SCP-1348/SCP-1427

登録日: 2017/01/15 Sun 02:17:34
更新日:2024/02/03 Sat 21:21:53
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Yehom té ehal.





SCP-1348及びSCP-1427はシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト
数あるオブジェクト群の中でも非常に謎の多いオブジェクトである。オブジェクトクラスはいずれもKeter。

…ただしこれは場所系オブジェクト特有の収容不能というのも大きいところはある。
普通ならその場所をまるごとサイト方式でどうにかしてしまえばいいのだが、この2つはそういうわけには行かないからである。

ちなみに長くなるため、いくつかの記述を省略している。この解説を読解のヒントとして、元記事を是非読んでみて欲しい。


SCP-1348 - Inner Sanctum (至聖所)

まずはSCP-1348について。

こちらはエッドゥルーズ山地のシリア・アラブ共和国エル・タバクから81kmに所在する洞穴を改造した施設である。場所がもういろいろとヤバい。
IAEAは当初この施設を「シリアが原子炉を格納するために作ったもの」と考えていたが、後にイスラエルによる空爆でこの施設が崩壊、
内部の未知の構造を明らかにすることになった…というのがこのオブジェクトの発見経緯。場所が危険過ぎるため収容不能というわけだ。
施設は3つの部屋を持つ構造となっており、真ん中の部屋は高い中性子束が検出されていたことがIAEAの疑念をわきおこしたと見られる。

この施設の中には「三つ目で10本の付属肢を持ち、その内3本(両脚と1枚の翼)を切断された」人型実体が存在し、
何らかの儀式を行っていたようだ。人型とは一体…うごごご*1
この実体は南方セム語を話していたが、財団とコミュニケーションを取ろうとせず、食事も水も寝具も拒否してきた。
そして栄養を取らなかったためてんかんに似た発作を起こして死んでしまった。
財団は「発見当時までは特に食料も水もなさそうな場所で生きていたのに何故連れてきたら栄養失調で死んでしまったのか」を訝しんでいる。

真ん中の部屋はいろいろな動物のモチーフと、さっきのよくわからん人型実体さんがやってたような儀式の描写が絵で書かれており、
内側にベリリウム青銅製の円筒形の隔壁に阻まれた祭壇がある。この祭壇が放射能汚染源というわけだ。
ちゃんと儀式やっとかないと中性子が一気に致死レベルに上昇する。

こいつが行っていた儀式は、どうやら真ん中の部屋との間の隔壁が下がりきってしまうことを防ぐらしく、
隔壁が下がりきってしまうと「XK-734、XK-918、XK-337シナリオの不可避的前駆事象」が起きるらしい。
「部屋が開くとK-クラスシナリオが起きる? 放射線がやばい、みたいな?」
いや、どうやらそうじゃないらしいですよ奥さん(それもあるだろうが)。
「じゃああれか、真ん中の部屋からバケモノでもでてくるのか?」

…どうもそういうことでもないみたいですよ奥さん。

この儀式なのだが、どうやら儀式自体に「被暗示性の誘発、宗教的熱狂、儀式実行への欲求」…
つまり「もっと儀式やりたい! 神様崇めたい!」みたいな麻薬みたいな中毒性があるらしく、「ミーム的毒性」と表現されている。
このミーム的毒性はなぜか「コーヘン型ハプロタイプY染色体」を持つ人、つまりユダヤ系の人は耐性を持つらしい。

儀式実行

さて、ここまで読んできてわけがわかんない人は多分多いと思う。ぶっちゃけ流し読みでいいです。
この儀式は前述の通り、ミーム的毒性を持つので、誰でもやらせていいというわけではない。
そして「耐性を持ってない奴」のほうが儀式を毎回ちゃんとやってくれるだろうという考えからか、
「コーヘン型ハプロタイプY染色体」を持たない現役の宗教信者を儀式担当として選出しようとしていた。
…だが財団は神様を崇めるどころか危険な場合はむしろ収容したり、余りにヤバイ場合はぶち殺しに行くような職場なので
宗教の現役信者の職員とか少ないし、そもそも儀式ができたとして今度は報告書が書けなくなる恐れがある。

そのため、財団はこのオブジェクトの儀式に関しては、「儀式を命令し、そのときのことを聞いて報告書に起こす」A班と、
「儀式を実行する」B班にわけ、B班は現地住民をその場で雇用して対応している。
一方A班は「宗教の現役信者ではなく、以前にも儀式に関与したこともなく、現地の古語が理解できず、あるオブジェクトの電波に晒されなかった」人で構成している。
最後のオブジェクトは黒塗りで伏せられているのだが、恐らくは後述のSCP-1427ではないかと推測される。
これは隔壁の材料がベリリウム青銅製なのだが、SCP-1427も本体がベリリウム青銅製であることや、
起源とされる場所で南方セム語を発見したこと、なぜかやたら放射線汚染が見られたことなど共通点が多いためである。
(あとメタ的に言えば作者が同じ)

[か]れとは誰なのか

上述の通りに班が編成され、一応の収容プロトコルが制定されたのち、A班主任のビンヤミン・カーン博士は
B班主任の博士(黒塗り)との会談に臨む。が、カーン博士に対してB班主任は興奮気味になって
「これは儀式ではない、というかそもそも[か]れから世界を守ってるんじゃない、世界から[か]れを守ってるのだ」と言い始めるに至る。

[か]れとは恐らく祭壇に祀られている神格存在であると思われるが、それ自体が世界にとっての脅威なのではなく、
その存在を祭壇の外にいる何者かから守る、あるいは見つからないようにするための儀式であるようだ。

分かりません。わたしたちは何か悪いことをしたのだと思います。あの歌はわたしたちがどれだけ悪いか歌っています。だけどそれは間違っています。わたしたちは何も悪いことをしていません。わたしたちは生じる筈ではありませんでした。わたしたちは生じました。わたしたちが生じたことはわたしたちの過ちではありません。

彼らは円の外側に立っていました。そして、わたしたちはわたしたちのせいでかれがどれだけ苦しんでいるかを歌わなければなりませんでした。隔壁を閉じるために。だから他の者たちはかれが戻るのを見逃しません。彼らはとても怒っています。彼らは長く物事を覚えていられません。たぶん、わたしよりも。

"iné esal peseh, ma Yehom ahallam"

B班主任は前述のメッセージと、何かしらの神格存在の罪を訴える歌を歌い、
そして[か]れはカーン博士に会いたいと言っていると、そのB班主任は伝えた。


SCP-1427 - Extinguishing Stele (意識剥奪の石碑)


SCP-1427はベリリウム青銅製のオベリスクであり、電源もないのに指向性の電磁パルスを7ナノ秒毎に発生させる。
このパルスは最も近くにいる一定数の人間へと送信され、能動的な意思や思考能力を奪うという影響を与える。
厄介なことに曝露済みの人間は送信対象から外れてしまう上、パルス送信には有効限界範囲というものが存在しない。
つまりオベリスクが放置されたならば、あっという間に地球上の人類の大半が洗脳されてしまうことになる。
ただし、とあるタイプの人間だけはこの洗脳に対する免疫を持っており、パルスの送信判定をループさせられるという。

それは「権威主義に対して従順な人」。分かりやすく言えば、全体主義や独裁制国家の国民なら洗脳されにくいということである。

このオベリスクはイタリアの特殊部隊によってアルジェリアで発見され、以来は主に東側諸国を転々とした。
イタリアやドイツでは何故かこのアーティファクトを起動することができなかったが、
ソビエト連邦領内の研究施設にて起動に成功、若干の被害が出たものの、旧ソ連はバリバリの共産主義国であったため事無きを得た。
なお、不思議なことにこの起動実験が行われた場所と期日は実際に起きた事件、ウラル核惨事のそれと一致する。
その後、ソ連崩壊の兆しを受けて移送が計画され、現在は北朝鮮にある。

北朝鮮にある。

つまり、財団は独裁国家である北朝鮮を利用している形になる。
しかしこの収容プロトコルには異論もあり、「せっかくDクラス職員がいるんだからこいつら使ってミニ独裁国家作ろうよ」という意見が出ている。
提案者曰く、「こいつの収容のために必須な人数が分かってるのに、それより多くの人を独裁国家で苦しませる意味はあるのか」ということらしい。

この提案自体は却下されたようだが、O5も独裁国家に頼る不安定な収容体制に関しては思う所があったようで、
この柱の破棄、あるいは永続的な不活性維持という新たな収容プロトコルを模索するための研究が行われることになった。
SCP-1427の起源はアルジェリアであることから、発見されたと推測される箇所が発掘された。

……そこには明らかに異常な歴史的遺物が埋まっていた。
まず相当量の放射線汚染の痕跡と、たくさんの乳児の死亡を示す廃棄物。
そして「古代のsapiens sapiensによる芸術破壊行動または偶像破壊行動」、
ベリリウム青銅が用いられた構造物やセム語アルファベットによる碑文が刻まれた人工物。

回収された遺骸の調査によって、この区域にはホモ・サピエンス・イダルトゥ*2と共に、
ホモ・サピエンス・ディセンサス(財団命名による)なる亜人種たちが暮らしていたことが判明する。
現生人類よりも遥かに巨大で、6本の指を有していた彼らは、現代科学とは異なる高度なテクノロジーを有していたようで、
僅かに残された人工物は核分裂反応を阻害するという奇妙な特性を示しており、財団研究者はこれを核攻撃への対抗策と解釈している。
そんな超文明を誇っていた亜人種たちであったが、放射線を含む地層より上ではその痕跡が見られなくなり、
代わりに人類のご先祖様が彼らの遺跡を掘り起こし、その遺物や死体をめちゃくちゃに破壊した形跡が残されている。

超常的な技術を有していた亜人種、過去の人類が行った憎悪すら感じさせる徹底的な破壊活動。
以上の事柄から導き出されるのは、亜人種が現生人類のご先祖様を隷属させていたという事実であり、
SCP-1427とは、つまるところ人類(のご先祖様)を奴隷として扱いやすくするための洗脳装置なのであった。

ここからは余談&更なる真実に関するネタバレになるが、亜人種の人工物に見られる「核分裂反応の阻害」は正しい理解ではない。
実際の特性は「近くで起きた核分裂や放射性崩壊(によって放たれる中性子)からエネルギーを引き出す」というものであり、
1427がソ連で実験されるまで起動しなかったのは、エネルギー源となりうる原子力がこの頃まで実用化されていなかったためである。
ぶっちゃけ原子炉などが近くにさえなければ1427は無力化するのだが、北朝鮮を介した研究しかできないためこの事実は明らかになっていない。
ソ連が余計なことをしなければ…と思われるかもしれないが、後の祭りである。

そうだ、神に会いに行こう

再び至聖所の話に戻る。

カーン博士はB班主任から、[か]れがカーン博士に会いたがっていると聞いて、
儀式の改訂版プロトコルを策定。つまり、カーン博士が新しい儀式様式を作り上げたというわけである。

カーン博士はそれを確かに「A班だけで」実行し、そして隔壁が閉まる前に中に入ってしまった。
以後、隔壁が下がることはなく、改訂版儀式が正しいということでB班は解散、新たな収容プロトコルを設定したのである。

カーン博士はこの事案の前、娘に手紙を書いていたようで、要約すると
「私はお前と違って神は信じてなかった。お前の祖父はナチスによるホロコーストが切っ掛けで気難しい人になってしまい、
私は自分の父と和解できずに別れてしまった。明日私は父と、その前の御先祖様と、そして神の前に歩みでよう。
そして死後の世界にいずれお前が来るのを待とう。お前を愛している、父より」と言うような内容が書いてあった。

カーン博士は苗字が「カーン」=「コーヘン」の派生、つまり「コーヘン型ハプロタイプY染色体」を持つ人のはず*3だが、
明らかに儀式に中毒性を感じていることが確認されており、「コーヘン型ハプロタイプY染色体」を持つことは儀式への中毒性を阻害する要因ではないと結論付けられた。

結局SCP-1348ってなんなの?

SCP-1348は、簡単に言えば「《彼ら》から[か]れ、つまりYehomさんを隠すための防護施設」である。

これらSCPが秘めているバックストーリーは推測だけで語るには余りにも難解であるため、
ここからは著者であるophite氏が(ほぼ正解に近い考察がされた後に)公開したスポイラー情報を元に解説していきたい。

およそ200万年ほど前、従来のヒト属生物とは異なる種族、ホモ・サピエンス・ディセンサスが地上に出現した。
彼らは核分裂や放射能からエネルギーを抽出するという異常な技術を保有しており、
強力な放射線源である、《彼ら》の棲まう至聖所を中心としたいくつかの集落を築いていた。

ディセンサスは種族的欠陥として死産が多く、その技術力に反してごく小規模な人口を維持することしかできなかった。
近縁であるホモ・エレクトスとの異種交配によって生殖能力を向上させる試みも行われたようだが、
その結果生まれたのは出来損ないの交雑種……我々ホモ・サピエンスの祖先種であった。
ご先祖様たちは彼らから同族とは見なされず放逐されたが、優れた繁殖力と彼らに準じる知能は恐るべきものだったらしく、
ディセンサスは《彼ら》をパワーソースとする、野生のホモ・サピエンスを無力化・家畜化するための装置SCP-1427を作り上げた。
彼らがご先祖様をどう扱ったのか判断する材料は無いが、後の苛烈な報復を見る限りろくなものでなかったことは間違いない。

さてディセンサスの文明に深く関わる《彼ら》とは一体何者なのか?
ここではophite氏に倣い、「エロヒム」*4と呼ぶことにする。
エロヒムとは形而上的な高次存在、比類なき未定義の力、まあ要するに神々のことである。
《彼ら》は世界全体に遍在するものであり、至聖所においては強力な放射線を放つエネルギー実体として顕れる異常存在であり、
またディセンサスという種を何らかの干渉によって生み出したインテリジェント・デザイナーでもある。

エロヒムは人間とは全く異なる形で世界を認識しているようで、個人よりその系統、一つ一つの出来事より歴史レベルのパターンに関心を持つ。
つまり細かい事は一々気にかけないし、覚えていられない、ある種の近視眼的な物の見方しかできないのだ。
1348インタビューに見られる不可解な描写(カーン博士とその父親の混同、「彼らは長く物事を覚えていられません」など)はその奇妙な性質を表している。
ディセンサスは自らの創造主であるエロヒムを発電所か何かのように利用していた訳だが、
遠大な視点を持つ《彼ら》にとって、ディセンサスという種の存続が望ましい事であったからこそ許されていたのだろう。

エロヒム、その庇護を受けしディセンサス、奴隷として酷使されるホモ・サピエンス。
この関係性はエロヒムの内の一柱、慈悲深きYehomさんが起こした"裏切り"によって崩れ去ることとなる。
彼が人類を救うために何をしたのかは定かではないが、結果として彼以外のエロヒムは地上から消え失せ、ディセンサスは滅び去った。
彼自身もその代償として傷つき、エル・タバクの至聖所にずっと引き篭もらなければならなくなってしまった。*5
それから救われたホモサピの直系子孫であるセム人の間でYehomさんを神とする宗教が広まり、
唯一神ヤハウェを掲げるユダヤ教などの教えへと派生していった。

そしてユダヤ司祭コーヘンの血族であるカーン博士に繋がる。
迫害を経験して恐らく民族や宗教というものに固執するようになった父親への反発や財団で知ってしまったアレコレのために、
彼は都合の良い神様など到底信じられなくなっていたが、宗教的苦悩自体はずっと抱えていたらしく、
インタビューから得られた情報によって唯一なる神の存在を確信、 信仰のせいで仲違いしてしまった娘へ謝罪し、
会いたがっているというYehomさんに会いに行った、という訳である。
いずれ父として娘に顔向けできるように。

ここまでの内容から容易く推測できることだが、他のエロヒムは滅んだ訳ではない
そもそも何故いきなり「Yehom」が神の真名だと結論づけてんだよと思った人がいたかもしれないが、
『SCP-1115 - Distant Early Warning (遠距離早期警戒)』なるオブジェクトがあり、その通信文章から推測されるというわけである。
これはドーナツ型飛行物体であり、財団の言語学者によって、「周囲の放射線濃度を測定する機械」と推測されている。

このオブジェクトの通信内容はやや意味深である。

Yehom té ehal. Alar e-ahallam. Ahallam a-eh embarrah B8AA092A. Teasté 114.1. Annach heamé 5A. Mearnoch am had dalles 7 her. Yehom té ehal. Mear fallars 0.00050A22. Yehom té ehal. Hemachem am mollah 216060B. Yehar sel tevàs A.6. Reham 14A. Tevàs. Turechem embarrah a-té 20, nar nares ahallam. Yehom té ehal. Yehom té ehal. Yehom té ehal.

Yehom té ehal」という言葉。現在Yehomという言葉は他にB班主任が至聖所の中で聞いた歌しか他に出典がなく、
あちらで大文字で表記されていることもあって、これは固有名詞=神の真名であろうと言えるわけである。*6

1348インタビューからも分かる通り、エロヒムたちはYehomの成した所業を許してはいない。
隔壁が下がり続け、高次から巡らされる視線の下にその居場所が明らかになった時、彼は今度こそ滅ぼされ、
その被庇護者である人類もまた破滅、XK-クラス世界終焉シナリオに直面することになるだろう。
いみじくもアブラハムの宗教において伝えられる黙示録の如くに。

彼らは今でも、裏切者を探している。



余談

さて、SCP創作において意識しなければならないこととして、「各記事は原則として異なるヘッドカノンの下に執筆されている」という注意点が挙げられる。
このSCP-1348・SCP-1427は明らかにSCP-1000SCP-2932とは矛盾している*7
したがってこのオブジェクトを始め、噛み合っていないオブジェクトとは同時に存在し得ないことが言える。

…のだが、あえて仮にSK-クラスをかつて起こしたと思われる描写のあるオブジェクト群を同じ世界線であったとすると恐ろしいことになる。

  • むかしむかし、妖精がいました(435)
  • 妖精はビッグフットに滅ぼされました(2932)
  • ビッグフットはホモ・サピエンスによって猿にされました(1000)
  • ホモ・サピエンスの中にもイダルトゥとディセンサスがいて、ディセンサスが高度な機械文明を持ちました(1115)
  • Yehomがこころを痛めてイダルトゥを救いました(1348)
  • しかし残念なことにイダルトゥの子孫サピエンスは肌の色で差別しました。白人に差別された黒人はその後南北戦争の戦争結果を経て地位を確立していきました(1851-EX)
  • ところがぎっちょん、知らぬ間に人類はレプティリアンに支配されていたのです。しかもこれ財団のやらかしです(2013)
  • しかも本当の人類は別に存在していました。リセットした時に機械が作った我々は、本来の「人類」じゃありません(2000)
  • そしてやってくるAdidal(2998)

(番号はSCPの収容ナンバーを示す)

…という、「地球上の支配種がシフトしまくる」というとんでもない自体が発覚してしまうのである。
なにこれ。支配種同士で仲良くできないのも原因な気はするが。
まあ特にSCP-2000の話入れるとややこしくなるのでここでは考慮しないでおこう。

ティターニアの檻に「Adam」がいて、Adamは神様に作られた最初の人類であることを考えると、
YehomとAdamの存在の両立は不思議な謎になってしまうのだが、
この件についてSCP-073は報告書を全て読んでいるはずなのに教えてくれない。
カインさんも言い難い事実があったんだろうか?
SCP-076も何か知ってるかもしれないが、あっちはクソトカゲ討伐とかで忙しいだろうし。
さわやかな飲み物と肉満載のピザをあげたらこの問題の答えを教えてくれないだろうか?


別のオブジェクトはいいんだ! つまりどうなんだ!

Tale風に説明しよう。

むかしむかしの、そのまたむかし。

世界に新しい人類が現れました。神様の作った種族です。
彼らはとても頭がよく、高い文明を作り上げました。

しかし、その種族は優秀でしたが、子供を作る能力がとても低かったのです。
別の人種との間に生まれた子供は、出来損ないでした。

優秀な種族は出来損ないを管理するために、神々の一部を柱のエネルギーとして使い、出来損ないたちを洗脳していました。神様たちにとっては、それでよかったのです。

しかし、神様のうちの一人が、それに反対して動き出しました。
それによって、柱のエネルギーだった神々は消えてしまいました。
反対した神様もそれによって傷つき、遺跡の中に閉じこもらなければならなくなりました。

洗脳され、支配されていた出来損ない達は怒り、優秀な種族を滅ぼしてしまいました。
この出来損ない達が、今の人類の先祖です。

今の人類の先祖たちは、反対した神様に感謝しました。
それが今でも、ただ一つの神様を崇める教えとして、形を変えて残っているのです。

他の神々は怒りました。
反対した神様を見つけ出し、その神様が守っている今の人類ごと世界を滅ぼさなければ気が済まないのです。

反対した神様は遺跡において、しもべの行う儀式によって隠れていました。
しかし、現在になって、SCP財団という、異常な存在を収容する団体がその遺跡を見つけたのです。

財団は、異常な存在である神様のしもべを連れて帰りました。
しかし、しもべは遺跡から離れたことで死んでしまいました。これでは儀式が続けられません。
神様が見つかり、世界は終わってしまいます。

財団は慌てて儀式を続ける方法を作り出しましたが、ある博士が神様に呼ばれて遺跡の中に入りました。
それ以来、神様のいる部屋の扉は閉まったままです。

しかし、いつまた下がるかもしれません。
財団はその時に備えて手段を構築していますが、上手くいくかはわかりません。

それでは、最後に問題です。


財団の明日はどっちでしょう?


追記・修正をお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示



SCP-1427 - Extinguishing Stele
by ophite
http://www.scp-wiki.net/scp-1427
http://ja.scp-wiki.net/scp-1427

SCP-1115 - Distant Early Warning
by smapti
http://www.scp-wiki.net/scp-1115
http://ja.scp-wiki.net/scp-1115

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最終更新:2024年02月03日 21:21

*1 付属肢とは腕・脚・翼などを指す言葉。二本ずつの腕と脚に加えて六枚の翼があると考えれば計10本、下記の背景も加えて想像しやすいだろう

*2 現人類であるホモ・サピエンス・サピエンスの直系の御先祖様

*3 コーヘンとはユダヤ教における男系世襲の司祭コーヘンを指しており、「コーヘン型ハプロタイプY染色体」を持つということはこのコーヘンさん一家にルーツを持つ、つまりユダヤ人であるということになる

*4 アブラハムの宗教、いわゆる一神教における唯一神の古い呼び名。言語学的な解釈では“神の複数形”となる。

*5 ちなみに、至聖所にてYehomさんを覆い隠す儀式を続けていたSCP-1348-01-Eはエロヒムに仕える奉仕種族的な存在であり、聖書で言うところの熾天使(セラフ)に該当する。両手両足を除いた付属肢は6つ、すなわち三対六枚の翼を意味している。消化器官が退化しているのはディセンサス由来技術と同じく放射能をエネルギーとして取り込めるため。財団がこの人を連れ出さなければ…

*6 なお、SCP-1115はophite氏以外の著者によって書かれた記事であり、インスパイア元・参照元ではあるが同シリーズの記事という訳ではない。

*7 詳しくはあちらのページを参照