勇介(仮面ライダー555)

登録日:2017/01/13 Fri 01:04:51
更新日:2023/05/24 Wed 14:37:47
所要時間:約 5 分で読めます




勇介(ゆうすけ)とは『仮面ライダー555』の登場人物。
ただし映像作品には登場せず(後述する設定的に存在自体していない)、小説版にのみ登場する。

以下、小説終盤のネタバレにつき注意。




















菊池啓太郎長田結花の子供。つまり人間とオルフェノクのハーフ。名前の『勇』は木場勇治から一字もらったもの。

草加雅人含むカイザ部隊にリンチされ死亡した結花の遺灰の中から、ちゅーかこと海堂直也が発見し保護した。
その後、海堂は勇介を自分の子供だと偽って(周りには嘘だとバレバレだった。特に啓太郎は自分と結花の子であると気づいていた模様)、菊池クリーニングの面々に紹介し、そこで育てることにする。

『異形の花々』本編での活躍は以上だったが、講談社キャラクター文庫から出版された加筆・修正版『小説 仮面ライダーファイズ』では五年後の姿が描かれている。

その五年後では、啓太郎は親の仕事を手伝うためにアフリカへ行き、と海堂が行方不明となり、クリーニング店には真理と勇介しか残っていなかった。
また、政府が世間にオルフェノクの存在を公表し、オルフェノク対策委員会を設立。カイザが大量生産され、オルフェノクは魔女狩りのごとき仕打ちをうけていた。
勇介は精神年齢こそ年相応であるものの、わずか半年で高校生ほどの体格に成長してしまい、委員会に勇介の存在を知られることを恐れた真理から外出と他者との交流を禁じられていた。


【人物像】

前述の通り、根本的には普通の五歳児と大差が無い。絵本を読んでくれと言い、ゲームをしようと言い、夜は誰かに抱かれて眠る事を望む。
真理は急速な成長を見せるまでは「普通よりもずっと可愛らしくて賢い」と評していた。
故に周囲の微妙な変化に敏感で、真理のよそよそしい態度に傷つき悩み、啓太郎がいないことに「ぼく、寂しいよ」と漏らしている。

成長したのは外見だけではなく、頭脳も天才的な理解力を示しす。以前啓太郎が使っていた部屋に閉じこもっているうちは手当たり次第に様々な分野の本を読み、独学で歴史や科学を学んだ。

その一方で、自分の両親について質問したりせず、ただぼんやりと「自分はみんな子供なのだ」と考えたり、前述の読書の結果「人類というのはひどく愚かなものである」という感想を得るなど、冷めた一面も見せている。

食べる事にあまり興味がないという特徴があるが、これが種族的なものか勇介個人によるものかは不明。


【草加雅人との出会い】

勇介の身に起きた変化は急速な成長だけではなかった。
勇介は結花の胎内にいた頃に聞いた彼女の断末魔を思い出し、それは同時に全身を突き刺す激痛として、勇介を襲ったのだ。

この痛みから逃れるために勇介は真理の目を盗んで外出し、カイザとオルフェノクの戦いに乱入しては光る人(後述)に変身してカイザを殺すという行為を繰り返すようになる。

そんなある日、勇介はスパイダーオルフェノクと化した草加雅人と出会う。そして、よりにもよって彼に「オルフェノクとは何なんですか? 人間とは何なんですか?」と質問してしまった。
これに対する雅人の返答は「人間とは闇だ」「オルフェノクは人間の闇を切り開く。闇を裂いて光をもたらす」というもの。
勇介は更に「じゃあ、ぼくは?」と訊ねるが、雅人は「それはお前が決める事だ」と返した。
なお、雅人のこの行為は、本文にはっきりと表現されている。


【真理との別れ】

勇介が「光る人」に変身できることが、真理に知られる時が来た。
勇介はエレファントオルフェノクから真理を守るために戦い、そして勝った。
初めて自分を誇らしいと思った勇介だったが、真理はそんな勇介から逃げてしまった。

その翌日、オルフェノク対策委員会のメンバーたちが真理の元を訪れる。要件はもちろん、「勇介を我々に引き渡してほしい」というものであった。
一度は委員会に従った勇介だが、真理が考えを改め勇介を取り戻すべくやってきたため、再び光る人へと変身。三人のカイザを瞬殺する。

しかし再会したのも束の間、今度は真理が雅人によってさらわれてしまう。
勇介はスパイダーオルフェノクの攻撃によって全身を穴だらけにされ、倒れた。


【闇の中で見つけた答え】

死に瀕した勇介は、今度は結花の「愛する誰かに対する想い」と、「その誰かから与えられる優しい言葉」を思い出す。
その声は啓太郎のもの。勇介はこの時はじめて、啓太郎が自分の父親であることに気づいた。

アフリカへ行く際、啓太郎は「日々、勇介が出す洗濯物をアフリカに送ってほしい」という提案をした。何が何でも勇介の衣服は自分の手で洗いたいと。

勇介は間違い無く、二人の愛情に包まれていた。それを悟った勇介は、真理を助けるべく、大量のオルフェノクが潜む森へと入り、再び雅人と対峙する。


「貴様、オルフェノクとして生きるんじゃないのか?」

「違う。ぼくは人間だ


【復活した戦士】

無数のオルフェノクの妨害を受け、思うように真理の救出ができないでいる勇介。
そこへ現れたのはおぼろげな影のような男――巧だった。
巧はファイズに変身して雅人/スパイダーオルフェノクを倒し、真理を助け出す。
しかし、巧は既に限界だった。ファイズへの変身は長時間持たず、体からは煙のような灰が立ち上がっては消えていく。

勇介は二人を守るためにファイズギアを手に取りファイズに変身。更なる戦いに挑むのであった。


【変身形態】

○光る人
人間でもオルフェノクでもない何者か。
イエローダイヤモンドのように皮膚が硬質化透明化し、体内に明かりが灯ったかのように身体中が黄金色に光っている。血液も光る。
戦闘能力は非常に高く、カイザもオルフェノクも一撃で倒している。腕力は片腕でエレファントオルフェノクの足を受け止めるほど。光によって車の一部を溶かしたかのような描写もある。
また、スパイダーオルフェノクによって全身を穴だらけにされても即死には至らず、すぐに完治するなど生命力も強い。
読者からはアークオルフェノク説、アギト説、超光戦士説など、様々な考察がなされているが、明確な答えは無い。

仮面ライダーファイズ
巧が持ってきた二つ目のファイズギアを使用して変身(一つ目は五年前に木場勇治によって破壊された)。小説版なのでアクセルフォームとブラスターフォームは出番無し。
勇介は五歳なので、非実写媒体とは言え野原しんのすけ仮面ライダーしん王と並ぶ最年少ライダーであった。
しかし後に実写媒体の方で、彼らより明確に年下であるライダーと、年下である可能性が高いライダーが現れている。


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最終更新:2023年05月24日 14:37