武部沙織(ガールズ&パンツァー)

登録日:2016/12/29 (木) 23:36:12
更新日:2024/01/09 Tue 20:07:55
所要時間:約 4 分で読めます





ヘイ彼女!一緒にお昼どう?


武部沙織とは、アニメ「ガールズ&パンツァー」の登場人物である。
主人公西住みほの友人の1人で、MF文庫Jの小説版「ガールズ&パンツァー」では主人公を務める。


▲プロフィール

所属校:大洗女子学園
学年:2年生
所属チーム:あんこうチーム(旧Aチーム)
担当:通信手(模擬戦では車長)
身長:157㎝
出身:茨城県大洗町
家族:父・母・妹
誕生日:6月22日(かに座)
年齢:16歳
血液型:O型
好きな食べ物:ドーナツ(ショコラフレンチ)、納豆
嫌いな食べ物:辛い物
好きな教科:家庭科
嫌いな教科:数学
趣味:結婚情報誌を読むこと
日課:5分できれいになるヨガ
好きな花:ピンクの薔薇
好きな戦車:M26パーシング

■概要

大洗女子学園に通う女子高生。
西住みほ、五十鈴華とはクラスメイトであり親友。
また、戦車道にて自身が所属する「あんこうチーム」のメンバーである冷泉麻子とは幼馴染の間柄にある。
面倒見が良い性格や明るい言動から「あんこうチーム」のみならず、大洗戦車道チーム全体のムードメーカーであり、
転校したてで周りと距離を置いていたみほに話しかけたり、1年生で構成された「うさぎさんチーム」と学園艦内で迷子になった際には優しく励ましていた。

何でも恋愛に結び付ける癖があり、戦車道を選択したのもモテると考えたからである。
……が、いかんせん女子高通いのせいかそこまで成果は出ていない模様。
そういったこともあり料理が得意であり(その際は眼鏡をかける)、みほの家にあんこうチームを招いた食事会を度々開いている。
ちなみに作中全く触れられないがかなりの巨乳の持ち主であり、大洗女子の仲では上位に入る。*1
本当に女子高じゃなけりゃモテてたのに非常に残念である
なお老人と子供と猫(メス)からは非常にモテている。周囲の女性陣からも非常に慕われている。

幼馴染だけあって天才ではあるが私生活が割とズボラな麻子をなにかと気にかけており、その様子は親友とか姉妹を通り越して最早親子である。
華からはしばしば、沙織の恋愛に結びつけた発言にツッコミを入れられている。
このツッコミは結構キツいことも多いが、それだけ2人の距離が近いからこそ言い合えるとも言える。
実際、普段華のツッコミにはすぐ切り返す沙織も、うさぎさんチームから恋愛について追求された時はかなりヘコんでいた。

■能力

当初は戦車の知識に疎く、戦車全身を意味する「パンツァーフォー!」を「パンツのアホー?」と聞き間違えるくらいだったが、
最終的に見ただけで戦車の種類がわかるくらいにまでなった。

初戦の校内模擬戦ではくじ引きで車長となったが、その後みほから社交性の高さを買われ通信手に任命される。
軍神西住みほ、華道仕込みの集中力による名砲手五十鈴華、高速装填&スパイ等の諜報活動もこなすグデーリアンこと秋山優花里
類稀なる操縦センスを持つ天才少女冷泉麻子に比べ突出した能力こそ持たないものの、
その面倒見の良さから通信を通して状況の整理やチームのメンタル維持に貢献している。
また、彼女の何気ない一言がピンチの脱出に繋がったことも幾度かある。

チームメイトの無事を第一に考えて考えあぐねるみほを率先して励まし、
ダージリンたちを驚愕させるような大胆な采配を実行に移させていることを考えると、
目立たないものの、彼女の存在も大洗の大躍進に間違いなく貢献しているといえるだろう。

また、「通信手としてできないことはないか」と考えた結果、劇中でアマチュア無線2級を取得。
情報収集のためか、手書きで戦車の外観やスペックなどを書き留めたノートも作成している。
その過程で覚えたのか手旗信号もマスターしており、サメさんチームとの対決では本職であるラムに勝利している。

■本編での行動

テレビアニメ版

いつも1人でいた転校生、西住みほ。そんな彼女に沙織が華と共に話しかけ、友達になったことから物語は始まる。
みほが家元の娘だからと今年から始まる選択授業、戦車道の選択を強制させられそうになっている事を知るや、
「やりたくないなら無理にやらなくてもいい」と励まし、少々誇張が含まれた戦車道紹介に興味を惹かれたものの、
華と共にみほのことを慮り、彼女と同じ選択授業を履修することを決める。

だが、生徒会はみほに戦車道の履修を強要。それに憤った沙織は華と共に生徒会室に呼び出されたみほについていき、
なんとしてもみほに戦車道を履修させようとする生徒会に毅然と抗議する。
生徒会長、角谷杏はそんな彼女達の身すら交渉材料に使おうとするも、それでも2人は「友達」のために引かなかった。
その姿に心打たれたみほは、再び戦車道の道に戻る事を決意。沙織は華と共に、みほと戦車道を選択することを決める。
その後戦車探しの時にみほが話しかけた秋山優花里と、幼馴染であり、天才的な技量を持つ麻子をチームに引き入れ、「あんこうチーム」が結成された。

戦車道初心者であるため、派手に塗装しようとして止められたり、
クッション等を持ち込んだりとみほに苦笑されたり驚かれるようなこともしたが、
聖グロリアーナ女学院との練習試合等を通して戦車道に真剣に取り組み始める沙織。
持ち前の面倒見の良さも発揮し、チームの精神的支柱になっていく。

やがて始まった全国大会。決勝戦はTV放送もされると聞いた沙織は、目立ってモテるために闘志を燃やす。

1回戦のサンダース大学付属高校戦では相手の無線傍受を受け、
メール早打ち技術を活かして「みほが無線で嘘の情報を流し、沙織がメールで本当の作戦を伝える」攪乱戦法を展開。
一方的な戦況を打開する作戦の一翼を担うこととなった。

2回戦前に行われた第2回戦車探索ではウサギさんチームこと1年生達を率い、結果的にポルシェティーガーを発見した。

プラウダ高校との準決勝では生徒会から「優勝できなければ廃校」という事実を聞かされるも、モチベーション維持の為にみほが提案したあんこう踊りに率先して参加。
聖グロリアーナ学院との練習試合で敗北した罰ゲームとして踊らされた時は「お嫁にいけない」と泣き言を言うほど嫌がっていた沙織のこの行動は、
やがてチーム全体に波及。士気が高い状態でプラウダとの決戦に臨んだ大洗は、見事プラウダを下すことに成功した。

そして迎えた黒森峰女学園との決勝。
追手を振り切るため川を渡る際、ウサギさんチームが川の真ん中でエンストを起こし立ち往生してしまうトラブルが発生。
過去のトラウマから救出するか迷うみほに、

行ってあげなよ

と彼女の背中を押し、決心したみほは「八艘飛び」とファンから呼ばれる身体能力でウサギさんチームを救出。
後にウサギさんチームがヤークトティーガーなどの黒森峰の主力戦車を撃破する大戦果を挙げたことを加味すると、
結果論ではあるがこの沙織のひと押しがなければ、大洗は優勝することはできなかったかもしれない。

そして、各人の奮闘もあって大洗は黒森峰に勝利。
見事全国大会で優勝を果たした彼女達は、笑顔で大洗に凱旋するのだった。

彼女がみほに話しかけ、友達にならなければみほが戦車道への熱意を再燃させることはなく、
優勝も学園を守る事もできなかったであろう。
そう考えると、決して派手な活躍はしていないが、作中で最も重要な存在だったともいえる。(勿論皆1人1人が頑張ったからでもあるが)

しかし、この後に更なる戦いが待ち受けていることを彼女達は知らない……。

劇場版

ガールズ&パンツァー 劇場版では、再び廃校の危機に陥った大洗女子学園で奮戦する。
一旦は全員退艦が決定した学園艦からの退去に応じるが、最終日の夜に家族と共に退去を惜しむ秋山家や使用人に連絡を入れた五十鈴華と違い、
彼女は麻子の部屋の布団を畳んで縛るというある意味で彼女らしいシーンだった。
そしてここに至ってもなお、家族との描写はゼロだった。

その後は一時的に移された分校で過ごす事になったが、その道中で重い雰囲気に耐えられずお菓子を配るなど、やはりチームの精神的主柱は変わらず。
転校の手続きに関しても表面上は前向きで、保護者の印が必要と分かると麻子を冷やかすくらいには明るさを見せていた。
一方でボコミュージアムに行った際には遠慮なくツッコミを入れており、寂れる理由を悟っていた。

余談だが、公道で戦車を走らせる際には免許証が必要なようで、直接戦車を操縦した描写が無いにも関わらず彼女も取得していた。
曰く「お見合い写真にも使える」くらいに盛った写真で、華から無駄に気合が入っていると言われるほど目がパッチリ加工されていた。

大学選抜との試合では、重戦車T28を自前のイラストで特定するなど画伯の片鱗を垣間見せる。

■人間関係

同じクラスの彼女を見ていた印象として、曰く「みぽりんいつもあわあわしてて面白かったから声かけちゃった」とのこと。
出会いの一言、彼女たちが知り合うきっかけとなったのは「ヘイ彼女、一緒にお昼どう?」である。
転校直後で非常に緊張しているみほの為、あえてからかい気味の台詞で誘ったともとれ、沙織のフレンドリーさを存分に表現している一言である。というか、上記の通りこの二言がなかったら(みほは死んだ目で再転校し、大洗は廃校になって)物語が始まっていなかったかもしれないレベルの重要な台詞でもある。
みほにとっては他校にして初めての友人かつ、戦車道を完全に抜きにして対等に接し合えるかけがえのない友だち。
また、学園生活・日常生活においてみほが憧れていた「普通の女子高生」の体現者とも言えるかもしれない存在で、
みほはそんな沙織のことを高く評価し、沙織もまたみほの優しい性格を好んでいる。

「誰もいない教室で あなたは唐突に 声をかけてくれたね?」
「それから私の手を取って 光の差すほうへ導いてくれた」
「だから……!」

気の置けない親友。
同じクラスなのでいつも行動を共にすることが多く、お互いに色々遠慮がない。
息の合いようはピッタリで、顔を見合わせただけで意思疎通を行う他、共にみほのことを気遣うなど向かう方向も同じことが多い。

幼馴染。
沙織の世話焼きが最大限に発揮されている相手で、しかもお互いに旧知の仲であるせいか麻子の身内のことも知っている。
基本的に同年代であっても「苗字+さん」で呼ぶ麻子が唯一「沙織」と呼び捨てにすることからも、2人の関係性がうかがえる。
麻子の体質や性格を熟知した上でサポートしているので、もはや世話焼き幼馴染を通り越してオカンの領域にまで両足を突っ込んでいる節も。
過干渉とも言える世話っぷりに若干煙たがっている部分があるものの、クールな振る舞いを解いて歳相応の振る舞いを見せるあたり、
心を許している証拠だろう。

同じく親友の1人。
恐らく戦車道を選ばなかったらお互いに縁がなかったタイプ同士。
元々は戦車に関する知識がゼロに近かったため、優花里の発言について噛み合わないことが多くもあったが、
今ではすっかりチームの一員として、友人として仲良しに。
お互いにお互いが持っていないものを補い合う良いパートナーと言えるかもしれない、
隊長兼車長のフォローを行うポジションという意味でも。
また、みほが優花里に声をかける際、沙織に声をかけてもらったことを思い出しており、本人ではなく他者には優しく縁結びを行うあたり沙織らしいとも言えるか。

ドラマCDにおいて会長の急な提案で向かった先。
アンツィオ特有の色々かっ飛ばす気風に振り回されもしたが、
根っから素直な子が多く、料理スキルや芸術面では女子力の塊とも言える子達でもあったため、
持ち前の(実戦経験はない)乙女知識をここぞとばかりに披露し、結果「マエストロ・沙織」として一目置かれる存在としてリスペクトされるようになる。
ちなみに、あまりに魅力的な食事(デザート完備)が多いため、カロリーを気にする沙織にとっては天国であり地獄。
特にアンチョビとは夢見る乙女同士非常に馬が合い、ガールズトークに花を咲かせる間柄に。

  • チョコ
最終章 第3話DVD特別版「ダイコン・ウォー」で出会った「馬」。 茶色いからチョコ。
ひょんな事から馬に乗ることになったあんこうチームだったが麻子以外は大苦戦。
特に沙織は振り落とされるなど一番乗りこなせていなかった。
しかし話が進むと逆に麻子よりもうまく乗りこなし、更には馬笛で指示を出すなど抜群のコンビネーションを見せていた。
ちなみにその際の華のセリフは「馬にはモテるんですね」だった。

■余談

あんこうチームでは唯一劇中に家族が登場せず、会話の中で言及される程度*2
そのせいか優勝時の彼女に手を振ったのは地元の老人達だった。おじいちゃんたちにはモテモテ(?)のようである。

沙織の性格や言動を象徴する台詞として「やだもー」という台詞がファンの中では挙げられていたが、実は映像作品では一度も沙織はそんな台詞を言っていない
実際言っていそうなために改めて検証して「言っていない」ことが確認されるまで誰も疑問にすら思っておらず、多くのファンが混乱することとなった。
どこからこの台詞が生まれたのかは判然としない。
原作本編において似たような台詞として「もーやだー!」は言っているが、それと取り違えられたという感じでもなくファンの集団認識の上で「やだもー」が多かった印象である。
二次創作等でも大きな一つがあったというより、良く見る類のもので、このことはファンの間において武部沙織というキャラクターが強く根をおろしていたということの証左であろうか……

ちなみに、担当声優である茅野氏も『模型道公式教本』掲載のインタビューで「沙織の好きな台詞」として「やだもー」を挙げているが、
これは打ち上げでの挨拶でリクエストされた台詞とのことで、制作側にもこの台詞が沙織のものとして認識されていることがうかがえる。
「言ったことのある台詞だと担当声優まで勘違いしている」と言われることもあるが、茅野氏は同インタビューで「アニメでは言ってないんですけど」「沙織ちゃんが言いそうなセリフ」と、言ってない台詞としてちゃんと認識している。

小説版においてはこの台詞は存在するが、これも実は言ってなかった認識以降に作者があえて言わせた台詞であるので言ってなかったと思ったけど実は言っていた案件では無く、むしろ逆輸入現象である。
とはいえ、程度の差こそあれ二次創作やファンの認識において良くあることといえばそれまでではあるのだが、
ある種のガルパンにおける不思議というか、武部沙織というキャラの力というべきか、そういう何かがこの「やだもー」には存在するのである。



私達の歩いた道が追記、修正になるんだよ!


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最終更新:2024年01月09日 20:07

*1 パンツァージャケット採寸シーンで麻子に羨ましがられているような描写はある

*2 みほ、華のように上流階級と言える家でも優花里のように学園艦にいる訳でも麻子のように重い事情がある訳でもない普通の家庭である(為描写されなかった)との設定がある。