古手梨花

登録日:2009/06/04(木) 23:24:31
更新日:2024/02/18 Sun 16:02:31
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古手(ふるで) 梨花(りか)とは、ゲーム・アニメ『ひぐらしのなく頃に』の登場人物。
暇潰し編のヒロイン。
同時に、皆殺し編以降は『ひぐらしのなく頃に』という物語の事実上の主人公でもある。




人物

前原圭一のクラスメート(下級生)にして、北条沙都子の親友。

2年前(昭和56年)の綿流し祭の日に両親を亡くしており、同じく孤児の沙都子と神社敷地内にある防災倉庫の居住区で生活している。
彼女の現在の親権は村長が持っているが、村長が彼女の生活に直接干渉している様子は無い。
古手家の実家も近くにあるが、全く寄り付かない。


「にぱ~☆」「みぃ」「~なのです」「なのですよー」などの変わった口癖を使う、おとなしいボクっ娘不思議ちゃん。


雛見沢御三家の一つ、古手家の最後の生き残りにして現頭首(8代目)だが、村の会合や親族会議でもお絵かきで遊んでいるだけだったり御三家としての力は全く持たない。
しかし、オヤシロさまの生まれ変わりとして主に村の老人から崇拝されている他、
愛くるしい振る舞いでみんなのアイドル的存在。村の老人は彼女と会うだけでありがたや連呼して数珠をもみだし、園崎天皇と恐れられるお魎でさえ彼女にはかなり甘い程。


趣味は失敗した人の頭をなでなでして慰めること。周囲に慰める相手が居ないと慰める相手を捜しに行く。雛見沢分校校長の頭を撫でられる唯一の存在。
普通に賞賛する時は拍手する。ぱちぱちぱちなのですー。

可哀想な人には「かわいそかわいそなのです」と頭を撫でながら慰める。
「消防車がウーウーボーボーで大惨事なのです」「マスコミがパシャパシャで大変なのです」などの変わった言い回しをすることも。
また幼い割に語彙力はかなり高く、「きっと魅ぃのお部屋でメイド圭一と二人きり膝枕をしたり照れたりで、きゃっきゃっなのですよー」などと物凄く具体的な言い回しをすることも。


かつら剥きや飾り切りなど、年頃に不釣り合いな超絶技巧を駆使した料理を作る。


部活でのゲームスタイルは完全な頭脳派。
反面、運動系の部活では早々と脱落する姿がよく見られる。
しかし、例え劣勢に陥っても得意の萌えオーラでビリを回避するしたたかさを持つ。


当初はあくまで「どこか不思議な脇役」程度で、たいした出番は無かったが…?



以下超重要ネタバレ



















実は雛見沢症候群の親分格とも言える 「女王感染者」 であり、他の感染者が彼女に接近すると症状を抑えるフェロモンが造られる事が判明している。村の老人などに異常なまでに好かれているのはこの為である。
その崇拝ぶりは常軌を逸しており、 商店のお菓子を会計せずその場で食べても咎められないばかりか、それを咎めようとした母親が悪者扱いされるレベル である。少なくとも雛見沢にいるうちは一生生活に困る事はないだろう。
元々は7代目…彼女の母親がそうだったのだが、彼女の出産を機に女王としての役割が梨花に完全に移行した様子(入江曰く『女王の継承』)。

同時に、雛見沢症候群研究の検体としてはこの上なく重要な存在であり、頻繁に入江診療所に通っている。更に入江機関に属している自衛隊の特殊部隊『山狗』の最大任務のひとつが彼女の護衛であり、彼女の申し出ひとつで更に厳重な身辺警護までさえてもらえる。
…だがそれと同時に、そのことを理由に殆どの世界に於いて黒幕率いるその山狗たちにより昭和58年6月末に殺される運命を背負っている。
その度に彼女のみが視認、会話できる羽入の力で死亡前の平行世界へ戻る人生を送ってきた。勘違いされがちだが純粋に過去に戻るのではなく平行世界に移るのである(単純に過去に移るだけだと梨花が行動しない限り話が分岐すること自体有り得なくなる)。
家事炊事などの知識は羽入から仕込まれたものであり、普段の口調も彼女の影響を強く受けたものとなっている。

何度もループを繰り返した結果、幼女の体に(自称)100年以上生きた精神が宿った状態になっており、
普段は子どもらしい性格のふりをしているが、時たまストイックな地を見せることがある(通称:黒梨花)。
本性を隠している形だが、あくまでもループで強制的にそうなっただけなので、本来の梨花ならこういう反応だろうとやむなく演じている。
なお、この黒梨花モードのときは声が低くなり、口調も振る舞いも大人びたものになる。時折、ワイン(アニメではブドウジュース)を飲んだりも。
暇潰し編からその輪郭を徐々に見せはじめ、罪滅し編で彼女の立場が明かされだし、皆殺し編以降はその全貌が明かされると共にこの物語そのものの主人公として動く事となる。

ただしループした際前の世界で死亡する直前の記憶を引き継げないという制約があり、それにより自分の死因や黒幕を掴めずにいる。
また、ループする時間は徐々に短くなっていっている。
最初はどこからループしていたのかは謎だが、最低でも赤坂が雛見沢にやってくる事件より前からループしていたことは確定*1


「大好きな友人たちと共にいつまでも生きたい」


彼女の願いはこれだけだが、幾度ループを繰り返そうとそれを無惨な死により踏みにじられ続け、
未だ解決策すら見えない絶望的状況を長く味わい続けている為現在ではかなり諦めの境地に入りかけており、雛見沢の悪習にも無関心なことが多い。
しかし、圭一などのイレギュラー要素がいつか未来を見せてくれるのではないかと期待している。
どう足掻こうと抜け出せず、最後には必ず殺されてしまう現状を、「出口のない袋小路」とたとえている。しかし、ループする中でそこから脱する為には3つの法則を全て破らなければならない事までは導き出している(後述)。

惨劇が確定すると『今回の雛見沢にはもう興味が無くなった』などと意味深なことを言うので、
度々雛見沢症候群発症者から怪しまれることになるが、取り繕う気力がなくなり飛び出した台詞なだけで、本人的には何の裏もない発言である。
(なお、通常時の人に黒梨花の態度を露わにしても、無条件に慕われる女王感染者だからか多少戸惑う・今日の梨花ちゃまは大人っぽいね~程度の反応で終わっている)


村人からは予言者扱いされているが、あくまでループの中で得た予定調和の知識を話しているだけであり、彼女自身はイレギュラーな事態が起きることを好む。
なので、その場の思い付きが多いが故に揺れ幅が大きく、どの世界でもほぼランダムで種目が選ばれる魅音の部活を好いている。


好きなものは酒で、Xデーが近づくとワインをオレンジジュース割りで飲む習慣がある(アニメ版ではブドウジュースに変更)。
羽入のいたずらや過ぎた軽口への「懲罰用」と書かれた辛口キムチを食べることもあるらしいが、こちらは好物ではない。
「死刑判決」と書かれた徳用激辛キムチの大瓶も常備している。

「赤坂。辛いのは大丈夫ですか?」
「あぁ、うん!辛いのも大好きだよ!」


見た目によらず武闘派で、綿流し目明し編では催涙スプレーを使用して戦い(どちらも失敗に終わるが)、
罪滅し編では鉈装備のレナにモップで1分持ちこたえた。
しかし結局は幼女の体格が災いし勝つことはできていない。鉄平の帰ってきた世界で短気を起こした時も返り討ちだったらしい。

両親のことは嫌いではないが、3年目には必ず殺される事から「救えない存在」として見限ってしまっている感があり、
特に沙都子を救う関係で怪しい連中の怪しげな研究に協力しなければならない以上(もちろん梨花自身としても嫌々だが必要なことと割り切っている)、
それらにヒステリックな反応を示す母親はあまり好きではなく、冷めた目線で見ている。
母親にだけは羽入の存在を知ってもらおうと手を尽くしたことが裏目に出てしまったのも理由の一つ。
もっとも長いループの間で母への態度もすっかりスレてしまっていたため、自嘲もしている。



なお冒頭の詩の作者であるFrederica Bernkastel、はループを繰り返し記憶を重ねるうちに、
本来の子供の古手梨花から遠ざかっていくのを感じた彼女の精神が古手梨花とは別のものとして自ら名乗ったもの。
ちなみにベルンカステルは父親の好きだったワインの銘柄。

ちなみに同じく竜騎士07の作品「うみねこのなく頃に」に登場する魔女ベルンカステルは、服装を変えればほとんど梨花ちゃま。声優もやっぱりゆかりん。
あれ? 寄せる程の胸あったn…うわなにをするやめ


彼女を運命の袋小路に縛り付ける3つの「錠前」

彼女が望む「大好きな仲間たちと共に生きる昭和58年7月」を手に入れる為に打破しなければならない3つの障壁。これらが1つでも破られなければ(特にルールY)幸福になれないどころか、凄惨な惨劇によって幕を下ろしてしまう。
これらのルールは夫々独立している訳ではなく、夫々が密接に絡み合ってひとつの問題を生み出している事が特徴的で、それらが複合して強固な『錠前』として梨花や部活メンバーの前に立ちはだかるのである。

『ルールX』……雛見沢症候群を発症した仲間の暴走による惨劇
雛見沢症候群を発症し極度の疑心暗鬼を起こした梨花の仲間の誰かが凶行に走るパターン。本編中最も多いパターンであり、他2つのルール(特にルールY)から誘発される事で行き着く事が多い傾向にある。仲間内での殺し合いによって梨花の幸せが途絶えてしまうばかりでなく、綿流し編目明し編のように彼女自身が殺される事さえある。
まず最も先に破らなければならないルールなのだが、雛見沢症候群がもたらす疑心暗鬼の力はすさまじく、どんなに懸命に説得しようとそれすら「自分を陥れる為のウソや演技ではないか」ととらえて余計に攻撃性を高めてしまい、即刻凶行に至ってしまう可能性がある。
直接的な要素だが非常に解決が困難な為長年梨花を苦しめてきたが、罪滅し編で過去の記憶や過ちを断片的とはいえ思い出した圭一の獅子奮迅の活躍ではじめてこのルールによる惨劇が回避され、それ以降の世界ではメンバーの皆が仲間内での信頼を固め、短絡的な行動をとらないよう団結する事を覚えた為仲間内での凶行が起こらなくなり、事実上この錠前の打倒を果たした。
ただし、本当の意味でこの錠前を打破するというのは「雛見沢症候群を撲滅させる」事であり、その為に尽力している入江の存在が不可欠である(鷹野は治療の為ではなくあくまで研究対象としか見ていないので該当しない…が、様々な流れに関わっている関係上必須でもある。)。


『ルールY』……黒幕の強い意志により繰り広げられる惨劇
綿流し祭の夜に富竹が暗殺からはじまりその翌日中に梨花が鷹野の手により殺され、その深夜~未明には鷹野の「終末作戦」により雛見沢の住民が皆殺しにされ、梨花が住む舞台そのものが破壊されてしまう。一言でいうなら雛見沢大災害という末路である。
強い意思は結果を固定化しやすい=「運命」になりやすい法則から、黒幕である鷹野の強固な意志により多少の妨害をもろともせずほぼ全ての世界で必ず起こる流れであり、梨花の幸福の前に立ちはだかる最後にして最強の錠前である。
これを破るには鷹野の計画を頓挫させなければならないのだが、上述の通り梨花も羽入も殺される直前の記憶が失われる制約がある上、殺害される直前には梨花は眠らされ、鷹野達も普段は寧ろ梨花の味方としてふるまっている為、皆殺し編の終盤まで黒幕が鷹野である事に気づくことが出来ず、決定打となる行動をとれずにいた。
多くの編で富竹暗殺時報を機に事態が急変し、それを巡る園崎家などの意向(ルールZ)やそれらに影響を受けた登場人物が混乱の末に雛見沢症候群を発症し(ルールX)惨劇に導かれるなど、他2つのルールも刺激するという質の悪さも兼ね揃えている。
一応ルールXで梨花が亡くなった場合も状況次第では自ずと破れはするが、当然梨花自身にとっては意味のない話である。
仮に梨花がその記憶を継承できたとしても、鷹野は自衛隊の特殊部隊の1つ「山狗」という強大な部隊を私物化している為、梨花や部活メンバーや手近な大人が団結した程度の力では到底歯が立たない。それを打倒するには山狗を組織単位で告発し唯一梨花に勝利条件をもたす富竹、強大な実力と梨花を救う想いに目覚めた赤坂、戦闘経験が豊富な葛西をはじめとした有力者の存在も必要となる。しかし、綿流しの夜には必ず死ぬように計画されている富竹の生存、赤坂が梨花のSOSを覚えている状態で昭和58年6月の雛見沢に来訪…など、どれも奇跡でも起こらない限り実現しえない要因ばかりである。
詳細は実際本編をプレイするなどして確かめて欲しいが、祭囃し編・澪尽し編(CS版)ではそれらの奇跡が一同に集い、結束する事で鷹野や山狗との激戦を制し、この錠前を打破した。


『ルールZ』……雛見沢に古来から根付く、惨劇を容認・助長する悪習
雛見沢症候群の発症を抑える為に自ずと培った雛見沢の住民の結束力は非常に強いのだが、裏を返せば その結束を乱す存在を徹底的に排除する という事でもあり、結束力の強さ自体も、逆を言えば閉鎖的であるとも言える。現在では園崎家がこのルールの中枢を担っており、近隣で事件が起これば関連の有無にかかわらず自らが黒幕であるかのように振る舞い求心力を保つ「園崎ブラフ」により影響力を保っている*2。村の気質を刺激し誰かの疑心暗鬼を生み出し、それらにより起こった惨劇も園崎家の家訓やその影響力やらで「オヤシロ様の祟り」などと寧ろ神格化さえしてしまう悪質な土壌こそが、このルールの恐ろしい所である。
代表的なのが、ダム戦争初期に園崎家頭首お魎を罵倒した北条家がスケープゴートにされ、お魎に啖呵をきった北条夫妻のみならずその子息である沙都子や悟史まで徹底的に追い詰め*3、多大なストレスから兄妹共々雛見沢症候群を発症させ2年目と4年目の事件を起こしてしまった事や、黒幕である鷹野らにとっては自分たちが暗躍する為の絶好の隠れ蓑としても機能し、そのカラクリを利用し3年目の事件を引き起こした…など、他の2つのルールとも相互に干渉する事が分かる。
仮に雛見沢症候群が撲滅され、鷹野の計画を頓挫させてもこの土壌が残り続ければ、村人の些細な諍いなどから第二第三の惨劇が生み出される可能性も否定できない為、この錠前もしっかり破らなければならない。
村の気質や園崎家頭首であるお魎の強い決断に依存している、村内部の人間ではこのルールを破る事は出来ない*4為、外から来た人間の意見が必要不可欠である。
それが可能な人物は東京から引っ越してきた圭一や一度雛見沢を離れたレナであり、皆殺し編で沙都子を救う為圭一が村の役員やお魎を次々と説得して頷かせ村を一丸にまとめた事で、この錠前の一部(北条家と園崎家との確執)を破った。
こちらも作中では完全な打破までは果たせなかったが、完全な打破=村の完全改革という事になるので、こればかりは長い目で村民の意識を変えていかなければならないだろう。


主なセリフ

「…もう、決まっていることなのです」

「東京へ帰れ」
「あなたはこの村に来たことをひどく後悔することになる」

「……私は幸せに生きたい。…望みはそれだけ。
 …死にたくない」

「…“この”雛見沢にはもう興味はない。
 “次の”雛見沢を探しに行くことにするわ」

「……圭一は、………覚えているのですか?」

「遊んであげるわ。おいで、鉈女…!」






余談だが、小さい頃に梨花の父が大事にしていたアダルトビデオを見たことがある。

「金髪のお姉さんとお兄さんが車の中でプロレスしているビデオだったのですー」

「あぅあぅ…梨花…」




魔女に飽きたらず魔法少女にも挑戦する模様。





「追記・修正をお願いするのですよ、にぱ~☆」

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最終更新:2024年02月18日 16:02

*1 赤坂は低確率でダム闘争時代の雛見沢にやってくるという話から

*2 一応補足しておくと、これはあくまでも園崎家の一要素であり、長役の御三家の一人でしかないという枠組みからは脱しようとしておらず、他の村民の意見も尊重している。村民には無利子でお金を貸したりもしているなど、恐怖心以上に慕われている存在である。

*3 北条父の弟である鉄平ですら補助金を1円も貰ってないのに村八分に遭うなど被害を受けている

*4 公由家頭首である村長はそもそも自ら解決する必要性は感じておらず、古手家頭首である梨花が村人に強く訴えてもお魎が頷かない限りは結局村人はお魎に従い、園崎家次期頭首である魅音は全体の利益を鑑みる性格ゆえ園崎家の威信を覆しかねない決断を下せない…など、多方面からの要因によって村内部からの是正は不可能に近い。