招待する。
その内容とは、

  • みさえ&ひろし→腹筋と連動して動くトロッコ、2人のチームワークがカギだがこの時少々ギクシャクしていた2人には酷で、ペナルティが発動するとトロッコの腹筋台がどんどん傾く
  • しんのすけ→ハムスターの車輪のように動かすコースター、ペナルティが発動するとスピードが上がり、百戦錬磨のスーパー5歳児でも体力には限界があった
  • ひまわり→チューブの中を移動するだけだが、ペナルティが発動すると後ろから巨大猫じゃらしが迫ってくる、並の赤ん坊なら衰弱死必死
  • シロ→点灯したパネルから足を離せば動くボート、ペナルティが発動するとパネルの点灯が速くなり、終盤は人間の反射神経じゃまず反応不可能な速度にもかかわらず何とシロだけは最後までノーミスで進めていた。

ミスをすると誰か(=ミスした当人のとは限らない非人道的仕様)のアトラクションの難易度が上がるペナルティ付きで、ゴールに着けば解放すると言っていたが、実際にはゴールなどなく同じ道をグルグルと周回させられるだけ。故に事実上ギブアップさせるだけの施設である。
結果ひろしがギブアップ宣言をしたため、春日部の野原家の地下に願いを叶える「金の魂の湯」があるという情報を入手、計画の前にこれを潰そうとロボットに乗り進撃。
自衛隊を一蹴するも、野原一家を森の中に置いてきただけで始末しなかったのが仇となり、彼らに先回りされてしまう。

こうして始まった最終決戦、ここでアカマミレは自分が風呂嫌いになった過去を打ち明ける、それは……


以下、ネタバレ注意



















物語本編(1999年)から30年前(1969年ごろ*1)、彼は大宮*2に住んでいた大学生だった。彼は当時、大の風呂好きであり、毎日銭湯の一番風呂に入るのが日課であった。
下駄箱はいつも贔屓にしていたプロ野球選手である、読売ジャイアンツ(巨人軍)長嶋茂雄選手の背番号と同じ3番を使っていた。
だがある日、一番に来たにもかかわらず3番の下駄箱の鍵がなくなっていた、誰かが持って帰ってしまったらしい。
これにショックを受けた彼は、


「3番でないとダメなんだ……
長嶋の3番(・・・・・)でないとダメなんだよおおお!」


それ以来風呂が嫌いになり、風呂好きの人間達に復讐を誓ったのだった……

え……それだけ?

この矮小かつ自分勝手な動機にひろし達は勿論の事、もっと御大層な理由を期待していた部下達もドン引きしていた。せめて王貞治の1番で我慢しろ
(もっとも、風呂が嫌いなだけで世界滅亡に加担していた彼等も人の事は言えないが)
だが、草津だけは真剣な表情で彼が通っていた銭湯の名を聞くと、

「すまん私だ!私も長嶋の大ファンだったんだ!」

何とあの時3番の鍵を持ち帰ってしまったのは草津だったのだ*3
(つまり、悪気はなかったとはいえ彼が全ての元凶だったのだ)
これに激昂したアカマミレは、

「やぐらを潰し奴を殺せ!」

草津に全ての怒りをぶつけるべく攻撃を開始、ドリルアームの一撃で野原家の庭と屋根の一部を破壊、勿論ひろしは激怒したが、

「家がちょっと壊れたくらいでわめくな!
私の受けた屈辱に比べたらどうってことないわ!」

と逆ギレする始末である。当然、部下にも呆れられていた。
だがこの行為が仇となり「金の魂の湯」を自らの手で掘り当ててしまう。

これに入った野原一家がパワーアップ(コスプレ)して戦いを挑んでくる。
ロボットのパワーで一時は優位に立つも、家族の力を合わせた最後の一撃でロボットを破壊されてしまう。

それでも彼は諦めず、自らも30年ぶりに温泉に入りパワーアップを計ろうとするも、金の魂の湯のもう一つの効能で悪の心を抜かれてしまう。
すっかり改心したアカマミレは自首を決意、そんな彼に草津は因縁の3番の鍵を渡し「今度一緒に銭湯に行こう」と言われ、その場で泣き崩れるのだった。
そして、部下達や温泉Gメンのメンバーと共に自らが破壊した春日部の復興作業を進めていた。


◆余談

数々の拷問で野原一家を苦しめ、あの運動センスとポジティブの塊といっていいしんのすけを追い詰めた上「負けた」と言わしめるほどの強敵であった。
とはいえ所々で詰めの甘い部分があったり、野原一家が金の魂の湯に入るまで手出しをしなかったりと、やはり彼も根っからの悪人ではなかったのであろう。

クレしん劇場版では初の「元は一般人だったが悲しい経験というには程度が低すぎるがから悪人となった」敵キャラクター。
もっと正確に言うならば、「悪人となった具体的な経緯が語られた」こと自体がクレしん劇場版では珍しいことである。

世界滅亡にまで走ったアカマミレは流石に論外としても、現役当時の長嶋茂雄氏は国民的なスーパースターであり、
「下駄箱やロッカーで3番(および王貞治氏の1番)の鍵が取り合いになり、挙句の果てに盗難する人間まで現れる(これはアカマミレではなく草津だが)」といった行為は 現実でも頻出していた
なお、しんのすけは「今(1999年時点)の長嶋さん(当時、巨人の監督)の背番号は33番*4だゾ」と発言しているが、翌年(2000年)に長嶋監督は広島から江藤智がFAで加入したことに伴い、33番を江藤*5に譲り、背番号3・長嶋茂雄が約四半世紀ぶりに復活した*6

なお回想シーンで使われたBGM「アカマミレの青春」はアコースティックギターによるノスタルジックな曲調の楽曲であり、次々作「オトナ帝国の逆襲」やTVシリーズでも使用された。



これこそ、いわゆるひとつの追記、修正の形だ。

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最終更新:2024年04月15日 15:42

*1 現代でこそ埼玉県には埼玉西武ライオンズが本拠地を置いているが、当時はまだ福岡の西鉄ライオンズ。そして、1969年当時はまさに巨人のV9絶頂期。現代よりはるかに巨人人気とセ・パ両リーグの格差が凄まじく、それぞれ阪神や中日のテリトリーである関西や名古屋以外は日本全国ほとんど巨人ファンで溢れかえっていた。

*2 大宮市(現:さいたま市大宮区)。

*3 なお、持って帰ったのに気付いて返却しに行っており、今草津が持っているのは正式に譲渡されたもの。

*4 長嶋氏は1993年に監督として復帰して以来、同年(1999年)まで背番号33を着用していた。

*5 江藤は広島時代(1990年〜1999年)に背番号33を着用していた。

*6 1974年の現役引退以来。