工藤新一

登録日:2017/01/01 (日) 09:30:53
更新日:2024/04/18 Thu 22:37:38
所要時間:約 18 分で読めます





また難事件があれば、
この名探偵、工藤新一にご依頼を!!


工藤新一とは、『名探偵コナン』の登場人物。
同作の主人公江戸川コナンの本来の姿である。コナンとしての主な特徴は該当項目を参照。

CV:山口勝平高山みなみ(幼少時)
演:小栗旬(SPドラマ1~2作目)、溝端淳平(SPドラマ3作目以降)

●目次


人物


帝丹高校に通う高校2年生。
年齢は16歳で、誕生日は5月4日。劇場版『時計じかけの摩天楼』で17歳になり、原作・アニメ版でもいつの間にか17歳になっていた。
身長は174cmで、原作者の青山先生と同じ。ちなみに青山先生の故郷である鳥取県大栄町には、等身大の新一の銅像がある。
襟足は槍の先端のように尖っていて、つむじ付近には特徴的な2本の跳ねがある。
初期の頃はつむじ付近の跳ね髪が野菜のヘタみたいになってたり、いつの間にか無くなっていたりした事もあるが、現在ではそのような事はなくなった。

父親は世界的に有名な推理小説家・工藤優作、母親は伝説の女優・工藤有希子
2人とも3年前からロサンゼルスに在住しているため、現在は米花町の洋館で1人暮らしをしている。
スーパーダイジェストブック「70+」の原作者のインタビューによると、食事はインスタントやデリバリー、たまに蘭が作った手料理で済ませていたようで、
後者に関しては『エピソード“ONE”小さくなった名探偵』で描かれている。なので自炊は苦手である*1

公式のビジュアルブックで"母親譲りの整った顔立ち"と明記されている。
また、怪盗キッドの正体である黒羽快斗と瓜二つの顔という設定があり、新一、快斗ともにイケメンである模様。

上述したように怪盗キッドこと黒羽快斗とは、互いに認めるほど顔も体格も瓜二つ。
顔の酷似の理由にはスターシステム説と、2人とも父親似であることから父親同士(優作と黒羽盗一)の血縁説がある。
実際『工藤新一少年の冒険』において、印象的な会話がなされている。
青山氏曰く「2人が似ているのは理由がある。描くかもしれない」。
クラスメートの毛利蘭は、幼馴染であり気になる異性でもある。

名前の由来は、「工藤」は『探偵物語』の主人公・工藤俊作からで、「新一」は作者のお気に入り&語感がいいという理由でつけられた。
ちなみに彼の自宅の住所「米花町2丁目21番地」は、シャーロック・ホームズが住んでいたとされる「ベイカー街221B」が由来。

「平成のホームズ」「東の名探偵」などの異名を持つ、迷宮なしの高校生探偵。
その優れた推理力で数々の難事件を解決に導いているため、「日本警察の救世主」とも呼ばれており、警視庁の目暮からもよく頼りにされている。
その活躍ぶりは連日メディアで取り上げられ、全国からファンレターもどっさり届くなんて事も。
しかしある日を境に世間の注目を集める事はなくなり、一部では「何かの事件に巻き込まれて死亡したのでは」と噂されている。
その噂も手伝ってか、コナンの姿になって住む人間がいなくなった工藤邸は、いつの間にやら小学生等に「幽霊屋敷」とあだ名されるスポットと化していた。

シャーロック・ホームズを尊敬しているシャーロキアンで、たとえ蘭とデート中であってもホームズの話をしだすと止まらなくなってしまう。
世界中の人間が皆知っているような名探偵、平成のシャーロック・ホームズとなる事が自分の夢であると1話で語っていた。

まあ、長期連載の結果現実では結局連載中に元号が「平成」から「令和」に変わってしまったため、
本編外で「平成のホームズあらため令和のホームズ」を名乗ることになってしまったが。発行部数を考えれば既に叶っているしセーフという事で

好きなものは推理小説、暗号、レモンパイ、サッカー。
苦手なものは音楽。

月の小遣いは本人曰く少ないそうだが、優作のカードは自由に使える模様。

指での数の数え方は母親の影響でフランス式であり、他の国の数え方にも詳しい*2

工藤新一水族館事件』、第1話のリメイク版『エピソード“ONE”小さくなった名探偵』ではスマホを所持しており、コナンになった後も同じものを新一用として引き続き使用している。
第1話が掲載された際はスマホはもちろん携帯すら普及していなかったはずであるが、長期連載作品ではよくあることなので気にしたら負け。


性格


クールで論理的な思考の持ち主で、観察眼に優れている。
一人称は「オレ」。普段は歳相応の砕けた口調だが目上の相手と話す時は「僕」を使い敬語を話すようになる。
物語序盤では普段タメ口で話すような相手でも推理の時だけは固い喋り+敬語になる特徴があったが、すぐに見られなくなった。(絵にしてみると「普通に話していた相手に急に推理の時だけ敬語になる」のは違和感があるから、という理由だろう)

口癖は「バーロ」「バーロォ」*3。最近は「今厄介な事件抱えてて…」が新たな口癖になりつつある。
また、推理の時にやたらと指示語を使う。(「犯人はあの人だ」「まだ現場にあれが残っているはず」「あれを使ったトリックか」等)

物語序盤は自己顕示欲が強く、世間からももてはやされていたため、かなり調子に乗っていた。
しかし後述の理由で現在は自分の名前が出せなくなってしまったことから、工藤新一として事件に関与した際には警察関係者に頼み自分の名前を伏せるようにしている。
コナンになってすぐに関わった『社長令嬢誘拐事件』では、コナンの活躍で事件を解決して調子に乗っている毛利小五郎の側でかなり悔しがっていた。

犯人が使ったトリックを解き明かす事を前提に推理を組み立て、犯人が犯行に至った動機を推理する事はあるが、動機そのものに関心を持つことはほとんどない。
ある事件では人が人を殺す理由なんて知った事じゃないと言いきった事もある。
別の事件では「情けねーが、人が人を殺した理由だけはどんなに筋道立てて説明されてもわからねーんだ…」「理解ではできても納得できねーんだよ…」と語ったこともあり、平次に今後の捜査の参考になるかもしれないと言われた被疑者への事情聴取も(その時は用事があったためだが)断っている。
作中では回想を含め、事件後の犯人や関係者へのアフターケアは一切していない。

それ故犯人に同情したり共感したりする様子を見せる事は基本ないが、ある事件では事件の犯人や当事者に配慮してあえて真相を公表せず、
警察と示し合わせて嘘の真相を自分の推理として世間に公表した事がある(『殺人犯、工藤新一』)。
コナンとしてとある事件に関わった事がきっかけで犯人への対応にも変化が見られるようになり、
犯人の自殺を阻止するようになり(『名家連続変死事件』『ストラディバリウスの不協和音』など)*4
事件の当事者に対する配慮から真犯人に偽証を勧めたケース(『暗闇の中の死角』)など、
また犯人が自分そっくりに整形して罪をなすりつけようとした事件では、勘違いで犯罪を犯した事を悔やみ涙ぐむ犯人の顔を、
「この顔は決して忘れてはならない顔」と哀れむような表情で見つめていた。


事件が起こると喜んでしまうという悪癖を持っている。
特に初期に何度かそれが現れていて、『赤鬼村火祭殺人事件』では、警察に話をしに行った小五郎が出て来るのを待ちきれないように笑顔で高速リフティングをするという様子が見られた。
また、たまたま巻き込まれた場合のみならず、たまたま通りかかったところに知り合いの刑事である高木などがいるのを見たり、
すぐ近くで事件が起こったりすると、自分に全く関係無くても首を突っ込まずにはいられなくなってしまう。
そうなると、蘭すらほったらかしに…。

また自分が事件を解く事にこだわっており、有希子に「今抱えている事件を優作に相談してみたらどうか」と言われても「俺が解かなきゃ意味がないんだ(もちろんそんな事はない)」と断った事も。

頭は切れるが落ち着いて行動できないのが玉にキズ」と阿笠に指摘されるほど、向こう見ずになりやすく、現場保存を無視して警察の行うべき初動調査を勝手に行う・トリックの再現に遺留品を使う・現場の遺留品を素手でベタベタと触るなど、下手をすれば捜査妨害と見なされかねない問題行動を見せる事がある。
本作にあまり出てこない検察官は新一(コナン)と警察に怒って良いと思う。
また、悲鳴が聞こえれば女湯だろうと構わず突っ込む悪癖も。小学生でもアウト寄りのギリセーフだけど、中身が高校生な事を考えると完全アウトではなかろうか…?

こういう一面がある為、単純な正義感・使命感に燃えるというより承認欲求や好奇心といった自己の欲望に正直だと言えるだろう。
ぶっちゃけて言うと、彼がコナンになってしまったのも上記の悪癖が悉く裏目に出たためだったりする。
事実、小さくなってからも
と言ったケースが後を絶たない。

結構プライドは高く、自分に非があったとしても簡単にはそれを認めようとしない面がある。
また自分の好きなものに変なケチがつくと、とことん嫌いになってしまうという子供っぽい一面も持つ。
1つの事に集中しすぎると周りが見えなくなってしまうという弱点があり、その弱点が災いして彼自身にとんでもない災難が振りかかっている(その詳細は後述)。

恋愛方面は奥手であり、蘭とデートした時にとあるカップルのキスシーンを目撃し、蘭とのキスを想像して思わず頬を赤らめていた。
周囲で事件が発生すると首を突っ込まずにはいられなくなる筋金入りの推理マニアで、蘭からはよく「また事件?」と呆れられている。
幼い頃から「売られた喧嘩からは逃げてはいけない」と優作に教えられていたため、目の前の事件から目を背けるような事はしたくないのだろう。

服部平次がライバル心むき出しで推理勝負を仕掛けてきた時には「推理に勝ったも負けたも、上も下もねーよ…」との言葉を残している。
これは描写されている限りにおいて彼らが推理するのはその多くが殺人事件なので、そんな場を利用して勝負するのはどうかといった意味合いだろう。
たまに『コナンvs平次 東西探偵推理勝負』などで平次と推理勝負をする事もあるが、今のところ自分から勝負を仕掛けたことはない。
…とはいえ、世良に「どっちの方が推理力は上なんだ?」と聞かれた時は自分だと答えていたり、その直後の事件の推理勝負の時には「やっぱり新一兄ちゃん(自分)の勝ちじゃない?」と言ったりと自分が上である事にはこだわっている。
また、電話で毎月互いが関わった事件の数を報告し合って勝負している(描写された回では平「次」に対して「オレは新『一』、一番だからねぇ…」と笑顔で言っていた)。

基本的に、捜査に私情は挟まない主義であり、たとえ犯人が親しい人物であっても躊躇なく犯人だと指摘する。
だがその場合は、指摘する前にその人物が犯人ではないありとあらゆる可能性を考えて証拠を探し回るため、その時には身体だけでなく精神的にもクタクタになっている事だろうとも語っていた。
ただ、ある事件では、自身の尊敬するサッカー選手が犯人な訳がないと早々に真実を追求する事を諦めていた。
最終的には平次の檄で思い直し犯人を突き止めた。その結果上述した蘭に語ったことを実現してしまうことになってしまったが……。
また、犯人の被害者へ対する誤解を解き、奇跡的に助かった被害者が再度狙われないようにするため等の理由で、警察に告発せず犯人にのみ推理を披露する事も何度かある(結果として、事件を迷宮入りにしてしまったケースもあるが)。
身内に殺人などの疑いがかかった場合は彼らの疑いを晴らすために行動する(『容疑者・毛利小五郎』『長崎ミステリー劇場』『ゼロの執行人』等)。
特に、蘭が劇場版やアニメオリジナルエピソードでピンチになった場合は冷静さがなくなる事が多い。
ただし、蘭が誘拐されたにもかかわらず、何故か冷静だった事もある。

ちなみに、推理力は父親譲り、演技力と目立ちたがり屋な部分は母親譲りだと灰原哀は分析している。
よく「工藤新一、探偵ですよ」と自己紹介するが、実は優作も似たような自己紹介をしていたりする(『上野発北斗星3号』)。
また、恋愛方面での発想は若かりし頃の小五郎と似ている部分が多い。

周囲から「鈍感」といわれる割に、特に蘭のことに対しては意外とむっつりスケベな一面がある。
蘭がハイレグを着用した際は「せっかくだからもっと近くで(見よう)…。」と思う、テニスをしようとして蘭がスパッツなどを持ってきていないことを知れば「生パン…!?」と鼻血を出してしまったりとその描写は意外と多い。
また、蘭の姿を見ていないにもかかわらずボディラインから蘭を当てることも。
挙句の果てには自分がスケベだと認めてしまう発言も…。
灰原「まさに見た目は子供、中身はエロ親父ね。」 「どスケベ」(軽蔑するような目で)→コナン(新一)「ああ!スケベで悪かったな!」

能力


「日本警察の救世主」と呼ばれるだけあって、非常に高い推理力と洞察力を持っている。
また自宅の書斎にある専門書などから様々な知識を取り入れていて、その知識量と推理力を武器にあらゆるトリックを解き明かし、様々な事件を解決に導いていく。
ただし音楽、野球、恋愛、関西方面の文化の知識には疎く、それらが関わる謎に直面した時には他のキャラクターの何気ない一言に補ってもらっている。
とはいえ「そんなこと普通知ってるか?」というレベルのトリビアも網羅していて純粋に知識が足りないせいで推理が行き詰まるような事はほとんどない*5

当初は「西の高校生探偵」である平次より推理力は上のように描かれていた(『外交官殺人事件』)が、現在ではほぼ互角とされている。
一方で同じく高校生探偵である世良真純白馬探の2人と比べると推理力は今のところ上のようである。
ちなみに今まで推理で優作に勝った事は一度もなく、推理で行き詰まった際には優作からヒントを貰う事もある。
アニメ版では物事を合理的かつ論理的に捉えようとして思わぬ落とし穴に陥る事がよくあり、天然・気弱な犯人がどのような行動に出るかを推理しきれず、
少年探偵団に先に事件を解き明かされたケースがいくつかある(『商売繁盛のヒミツ』『戻って来た被害者』など)。

学校での成績は不明だが、あらゆる分野に精通しているため、恐らく成績は上位に入るほど高いものと思われる(音楽は除く)。
英語はネイティブに話す事ができるが、イタリア語、ポルトガル語など他の言語は理解できない。
なお、ロシア語は『名探偵コナン 世紀末の魔術師』の時にはあまり理解できなかったようだが、『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』では流暢に話せている*6

推理小説好きなのもあってか、文章やシナリオを書く能力も小説家の父親に似て高いらしく、
例えばアニオリの『加賀百万石ミステリーツアー』では徹夜で書いたイベント出題用ストーリーでスタッフをうならせている。

中学時代はサッカー部に所属。
サッカーは小学生の頃からやっており、入部1年目でMFとしてレギュラーに抜擢される。
この時点で並の中学生以上の腕前を有していて、中学3年の時にはプロサッカー選手の比護隆祐にスカウトされていた。

そのままサッカーを続けていれば、国立のヒーローも夢ではなかったが、サッカーはあくまで探偵に必要な運動神経を養うために続けていただけであり、
高校へ進学し探偵として活躍するようになってからはサッカーはやめてしまった(この辺りはホームズリスペクトの面もあるらしい)。
ただし、サッカー自体は今でも好きなようであり、小学校の体育の授業でのサッカーを楽しみにしている。反面野球に関しては疎いところがあり、平次や少年探偵団から呆れられることも。
今でもサッカーで培われた運動神経とキック力は健在で、初登場の事件では、近くにあるものを蹴って犯人にぶつける事で逃走を防いでいる。

ちなみに利き足は右だが、左足でも問題なく同程度のシュートができる。
そのため、左足を使う程度ではハンデにもならず、少年探偵団とのサッカー勝負の際にはついにヘディングまで縛られそうになったことも。
コナンになってからはキック力や体力が落ちてしまうが、その点は阿笠博士の発明でカバーしている。
なお、推理をする時や考えを纏めるときにリフティングをする癖があると序盤では語られていたがその癖は早々に姿を消した。

ハワイを訪れるたびに優作から拳銃の扱い方などを教わっており、今では自動車は勿論、ヘリ、モーターボート、飛行機の操縦なども問題なくできる。
その手の技術を披露する時は「ハワイで親父に習ったんだんだ」と嘯き、ファンの間では「ハワ親」などと呼ばれている。
ただ、それらの技能は劇場版でのみ発揮され原作・アニメ版では触れられていない。
(これ以外にも、劇場版ではアクションシーンでの見栄えを重視してか身体能力が過剰に描写されている)

絶対音感であると同時にものすごい音痴である。
楽譜は一応書けるが、♯や♭などの基礎的な音楽記号の意味までは知らない。
しかしホームズが弾いていたためか、ヴァイオリンの知識は豊富で弾くこともできる。
ただ、蘭曰く特徴的な弾き癖があるのでプロ級の腕前があるホームズと違ってそんなに上手いわけではなさそうだ。
絶対音感であっても音痴というケースはない訳ではないが、そういう場合は自分の出力している音と出力したい音が食い違っている事に気付くらしい。
しかしコナンの場合カラオケシーンなど見ても自分の出している音が外れている事に気付けていないようだ。


活躍



高校生名探偵と呼ばれるまで

初めて推理を披露したのは、なんと保育園に入園したての頃である(それ以前では下記にあるように赤ん坊の時点で片鱗を見せていた)。
この頃からホームズ作品を好んで読んでいて、かなり生意気な子供であったとか。
米花保育園で蘭と園子の姿を目撃し、その時の蘭たちの様子と彼女が布団の中で折り紙を折っているのを見て、彼女の考えている事を推理してみせたことも。
その後は保育園にいた保育士の様子がおかしい事に気づき、その人物が蘭を狙っていると推理して体を張って蘭を守ろうとしていた。
しかし当時は園児であったためその推理は憶測の域を出ておらず、犯人は優作の推理によって逮捕された。

小学生になると、事件の捜査協力を依頼された優作と一緒に現場へ行く事も多くなり、いつしか目暮とも顔見知りとなる。
この頃も自力で推理して事件の謎を解こうとした事が何回かあるが、その推理は後一歩及ばないものがほとんどで、
中には間違った推理をして10年が経過した後でようやく真実に気づいたケースもあったりする。

中学生になると今とほぼ変わらない推理をするようになり、山形のスキー場で遭遇した事件では、優作にヒントを貰いつつも事件の真相に辿り着き、担当刑事に電話して推理を伝えている。
しかしその場ではたまたまスキー場に来ていた平次が関係者の前で推理を披露しており、彼が自分と同じタイミングで事件を解き明かしたと知ると「この事件はオレのじゃなく、自力で解いたその中学生(平次)のものだ」と素直に負けを認めた*7

前述の事件を自分の中でノーカンにしているため、初めて自力で解いた事件は、高1のゴールデンウィークに巻き込まれた飛行機内での殺人事件としている。
この事件では警察顔負けの捜査能力と医学知識を披露し、飛行機が着陸するまでにトリックを解明し事件を解決している。

その後はその怜悧な頭脳を武器に様々な難事件を解決し、いつしか「日本警察の救世主」としてその名が知られるようになった。
しかし、蘭と遊園地に遊びに行った時に発生した殺人事件を解決し、その後で起きた出来事により、彼の人生は大きく狂う事になる


コナンになるまで

事件の容疑者の1人だった男(ウォッカ)の行動を怪しみ、気づかれないように後をつける。
その先でウォッカと某会社の社長が拳銃密輸に関する取り引きをしているのを目撃。
その取り引きを見るのに集中するあまり注意力が散漫になってしまい、背後からもう1人の男(ジン)が近づくのに気づかず、後ろから殴られて意識混濁状態に陥る。
そして新一はジンの気まぐれで開発中の毒薬を飲まされ、薄れゆく意識の中で自分の死を予期するが、奇跡的に死を免れる。
しかし目が覚めた時には薬によって身体が小学生くらいにまで幼児化してしまっていたため、保護してくれた警察に黒ずくめの男たちの犯罪を目撃したと訴えてもまともに取り合ってもらえず、
自身の本当の年齢を言っても笑い飛ばされてしまった上、警察に迷子として保護されてしまいそうになったため、一瞬の隙を衝いて逃走する。

そしてたどり着いた工藤邸の前で立ち往生していたところに現れた阿笠に事情を話して何とか新一であることを信用してもらい、工藤邸で身なりを整えたが、
そこで阿笠からの助言に従い、周囲の人間が無用な危害を加えられぬよう、元の姿に戻るか、黒ずくめの男たちの正体を暴くまで、自分が生きていることを伏せて生活することを決める。
しかし、直後に新一を心配した蘭が工藤邸を訪ねてきてしまい、新一は対応を阿笠に任せて優作の机に隠れ、変装のためにメガネをかけるも、そのキツすぎる度で目がくらみ、引き出しに頭を強打。
蘭に自分がいることがバレてしまう。
新一は名前を聞いてくる蘭に、手近にあった小説の作者名を取って江戸川コナンと名乗り、黒ずくめの男たちの情報を得るために毛利家に居候するようになった。

余談だが、阿笠に自分が新一だと信じてもらう為の証言の中に「博士はお尻に毛の生えたホクロがある」と言っていたが、「なんでそんな事を知っているんだ」と阿笠とのアッー!な仲を読者に疑われている。

なお、正体が知られたら周りの人間にも危害が及ぶと危惧しているのはコナンと阿笠だけで、
ウォッカはともかく殺した人間の顔を忘れてしまうジンには特に気にも止められておらず、それどころか証拠を全消しする組織なのに死亡確認もろくにされていない(されると詰んでいたので仕方ないが)。
ただ、ジンも1話では「高校生探偵の工藤新一」の存在は知っていたので、本当に忘れているのかは一応不明。
それでも新一が生きていると組織に知られるのはかなり危険な事であり、コナンの正体に気づいたアイリッシュは彼を生きたまま組織に連れ帰ろうと画策し、死んだはずの新一が京都で目撃された事を知ったラムはバーボン(安室透)に彼の情報を収集するよう命令していた。

これだけなら用心深い男に思えるが、犯罪組織が相手なのでしばらくは子供のままの方が正体がバレずに安全なのにもかかわらず、何かと元の姿に戻りたがる。
一時的な解毒剤が出来た後は重要な場面での使用が多いものの、副作用もあるのに何かと使いたがり、しょうもない理由で使おうとする度に灰原に止められている。
また、コナンの姿だろうと目立つのは良くないという事を自覚していながら、怪盗キッド絡みの事件で新聞の一面に登場する事が多々あり、全国的に「キッドキラー」として名が売れてしまっている。この件に加えて芸能人にもコナンの実力を内心理解している人も少なくないため、(少年探偵団も含めて)報道・番組関係者にも割と名前を知られている(幸いと言うべきか、小五郎の元にいるため、彼に鍛えられていると解釈されているパターンもあるが)。

……と、名探偵と称されている割には警戒感や危機意識は大分薄く、平時は迂闊な行動が多い。

コナンとなってからは作中で新一として登場する事はかなり少なく、登場パターンは解毒剤で一時的に元の姿に戻った場合か、
登場人物の回想の2パターン(声だけならコナンが蝶ネクタイ型変声機で新一の声を出す場合が多い)しかない。
特にコナンと新一は声優が変わるためコナンの出番がある際は新一の出番はなく、担当声優の山口勝平も出番が少ない事を嘆いている。
ただし、日本版ではコナンのモノローグは高山氏がそのまま演じているのに対し、
海外版ではコナンであってもモノローグは新一役の声優が担当しておりむしろ海外版の新一の方が日本より多い。
ただ、たまに新一本人ではないが、新一と顔が似ている怪盗キッドや新一の事情を知る平次が、新一に変装して登場することがある。


恋愛模様


蘭と出会ったのは、保育園に入園してすぐの事。
蘭の考えている事を言い当てて彼女を驚かせようとしたが、蘭が手作りネームプレートをいじめっ子に壊されて泣いていると推測すると、バッジを失くしたふりをして彼女に話しかけ、前述の推理を披露する。
その時の蘭の笑顔に見とれた事がきっかけで彼女にゾッコンとなるが、そこで余計な一言を言ったがためにいきなり蘭に嫌われてしまう。
しかし数日後にいじめっ子に苛められていた蘭を味方し、いじめっ子から蘭を守ると、蘭も新一の事を意識しだすようになり、以降はお互いに下の名前で呼ぶようになった。

小学生になってからは蘭と遊ぶ機会も少なくなり、進学したのを機に蘭を名字で呼ぼうとした。
友達に冷やかされるのが嫌であえてそうしていたらしいが、ある日「今までどおり蘭でいい!」と蘭に可愛く頼まれた事であっさり降参し、以降はずっと蘭を下の名前で呼んでいる。

蘭との距離が縮んだのは、高校1年の時に彼女と一緒にニューヨークを訪れた時の事。
蘭が命を救った人物が殺人を犯し、「こうなったのは私のせいだ…」と自分を責めていた矢先に、世間を騒がせている通り魔に遭遇。
この時に通り魔が階段から落下しそうになるが、蘭は思わず彼を掴み新一と協力して転落から救い出す。
そして通り魔が「なぜオレを助けた?」と蘭に訊くと、変わりに新一が人を助ける理由にワケなんているのかよ?と返した。
この一言が、不安に陥っていた蘭の心を救う事となり、蘭は新一を恋愛対象として意識しだすようになった。

それから時が経ち、コナンとしてロンドンを訪れていた際に、蘭との関係に大きな展開が訪れる。
ふとした事から新一がロンドンにいると蘭にばれてしまい、この場をやり過ごすために解毒剤を使って新一の身体へと戻る。
何とか誤魔化そうとするも逆に蘭を泣かせてしまい、彼女は走り去ってしまう。
その際に彼女の腕を掴んで引き止めると、蘭を「厄介な難事件」に例えて…

たとえオレがホームズでも解くのは無理だろーぜ!

好きな女の心を…
正確に読み取るなんて事はな!!

…と遂にはっきりと蘭が好きだと告白した。
しかし、翌朝になってこの事を振り返った時には、自分でも大胆な事をしたとかなり照れており、この思わぬ告白を受けた蘭も翌朝まで茫然自失になっていた。
蘭が告白の返事をしていないため、以降は幼馴染以上恋人未満の仲となっていた。

そして『紅の修学旅行』では、告白の返事を頬へのキスという形で受け取り、晴れて恋人関係となる。
すぐに新一は蘭の肩を掴み、意を決して蘭と口付けを交わそうとするが、その直後に幼児化の発作が起き、未遂で終わってしまった。
…まぁ劇場版ではしょっちゅうキスしているんですけどね読者さん。


主な人間関係(一部ネタバレ注意)



毛利蘭
保育園の頃からの幼馴染。
彼女との関係は上記を参照。

毛利小五郎
蘭の父親で私立探偵。
初期の頃は新一が活躍するあまり自分のところへ仕事が来ず、新一を目の敵にしていたが、新一と蘭の仲は一応認めているようである。
新一を「探偵ボウズ」と呼び、新一からは「おっちゃん」「ヘボ探偵」などと呼ばれている。
しかし蘭の前では「おじさん」「小五郎さん」「(お前の)父さん」、公の場では「毛利探偵」と呼ばれる事が多い。
アニメ版では新一を勝手に弟子扱いした事も。
コナンとなってからは実の親子のように接しており、コナンのほうも何だかんだで彼を尊敬している。
アニオリ回では二人で事件に巻き込まれるパターンのエピソードも多い。
実は結構似たもの同士であることが描写されている。

服部平次
西の高校生探偵。
初登場時は新一に敵対心を露にし、偶然遭遇した事件では彼より先に推理を披露するも、後にその推理は間違いだと判明、結果後から現場に来た新一に敗北する。
コナンの正体が新一だと知った後は良き協力者となり、今では親友のような関係になっている。
新一との邂逅は山形のスキー場で殺人事件に遭遇した時だが、この事件では捜査中にニアミスを繰り返し、互いの存在に気づかないまま推理勝負を繰り広げていた。
小説版でもコナンになる前の新一と何度か推理勝負をしていたが、互いに仮装などをしたまま推理を行っていたため、これらの事件でも互いの正体を知らず終いとなっている。
劇場版「迷宮の十字路」では皮膚を黒く塗った新一が服を借り、キャップ帽で顔を隠して彼に成りすました(さすがに和葉の目はごまかし切れなかった模様)。
声に関してはさすがに新一は腕に着けた変声機を使用していたが。

阿笠博士
工藤邸の隣に住んでいる発明家。
新一とは彼が幼い頃からの付き合いで、彼がコナンとなった後は発明品などでサポートするようになる。
余りに近所過ぎる為、新一は阿笠の住所もちゃんと覚えていない(年賀状すら手渡しで渡している)。
ちなみに新一に尻を見せるor尻の秘密を喋るような仲でもある。

灰原哀
阿笠の家に居候している少女。
正体は新一と同じ薬を飲んで小さくなった黒の組織の科学者・宮野志保(シェリー)。
まだ組織にいた頃、自分が作った毒薬・アポトキシン4869を服用して小さくなった可能性のある新一に興味を示し、
アポトキシン4869投与者リストで「工藤新一 不明」となっていたのを「工藤新一 死亡」と書き換えた。
コナンに片想いしている描写がある。

工藤優作
工藤有希子
新一の両親。
新一が小さくなった事情は阿笠から聞いており、最初は新一をアメリカへ連れて行こうとしていた。
しかし新一に断られてしまい、その後は新一を信頼して彼の自由にさせている。
たまに日本に帰って新一の手助けをする事も。
新一にとって自慢の両親であり、蘭が憧れる女優として有希子を挙げた時にはかなり照れていた。
ただし、夫婦揃ってイタズラ好きな面や、喧嘩しては仲直りする両親の関係性には少し辟易している様子。

妃英理
蘭の母親で弁護士。
10年前までは新一ともよく会っていたが、当時は新一が蘭を連れて危ない場所へよく行っていたため、その度にきつく叱っていた。
そのため新一は彼女を苦手としており、コナンとして彼女と再会した時には、理由はわからないものの彼女に恐怖を覚え、蘭の影に隠れていた。
ちなみに小説版、実写ドラマ版、ゲーム版では、コナンになる1年ほど前に新一と会っていたりする。

鈴木園子
クラスメートの1人で蘭と同じく保育園からの幼馴染(新一としての絡みが描写される回はあまりないが)。
鈴木財閥の令嬢だが、普段の彼女はとてもそうは見えない能天気な女子高生なので、コナンとして再会した時に「そーいやこんなヤツだったな」と彼女の性格を思い出していた。
初登場から相当経っているのに、彼女のコナンへの呼び方は「コナン君」「ガキンチョ」「少年」etcと未だに安定しない。
ちなみに『エピソード“ONE”小さくなった名探偵』にて、彼女の両親とも顔見知りである事が判明した。

目暮十三
警視庁捜査一課の警部。優作の友人でもある。
かつて優作が事件現場に連れてきていた事もあり、新一とも顔見知りである。最後に会ったのは新一が6年生だった頃らしい。
1年前に再会した時は、捜査に口出しする新一を邪魔者扱いしていたが、彼の推理によって事件が解決した後は一目置くように。
以降は新一に絶大な信頼を寄せるようになった。

吉田歩美
小嶋元太
円谷光彦
少年探偵団のメンバーで、コナンとしてのクラスメート。
アニメ版では第1話で新一と会っていて、その際には顔を見ただけで「あ!アナタ高校生探偵の工藤新一でしょ!」と声を掛けられたが、『命がけの復活』で新一と会った時には「誰?」と首をかしげていた。
どうやら新一の事は「幽霊屋敷に住んでいる少年」と認識している模様。

遠山和葉
平次の幼馴染。
当初新一の事を「平次をたぶらかそうとしている悪い女」だと勘違いしており、『命がけの復活』で彼の姿を見た時には「ホンマに男やったんや」と驚いていた。

怪盗キッド
月下の奇術師とも呼ばれる怪盗1412号。
新一がコナンになる前に一度だけ対決した事があり、キッドのトリックを暴いて見せた。
ちなみに新一は、その時にキッドの名前を聞きそびれていたため、コナンとして再会するまで彼の事を知らなかった。
ただ、自分が関わっていなかろうと古今東西多くの事件を網羅している彼が、自分の関係した事件の主犯である彼の事を知らないままでいるというのも正直おかしな話ではあるのだが。
実は小1の頃に先代キッド(黒羽盗一)とも会った事がある。

赤井秀一
FBI捜査官。
10年ほど前に海水浴をしていた時に新一と会っており、そこで偶然起きた事件を新一と協力して解決している。
その時に新一の事をえらく気に入り、滅多に見せない笑顔を見せていた。
現在は沖矢昴として、工藤邸の留守を任されている。

世良真純
女子高生探偵で赤井の妹。
彼女も10年前に新一と会っており、赤井から笑顔を引き出した新一を「魔法使いみたい」と言っていた。
劇中での言動からやはりコナン=新一には気づいている模様。

ベルモット
黒の組織の一員で、正体は大女優のシャロン・ヴィンヤード。
ある事件で新一に命を助けられて以降、彼の事を「銀の弾丸(シルバーブレッド)」と称して気に入っている。
コナンの正体が新一だと気づいてもそれを組織に明かさず、逆にかばうような態度を見せる。


余談


OVA版『青山剛昌短編集』収録の『夜空に飛び立つ10個の惑星』には、生まれて間もない新一が登場する。
まだ赤ん坊なので言葉を話す事はできないが、この頃から既に名探偵の片鱗を見せていて、彼の他愛無い行動をヒントに、有希子は雲隠れした優作の居場所を突き止めている。

コナンの世界には新一に似た顔を持つ人物が多く存在する。
有名なところではキッドこと黒羽快斗がおり、劇場版ではよく新一に化けて変装がばれるのを誤魔化している。
しかし、劇場版『紺青の拳』のエピローグでは、新一に変装したキッドが小五郎を「おっちゃん」と呼んだ事で蘭に正体がバレてしまった。
また、服部平次も肌の色さえ何とか出来れば声も含めて簡単になりきれる模様(ただし、『命がけの復活』で平次が新一に変装した場合は和葉にあっさりと正体がバレた)。


新一の声を担当している山口勝平は出番がある際は毎回「俺は高校生探偵工藤新一...」という台詞を言い新一のキャラを確認してからアフレコに挑んでいる。
ある意味このフレーズは新一の代名詞と言っても過言ではない。


『名探偵コナン』実写ドラマ版では、コナンを演じられる子役がいないからか、コナン本編が始まる少し前の時間軸で新一を主役として製作される事がほとんどで、必ず『工藤新一への挑戦状』というサブタイトルがつけられており、レギュラー放送化された時は深夜枠での放送だった為、内容も大人向けだったりする。





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最終更新:2024年04月18日 22:37

*1 『コナン平次の推理マジック』ではキュウリすらろくに切れなかった。

*2 初期は日本式を主に使っていたようだが、20巻前後からフランス式を使用している。

*3 原作外では基本的に「バーロー」と表記されることもあるが、新一のものは少なくとも「バーロ」。

*4 ただし、一部のエピソードでは誰かがいなかったら犯人の自殺や射殺を阻止できなかった事もある為、他力依存となる(メタ的にいえば自身にとっては都合のいい展開になる)ケースも少なくない。

*5 「八百長」のように意味は知っているが、由来は知らなかったパターンもある。

*6 ただし、ロシア語を話せる理由に関しては一切言及されておらず、ロシア人キャラが登場した事を考えば話の都合上である事が高い。なお、ロシア語を流暢に話すにはかなりの時間がかかると言われており、『世紀末の魔術師』から『ハロウィンの花嫁』までは約2ヵ月しか経過していない事を考えれば、話の都合上とはいえかなり無茶苦茶な設定といえる。

*7 平次のほうも父親のヒントを元に真相に辿り着いていたのだが、コナンになった後平次がその話をするまで知らなかった。そのため話の冒頭では「それに、あの時、推理で勝っていたのは…オレの方じゃなくて…」と心の中で思っていた。