闇の皇帝ゼット

登録日:2017/1/12 (木曜日) 9:49:00
更新日:2024/03/14 Thu 01:55:14
所要時間:約 10 分で読めます





※推奨BGM:ビュンビュン!トッキュウジャー


次はぁ~!

何だ……?今、なんかゾクっとした……。

闇の皇帝がお出ましになる。世界は変わる!

まずいですよ、これは~!


第11駅

闇の皇帝


俺にはまだ見えないなあ!俺たちの終着駅!!


お乗り遅れにご注意くださ~い!







キラ~キラ~ひか~る~♪ お~そら~の~ほ~し~よ……♪


闇の皇帝ゼットとは、『烈車戦隊トッキュウジャー』に登場する敵組織「シャドーライン」の首領である。
演:大口兼悟
テーマソング:暗闇の在処

【データ】

身長:209cm(怪人体)
体重:206kg(怪人体)
闇形式:ゼッイ83-11
闇装備:皇帝系キラーソード
シャドーかいじんうんちく:こうていゼットのほんしつは、やはりキラキラではなく「やみ」だったんだ


【概要】

シャドーラインの幹部達が、闇の烈車「クライナー」を使って自らの勢力圏となる闇の駅を増やし、
最終的に降臨させようとしているシャドーラインの支配者。
怪物揃いのシャドーラインでは珍しく、容姿は人間の若者と変わらぬ姿。黒髪に紫メッシュが入った髪型が特徴。
ただしその本質は深い闇から生まれた闇の化身である。

シャドーラインの本質である闇を司り、シャドーラインを絶対的な恐怖と力で支配する。
彼への鋼の忠誠心を持つネロ男爵でさえ「あの御方はどんなに有能な部下でも、不要と判断した瞬間に容易く切り捨ててしまう」と語り、存在そのものを畏れている。

……が


ただの闇なんて古くせえ、これからは『輝き』の時代だ!


【人物像】

本編11駅で初登場した際に明らかになった実際の性格は、
夢や希望、喜び、イマジネーションが生む「キラキラ」や「輝き」を好み闇を毛嫌いするというネロ男爵の語ったものとは真逆のものであった。
闇の化身であるゼットにとって自身が好むキラキラや輝きは毒にしか働かないが、それでも尚一途に輝きを欲している。
この趣向については、育ての親代わりであったモルク侯爵も難色を示している。

「闇」をつまらないと評してシャドーラインのあらゆる存在を煙たがり、常に気怠い態度だが、キラキラを持つ者には普段の態度とは一転興味関心を示す。
これが顕著に現れていたのがグリッタ嬢で、彼女の眼の奥に「キラキラ(シュバルツ将軍への愛)」があることを見出すと、
途端に彼女を気に入ってノア夫人のグリッタを自身の妃にすることを、彼女の思惑も込みで承諾している。
敵であるトッキュウジャーに対しても例外ではなく、特にイマジネーションの強いトッキュウ1号/ライトには一目置いている。
またザラムが「キラキラ」を手に入れ、虹野明となれた理由にも関心を強くもっている。


ただし自分に許可なく独断で動いた部下には容赦なく制裁を加え、遠隔から巨大ロボ戦に介入する能力を持つなど、「皇帝」としての冷酷な支配者としての顔は健在。
シュバルツやノアの企みを見抜くなど底知れぬ洞察力も持つ。

彼がキラキラを欲するようになったきっかけは、ずっと闇の中で暮らしてきたが、昴ヶ浜を闇で飲み込んだ時に「闇の中で光を見た」こと。
ただし詳細な記憶は本人も覚えておらず、時折童謡の「きらきら星」を口ずさむ。

しかし、彼がどれだけ光やキラキラに憧れようとゼットの本質は「闇」に過ぎない。
それを裏付けるように、自分にない「キラキラ」を得るための手段は物語中ではどれも他者からキラキラを奪い取るという形式を取っていた。
そして彼が求めるキラキラは、夢を見たり想像したりと、全て己の心から自力で生み出していくものである。
根本的に「キラキラ=他者から奪い取れるモノ」という発想しか出来ないゼットとは相容れない、まさに正反対の概念と言えよう。

【配下】

  • ランプシャドー
身長/205cm(巨大化闇暴走時身長45.1m)
体重/192kg(巨大化闇暴走時体重422.4t)
闇形式/ゼロ109-11
闇装備/アームランプ系サイズ
闇駅名/闇の影
シャドーかいじんうんちく/ランプシャドーのおおがまは、あいてのいのちの「ともしび」をかるため、「しにがみのかまのようだ」といわれているよ。
CV:諏訪部順一

邪悪な灯りで人間を催眠術にかける能力を持つ、照明系シャドー怪人。
シャドーラインでありながら灯りをともすという特異性からか、キラキラに興味を持ったゼットにその護衛を任され、忠実に務めている。
大鎌「アームランプ系サイズ」は、スイッチ一つで自在に光量を調整する機能を持ち、キャノン砲のように肩に担いで超光熱ビームを発射することも可能である。

闇の皇帝ゼットの命令を受けて、この能力で闇の灯りを照射すると、催眠術によってトカッチら4人や、町の子供達からイマジネーションを奪い、ひとり残されたライトのキラキラの強さを試す実験を運行しようとした。


  • リングシャドー
身長/202cm(巨大化闇暴走時身長44.4m)
体重/189kg(巨大化闇暴走時体重415.8t)
闇形式/ゼハ22-18
闇装備/頭痛系リング、宝石系ガントレット
闇駅名/変頭痛
シャドーかいじんうんちく/リングシャドーのぜんしんのほうせきは、やみでみがかれたふきつなジュエルばかりなんだ。
CV:三宅健太

金色のリングを人間の頭にはめて、名前を呼ばれた者を苦しめる能力を持つ指輪系シャドー怪人。
何故かおネエ系で独占欲の強い性格である。

「頭痛系リング」はリングシャドーにしか外すことができず、そこに刻まれた名前の支配からは絶対に逃れることはできない。
両腕の「宝石系ガントレット」は、敵の急所を的確に狙いながら盾のように防御することもできる、攻防一体の美しい武器である。

この能力で名前の書かれたリングを町中にばらまいて、お互いに名前を呼んでしまった時に生み出される、激しい頭痛から闇を集める作戦を運行しようとした。


  • ピンスポシャドー
身長/201cm(巨大化闇暴走時身長44.2m)
体重/197kg(巨大化闇暴走時体重433.4t)
闇形式/ゼハ134-25
闇装備/ピンスポット系フラッシュ、6連系フラッシュ
闇駅名/おとぎ
シャドーかいじんうんちく/ピンスポシャドーのあたまは、こどもがもつえほんをねらいやすいように、ひくいいちにあるんだ。
CV:二又一成

あらゆる物語の登場キャラクターを実体化させる能力を持つ、舞台照明系シャドー怪人。
頭部の「ピンスポット系フラッシュ」から、「ピン・スポット!」と絵本を狙ってビームを照射することで、その登場キャラクターを現実に実体化させることができる。
また、このビームを人間が直接浴びた場合、トカッチのリョーナイトのように、その者が心の中に秘めたヒーロー像なども実体化してしまう。
ボディの「6連系フラッシュ」を「全力照射!」させて、高熱を圧縮した攻撃ビームを放つこともできる。

自身の能力で絵本の中の主人公達を実体化させて、キラキラを集める作戦を運行しようとした…のだが、純粋な桃太郎やシンデレラたちは、闇の影響を受けてダメダメな性格になってしまったため、ネロ男爵の指揮で、彼らを物語ごと消滅させて闇を集める作戦を運行しようとした。


【行動】

ネロ男爵の策謀によりシャドーラインに召集されてからはやる気は見せる事は少なかったが、
第22駅ではグリッタ嬢との結婚式の最中、ノア夫人譲りの「婚約者を飲み込み吸収する能力」を得たグリッタ嬢に飲み込まれてしまい、一時はノア夫人の思惑通り下剋上されてしまうことになった。
なおその自由気ままな気難しい性格から、幹部陣からの受けはあまりよろしくなかったようで、皮肉にも幹部の中で彼の死を悼んでいたのは視聴者から「途中で裏切る」「腹に一物抱えてる」「胡散臭い」などと言われてたネロ男爵のみであった。

しかし……。






うっ!?…シュバルツ様離れて!ううっ…ああぁぁぁぁぁあああーーーッ!!

……よう。

その声…まさか…!

ようやく手に入れたぜ……グリッタのキラキラを。

初めからそのつもりで…グリッタ嬢と…!

言ったろう?俺は『光る闇』が欲しいって。

将軍。てめぇの目だがな…さっきちょっとだけ「光った」ぜ。

◆ゼット怪人態


スーツアクター:中田裕士

第22駅でグリッタ嬢の能力で彼女に捕食・吸収されたはずが、満身創痍になったグリッタを逆に内から食い破ることで彼女の肉体を吸収し変貌した新しい戦闘形態。
武器は目玉の意匠が描かれた剣「皇帝系キラーソード」
なおグリッタ嬢を内から食い破るシーンは、腕が内側から弾け飛び変異しているようで中々にグロい。

銀色の頭に黒い体という異形となり、腹部にシャドーラインの紋章にも似た目玉のようなものがある。
人間時に来てたものに銀色の装飾が施された白い服を身に纏う。
闇のオーラを全方位に放ったり、剣から闇の斬撃を放つ攻撃を主とする。
また腹部から肋骨のようなものを出して相手を取り込むことができる。

戦闘力も絶大でゼット自身も念願のキラキラを手に入れたとご満悦であったが、実際は自身と正反対の属性を持つグリッタを取り込んだ結果、
相反する属性がぶつかり合い本来の『闇』の力が弱体化してしまうという自己矛盾を抱えた不安定な状態と化してしまった。
大抵のボスキャラならグリッタ嬢を吐き出すような行為を行ったり対策を講じることが多いが、ゼットの場合はそのような行為は一切見せない。
まあ自分から手に入れたキラキラを台無しにするような行為をゼットが行う筈がないのだが。
モルク侯爵はこの状態を「火に誘き寄せられて自滅する虫のようなもの」と例えている。
シャドーラインの闇が最も弱体化する時期『ヤミベリ』の頃は、著しい弱体を起こすことさえあった。






ったく…なんで闇ばっかり増えるんだかなぁ…。キラキラが一つも手に入らねェ……!

どいつもこいつも、オレに闇ばかり見せやがって……!

ウンザリなんだよテメエ等にもなぁ!!

◆ゼット・真

自身の体内に取り込んでいた『キラキラ』の源であるグリッタ嬢をノア夫人達によって分離された事で、
今まで抑え込まれていた『闇』が急激に増幅されて変貌した、完全体にして真の姿。 モルク侯爵曰く「深く美しい闇そのものの姿」
トッキュウジャーのメンバーがその姿に恐怖の表情を露わにした程底知れない闇を持つ。
変貌直後、シュバルツを滅多切りにして瞬殺したが、この時は溢れ出る闇を御し切ることができず、
誰も彼もが自分に闇ばかり見せること、そして自分以外の者が次々と「キラキラ」を手に入れていくことへの怒りを遂に爆発させ、
八つ当たりとばかりにモルクとネロにも斬りかかった。

肉体から溢れんばかりに生み出される『闇』の量は凄まじく、
キャッスルターミナルから帰還するだけで彼の「闇」に触発されたクライナーが大量に地上に出現。
更に自身の中の極めて莫大な『闇』が本拠地キャッスルターミナルと融合したことで、
自身の分身体「闇の巨獣」をも創造してしまった。



消す前に面白いものを見せてやる……。

◆闇の巨獣


身長:418m
体重:4120t
闇形式:ゼッイ9410-46
闇装備:キャッスルターミナル
シャドーかいじんうんちく:やみのきょじゅうのおおきな「ひとみ」は、やみのなかのひとすじのひかりもみのがさないよ。

第46駅にてゼットが自身の内なる闇とキャッスルターミナルを融合させ作り上げた巨大な怪物。
ゼットの持つ闇から生まれたゼットの半身とも言うべき存在である。
キャッスルターミナルの機能はそのまま生きており、城としても運用可能な生きた移動要塞。
その巨体に備わった2つの巨大な眼から膨大な闇を放出することができ、歩くだけで世界を闇に呑み込んでしまう力を持つ。
……が、この怪物が倒されるとゼット自身も弱体化してしまうという欠点を抱える。
この性質を意図せず逆手に取られてしまい、巨獣が倒れてしまった事でゼットは弱体化を余儀なくされる。




【物語終盤での顛末】

第44駅で、ライトが闇に汚染されながらも残った輝きから、自身の「キラキラ」への執着の原因が昴ヶ浜を闇に飲んだときのライトとの接触であると確信し歓喜に打ち震えるも、
直後に黒いトッキュウ1号になったライトの姿を見て自分が闇でしかないことを悟り、第45駅でキャッスルターミナルを移動させていたグリッタを始末したのち、
遂に「キラキラ」を跡形も無く消し去るために地上への侵攻を決意する。

第46駅では、闇に染まったトッキュウ1号を圧倒し蹴散らした後、キャッスルターミナルを自らの分身体「闇の巨獣」へと変貌させる。
巨獣が生み出す莫大な闇で世界を闇に呑み込まんとし、一時はレインボーラインさえも闇に呑み込み封じ込むことに成功する。
しかし合流したトッキュウジャーたちのイマジネーションによって闇を突破され、分身体である闇の巨獣は再起動したハイパーレッシャー以外の烈車の突撃により爆散する。
なおこの際、昴ヶ浜の星祭りに使用する灯篭の光こそが彼が闇の中で見た光だと判明した。

分身が滅び弱体化するもふてぶてしい態度を崩さず、トッキュウジャーと相対する皇帝ゼット。


ライト!……てめぇ……。

ゼット!

闇の力でお前を倒そうとしたけど……間違ってた。

どんなに闇の力が大きくても、俺達は俺達の力…イマジネーションで戦わなきゃいけなかったんだ!

最後まで…!

ハハハハハハ…!凄えキラキラだ!

テメエ等、見ろよ!やっぱりこうでなくちゃ……潰し甲斐が無ぇ……!


念願の宿敵の復活に歓喜するゼットとトッキュウジャー達はそのまま戦闘を開始。
ライトたちトッキュウジャーの最終決戦でもライトとゼットは互角の戦いを繰り広げるが、
6人の力を合わせたレンケツバズーカによるユウドウレインボーラッシュの一撃を受け、人間体に戻るレベルの重傷を負う。

そこへ現れたのはトッキュウジャーの攻撃を受けてダメージを負いながらも、彼の身を案じる忠臣モルク侯爵とネロ男爵。
駆け付けた2人に支えられ……


失った闇はどうか妾の闇で…!

このネロ、陛下の闇になれるならば…喜んで…!

止せ…テメエ等……。この期に及んでキラキラするんじゃねえ…。


失ったゼットの闇の代わりに自分たちの闇を捧げようとする二人に対し、その忠誠と献身に「キラキラ」を見い出し一度は拒否するも、
最後までゼットの身を案じ、思いやる二人の意志を見て根負けするかのように尊重。

……これは心外……。

では陛下。偉大なる闇で、再び……!

……ああ、じゃあな……


ネロから偉大なる闇で再び会える事を約束し、自身に忠誠を尽くしてくれた二人に別れを告げ、吸収した。


忠臣2人を吸収して復活し、最後の執念でトッキュウ1号を仕留めようとするも、
6人のイマジネーションを受けて変身した虹のトッキュウ1号の猛攻。そして零距離からのハイパー5連結クラッシュを受け、遂に敗北する。

……スゲェ……。俺は……アレを……。

敗北後、明と同じく空に輝く虹に「キラキラ」を見出して虹を手に入れようと手を伸ばすが、肉体は闇となって霧散。
ゼットの闇は、彼が密かに生かしていたグリッタ嬢に回収された。
通常、シャドーラインの者は死ぬと消滅するが、ゼットの場合は肉体を失っても大量の闇が発生する上、
闇が意思を持つように動き回ったり、クライナーに回収された際人間態へ復元するなど、闇が存在する限りゼットは不死身である事が窺える。

陛下、闇は闇へ帰りましょう……。

陛下の欲しかったキラキラは……闇あってこそ……。


最後まで光に憧れ、光を欲し続けた皇帝は、グリッタ嬢と共に深い闇の底に帰って行った。



【後発シリーズにおいて】

シリーズ40作目の『動物戦隊ジュウオウジャー』において、巨獣ハンター・バングレイキャプテン・マーベラスの記憶からゼット・真を具現化してゴーカイジャーとジュウオウジャーを襲うよう嗾けるも、ゴーカイレッドを除く5人ゴーカイジャーの猛攻の前に血祭ドウコクと共に倒された。
ゼットは死んでいないので再生怪人と言うべきかどうかは疑問だが、バングレイの能力で生み出された個体のため本来のゼットとは無縁の存在である。
なお、何故全く面識の無いマーベラスの記憶からゼットが現れたのかは不明だがもしかするとマーベラスの持っていたトッキュウ1号のレンジャーキーの記憶が媒介になった可能性もある。



【余談】

怪人体のデザインモチーフは人間のネガ像+龍で、怪人体時の腹部の眼は、シャドー怪人の眼の集約と全知全能感の表現を意図してのデザイン。
なおゼット・真の腹部の眼が閉じているのは、モノを知る必要がない全智の存在となる意志を象徴している。




ハハハハハハ…!凄え項目だ!

テメエ等、見ろよ!やっぱりこうでなくちゃ……追記・修正し甲斐が無ぇ……!

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最終更新:2024年03月14日 01:55