ヴェンダリスタ星人

登録日:2017/01/26 (木) 00:50:35
更新日:2023/04/14 Fri 19:31:22
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足並みを揃えない異分子は切り捨てなくてはならない。

その点で我らヴェンダリスタと人類は遠くはない。

我らは『袂を分かちて朝日を望む者』。考えの異なる者を排除し、繁栄を遂げて来た。



ヴェンダリスタ星人とは、小説『ウルトラマンデュアル』に登場する敵対異星人
地球における正式名は「VENDALISTA星人」といい、「袂を分かちて朝日を望む者」と自称する。



【概要】

クサカゲロウを彷彿とさせる美しい姿と合理的な考えを持つ種族。
「社会全体で反社会的な存在を排除している」という理由から、協調性を重視し、社会全体の事を考えるよう、個でありながら群れになるように徹底的な進化を遂げてきた。
とはいえ、これは精神的な統一性における全体主義によるものであり、肉体的・遺伝的な類似性や繋がりには無頓着で、本体の外見には意外と個性があったりする。


【ヴェンダリスタ星】

「天の川銀河」にある惑星の一つであり、この銀河にはあと3つほど知的生命体が住む星が存在する。
それらは光の国と対峙するために星間連合「ギャラフィアン」を結成し、日夜宇宙の果てでウルトラ戦士と争っている。
その中でもこの星はギャラフィアンに所属する惑星の中で特に知略に優れており、合理的で冷酷な侵略のプロフェッショナル。
また、侵略先での傍若無人な振る舞いについては「後々取り返しのつかない事態になるかもしれない」という理由で嫌っている。
この考え故に、ギャラフィアンの中で唯一交渉といった行動が成立する種族でもある。


【能力】

戦闘力自体は大した事はないが、自衛行動するマントを装備している。

しかし、ヴェンダリスタ星人の最大の特徴は自身の精神を7万に分割出来る点。
さらにこの分割した精神を他の生命体(人間の他、怪獣も含む)に寄生させて「宿体」とする事により、他者を意のままに操る事が出来るようになる。
つまり、1人地球に潜入するだけで事実上他生物を自由に操る力を持った7万人のヴェンダリスタ星人がいる事になる。
なお、宿体が殺されても精神が別の体に乗り移るだけで済む他、国によっては宿体を殺しても普通に殺人罪が適用されるため、相手側にとっては無駄骨になってしまう。

ただし、この能力にも色々と欠点もある。
宿体にする相手とは相性が存在しており、当然相性が良い方が居心地も動かしやすさも高くなるのだが、 相性が良すぎると「そのまま分離出来なくなってしまう」という危機感から生存本能が刺激され、逆に強烈な不快感を覚えてしまうリスクがある。
またそうでなくとも長く取り憑いていると宿体の影響を受けたり、限定条件下で主導権を奪われるといったケースもある様子。

そして何より、地球人も1人の個体が様々な性格を同居させているように、ヴェンダリスタ星人も精神を分割していくうちにメインの個体とは少し異なる思想を持った個体も現れる。
統括する全体の意思を「総体」と呼ばれ、自分の中で思想が大きく異なる個体は「くずれ」と呼ばれる。

前述の通り、ヴェンダリスタ星人は全体思考な種族であり、そこから外れた「くずれ」とは反社会的な思想を持つ。
つまり、仲間や他の自分にも迷惑をかけてもいいと考えているような個人主義な人格である事が多く、くずれと判断したら総体はその個体を切り捨てる。
1人のヴェンダリスタ星人から切り捨てられたくずれの数が多いと、そのくずれが集まって合体する事で新たなヴェンダリスタ星人となる。
くずれは本体と大きく思想が異なるので元となった個体とは完全に別人と言ってもいい。
ただし、前述したようにくずれというのは「反社会的な存在」であり、肉体を得ても社会から処分されてしまう。


【物語での活躍】

地球を侵略する際も、まず地球全体に宇宙公用語で「特定の日に都市を爆破します。日時を教えるから避難してね(意訳)」という内容を数日間にわたって連絡し、その宇宙語を解析して応答出来るかで文明レベルを見極める。
地球の文明レベルを把握後、宇宙から世界中の都市を攻撃し、この時あえて都市の中心部から外しておく事で自分達の存在の植え付けと、力の差を見せつけた。
さらに地球からの電波と交渉メッセージを解読する事で地球語をマスターし、メッセージにあった地球の交渉場にわざわざ出向く事で、
地球人のあらゆる天才は宇宙語を理解出来なかったのに対し、ヴェンダリスタ星人は解読出来た文明や知的生命体としての決定的な違いを教え、地球人の天才達から戦意を確実に奪い去った。
こうしてヴェンダリスタ星人は交渉を開始する前に交渉に成功したも同然の状態で、地球人に「地球をギャラフィアンの拠点として土地をよこせ」と要求を始めた。

しかし、地球と交渉し始めてからしばらくした後、地球に来た宇宙警備隊と交戦し、お互い相打ちで終わった。
光の国側はウルトラセイントティアだけが生き残ったが、ギャラフィアンは7人のヴェンダリスタ星人が生き残った。
そしてヴェンダリスタ星人は光の国の飛び地で立て籠もるティアを引きずり出すために、地球・光の国の飛び地と怪獣や政治での駆け引きを駆使して戦っていく事になった。

全てはギャラフィアンの援軍が来るまでの時間稼ぎも兼ねていたが、仮に援軍が来たとして、成果がなくては加盟している他の宇宙人から粛清される恐れがあった。
そのためにティアの生け捕りを狙っていたが、地球人をあまりにも甘く見ていた事から来る慢心やティアの反撃、ウルトラマンデュアルの奮闘に阻まれて失敗。
東京の中心へ向かわせていた移送船の落下が迫っていた事もあり、作戦を断念して全員での撤退を選択。
だが、最終的にはウルトラマンブリッジのアシストを受けてデュアルが放ったショルト・ストライクが直撃し、飛行船諸共吹き飛んで全滅することとなった。


【登場個体】

本編で登場するのは7人のうち、3人の精神分割体が主。
つまり、地球上には計21万のヴェンダリスタ星人が世界中に散らばっている事になる。
他の2体が自身のスペースシップに残り、残りの2体は光の国のスペースシップを乗っ取り、ディメンションゲージ内に保護されていた怪獣を改造・派遣する役目を担っている。

キップ

地球にいるヴェンダリスタ星人の中でもリーダー格的存在。デュアルⅠの殺害に成功する。
本編によく登場するのは片蔵誉に取り憑いた個体で、恐らくは総体の中でもメイン格。
感情を挟まず侵略行動を「事業」として真面目に行っている。
誉に取りついていたのはキップの主人格に当たる部分で、最終決戦に際して誉から分離して本体へ戻ろうとしたが、ここに来てデュアルIだった父・正蔵の復讐のために誉が用意していたトラップに引っ掛かり、彼の体に封じ込められてしまった。
結果、キップ本体が大幅に弱体化し、デュアルに付け入る隙を与えてしまった。


メイス

本編で主に登場するのは総体の中で「くずれ」ギリギリの存在。
食べる事が大好きで、宿体が太ると「動きにくい」という理由でさっさと乗り換えるなど、かなり自己中心的
最終決戦では「くずれ」が巨大怪人を宿体として出現するが、ナヴィガーレに宿体からの分離を封じられ、デュアルによって倒された。


ラト

本編で主に登場するのは「くずれ」のラト。
軽率で目立つ行動も多く、自由気ままに地球人をこき使うため、他のラト達から嫌われている。
また、気に入らない地球人をすぐ「ブラックリスト」と呼ばれる黒い石板に登録している。
中盤になって成果が上がらない事に焦るあまり、他の「くずれ」と共に別行動を取り、岡地から仕入れた情報でティアの秘密を暴き出す寸前まで至るものの、ナヴィガーレの介入で失敗。
最期は宿体としていたベビボンに閉じ込められ、光線の直撃を食らって消滅した。
終盤では軽率さの極みとして、「ブラックリスト」を元の宿体だった女子高生の中に忘れていた事が明かされ、結果ティアズ・スタンドに襲撃の日時を特定されるという大ポカをやらかしていた事が判明した。




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最終更新:2023年04月14日 19:31