ダンピング/不当廉売

登録日:2017/01/26 Thu 23:55:29
更新日:2023/03/20 Mon 13:16:56
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ダンピング/不当廉売とは、不公正な取引方法の一つである。
要は正当な理由がないのに、不当に物を安売りし、他の事業者の事業を困難にさせてしまうこと。

日本の法律では、独占禁止法や公正取引委員会の定めた不公正な取引方法に定義が定められている。
国際貿易の世界でも、ダンピングは一般に禁止されている。



安売りっていいことではないの?


「不当に物を安く売る」というが、物が安売りされることは本来はいいことである。

日本は資本主義経済である。資本主義経済の下で、企業は競争にさらされなければならない。
その競争によって、個性的な企業や商品・サービスが生まれ、様々な商品やサービスが消費者により良い形で手に入るようになるのである。

なので、国は企業が行う競争について、管理をすることは基本的にしない。
管理しようとするならば、競争が阻害されて経済の発展までが阻害されてしまい、社会の利益とならないのだ。
ちなみに「管理しようとしてマジで経済的に行き詰まってしまった」のがかつての社会主義諸国である。

当然、この競争には価格競争も含まれる。
適法な企業努力の結果として価格が安くなるのは、本来歓迎されることである。従って、政府は本来口を出さない。
人件費から値下げ分の損を回収するブラック企業化や、値下げに伴う安全性の保たれない物品の販売、
強引な販売に伴う詐欺的な売買は違法であり、これらはもちろん取締りの対象となる。
ただし、これらも「売値が安いこと自体」を理由に取り締まっている訳ではない。

競争に敗れ衰退して事業活動が困難となり、倒産する企業が現れても、それは資本主義経済の宿命として扱われる。
倒産した企業の関係者が人間として生きていけなくならないように、健康で文化的な最低限度の生活を
生活保護などの社会保障で面倒を見れば十分というのが、日本の資本主義経済の基本的な考え方である。


ところが、ダンピングというのは価格が安くなるし、売る品物や販売方法に全く問題がなくとも、
価格競争のあり方として問題があると考えられているのだ。
何故ダメなのか。それはこれから例を出して考えてみよう。


ダンピングの例



冷蔵庫業界を牛耳るのはこのF社様だ! 貴様ら中小なんかではない!


冷蔵庫業界にF社・A社・B社の三社しかなく、他にC社が参入を狙っている。
ところが、このうち一番大きなF社が、手元に資本がたくさんあるのをいいことに、
ライバルのA社・B社を追い落とそうと考え、ダンピングをかけようと考えたとしよう。


よし! 先に絶望感をあたえておいてやろう。どうしようもない絶望感をな……。
このF社の冷蔵庫は販売価格がわずかに100円……。
しかもその損を吸収する資金を10兆もオレは残している。
その意味が分かるな?


F社が考えたのは、安全性にも性能にも問題のない、原価10万円の高品質な冷蔵庫を100円で売るダンピングである。
性能も圧倒的で、そんなに安い冷蔵庫があったらどうだろうか。
消費者は、冷蔵庫の安さにつられてF社の冷蔵庫ばかりを買ってしまうことだろう。

もちろん、F社は原価10万円の冷蔵庫を100円で売ることで、1台売るごとに9万円以上も損をしている。
だが、F社自身にはたくさんの資本がある。冷蔵庫を100円で売った損失は、その資本を取り崩して埋められるので、F社はなかなか潰れはしない。
それどころか、長い目で見た戦略としては、一時的に我慢しても後で得をできる可能性があるのだ(後述)。


当たり前だ……たった2匹の中小がこの大企業F社に勝てると思ったのか?


この行動によって「冷蔵庫を売るがF社ほどには金を持っていない」A社・B社は自社の冷蔵庫が売り上げが落ち、倒産あるいは業界からの撤退を余儀なくされる。
A社やB社が冷蔵庫の技術をいくら追求しても、100円という価格の誘惑に太刀打ちできるような商品を開発するのは、現実的に困難だろう。
更に研究・開発には先立つ資本が必要になる場合が殆ど。その資本ですらF社が圧倒している中で、A社やB社がF社の冷蔵庫に挑むことははっきり言って無謀。
A社・B社がつぶれてしまうと、市場にはF社しか残らなくなってしまう。


中途半端な資金力を身につけた者はかえって早死にするよ。そいつを教えてあげようか?


新たなC社が現れて冷蔵庫の販売に参入し、F社の冷蔵庫よりいい冷蔵庫を作ろうとしても、F社の冷蔵庫が幅を利かせている限り、
冷蔵庫業界は参入すればするほど損をする業界になってしまい、ダンピングをしない限りC社も参入するメリットはない。
挑んだところで返り討ちである。
こうして、冷蔵庫市場は焼け野原となり、後にはF社&F社の冷蔵庫しか残らなくなってしまう。


ふふふ……サービス期間は終わったのさ……。


確かに、F社の冷蔵庫を買えた消費者は、一時的には安くて高品質な冷蔵庫が手に入ってホクホクするかもしれない。
だが、F社がもし、業界に自分しかいないことに味をしめ、(本来原価10万円の)冷蔵庫の値段を100万円のぼったくり価格にしてしまったらどうなるだろうか。

F社のダンピングの結果、A社・B社は既に潰されていて生産できない。
C社としては冷蔵庫業界に参入するチャンス到来ではあるが、事業参入には時間がかかる。
仮に参入しても、参入した途端にF社にダンピング価格に戻されたら結局C社は多額の損失を出し、A・B社と同じ運命をたどることになる。


素晴らしい! ホラ、見て御覧なさい!
専務さん、常務さん。こんなにたくさんの儲けですよ……。

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結局消費者は、F社のぼったくり冷蔵庫を買うしかない。

こうやってぼったくり期間が長引けば、F社は冷蔵庫を売るために損をしたはずが、最終的には儲けてしまう。
もちろん、それによってF社の冷蔵庫の品質が上がることが約束される訳ではない。
こうして、冷蔵庫市場はぼったくり冷蔵庫で制圧され、消費者はF社のぼったくり冷蔵庫しか買えなくなってしまうのだ。


ダンピングが悪とされる所以

技術の発展などを理由とした冷蔵庫の品質競争の結果、業界が寡占状態になったのであれば、それはやむを得ない場合もある。
F社の冷蔵庫の品質に違法ではないとはいえ何らかの問題があったとしても、それは他社にとってのチャンス。
いつかF社の冷蔵庫に挑戦し、追い抜く企業が現れるかもしれない。
(なお、資本に物を言わせてよい製品を開発すること自体は消費者の利益につながるので、これもダンピングとはされない)

だが、ダンピングの場合、F社が勝ったのは単純に金を持っていたからに過ぎず、
F社の冷蔵庫の品質が良かったとか、F社が安く冷蔵庫を作る技術を見つけたからではない。
消費者に好んで買ってもらえるようになるという資本主義から見れば好ましいことが、
実は長い目で見た時に、資本主義の目指す競争による消費者の利益を阻害してしまうのである。


また、「B to B(企業間取引)」の観点からも問題がある。
ダンピングは談合の温床になるのである。

一例として、建設業者等に対する公共事業の入札で考えてみよう。
建設業に限らず、古参の大企業に新規参入業者が勝つのは極めて困難である。上記の通り資本も、それまでの培った人脈の幅も桁が違う。
そんな時に新規参入の企業はどうするか。

大抵は「まず名前を売る。儲け度外視でもこの大口の仕事を取れればそれで良い。この赤字はいわば先行投資だ」という戦略を考える。
仕事を受注出来ても赤字になるような価格を自治体に提示する。余りにも現実離れした低価格ならともかく、
無事依頼を完遂実現できそうな範疇の安価な金額であれば、自治体は当然それに乗る。どこも台所事情は苦しいのだから。

そうして、一度だけのつもりで自爆特攻を仕掛けた新規参入社が仕事を落札受注し、他の企業は仕事を取り損ねる。
仮にその新規参入社が着工後に頓挫させて夜逃げしても、既に一度着工した事業に元の額を提示する余力は自治体にも無いので、
仮に入札を再度行ったとしても、提示額は更に下落し、落札する企業にとって旨味は減る。
新規参入社の方にしても、無事完了させても、元々赤字の事業だったのだから既に死に体。

こういう無茶な真似をする企業が一社や二社程度現れて、それ以降は完全消滅するなら、さしたる問題は無い。
しかし、どの業界も経営難にある昨今、広い業界であれば似たような無理をする企業は延々と出現し続ける可能性がある。
そして「先行投資の積りで自滅同然の売名行為として、不当な安値で仕事を掻っ攫っては消えていく無計画な企業」と、
「それらの企業さえ存在しなければ真っ当に仕事を受注して健全に経営出来るのに、仕事を奪われ兵糧攻めに晒される優良企業」
という二分された構図が常態化してしまう恐れがある。

そんな笑えない冗談のような状況に対して
「足並みを乱す馬鹿が現れないように、皆で協議して、なるべく公正に利益を分け合おう。そうして業界を守ろうじゃないか」
などという考え方が現れる。言うまでも無く談合である。
談合は企業間での切磋琢磨が消え去る等、多くの問題を齎す(故に犯罪行為として取り締まられる)。
しかし、ダンピングにその業界が晒されれば「必要悪の自衛手段の一つ」として浮上してしまうのだ。

談合を例にとったが、ダンピングを行われれば、ダンピングとの競争にさらされた企業も、無謀な競争に身を投じるしかない。
ダンピング価格に勝てるような革命的アイデアが出て来るか(当然そんなものホイホイ出てくるわけがない)、ダンピング合戦でもしない限り、その競争の中で生き残る方法はといえば
前記した談合・下請けいじめ・ブラック企業化・安全性確保のための公的規格の無視と言った違法な活動しかない。

いくら資本主義であっても、こんな具合に違法な行為の温床になるダンピングによる競争は、消費者や社会全体の利益につながらない。
これなら、国家が適切な価格を設定する社会主義の方がまだ消費者の利益になる。
資本主義経済はあくまでも大企業を儲けさせるための仕組みではなく、競争を通じて社会に利益を還元させるための仕組みである。
大企業が儲かるばかりで社会の利益にならないダンピングは禁止されるのだ。



どんな安売りがダメなの?


本来なら、安売りそれ自体は決して悪いことではない。むしろ競争の成果そのものである。
あくまでも「競争を邪魔するような安売り」がダンピングである

ダンピングの要件としては、他の事業者の事業活動を困難にさせる恐れがあることである。
とはいえ、普通の安売りでも競争に敗れた他の事業者を苦しくするものであり、
単純に他の事業者が自分の商品が売れなくなって困っているというだけではダンピングとは言えない。

ダンピングの要件としては、こんなものがある。

①供給に要する費用を著しく下回る対価しかとらない


いわゆる原価割れという状況である。
原価割れは、当の企業としては、その商品を作れば作るほど、売れば売るほど損をする状況である。
あくまでも「当の売っている企業自身が現実に損をする」場合がダンピングであり、「他の企業にまねできない」というだけでは不当ではない。
安く作れる・仕入れられる仕組みを構築することは、評価されるべき立派な競争の手法である。
例えばテレビ番組が原則として無償で見られるのは、広告費という形で無料で見られる仕組みを構築しているからであり、ダンピングではないのだ。


②いつまでもやっている


例えば開店セールのような一時的なバーゲンの目玉商品として、
原価割れな値段で売る・配布するならば、一時的なものであって他の事業者を脅かすまでには至らないだろう。
そのバーゲンで店の名前を売ることで、バーゲン終了後にきちんとした価格で売って回収に走れば、全体としては儲けられる。
だが、いつまでもそれを継続するとなると、自分はもうからないし、周囲は脅かされる。
それでも続ける安値は、他の企業を潰すためのダンピングに他ならないと考えられるのだ。
なお原価割れを起こしていなくても、いつまでも商品を定価販売する気が無いような場合は景品表示法違反となる。
なので1年以上も閉店セールをやっていたり、常に割引価格で商品を提供するような店は、最悪行政からきつーいお説教を受けることとなる。*1


③正当な理由がない


例えば、季節ものの商品が売れ残ったり、型落ち等で市場価格が落ちてしまって原価そのままでも買ってくれそうにない。
在庫として税が上がったり(消費者間では意外と知られていないが、上がるのである)、置き場として倉庫を借りるだけでも費用がかかる。
生鮮食品ならば腐ってしまい、余計に処分に費用がかかることも考えられる。
そして価値が0円やマイナスになってしまうくらいなら例え原価を割っても安く投げ売りする方がまだしも得だ。
時として利益度外視の決算セールが行われる理由の1つはここにある。

あるいは、高性能だが知名度の低い新商品について、消費者に注目してもらうためのサンプルとして配布するのは
後々売却しての利益を見込むための先行投資であり、経済的に合理性があり、これも正当な理由があると考えられる。

逆に、こうした正当な理由なく原価割れで売っては世の中のためにならないのである。







余談


ダンピングとは異なるが、

「超一流人物があまりに安売りした結果、消費者などの考える当該商品に対する適正価格が大幅に落ち、結果として業界全体が費用を取れない業界となって衰退する」

という現象が指摘されることもある。
クリエイターの仕事やスポーツ選手の年俸などがその例である。

もちろん彼らはその仕事で稼ぐために何年も修行し、あるいは試合や制作時間以外にも勉強や練習に励み、それによってよい作品や好プレーを見せてくれる場合が多い。
しかし、そこに至るまでの「原価」というべき修行の時間は計算しようがないから、ダンピングを想定しようがない。

結果として、過剰な安売りに法律の規制が及ばず、当座の生活に困ったクリエイターや選手に対しての買い叩きが横行しやすい。
他方、個人的に金を持っていたり、業界に3人といない超一流人物は買い叩かれても生活がかからないため、ボランティア気分で二束三文の安売りをしてしまう。
業界自体が黎明期で社会全体に向けて売り込みをしなければならないような場合は、ある程度安い金額にした上でまず売り込むと言う戦略は一理あるが、黎明期の感覚のまま業界が「軌道に乗る」と、業界が自ら買い叩かせることになる。

有名な例は、ミスタータイガースの異名を持つ阪神のプロ野球選手である藤村富美男の例である。
人の良かった彼は、球団と全く年俸交渉せず、球団の言い値で簡単に年俸に合意してしまった。
だが、彼ほどの名選手がこの程度の金額でいいなら……ということで球団は藤村を基準に他の選手の年俸まで決めてしまった
他の選手たちは次々不満を抱くようになり、1956年、一部の選手たちが選手兼監督だった藤村の解任を要求し、内紛になってしまった。
(この内紛の背景は言い分の食い違いや不明な点も多いが、藤村は自身の淡泊な年俸交渉が原因であることを認めている)

藤村は人が良かったと言われるし、そもそも野球は藤村一人ではやりようがない。
決して悪意ある独占をして他の選手を困らせようなどとは考えていなかったと思われる。
だが、依頼主に対して善意で安価な報酬額を提示、あるいは相場を知らない依頼主の言い分に応じた結果、買いたたきを許すことになってしまったのだった。

他にも60年代から70年代まで巨人のV9時代の黄金期を支えたONこと王貞治と長嶋茂雄は契約更改では「(白紙に)いくら欲しいか書いてくれ」という事実上自身の言い値で年俸を決められるという待遇であったが、2人は特に年俸にこだわりは無かった為、上げて欲しいという声は殆ど無かったらしく謙虚な金額を書いていたが、それが2人の年俸の基準にして、他の選手はそれ以下の金額でいいということになり、一部の選手はこれに不満を持っていたのもいるらしい。

プロ野球には「銭闘」と呼ばれる年俸競争のガチンコも少なくない。
もちろん金が欲しい、評価してほしいという選手もいるだろうし、年俸設定が不透明でどんぶり勘定な球団も多いことにも原因があるだろう。
が、名選手の間では、自分が全く釣り上げないことで後輩たちに更なる我慢を強いることが問題という見方があるのも確かである。

プロ野球に限らない。

「以前に頼んだ人はこんないい仕事を二束三文で出してくれた。だから、今回の案件も同じような安さで良いよね?」
なんて買い叩きに近いやり取りは往々にしてある。
当Wikiで比較的馴染み深いところで言えば、キャラクターデザインや背景画等の仕事でよく指摘される。
これも上記のプロスポーツ選手の例同様
「良質な力作を、善意から無料同然で提供した結果、その話が具体的事例として広まって『デザインは無料同然で依頼出来る』と発注側は悪意を持った訳ではなく勘違いしてしまった」
なんて事象は珍しいことではない。

特にこの手の話で有名なのはやなせたかしで、各地のご当地キャラをタダ同然で気前良くデザインした結果、この業界の価格を破壊した、と漫画家の吉田戦車は批判している(実際にダンピングに相当するかはともかく、やなせたかしが200ほどのご当地キャラを無償で提供したのは事実らしい)。

その以前に頼んだ人が全てをやるのならば競争の結果としてやむを得ない面はあるが、一人や二人の超一流人物だけで続く業界はそうない。
「あなたは前に二束三文でやってくれた。こっちも苦しくなってきてるから、二束三文じゃなくて、二束二文でやってくれるよね?」
となってくれば、当の超一流人物すらただでは済まなくなり、ついには業界全体がつぶれてしまうことすらありえる。

腕のいい高齢者がやっている安ーい商店や食堂なんかも、実は高齢者が年金などで生活でき、店のローンなどからも解放されていて趣味のように経営出来るなどという好条件が前提である。
その高齢者が引退すれば、残された他の経営者たちは
「あんなに腕のいい高齢者だってこの金額だった!あれ以上のお金は払わない!!」
という感覚のマヒしてしまった消費者の無茶ぶりに耐えねばならない。
当の高齢者は引退して悠々自適でも、業界全体を衰退させるのに貢献してしまうのである。

一方で逆のパターンも充分にあり得る話で、アマチュアないし若手のプロが安価で依頼を引き受けてしまうと事例も後を絶たない。
イラストレーションや音楽制作といった創作活動は、一流のプロに支払われる相場が不明確である*2事から、正しい相場が浸透していない影響も大きい。

業界人は常に情報に気を配り、高品質のものにはそれなりの値段をつける姿勢を忘れない必要があるだろう。『誠意は言葉ではなく金額』である。
既に起きている買い叩きに対しては、業界全体で「戦う」という姿勢を見せることも必要である。


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最終更新:2023年03月20日 13:16

*1 実際、北海道の某焼肉チェーンがそれで怒られた。

*2 契約上又は防犯上の都合からあまり話題になる事がない。