左腕の代償(遊戯王OCG)

登録日:2017/02/02 Thu 22:06:54
更新日:2024/01/04 Thu 15:00:33
所要時間:約 7 分で読めます







俺が手札に加えるのは、ししゃしょしぇい!!!!!




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左腕の代償
通常魔法
このカードを発動するターン、自分は魔法・罠カードをセットできない。
(1):このカード以外の自分の手札が2枚以上の場合、その手札を全て除外して発動できる。
デッキから魔法カード1枚を手札に加える。

【概要】

「左腕の代償」とは遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
初収録は『MILLENNIUM PACK』。このパックでは原作・アニメで登場したカードが他にもカード化を果たしている。

このカード自体は、好きな魔法カードを何でも1枚サーチできる効果を持つ通常魔法。
ただし、2枚以上の手札すべてを除外するコストがあり、制約として発動ターン中の魔法・罠カードのセットを封じられてしまう。


魔法カードのサーチカードといえば、
フィールド魔法なら、ノーコストの「テラ・フォーミング」、
装備魔法なら、通常召喚不可となる代わりにサーチ・サルベージができる「アームズ・ホール」などがある。
他にも「フュージョン」のカテゴリに属しているならば「捕食植物」でサーチできる。


一方このカードは魔法カードなら何でもいいのが強みであり、上記と比べてサーチ手段が限られる通常魔法・永続魔法・速攻魔法が狙い目となる。

特にサーチできない故に一回でも発動できれば勝敗の行く末を左右する強力な魔法カードをサーチ&状況に応じてサーチ先を柔軟に変える使い方は他のカードにはほとんどできない芸当。


ただし、その分このカードの課す制約・コストはかなり重い。
まずコスト面では、「幻魔の殉教者」等とは違いこのカード以外に手札が2枚以上ないといけないので、
カード・アドバンテージは最もよいパターンで「このカード+手札2枚」のコストによる3:1交換。
つまり最低でも2枚、場合によっちゃそれを越えるディスアドバンテージが生じてしまう。

一方、制約面では発動ターン中に魔法・罠をセットできないので、
魔法・罠をセットする事でこのカードで除外する手札コストを減らすことができず、
速攻魔法を手札に加えても、その性質上、次の相手ターンには発動できない。

さらに除外してしまうので墓地送りに意味を見出すカードを使ってコストを実質踏み倒す、というこの手の手札コストカード定番のテクニックも不可。

発動後は自動的に手札が1枚になってしまうため、手札コストが必要な魔法カードはサーチしても大抵は即座には使えない。

また、このカードを使用した後に「マインドクラッシュ」などでピンポイントにハンデスされたり、
もしくはこのカード自体をカウンターされようものなら、サーチのために払ったコストは完全に無駄になってしまう

このカードを使用したことでプレイヤーが敗北に追い込まれてしまうことも決して珍しくはない。

方向性が違うが、同じく魔法カードの回収を目的とする「魔法石の採掘」が手札を2枚捨てるだけで墓地の魔法カードを回収できることを考えると、
これらのデメリットはかなり重い事が分かる。


……このように難点の多いカードではあるのだが、
それでも即座にかつ確実に手札に強力な魔法を持ってこれる点はやはり魅力的で、相性のいいデッキは数多く存在する。

ここではその一部を紹介していこう。


【相性のいいデッキタイプ】

インフェルノイド
墓地のカードを除外することで、墓地から展開できるデッキ。
とにかく墓地を肥やすことのできる「モンスターゲート」「名推理」や「隣の芝刈り」は、
一発でも撃てれば試合を大きく有利にすることができる。

あるいはモンスターがいない場合の保険として「異次元からの埋葬」をこのカードでサーチして、墓地を肥やすのに使うことができる上に、
そのインフェルノイド共通の召喚条件により手札は調節しやすいのも美味しい所。


インフェルニティ
みんな大好き満足もこのカードを有効に使える。
こちらは手札が減ってしまう点は、(墓地が肥えない点に目を瞑れば)特にデメリットにならず、
インフェルニティの特殊召喚カード「ガン」筆頭に強力な展開補助魔法カードをサーチして、そのままモンスターを展開できる。
除外したモンスターも自身の展開力を活かして、「虚空海竜リヴァイエール」で帰還させられる。
ただし、インフェルニティはモンスターよりも魔法・罠カードを多く入れるため、それらが腐ってしまう危険性はある。
さらにこのカード自身も後半に引いてしまうと腐ってしまうという弱点もある為、投入する場合はその点に注意した構築が必要になる。


ダイヤモンドガイ
デックトップが通常魔法なら次のターンにコストを踏み倒して使用できる「ダイヤモンドガイ」をコンセプトにしたデッキ。
このカード自体が通常魔法であるため、「ダイヤモンドガイ」で引き当てれば、
1ターン待つ必要はあるが、ノーコストの万能魔法サーチカードに化ける。

引き当てられなくても元々ダイヤモンドガイの性質上、デッキに魔法カードを積極的に投入する事になるため、サーチ対象は多い。
ついでに手札で腐った魔法をコストにするという形で処理できる。


ラヴァル
ある程度墓地が肥えていてかつ除外コストに目を瞑ってやれば、
ぶっ壊れ大量展開カード、《真炎の爆発》を呼び込め、そのまま一気に攻めていくことが出来る為、採用の余地は十分にある。


上記のデッキの他にも色々と採用するデッキは存在する為、
失敗すると一気に不利になるリスクを考えると気軽に使えるようなカードではないが、それでもこのカードが非常に強力なカードである事が分かる。


このカードを使う具体的な場面としては、このカードを使う場合は前のターンの内にセットをしておくことで発動体制を整えられる状況か、
その1枚で戦況を大きく覆せる、あるいは除外したカードを積極的に使用できるような状況下で使うのがいいだろう。


【セットできない制約について】

このカードの制約として挙げられている「魔法・罠カードをセットできない」という部分についてだが、
自身のプレイとして伏せるのはもちろんのこと、カードの効果によるセットもできなくなる。
その為、【炎星】の効果等で魔法・罠カードをセットすることも当然不可能なので、気を付けよう。

じゃあセットできたらどう悪用されるのか?まずこんなカードがある。

古代の採掘機
通常魔法
自分フィールド上に「アンティーク・ギア」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、手札を1枚捨てて発動する事ができる。
デッキから魔法カード1枚を選択し、自分フィールド上にセットする。
このターンこの魔法カードを使用する事はできない。

お分かりだろうか?
サーチ対象が古代の機械ではなく魔法全般なので、
即発動はできないが古代の機械がお手軽魔法サーチャーに化けるのである。
まぁ最近の仕様じゃ自己除外や破壊でも発動するから即使えなくても痛くは
ないんだけど。
採掘機自体はリミッター解除や歯車街、機械要塞を引っ張るのに使う。


他には《くず鉄の像》などについても「発動」に対しては特に制約もないので発動自体は可能だが、
自身を再セットする効果は適用できない為、このカードを使用したターンは発動後はセットせずに墓地へ送る。

このほか「モンスターゾーンでも罠カードとしても扱う罠モンスター」も当然このカードでセットできない対象に含まれる。
そしてそういうカードを裏側守備表示にする事もセットとみなされるので、こういったカードを対象にして《月の書》などを発動することは出来ない。
しかし、「モンスターゾーンでは罠カードとしては扱わない罠モンスター」には制約がかからない為、《月の書》もこういったカードを対象にして発動することは出来る。
当然ながらモンスターのセットを始めモンスターを場に出したり効果を使用するのも特に制約はない。

上記の通り、魔法・罠の「発動」はもちろんモンスターカードの使用には制限がかからないので、
このカードで除外してしまう前に手札から発動できるカードをなるべく使ってしまう事で、
セットできない事への対策とするという手もある。


【劇中での活躍】

原作・アニメでの使用者は顔芸こと裏人格のマリク・イシュタール
バトルシティ決勝戦である「vs闇遊戯」で使用し、ししゃしょしぇい死者蘇生》をサーチしたが、すぐに《エクスチェンジ》で奪われてしまった。
とは言え、ここからマリクの長きにわたる《死者蘇生》の使い回しプレイングが続くことになる。

この時セットできない制約は存在せず、コストも手札を全て墓地へ送るというものだった。
ちなみに、漫画版で適用されていたスーパーエキスパートルールでは、手札からの魔法・罠カードの発動とセットの枚数に制限があった。
つまり、セットによって手札の消費を抑えるのは原作でもできなかったのである。
OCGではそのようはルールはなかったものの、
OCG効果のセットを封じるデメリットによって、結果的にではあるがこの部分は再現されることとなった。

アニメ版ではそういった制限が無い点と、《エクスチェンジ》が通常魔法である為か、通常罠であり、
よせばいいのに自分のターンではなく闇遊戯のターンで発動していた。

ちなみに漫画版遊戯王GXでは、十代がこのカードと同じ効果で、必要コストがないという完全なぶっ壊れ魔法カード《魔術師の書庫》を使用している。
コストもないしサーチ対象のカードをドローしていれば展開は一緒のため、あからさまな尺稼ぎカードであった

【イラストについて】

イラストでは、左腕に手枷をはめられた老人が右手で宝箱を掴もうとしており、
背後で男が刀を振り上げて老人の左腕を切り落とそうとしている。
イメージとしては老人は左腕を失うが、その代償として宝箱の財宝を手に入れるというものだろう。
その意味ではカード名によくマッチしたイラストと言える。

また、イラスト以外の面でこのカードの名前について考えてみると、
通常右利きの人がデュエルを行う際にはフィールドのカードゾーンの配置やフィールドを使わない場合でもデュエルディスクの構造の関係から、
大抵は右手でドローを行い、左手で手札を持つことになる。

したがって、手札を持つ「左手」を切り落とすことで持っていた手札を全て除外するという代償を支払う事で、
デッキからカードを取る「右手」でデッキから魔法をサーチすると考えることができ、
そういったプレイングの動作的な意味でもカード名を見事に再現しているとも言える。

最盛期にはリスクを承知の上で【インフェルノイド】が平然と使っており、1マッチともなると普通に2~4枚ぐらい使用していた。
おかげで「インフェルノイド使いは左腕が3本くらいある」なんて揶揄されることも。


なお、このカードの発動に対して「灰流うらら」を使われると、
左腕を斬り落としたうえに宝物も手に入らないという凄まじく悲惨な状況になるので、くれぐれも気を付けよう。



追記・修正は左腕を切り落とすことで形勢を一気に変えられるほどの素晴らしい宝物を手に入れた上でお願いします。



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最終更新:2024年01月04日 15:00