レギンレイズ・フレームMS

登録日:2017/01/23 (月) 02:19:48
更新日:2023/10/15 Sun 17:20:46
所要時間:約 5 分で読めます




本項では、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するモビルスーツ(MS)シリーズを解説する。




EB-08 レギンレイズ



俺には、「レギンレイズ」がある!

「グレイズ」とは違うんです!


型式番号:EB-08(一般機) / EB-08s(指揮官機)
全高:18.5m / 重量:31.9t / 動力源:エイハブ・リアクター

デザイナー:海老川兼武


機体概要~ニューエイジは復権の先導者となるか?~

より重火力、より重装備、より高出力なグレイズを――。
エドモントン攻防戦によってその威信を傷つけられたギャラルホルンは、2年の歳月をかけて次世代型MS骨格「レギンレイズ・フレーム」を作り上げた。

このフレームはグレイズ・フレームの構造を踏襲しつつ、各部の強化・単純化を推し進め、対MS戦に特化したマッシブな骨格に仕上げられている。
「レギンレイズ」の外装も、グレイズの複雑なディティールをよりシンプルにしつつ、更なる追加装甲を装着したようなフォルムになっている。
特に露骨に分厚くなった胸回りや、密着型の装甲を廃して大きな盾状のカバーをつける大胆な構造になった肩と腰が見どころ。
構造の簡略化によって整備性の高さもさらに向上。全体のパーツ数は「厄祭戦」時代の機体と比べると遥かに少なくなっている。各装甲はコクピットからの操作で任意にパージすることもできる。

元々結構パワフルだったグレイズを更に強化した出力は伊達ではなく、軽MS程度ならワイヤーアンカーで拘束されても逆に振り回し、ガンダム・バルバトスの突撃をも正面から受け止める。
頭部の内蔵カメラアイ機構はモノアイセンサーボールから複合マルチセンサーに改められ、通常時は三つ目のターレットの形態を取るが、観測目的に応じてモノアイにも表示形式を変更できる。
バックパックも装甲が追加され、接続位置は背部に固定されている。
腋の下が円盤の下半分のようにも見えるため、前から見るとガンダムフレームに似ているがリアクターはグレイズ同様背中に一基。

初登場となる第28話時点では、ロールアウトしたての18機が「アリアンロッド」こと月外縁軌道統合艦隊に配備され、本格的な活躍を待っている。
基本カラーは「アリアンロッド・カラー」のライトグリーンと、胸部・上腕部・膝下部にダークグレーのアクセントを加えたツートン。
高機動・高出力カスタマイズが施されたジュリエッタ・ジュリス機は、アクセントカラーがホワイトに変えられている。
部隊指揮官のイオク・クジャン機はダークグレーにゴールデンロッドのアクセントを加えたアンテナ付の指揮官仕様。


オプション・各種武装

●GR-W11 130mmライフル
GR-W01から口径が10mm増した速射砲。機関部とマガジン挿入部がグリップの前方に移り、フォアグリップが廃止された。
銃身着脱機構は継続し、オプション装備群であるマルチウエポンパック(MWP)の導入で拡張性は更に向上。
非使用時にはリアスカートに懸架可能。マガジンはサイドスカートやショルダーアーマーに懸架できる。
●銃口部4連装ロケットランチャー
短銃身状態で銃口部に装着するMWPユニット。むろん装備状態ではライフルの機能は使えない。
円筒形の装弾部内に4発の弾頭が十字型に配置されている。
●アンダーバレル・グレネード
MWPユニットのひとつ。延長銃身もしくはロケットランチャーに装着可能なアドオン式の擲弾発射装置。
●銃剣
延長銃身もしくは4連装ロケットランチャーの下部に装着するMWPユニット。
銃口から前腕部までに及ぶ刃渡りを持った、最早ナタに近い大型バヨネット。一般機では標準の格闘兵装となる。

●長距離レールガン
長大な白い銃身と2つの可動式グリップが特徴的な電磁投射砲。開発部門の試作兵装で、イオク機が装備する。
弾倉は外付けで腰背部に装着され、給弾ベルトで銃機関部と接続する。電磁音が混ざる発砲SEが印象的。
本体からのエネルギー供給の度合いによって威力を調整可能で、最大出力ではMSにもそれなりの打撃を与えられる。

●GR-Hr01 ナイトブレード
グレイズリッターの物と同様。イオク機が装備している。
●ツインパイル
大型のナックルガードが付いた二振りの鉄杭。要は先の尖った丸鉄骨。柄尻からはワイヤーアンカーを射出できる。
試作された新武器の1つで、現在はジュリエッタ機の専用装備状態。一撃の威力よりも手数と防御性能を重視した武器である。
ジュリエッタは順手持ちと逆手持ちを上手いこと使い分けている。

●GR-E11 ガントレット
手首部分に装着する、上腕部をカバーする追加装甲。先端に突きだした爪でパンチ攻撃も出来る。
上述の銃剣の接続部分でもある。


ガンプラ

●HG IBO
商標名の関係か「モビルレギンレイズ」名義になっている。ジュリエッタ機が発売。イオク機と一般機はプレミアムバンダイで発売。
シールはカメラアイと、胸部・背部のオレンジカバー部のみ。関節部の濃紺を除けば色分けはほぼ完璧で、パーツ分割も非常に考えられているので目に見える合わせ目は目立たない箇所に2個だけとHG IBOでも最高クラスの完成度を誇る逸品。ただしカラーリングが設定画とは異なっており、グリーンは上品ながらも濃い目になり、ホワイトも純白に近くなった印象を受ける。
各部の可動はグレイズから更に進化したのだが……新機構を採用した手首回りが難物。
指パーツを手甲に丸軸で接続し、角度を変更できる握り拳を実現したのだが、手首と腕の接続部の可動域が狭く、すっぽ抜けやすい(武器の自重で落ちることはない)。なお、付属する手首は握り拳のみ。
少々実験的な作りではあるが、グレイズとは似ているようで全く違うマッシブな形状を上手く再現している。

付属武装はGR-W11ライフル、パイル2本、ガントレット2枚。
ライフルは銃身部と左右のマガジンの脱着機構を搭載。マガジンを外した後のライフル本体は腰に、マガジンは両肩両腰にマウント可能。
パイルは1本分のリード線アンカーが付属。基部がごついため、せっかくの指パーツの可動があまり生きない。
ガントレットはとりわけ使いづらく、装着すると手首回りの可動が死に、肘カバーとも干渉しやすくなり、パイルが逆手でしか持てなくなる。

MSオプションセット6にライフル用のマルチウエポンパック、7にレールガン、8に平手が付属する。


ゲームでの扱い


SDガンダムGジェネレーションシリーズ
『クロスレイズ』から登場し、量産機の中では高い性能を誇る。
ジュリエッタやイオクを乗せると専用機に変化する。
火力と射程距離が物を言うシリーズなので使い続けるなら長距離レールガン持ちのイオク機か。
しかし、肝心のイオクのパイロット能力が低いのでかなり育ててからでないと主力にしづらい。


系列機

EB-08jjc レギンレイズ・ジュリア




私はラスタル様の剣!
ラスタル様の為、何人にも後れを取るわけにはいかない!


型式番号:EB-08jjc
全高:29.9m / 重量:43.3t / 動力源:エイハブ・リアクター

デザイナー:海老川兼武


機体概要~宇宙を裂く蝶~

アリアンロッド艦隊が試作した高機動カスタムレギンレイズ。グレイズに対するシュヴァルベ・グレイズの関係に近いが、こちらは後発。
ジュリエッタ・ジュリスがテストパイロットを務める。
明らかにジュリエッタが乗ること前提な名前なのは、ジュリエッタがパイロットに内定した後研究開発チームのヤマジン・トーカが命名したため。別にジュリエッタを阿頼耶識デバイスとして組み込みたいからではない…はず

脚部を大幅に延長したレギンレイズにスラスターを満載する豪快な改造を施されており、パッと見では別系列の機体に見えるほど刺々しく変貌。
特に足首から下は原型機から数倍は肥大しているが、とても接地できるような形状ではないため、地上ではスラスター部分をパージしてランディングフットを露出する必要がある。
マニピュレーターも通常のものではなくプライヤー状のクローに換装されていて、もはや汎用性は捨てた特化戦運用の前提が窺える。但しレギンレイズとの互換性が残されており、通常のマニピュレーターに換装することも可能となっている。
機体の大型化や生物的にも見えるシルエットはグレイズ・アインから多大な影響を受けた*1ものだが、大気圏内での地上戦が本領であるあちらに対してこちらは無重力空間での運用を主眼としている。とはいえ歩行可能な足も内蔵されており、重力下での地上戦にも十分対応が可能*2


スラスターノズルは背部に1発、腰前面に2発、腰背部に3発、足裏に2発ずつの計10発を装備。
蝶のように大きく広がったシルエットを構成する両肩と両足の複合スラスターバインダーは、形状からするとシュヴァルベの大腿部スラスターのバージョンアップモデルだろうか。
姿勢制御用のエイハブ・スラスターも機体各部に設置されており、これらから発揮される推進力・機動力・運動性・敏捷性はまさに圧倒的。
機体構造の堅牢性と装甲の強度もサイズ相応に可能な限り強化されているらしく、生存性も異常なまでに向上している。その頑丈さはガンダムバルバトスルプスレクスですら本機を大破させるのに時間がかかったほど。

非常に高い性能を持つ反面操作性は劣悪で、ジュリエッタですらも初の実戦では完全には扱い切れておらず、手練れの百錬には終始翻弄されていた。
また、連撃で装甲を削っていくジュリエッタの戦闘スタイルの特性上、重装甲の相手には決定力に欠ける点も扱いづらさに拍車をかけている。

しかしこれだけ面倒臭い面もありつつ、パイロットの生存性の高さという利点は極めて大きく、エースパイロットのジュリエッタ*3の生命を最後まで守りきった。
特にスキルの高いアミダ・アルカには一瞬でジュリエッタが「5回も殺された」と戦慄するほど執拗にコクピットの攻撃を許しており、最終戦で大破状態なのに他機を瞬殺しまくっていたガンダムバルバトスルプスレクスと対峙しても無傷で済んだのはその頑丈さのおかげである。

武装

●ジュリアンソード
両腕部に装着された蛇腹剣名前からしてガリアン意識し過ぎである。
基部から先端部までの9つの節がワイヤーで連結され、伸縮自在。切先とワイヤー内部には金色の特殊超硬合金*4が使われている。ワイヤーは電気信号を流すことで屈曲し、慣性に囚われない鋭角的な軌道でコントロールすることも可能。
刀身を固定したソードモードとワイヤーを伸ばしたウィップモードを使い分けて変幻自在の攻撃が可能。
ウィップモードは一見ナノラミネートアーマーには無力そうにも見えるが、グレイズの頭に巻き付けてそのままもぎ取ることができる程度の強度はあるため、上手く使えば十分MSにも有効打を与えられる。
刃部分を高速回転させることで、ドリルのように扱うことも可能。

●フットブレード
爪先に固定された刃。ガンダム・ヴィダールのハンターエッジと同系統の装備と思われる。
脚部が延長されているため、より大きな慣性を乗せて蹴撃を繰り出せる。

●機関砲
肩部スラスターユニットに2門ずつ内蔵されている。

●脚部クロー
脚部の大型スラスターを外すと出てくる、本来のレギンレイズの足部分に備わったクロー。
接地用のランディングギアとして使用されるが、接地用限定というわけではなく地上での歩行や戦闘機動にも十分耐える。
クロー状に動かすことも可能で、ジュリエッタは一旦スラスターを外しこれで敵機を拘束して確実にとどめを刺すという応用法を見せた。

●専用大型ブレード
鉄華団本部制圧作戦にて導入された手持ち式の剣。本来はレギンレイズ用に開発されたもの。
ジュリアンソードのような特殊機構は持たないが、バトルブレードよりも大振りで破壊力が高く、切先には超硬金属が使用されているため切れ味も鋭い。
この剣を保持するため、右手はレギンレイズ通常仕様のマニピュレーターに換装されている。

●専用大型シールド
スラスターバインダーと共通した意匠の大型シールド。こちらも本来はレギンレイズ用に開発されたもの。
先端部がブレード状になっているため打突にも使用でき、裏面にはツインパイルと同型のワイヤーアンカーが備わっている。

余談

海老川氏によると「女性型グレイズ・アイン」を意識してデザインしたとのこと。
それ故なのか、プラモデルの説明書にはこれでもかと言う数のグレイズ・アインの名前が出てくる。








《イオク様は適当に他の項目でも追記・修正してて下さい。邪魔です》
《補足してやってるんだぞ!》
《いりません》
《なっ…!》

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最終更新:2023年10月15日 17:20

*1 戦闘データも多分に反映された。

*2 さすがに宇宙空間ほどの機動性や運動性は発揮できないだろうが

*3 パイロットとしてだけでなく、のちの展開からして政治的にも重要な人材となったため、彼女を亡くしていればラスタルにとって大きな損失だった

*4 グリムゲルデやガンダム・バエルの武装にも採用されている金属