フリップフラッパーズ

登録日:2016/12/30 Fri 06:30:35
更新日:2022/11/18 Fri 15:56:53
所要時間:約 8 分で読めます







【概要】

『フリップフラッパーズ』とは2016年10月から放送されたアニメ。全13話。
Studio 3Hz制作のオリジナルアニメーション。

押山清高氏の初の監督作品。元々は作画・原画を担当することが多く、『電脳コイル』や『スペース☆ダンディ』などの作品に関わっていた。
このような特徴的な世界観を表現してきたためか、かなり癖のある作品に仕上がっている。
ただし女子中学生の物語としてふんわりと楽しんでもらえるように、キャラを魅力的に描いたり百合要素を盛り込んだりして気軽に視聴できることにも重点を置いている。
公式ではSF冒険活劇と銘打っているが、様々なピュアイリュージョンを訪れるため、メルヘン、ホラー、バトル、ロボットなど色々な要素がてんこ盛り。

物語の前半部分ではインパクトを重視したためか、映像で魅せることに力を入れ物語の本筋は伏線として散りばめるという展開であった。
ちなみに第1話~第4話までの先行上映があったが、動きはいいけど内容が分からないなどの感想であふれていた。
そのため第1話放映時では「感性で見るアニメ」、「EDは好き」、「ジブリっぽい」など本編では関係のないところで盛り上がっていた。
世界観と作画が独特すぎて、スタッフの精神状態が心配との声も。
しかし後半になるにつれ、重厚な世界観や登場人物の心理描写など、ストーリーの面でも視聴者を引き込んだ。

この手の作品ではお約束だが、ネタバレを嫌う人にとってはネタバレが敵となるので初見時は注意。
なお公式サイトのストーリー紹介では物語の根幹までネタバレされている。


【あらすじ】

あなたには、世界はどう見えているんだろう。
扉をひらくカギを手にした二人のヒロイン、パピカとココナ。
少女と少女は出会い、そして別の時間、
異なる空間「ピュアイリュージョン」での冒険が始まる。
願いを叶えてくれるという“ミミの欠片”を求め、
ピュアイリュージョンを巡る二人の前に様々な困難が立ちふさがる。
二人に危機が迫ったとき“ミミの欠片”が輝き、
そして彼女たちは変身するのだった。
(公式サイトより引用)


【登場人物】

  • パピカ
CV:M・A・O
フリップフラップ所属。
ピュアイリュージョンへ向かうパートナーを探していたが、ある日ココナの前に現れ彼女と共に冒険をすることを決意する。
天真爛漫で考えるよりも先に行動する性格。
普段は学校の隅にある茂みの土管で生活している。
そのため料理や裁縫などが得意で、意外と家庭的な面も。
のちにココナの学校に転校生として入学し、明るい性格も相まって楽しい学校生活を送っている。
ミミの欠片の力によってピュアバリアーに変身する。

  • ココナ
CV:高橋未奈美(現:髙橋ミナミ)
おばあちゃんとペットのユクスキュルと暮らす中学2年生。
両親は幼いころに事故で亡くなっている。
成績優秀でクラス委員長も務めているが、まじめで慎重なため新しいことに踏み出せずにいる。
パピカと出会った当初は彼女の無鉄砲な性格もあって冒険に否定的だったが、徐々に新しい世界に刺激を受けピュアイリュージョンでの活動を承諾する。
勉強はできるものの、自分にはないパピカの器用さに嫉妬することも多々あり、なかなか素直になれずにいる。
ミミの欠片の力によってピュアブレードに変身する。

  • ヤヤカ
CV:大橋彩香
アスクレピオス所属。
ココナの幼馴染でクラスメイト。
クールで男勝りな性格でココナにとって頼れる友達。
敵対関係にあるアスクレピオスに身を置いているため、ピュアイリュージョンではココナたちと欠片を奪い合う。
しかし彼女たちがピンチになると手助けしてくれるなど、トトとユユに比べて甘い部分も。
好物はクリームボックス。

  • トト
CV:井上沙香
アスクレピオス所属。
小学生で、ユユとは双子であり兄。
左目に装着したスカウターのようなもので敵の弱点を見つけたり、背中に担いだ砲弾による攻撃を得意とする遠距離型。
とある回では授業中に呼び出されたためスク水でピュアイリュージョンに現れた。
が、そのスク水が女子用のものだったため多くの視聴者を混乱させた。

  • ユユ
CV:歳納愛梨
アスクレピオス所属。
小学生で、トトとは双子であり妹。
普段は左腕に包帯を巻いている……が、本編中では何回か生腕を晒している。
戦闘時は特殊な義手を用いた格闘戦を好む近接型。
パワータイプではあるものの、挑発や読唇術による精神攻撃も得意。
兄が落石から身を守り倒れた時には怒りを露にするなど感情的になることも。

  • ニュニュ
CV:高野麻里佳
アスクレピオス所属。
一人称はニュで、パピカ以上に考えるよりも行動して楽しむタイプ。
銃による戦闘を好む。
一時ヒダカの装置の立ち上げの手伝いを任されるあたり割と機械に強い模様。

  • ソルト
CV:津田健次郎
フリップフラップ所属。
フリップフラップをまとめるトップであるが、サングラスをかけ口数も少ないため表情が読めない。
それでもヒダカやサユリからは信頼されている模様。
欠片を集める目的についてココナに聞かれた際は、ピュアイリュージョンの解放と答えたが……

  • ヒダカ
CV:福島潤
フリップフラップ所属。
ピュアイリュージョンや欠片について研究する科学者で、ブーちゃんなど様々な発明品を生み出している。
屋外の活動でもすぐに機材を使えるようにするなど技術力は確かなもの。
丸眼鏡をかけているが、素顔はかなりのイケメン。

  • サユリ
CV:日笠陽子
フリップフラップ所属。
オペレーター担当で、勝手のわからないココナに対し優しくサポートしてくれる。
格闘技を習っていたらしいが、本編で活かされることはなかった。
ヒダカのガラクタ発明品に頭を悩まされている。

  • TT-392
CV:興津和幸
通称ブーちゃん。
ヒダカが作成したロボットで、空を飛んだり水中を潜ったりとかなり高性能。
胴体の箱の部分には脳髄が入っていてユユとトトにはツンツンされたりしていた。
時々イケボになることがある。

  • ユクスキュル
CV:村瀬迪与
ココナが飼っているウサギっぽい生き物。
伸びたり縮んだりして様々な感情を表現する。
とあるピュアイリュージョンでは紳士的な姿に変身し、パピカとココナのピンチを救った。
名前の元ネタは生物学者・哲学者のヤーコプ・フォン・ユクスキュルから。
彼が提唱した環世界が本作のテーマの1つでもあり、ピュアイリュージョンの構想のヒントになったとのこと。

  • 彩いろは
CV:大西沙織
パピカやココナと同じ中学の先輩。
美術部所属で、ココナの相談にものってくれる。
美術室は油絵に使用するマニキュアの匂いでいっぱいだが、彼女はおしゃれ目的で使用することはないらしい。

  • ココナのおばあちゃん
CV:久保田民絵
ココナと一緒に暮らしているおばあちゃん。
足が不自由なため、電動車いすで生活している。
ココナのことを心配し、さりげなく悩みを聞いてくれる。

  • 白いドレスの少女
CV:茅野愛衣
ココナの夢に現れる女性。
画面奥に顔を向けていて、ココナに顔を見せないようにしている。
若い女性と老婆のだまし絵に見えるとよく言われる。


【用語】

  • ピュアイリュージョン
パピカとココナがインピーダンス(≒精神状態の共鳴)を調整することにより行くことのできる異世界。
大半は非現実的な世界ではあるものの、現実世界をモチーフにしたピュアイリュージョンもある。
共鳴しきれないと別々の場所に降り立ったリ、容姿や性格が変わったりする。
アスクレピオス側は自在に任意のピュアイリュージョンと現実世界を繋げる技術がある。
ピュアイリュージョンにはミミの欠片があり、フリップフラップとアスクレピオスが奪い合っている。

  • ミミの欠片
別名アモルファス。
光沢のある鉱物のような見た目で、すべて集めると願いを叶えることができるという。
欠片の力によってパピカとココナは変身することができる。
変身時の合言葉はフリップフラッピング。
ただし2人同時でなくても個別で変身でき、最悪合言葉もいらない。
おそらく精神を安定させるためのおまじないのようなもの。


【主題歌】


  • OPテーマ「Serendipity」
作詞・作曲・歌:ZAQ 編曲:R・O・N

2人の冒険のときめきを表した爽やかなナンバー。
映像も日常と戦闘シーンを織り交ぜた王道OP。
特に戦闘シーンは派手に動き、アクションにも力を入れていることがわかる。


  • EDテーマ「FLIP FLAP FLIP FLAP」
作詞:松井洋平 作曲:伊藤真澄 編曲:TO-MAS 歌:TO-MAS feat. Chima

可愛げのあって乙女チックな印象を受ける曲。
画面上部には童話の挿絵のような静止画が、下部にはパピカとココナたちのアニメーションが繰り広げられている。
上部の絵の進行は重大なネタバレはないが、おおよそストーリーの流れを表している。
挿絵とアニメーションを見ると狂気を感じる部分もあり、ミステリアスな曲調も加わって多くの中毒者を出した。
フルVerのアウトロはオーケストラ調の要素が強くなり、壮大な楽曲に仕上がっている。


【スタッフ】

監督:押山清高
キャラクターデザイン・総作画監督:小島崇史
ストーリーコンセプト:綾奈ゆにこ
脚本:綾奈ゆにこ、関根アユミ、押山清高、ハヤシナオキ
コンセプトアート:tanu
美術監督:スタジオPABLO
     木下晋輔(インスパイアード)
色彩設計:末永康子
撮影監督:出水田和人(T2 studio)
編集:定松 剛(サテライト)
音響監督:明田川仁
音楽:TO-MAS
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:Studio 3Hz


【余談】

監督の出身地であるためか、本作の舞台は福島県本宮市および郡山市をモデルにしていると思われる。
上述のご当地パンクリームボックスに加え、街の景観や方言ネタなど地元の様子が描かれている。

12話終了時の次回予告では作画が完成しておらず、線画のみが映された。
そのためエヴァっぽいと言われていたネタに拍車がかかった。
スタッフのTwitterには最終回直前の修羅場の様子も投稿されている。




次回、フリップフラッパーズ

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最終更新:2022年11月18日 15:56