十二獣(遊戯王OCG)

登録日:2017/01/25 Wed 17:54:44
更新日:2023/11/24 Fri 19:53:30
所要時間:約 22 分で読めます




十二(じゅうに)(しし)とは、遊戯王OCGのカードカテゴリの一つ。「じゅうにじゅう」ではない。
英語名は「Zoodiac(=Zoo+Zodiac)」


概要

レイジング・テンペストで登場したテーマ。
属するモンスターは全て地属性獣戦士族で統一されており、名前から察しがつくようにモチーフは十二支
全身がそれぞれの動物の特徴を持った人間型であり、片腕に巨大な籠手と巨大な武器を持っている。

テーマとしてはエクシーズ召喚に特化しており、下級を並べてエクシーズ召喚して効果で攻める、というのが基本の流れ。
しかし、そんなどこかほのぼのとしたイメージからは裏腹に、このカテゴリはかなりの武闘派である。
魔法や罠のイラストからは竜剣士をはじめ、いわゆる「Pの一族」と関連するバックストーリーが見受けられるが。


効果

まず、下級モンスターは次の共通効果を持つ。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●(固有の効果)

十二獣でなくとも、現状三種類いる他の獣戦士エクシーズにも適用可能である。
そして、エクシーズモンスターは次の効果外テキストと共通効果を持つ。

「十二獣○○」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。

……うん? 何かおかしなものが見えたぞ?

「十二獣○○」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。


そう。十二獣のエクシーズモンスター達は、自分の場の他の十二獣から簡単にエクシーズ・チェンジできるのである。
そういうモンスターならば「希望皇ホープ」シリーズを始め、カテゴリでなければダウナード・マジシャンとかそれなりにいる。
が、テキストをもう一度よく読んでみよう。

同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。

お分かりだろうか?
土台となる十二獣がエクシーズに限定されていないのである。
つまり、下級の十二獣を1枚出せば、そいつ1枚で十二獣のエクシーズを呼び出し、さらにそいつを素材に別の十二獣、さらに別の十二獣、と繋げることができるのだ。
つまり下級モンスターが大量の効果を持っているのに近い状態になっている。
アニメZEXAL・ARC-Vでしょっちゅう見られた「1体で2体分のエクシーズ素材となる」を実際に持ってきたようなもんである。

???「モンスター1枚でエクシーズだと!? インチキ効果もいい加減にしろ!」

また制限されているのは自身の効果でのエクシーズ召喚のみ、つまり同レベルをそろえての通常のエクシーズ召喚は制限なく可能という事である。
そのため
「十二獣Aを普通に出す→十二獣Bを効果で出す→十二獣Aを効果で出す(またはその逆)」
とする事で、十二獣Aの効果を2回使う動きが行えるのである。
とはいえ通常の方法で出すのには重かったり、1ターンに2回以上効果を使う意味があまりないカードもあるので現実的なのは素材2体で出せるブルホーンとライカぐらいか。

もちろん、弱点もある。十二獣のエクシーズは、全て攻撃力・守備力が?(実質0)である。
それは、素材となっている下級の十二獣の攻撃力・守備力の合計値が、そのまま自身のステータスに加算されることで補われるが、エクシーズ以外のモンスターも基本的に打点が低い。
つまり、何度エクシーズしても攻撃力0のまま上がらない、ということが普通に発生するのだ。

また、十二獣エクシーズはエクシーズの上にエクシーズを重ね続けることで強さを発揮する性質上かつての汎用ランク4の問題児の比じゃないぐらいエクストラを圧迫する。
少なくともエクストラの半分が十二獣エクシーズに占領されるという事も珍しくはない。

が、そんな弱点を補うさまざまな効果が、十二獣たちには備わっているのである。



下級モンスター


  • 十二(じゅうに)(しし)モルモラット
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻 0/守 0
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「十二獣」カード1枚を墓地へ送る。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
手札・デッキから「十二獣モルモラット」1体を特殊召喚する。

子年の十二獣。
十二獣限定の「おろかな埋葬」を内蔵しているが、送るのはモンスターに限らないため、「十二獣の方合」を墓地に送り、墓地の十二獣を回収する準備をするなど応用が利く。
素材効果は後続のモルモラットのリクルート。
1ターンに一度の制限が付いているがこれは効果を発動するXモンスターに対するものなので効果発動後別の十二獣にエクシーズ・チェンジしてしまえば再び発動可能という酷い制限詐欺となっている。
つまりこのカードを1枚フィールドに出すだけで十二獣エクシーズ1体とモルモラット2体が並ぶのだ。
十二獣のエクシーズ達は、同名カードのエクシーズ・チェンジがターン1回に限定されているものの素材の縛りはないため、使い方次第ではこいつ1枚を出すだけでランク4を2体並べることもできる。
この性質を持つためあらゆるデッキリクルートを否定する灰流うららには強かった。
出始めの頃は十二獣エクシーズが4種類だったため1ターンに2回モルモラットを出すのが大体限界だったが、後に2種類増えたため最初のエクシーズでダイガスタ・エメラルを絡め更に出すことが可能になった。
さすがに大暴れしすぎたためか、2017年4月のリミットレギュレーションでの制限入りが決定。これにより素材効果が完全に無意味になってしまった。*1
それでも墓地送り効果により初動から墓地に十二獣を要求するライカなどの効果を起動できるようにするため現在でも重要な役割を担う。
名前はモルモット+ラットか。


  • 十二(じゅうに)(しし)ラビーナ
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻 800/守 800
(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、「十二獣ラビーナ」以外の自分の墓地の「十二獣」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードを対象とする相手の魔法カードの効果が発動した時、このカードのX素材を1枚取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。

卯年の十二獣。
十二獣カードのサルベージ効果を持っている。回収先の筆頭候補は、手札からも素材になれるヴァイパーあたりか。
モンスター限定ではないので禁止前なら会局も狙える。
素材効果は素材をコストにしての魔法耐性。ただ、対象を取る魔法というのは基本的に自分のモンスターに対して使うものであり、モンスターの除去ならばモンスター効果や罠に頼るのが常道であるため、出番は少ないだろう。
ただ、十二獣メタとして有用な聖杯や月の書を回避できるため有用な効果ではある。


  • 十二(じゅうに)(しし)ヴァイパー
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1200/守 400
(1):自分フィールド上の獣戦士族Xモンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・フィールドのこのカードをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に発動する。
その相手モンスターを除外する。

巳年の十二獣。
手札かフィールドからエクシーズ素材になる固有効果を持つ。ライカで蘇生したものを次のターン素材にすることも可能。
基本的には攻撃力1200アップのコンバットトリックとして使うことができる。
ただしこのカード自身にはステータスを上昇させる効果はないためダメージステップには発動できない。
このカードを素材に入れるのを見てから妨害をぶつけられて、無駄に使わされることには注意しなければならない。
素材効果は「異次元の女戦士」などと同様の、戦闘を行ったモンスターの除外効果付与。こちらが返り討ちになった場合でも発動するため、最低でも1体は確実に除去できるのが強み。
ちなみに、効果がいずれも十二獣を指定しておらずランクも問わないため、獣戦士族のエクシーズの支援としても使える。


  • 十二(じゅうに)(しし)サラブレード
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1600/守 0
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
手札から「十二獣」カード1枚を捨て、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

午年の十二獣。
固有効果は手札の十二獣をコストにドローする効果。
落とした十二獣がモンスターならば、タイグリスの効果で拾って素材にしたり、ライカで蘇生してやろう。
素材効果は守備貫通付与。現在の環境では守備表示モンスターが出る機会は減ったが、あって損になるわけではなく、サラブレード自身も攻撃力が下級の十二獣ではトップなので、殴りに行くなら優先的に素材にしてやろう。
幽鬼うさぎには注意が必要で手札交換時にぶつけられると次のエクシーズにも繋がらなくなってしまう。


  • 十二(じゅうに)(しし)ラム
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻 400/守2000
(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、「十二獣ラム」以外の自分の墓地の「十二獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードを対象とする相手の罠カードの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。

未年の十二獣。
固有効果は墓地の十二獣の蘇生だが、破壊以外の除去も多い現環境では能動的に狙うのは難しい。
炎王やドラゴニックDなどの効果で、手札で破壊するのも面白いが、召喚にチェーンして《連鎖破壊》を発動すればデッキ内の2体が破壊され、十二獣を2体蘇生できる。
また、ライカで蘇生したラムをドランシアで自ら破壊することによりライカの「蘇生したモンスターをエクシーズ素材にできなくなる」デメリットを実質的に解除することができる。
素材効果は罠カードへの耐性付与。強脱やサンダー・ブレイクなど対象を取る罠は多いため、それらに対して回数制限付きながら耐性を得られるのはありがたい。
ただし、奈落などには無力なので過信しないように。下級の十二獣では最強の守備力を持つため、正規の手段でのエクシーズも視野に入れるべし。


  • 十二(じゅうに)(しし)クックル
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻 800/守1200
(1):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、
「十二獣クックル」以外の自分の墓地の「十二獣」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。
(2):このカードを素材として持っている、元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードを対象とする相手モンスターの効果が発動した時、
このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その発動を無効にする。

酉年の十二獣。
固有効果はラビーナやラムに似ているが、デッキへ回収するのが違い。この効果を使うならば、十二獣の方合の方が使いやすいだろう。
モルモラット無制限時代も1枚しか戻せず手間もかかるのでダイガスタ・エメラルを使った方が良く、モルモラット制限により戻したいカードがあまりないのが難点。
素材効果は対象を取るモンスター効果への耐性。相手へのけん制としては十分な働きをしてくれるだろう。
ちなみにクックルと言ってもAAのアイツとは関係ない。


エクシーズモンスター

  • 十二(じゅうに)(しし)ブルホーン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×2
「十二獣ブルホーン」は1ターンに1度、同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから通常召喚可能な獣戦士族モンスター1体を手札に加える。

丑年の十二獣。
固有の効果は素材をコストにしての獣戦士族のサーチ。通常召喚ができるモンスターでなければならないが、特殊召喚モンスターの獣戦士は「地霊神グランソイル」くらいなので、実質ほぼ全ての獣戦士族をサーチできると考えていい。
ステータス増強を考えなければ獣戦士族デッキに突っ込んでサーチ役として起用するのもいいだろう。
レベル4×2で普通にエクシーズ召喚してサーチ、他の十二獣エクシーズを重ねた後再びブルホーンにエクシーズ・チェンジしてサーチすることで2枚サーチできる。
これによりレベル4を2体でスケールを揃えることが可能。
しかし、その幅広いサーチとアド獲得能力がアダとなったか、2017年7月適用のリミットレギュレーションで制限を超えて一気に禁止入り確定。
1枚ではなく敢えて2枚あることで劇的に強くなるこの手のカードは禁止になる前に大抵1枚制限の様子見があるのだが、
その過程をすっ飛ばしたあたり流石に度が過ぎていたと判断されたのであろう。
これにより十二獣の強みはほぼ潰された形になる。
その後の十二獣の規制緩和があったがブルホーンだけは未だに1枚も許されていない。
そのため現在は昔ほど初動で簡単に十二獣を墓地へ送る事が出来ないことがライカなどで問題になる事になった。


  • 十二(じゅうに)(しし)タイグリス
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×3
「十二獣タイグリス」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、フィールドのXモンスター1体と自分の墓地の「十二獣」モンスター1体を対象として発動できる。
その「十二獣」モンスター1体をそのXモンスターの下に重ねてX素材とする。

寅年の十二獣。
固有の効果は素材をコストに墓地の十二獣をオーバーレイユニットにする効果だが、基本的には自身に使い、墓地の十二獣と自分の素材の十二獣を交換することになる。
サラブレードで攻撃力を上げる、モルモラットでリクルート効果を得るなど使い道は色々あるが、その後はタイグリスのままでいる意味は特にないため、目的の十二獣を回収したらさっさとエクシーズ・チェンジで別の十二獣になってしまいたいところ。


  • 十二(じゅうに)(しし)ドランシア
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×4
「十二獣ドランシア」は1ターンに1度、同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

辰年の十二獣。
固有効果は素材一つをコストとしてのカードの破壊。
十二獣唯一のフリーチェーン効果であり、十二獣の展開で大体終点となるカードで除去役として優秀であるためなるべく早めに出したい。
また、自分のカードも破壊できるのでラムを破壊したり、影依融合を発動された時に切腹してデッキ融合を防ぐなど応用が利く。
ただし、出すことを優先するとステータスが貧弱になりがちなので、タイグリスやモルモラットの効果を応用してステータスを上げたいところ。
天敵はブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンであり、迂闊に守備表示にしているとワンショットキルを食らいかねない。
破壊効果は自身にも使える、ということを覚えておこう。
腐り辛い優秀な効果なのだが、極端な話ではメインデッキに十二獣が無くともブルホーンやライカに重ねることで実質レベル4×2で簡単にフリーチェーン除去を立てられる。
……ん?この流れ、どこかで見たような……
さすがに暴れすぎたためか、2017年4月のリミットレギュレーションで一気に禁止入りと相成った。
しかし、新マスタールールによる弱体化を考慮された為か、会局の緩和から3ヶ月経った2020年1月に制限に緩和される。
そしてマスタールール改訂によるEXからの展開緩和に加え相性の良いカードの増加によって再び環境に顔を出す様になった【十二獣】の規制の一環として2020年7月に2度目の禁止指定を受ける。


  • 十二(じゅうに)(しし)ハマーコング
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×3体以上
「十二獣ハマーコング」は1ターンに1度、同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はこのカード以外のフィールドの「十二獣」モンスターを効果の対象にできない。
(3):自分・相手のエンドフェイズに発動する。
このカードのX素材を1つ取り除く。

申年の十二獣。申枠なのにゴリラっぽい。
固有の効果は二つあり、片方は他の十二獣に対象耐性を付与するもの、もう片方はお互いのエンドフェイズに素材を一つ消費するデメリット効果。
耐性を付与するのはフィールド全てであるため、ミラーマッチの場合相手は自分の十二獣にも対象を取る効果が使えなくなる。
デメリット効果の方は素材を能動的に取り除けないため、タイグリスなどとの連携が厳しいのが難点。耐性が必要なければ早々にドランシアの素材にしてしまおう。


  • 十二(じゅうに)(しし)ライカ
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×2体以上
「十二獣ライカ」は1ターンに1度、同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「十二獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、効果が無効化され、X召喚の素材にできない。

戌年の十二獣。
固有効果は素材をコストにしての墓地の十二獣の蘇生。
ただし、この効果で蘇生するとそのターンは効果が使えずエクシーズ召喚にも使えないというデメリットがつく。ジャンクロンやスキドレと同じ理由で、ラム、ラビーナ、クックルの被破壊効果は有効。
相手ターンにフィールドから素材になれるヴァイパーを蘇生する手もある。
エクシーズ以外には使えるため、儀式やアドバンスのリリースに使う、チューナーを呼んできてシンクロに使う、リンク素材にするなどと言った利用法を用意しておきたい。
また十二獣は地属性しかいないため地属性指定のあるミセス・レディエントをリンク召喚する手もある。
タイグリスにも言えることではあるが、現在ブルホーンとドランシアが禁止になったためエクシーズの十二獣で能動的に素材を外して十二獣を墓地へ送ることが出来ない。
初動で効果を使うためにはモルモラットやサラブレードを頼ることになる。

  • 十二(じゅうに)(しし)ワイルドボウ
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×5
「十二獣ワイルドボウ」は1ターンに1度、同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):このカードは相手に直接攻撃できる。
(3):持っているX素材の数が12以上のこのカードが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。
相手の手札・フィールドのカードを全て墓地へ送り、
その後、このカードは守備表示になる。

外見が若干猿っぽい亥年の十二獣。
固有効果は直接攻撃と、相手に全ハンデス&フィールド一掃を叩きつける豪快なもの。
(2)の効果は十二獣では恩恵が薄いようにも思えるが、ヴァイパーやサラブレードを素材にすれば1000を越えるダメージを与えられる為、引導火力として利用できる。
トドメの一発以外では素材を水増しするために踏み台として一瞬で消えて行くことが多かったが、天霆號アーゼウスの登場後は自爆特攻せずともアーゼウスの召喚条件を満たせるカードとして注目を集めている。
(3)の効果を使う前提は「素材12枚」とあまりにも非ィ現実的。十二獣の展開能力をフルに駆使しても素材は11種類で止まるため、これを使いたければ「オーバーレイ・リジェネレート」やヴァイパー等の効果でもう一つ追加する必要がある。
まあ(3)の効果を狙う事は殆どなくて大体踏み台なんだけど。


魔法カード

  • 十二(じゅうに)(しし)会局(かいきょく)
永続魔法
「十二獣の会局」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象としてこの効果を発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「十二獣」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合、自分フィールドの「十二獣」Xモンスター1体を対象として発動できる。
墓地のこのカードをそのXモンスターの下に重ねてX素材とする。

十二獣の展開の要となるカード。
自分のカードを破壊して十二獣をデッキから直接特殊召喚するリクルート効果と、エクシーズ十二獣の素材になる効果を持つ。
(1)の効果で破壊するカードには制限がない。つまり、永続魔法であるこのカード自体を破壊することで、「デッキから十二獣を特殊召喚する」カードとして扱うことができる。
何?永続魔法・罠はフィールドに存在しなくなった時点で効果を失うのではないのか!?
と言いたいがこの効果による破壊の時は永続効果のデメリットであるフィールドから離れた瞬間からの効果の不発はなぜかなく、破壊と特殊召喚の処理は同時に行うので永続であるこのカードが先に離れても特殊召喚の処理まで行くという理屈。ルールまで強い。
モルモラット、否適当な十二獣さえあれば最低限の展開ができる十二獣に置いてはなくてはならない存在であり、このカードが十二獣の抜群の安定感に寄与している。
このカード1枚さえあれば、1ターンで創星神を呼び出すことができる程のポテンシャルを持つ。
もちろん1枚で発動可能かつ特殊召喚のため万が一にも無効化されても、通常召喚権も残りつつ手札1枚消費で済む。
だからといってスルーしようものならフリーチェーン破壊のエクシーズやらサーチやらの爆アドを許すことになる。
まるでリスクが存在しない強欲な壺や天使の施しを彷彿とさせる理不尽さ。

…で、そんな無茶苦茶が判明したためか2017年4月のリミットレギュレーションで禁止入りと相成った。
これにより十二獣は展開力に大ブレーキがかけられることに。
その後2019年に十二獣の中核であるブルホーン、ドランシアが禁止、モルモラットも制限になったためか制限復帰。
リクルート性能だけ見ればサーチカードとして依然として最強格ではあるものの、サーチカードにとって最も最悪なサーチ先にまともなモンスターが居ない状態になってしまった。
現状アドバンテージをまともに稼ぐカードがない中では数少ない有用カードのため十二獣を活用する場合は
モルモラットと並んで重要な1枚であることに変わりはないが。


  • ゾディアックS(サイン)
フィールド魔法
(1):自分フィールドの「十二獣」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分フィールドの攻撃力が一番高い獣戦士族モンスター以外の自分の獣戦士族モンスターを相手は攻撃対象に選択できない。
(3):1ターンに1度、自分フィールドの「十二獣」モンスターが効果で破壊される場合、
その「十二獣」モンスター1体の代わりに自分の手札・フィールドのモンスター1体を破壊できる。

十二獣専用のフィールド魔法。
バンプアップ効果は微弱だが、このテーマには大きい。
とはいえ展開の都合上、「高い打点のエクシーズがいる」か「モルモラットスタートなので攻守0のまま」のどちらかになっている場合が多く、基本的にはオマケ。
二番目の効果は獣戦士族限定のガリトラップだが、攻守が同じモンスターがいればどちらにも攻撃できるのが違い。ヴァイパーを持った十二獣しか攻撃できないならば、相手も怯むだろう。
三番目は効果破壊の肩代わり。基本的に耐性を持たない十二獣にとってはありがたい効果で、手札のラムやラビーナ、変わったところでは炎王獣などを破壊して効果を使うのも面白い。
しかしいずれも受身な能力であり、十二獣の効果でサーチも出来ないため採用枚数はよく検討すべし。


罠カード

  • 十二(じゅうに)(しし)相剋(そうこく)
永続罠
「十二獣の相剋」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分の「十二獣」XモンスターがX素材を取り除いて効果を発動する場合、
取り除くX素材を自分フィールドの他のXモンスターから取り除く事ができる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「十二獣」Xモンスター2体を対象として発動できる。
対象のモンスター1体を、もう1体の下に重ねてX素材とする。

永続罠カード。
十二獣の素材消費を別のエクシーズに肩代わりさせる効果と、墓地から除外することで十二獣のエクシーズを別の十二獣エクシーズの素材にする効果を持つ。
肩代わり効果は1ターンに1度しか使えず、他のエクシーズモンスターも自前の効果に素材を使いたい場合が多いため、活用は少々頭を使う。
この手のエクシーズ素材補充や肩代わり効果全般に言えることだがそこまでエクシーズ素材が足りなくなるという事があまりない。


  • 十二(じゅうに)(しし)方合(ほうごう)
通常罠
(1):自分フィールドの「十二獣」Xモンスター1体を対象として発動できる。
デッキから「十二獣」モンスター1体を選び、そのXモンスターの下に重ねてX素材とする。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「十二獣」カード5枚を対象として発動できる(同名カードは1枚まで)。
そのカード5枚をデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

十二獣エクシーズの素材を補充する罠カード。
墓地に落ちた後は十二獣限定の「貪欲な瓶」として機能する。
十二獣はエクシーズモンスターの比重が大きいため、エクストラデッキから十二獣がいなくなると途端に機能停止してしまう。
そのため、それを補える「十二獣カード」のこのカードは詰めの場面で重要な役目を果たしてくれる。
5枚はやや多そうに見えるがモルモラットの効果やエクシーズを重ね続けると枚数はどんどん増えるため案外難しくはなかった。
前半の効果は下級の十二獣の効果を考えれば、「攻撃力アップ」「耐性付与」「コスト補充」という一枚で三度おいしい効果となる。
とはいえ罠カードゆえに即効性がないため、基本的にはモルモラットの効果で墓地に落としておくことになるか。


十二獣の強み

ここまで十二獣カードを説明してきたが、このカテゴリの真の力はそこではない。
効果の都合上、モルモラットが3枚とヴァイパーが1枚、会局が2~3枚、エクストラに十二獣数枚。
たったこれだけのスペースを確保しておけば、最低限のギミックが機能するのである。さらにモルモラットと会局3枚ずつに天キを加えれば、実質的に「1枚から始動できるカード」が7枚あることになる。
しかもモルモラットからスタートすれば、展開の途中で確実に残りの2枚が出てくるため、一度展開すればあとのドローに十二獣が混ざって腐る心配もない。
さらに十二獣は特殊召喚に関する制限を一切持たない。


つまり、十二獣は非常に出張のしやすいテーマであり、出張先のギミックを阻害することなく独自に動いて展開し、場を整えることができるのである。エクシーズありきのテーマゆえ、その分エクストラデッキを圧迫するという問題点こそあれど、逆に言えばそこさえクリアすればほぼあらゆるデッキに組み込み得るのだ。

16年10月から17年1月までで環境に食い込んだデッキはほぼこの「十二獣ギミック」を組み込んでおり、【シャドール】、【メタルフォーゼ】、【インフェルノイド】に【】、【幻影騎士団】に【ファーニマル】、【ライトロード】、【彼岸】、【ABC】、【E・HERO】、【KOZMO】、【SR】【真竜】種族つながりの獣戦士族は【妖仙獣】、【武神】、【炎星】【炎王】等、どんなデッキにでも入り込むことができる汎用性の高さが十二獣の強みである。
事実、現在(17年1月以降)の環境デッキの上位は大半が【十二獣○○】となっている。

そして、出張しやすいということは、出張されやすいということでもある。
十二獣はギミックがテーマ内で完結しているため、出張する時ほどではないにしても、ある程度のシナジーを考慮すればほぼ全てのギミックを取り入れることができる。
アーティファクト壊獣、召喚獣などなど、受け入れ先としても十二獣は優秀なのである。
特に【壊獣十二獣】の場合、手札2枚からのワンキルが可能という速攻っぷりを見せ、【十二獣召喚獣】は十二獣のメインギミックであるモルモラット・会局を使わずに展開可能というシナジーを見せている。

登場後初の制限改訂となった17/1/1のリミットレギュレーションで特に相性の良かった《炎舞-「天キ」》と《SRベイゴマックス》*2が制限入りしたが、発売時期の関係か直接の規制はされず、一向に勢いが衰える気配がない*3

それでいて十二獣はかつての征竜以上に他テーマとの混合させやすいテーマであるため、大幅な規制を食らわない限り環境から消える事はないだろう。

…だが10期になり最初の2017/04/01改訂でドランシアと開局の禁止とモルモラットの制限化により大きくパワーを落とす。
それでもブルホーンとライカをメインとし後続を確保しながら女戦士効果持ちの打点で殴る罠を構えたメタビートとして環境として上がった。
その後、環境を制圧している真竜と手を組み【真竜十二獣】として再び環境のトップクラスのデッキとなる。
その他ブルホーンでスケールを2枚サーチする動きも使われていた。

ここまで規制をかけてもまだ環境トップなのが気に食わなかったのか次の2017/07/01改訂でブルホーンが禁止という厳しい措置を喰らう。
十二獣の強みは殆ど失われ、デッキとして構築すること自体がほぼ不可能になってしまった。

その後、新マスタールール下における弱体化を考慮された為か会局とドランシアが制限へ復帰を始め、
Xモンスター3体を要求するがXモンスター以外に戦闘破壊されず、モンスター効果を受け付けない攻撃力4000のリンクモンスターである無限起動要塞メガトンゲイルや、
ランク4に重ねて出せる貫通効果持ちで、十二獣を重ねまくってからのストイック・チャレンジでワンショット級のダメージを叩き出せる旋壊のヴェスペネイト、
Xモンスターが攻撃したターンにしか重ねられないが、X素材2つで自身以外のカードを全て墓地送りにする効果を回数制限なし・相手ターンにも発動できる天霆號アーゼウス
と相性の良いカードの登場に加え、
ルール改訂でPモンスター以外のEXデッキからの召喚制限が撤廃された事により息を吹き返し、再び環境に乗り込んで来る程の力を身につけている。
中でも鉄獣戦線との混合デッキは「刺さるメタ範囲が違うので片方のギミックを潰されてももう片方のギミックで動ける」と言う妨害をすり抜けられる安定感から環境上位を走り続けた。

その結果、再びドランシアが禁止入りしてしまい、先攻での動きが弱体化した【十二獣】は環境から再び追い出される形となった。



弱点

上記で説明したように非常に強力なデッキであるのだが、無視できない弱点も多い。
まず、単独では弱いモンスターを連ねて戦うテーマであるため、モンスター効果メタや特殊召喚メタが刺さる。
十二獣モンスターで相手のターンに除去を行えるのがドランシアしかおらず、耐性も持たないモンスターばかり*4であるため、相手のターンの大量展開や除去に対応できないと途端に手詰まりになる。
スキルドレインを張られると、エクシーズモンスターは効果が使えず、攻守も0の棒立ち状態になる、と欠点が明確。
ダメステで発動できる聖杯なんかは相手を倒すためにヴァイパーを使わされた挙句無駄に終わると言った事も起きる。

モルモラットを展開したり1ターンに何回も重ねてエクシーズを繰り返すため増殖するGを投げられると止まり所が難しくなる。
虚無空間や虚無魔人があると何もできなくなる。

セットカードに干渉する効果がないためセットカードは踏みやすい。
不完全な耐性で並べて盤面を作るデッキのため全体除去には弱い。

ただし、欠点が明確であることは対策すべきポイントも明確ということである。
そして十二獣は上述した通り、出張する・されるのどちらにしても汎用性が高くデッキスペースが空きやすいため、そこに汎用除去を入れておくだけであっさりと対策できる。
裏を返せばそれでも対処できない相手にはとことん弱い。効果モンスターに強い始祖竜ワイアームや、純粋に高い打点のモンスターがぽんぽん出てくる【青眼の白龍】辺りは天敵となる。
ちなみに、採用率はあまりないが王虎ワンフーが場に出ている場合、そもそもエクシーズ召喚自体が出来ずに下級十二獣が出てくる端から墓地送りになってしまう。ことにモルモラット軸の場合は顕著。




余談

十二支をモチーフとした「十二獣」が遊戯王OCGに登場したのは2016年であるが、なぜかこの年はカードファイト!!ヴァンガードバトルスピリッツ等、他のTCGにおいても、十二支をモチーフとしたカード群が登場していたことがちょっとした話題となった。
ついでに言うとTCGではないがヘボット!の放送が始まったのも十二獣の登場と同時期である。

ちなみにヴァンガードは「十二支(じゅうにし)刻獣(こくじゅう)」、バトルスピリッツは「十二(じゅうに)神皇(しんおう)」というカテゴリ名となっている。




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最終更新:2023年11月24日 19:53

*1 一応ミラーなら相手のモルモラットを奪うことで自分のモルモラットを特殊召喚できる。

*2 主に《SRタケトンボーグ》を呼び出して《M.X-セイバー インヴォーカー》を立て、インヴォーカーの効果でモルモラットをはじめとした十二獣をリクルートするといった行動ができた。

*3 なお、遊戯王OCGでは新カテゴリが最初の改定で規制されない事は珍しい事ではない。

*4 一応、素材効果で付与できるが不完全。