ジュリアン・ソロ/ポセイドン(聖闘士星矢)

登録日: 2016/12/23 (金) 14:11:44
更新日:2024/03/16 Sat 19:18:25
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いったはずだ
私は神だと



ジュリアン・ソロとは漫画聖闘士星矢』の登場人物。
本項ではジュリアンを依代とする海皇ポセイドンについても紹介する。


■ジュリアン・ソロ


年齢:16歳
身長:177cm
体重:59kg
誕生日:3月21日
血液型:O型
出身地:ギリシア
修行地:無し
CV:難波圭一
演:木村拓哉(1991年ミュージカル)


ギリシアの海商王と謳わる名門ソロ家の御曹司
長く伸ばした水色の髪が特徴の青年。

その血筋は勿論のこと頭脳明晰、容姿抜群と評判の完璧超人であり、父の急死により弱冠16歳にしてソロ家の総帥となった。
中性的なその外見や礼儀正しい態度から社交界でも人気があるが、野心的な一面もあり自身で「欲しいものは全て手に入れてきた」と語っている。
一方で幼少期には釣り針に引っかかった魚を助けに帰してあげる心優しい少年でもあった。


世界中の経済界に影響力を持つ大物であるが、聖闘士の戦いなどは知らない一般人。
……少なくとも本人はそう思っていた。

実は代々ソロ家の人間は海皇ポセイドンが地上に降臨する際にその器として肉体を貸す役割を与えられており、ジュリアンもまた現代でのポセイドンの器に選ばれその身体にポセイドンの魂を宿していた。
これにより彼は神々の戦いに関わることとなる。



【劇中の活躍】

◆海皇編

自身の16歳の誕生日を祝うパーティの席でグラード財団の跡取りである城戸沙織と出会う。
一目見て運命的な物を感じたジュリアンは彼女に熱烈な結婚の申し込みを行うが、あっさりと断られてしまう。

沙織のことを諦められないジュリアンだったが、その直後、何かに引き寄せられるようにして会場近くのスニオン岬に向かい、崖に刺さった『三叉の鉾』と遭遇。
更にそこに現れた人魚姫のテティスから「自分が海皇ポセイドンの化身である」と告げられる。
状況を飲み込めないジュリアンだったがテティスにポセイドンの海底神殿まで連れて行かれてしまい、そこで鱗衣を着せられたことでポセイドンとしての意識に目覚め、以降その力で海闘士たちを率いることになる。


ジュリアンはポセイドンとして今の汚れた地上に救うべき人間はいないと断じ、これを浄化するため神話のような大洪水によりすべてを洗い流すことを決断。
手始めに世界中に大雨を降らせ世界各地で洪水や津波を起こしたった数日の内に十数万人以上をその濁流に呑み込み消し去ってしまう。
更にポセイドン神殿にある七本の柱によって世界中の海を押し上げ地上にある全てを押し流そうとする。

そして、その凶行を止めさせようと単身神殿へと乗り込んできた女神アテナこと城戸沙織と再会。
アテナ=沙織という事実に驚きはしたものの、互いに譲らず話し合いは決裂。
アテナを神殿中心のメインブレドウィナに閉じ込め世界中に降り注ぐはずだった雨をその身に受けさせ彼女を神殿の人柱にしようとする。


あなたはまさしくこのポセイドン神殿メインブレドウィナの礎となるのだ


その後、アテナを救うため乗り込んできた星矢たちが海将軍と戦っている最中も神殿に座しており、自身に挑んできたシャイナを座ったまま無力化。
シャイナを助けに来た星矢や遅れてきた紫龍氷河たちとも相対するが、小宇宙の放出だけで彼らの纏う”黄金聖衣に限りなく近付いた青銅聖衣”を粉砕し『』の力を見せつける。


よかろう
死出の旅が淋しくないように全員まとめて葬ってくれよう

だが、ここで聖域から射手座の黄金聖衣が飛来し星矢が装着。
ジュリアンは射手座の黄金の矢による攻撃も神の力で、一射目を星矢自身、二射目も星矢を庇ったシャイナ、三射目も紫龍へと跳ね返してみせる。
しかし、皆の想いと小宇宙を込めて放たれた最後の四射目の矢を跳ね返すことが出来ず、兜への直撃を受け軽傷を負ってしまい、そのショックで一時的に意識と記憶が混濁してしまう。


わたしは誰だ…?
わたしはいったい誰なのだ……

何か気の遠くなるほどの長い年月眠りについていたような気がするが……

わたしは……わたしはいったい誰だ…


朦朧とした意識の中で自問自答を続けるジュリアンだったが、



そ…そうだ 思い出したぞ…
わたしはこの世を浄化するために長い眠りより今目覚めた…

わたしは神だ!!
わたしは 海皇ポセイドンなのだ!!


自問自答の末、これまで半分眠っていたポセイドンの意識が完全に覚醒。
覚醒したポセイドンはこれまで以上の力を発揮しメインブレドウィナに向かう星矢たちを追撃。
続けて飛来した水瓶座と天秤座の黄金聖衣を纏った紫龍と氷河、そして星矢の攻撃を受け一時的に気を失うものの数分と経たず再度覚醒し、
更に膨れ上がった膨大な小宇宙によって星矢たちに迫り、柱に向かい飛ぼうとする彼らを攻撃する。

しかし、再び皆の想いを託され光速すら超え流星と化した星矢に攻撃が効かず、その『奇蹟』によってメインブレドウィナを突破、破壊されてしまう。

直後、星矢と共にブレドウィナから抜け出したアテナはかつてポセイドンを封じていた壺を手にしており、再び封じ込められることを拒むポセイドンは彼女に鉾を放つがそれも海龍のカノンがとなり防がれてしまう。


ポセイドン あなたの負けです

アテナが向けた壺によってジュリアンの肉体から引き剥がされたポセイドンは遂に壺に封印されてしまった。
同時に海底神殿の崩壊も本格化してしまうが、残されたジュリアンはテティスによってエーゲ海へと運ばれ九死に一生を得る。



その後回復し意識を取り戻したジュリアンはポセイドンとして覚醒してからの十数日間の記憶を失ってしまっていた。
だが、記憶は無くとも世界中で起こった水害による被害に心を痛めた彼は、全財産をなげうって復興の支援を行うこと、自分自身も世界中を回り水害で親を喪った子供たちの助けとなるべく旅立つことを決意する。

そして、同行を申し出たソレントを伴い旅立つ直前、ジュリアンは浜辺で息絶えた一匹の美しい魚を見つける。


わたしは以前にもこの美しい魚に会っているような気がする…

せ…せめて海にお帰り……
きみの生きる場所は海の中だったんだ…

二度と…陸にあがってきてはいけないよ


流れ出した涙と共に幼き日と同じようにその魚を海へと還したジュリアンは始まりの場所・スニオン岬を後にし、償いの旅に出るのだった……



◆冥王編

引き続き旅の途中だったが、ハーデスの野望を阻もうと一時的に覚醒したポセイドンに再び憑依され登場。
地上にいながら神の力で嘆きの壁破壊で死亡した黄金聖闘士たちが遺した黄金聖衣をエリシオンへと輸送し、タナトスに苦戦する星矢たち五人に助勢する。
まぁせっかく運んだ黄金聖衣も一瞬で粉砕されてしまったが。

その後ポセイドンが再び眠りにつき、ジュリアンも一連の出来事を覚えておらずまた旅を続ける。

原作におけるジュリアンの出番はここで終了となる。



■ポセイドン

CV:阪脩

オリュンポス十二神に連なる神にして大海の主神。
七人の海将軍を始めとした海闘士たち統べる存在であり、作中では主に「海皇ポセイドン」と称される。
元ネタの神話の大まかな話はこっちを参照されたし。

オリュンポスの神々の中でも特に高い神格を持つ強大な神であり、同じオリュンポス十二神であるアテナのことも「小娘」呼ばわりしている。
はるか昔の神話の時代にはアテナと最初の聖戦を行い、以降もアッティカの地を巡る争いなどで度々アテナとの聖戦を繰り広げた。
ちなみにその争いの中で海闘士の鎧「鱗衣」が作られ、それに対抗する形でアテナ軍の「聖衣」やハーデス軍の「冥衣」が作り出されていったという。


詳細な経緯は不明だが、かつてのアテナとの聖戦の折にアテナの壺に封じ込められてしまい、その後本編の十三年前に偶然カノンに解放されるまで海底神殿で眠りについていた。
ここら辺の下りはカノンの項目も見て欲しい。

……しかしこの覚醒はポセイドンの本意ではなかった。
というのもポセイドン自身は現代でアテナと戦うだけのこれといった理由や目的を持っていなかったうえ、壺の中で寝ているのが案外お気に召していたらしい
実際、カノンに解放された際にも

「バカめ!わたしはまだあと二、三百年は眠るつもりでいたのだぞ!!」

とキレていた。
また、壺に施されていたアテナの封印も長い年月を経たことで既に効果が失せその気になれば出ることは難しくない状態であり、寝たいから壺に引きこもっていただけだった。
ちなみに原作の時代から一つ前のアテナとハーデスの聖戦の際にも少しの間目を醒ましたが、両者の戦いに興味が無く「またか」と思いすぐまた寝てしまったらしく、寝ぼけていたため当時のことはあんまり覚えていない


そんなこんなで原作本編においては、本来する気のなかったイレギュラーな覚醒を遂げたポセイドンであったが、カノンからアテナの化身が生まれたことを聞き彼女とハーデスの聖戦が再び起こることを予期し、まだ幼いジュリアンに憑依し彼が16歳になるまで眠ることを選択。どんだけ寝る気だ。
そして本編で16歳になったジュリアンが海皇として目覚めたことで(カノンの野望に利用される形ではあるものの)地上の浄化という神としての目的を遂行することとなる。


アニメ版ではオーディーンの地上代行者ヒルダにニーベルンゲン・リングをはめアスガルド編の元凶となっている。

また、原作・TVアニメ版ともに再封印された形で最終回を迎えているが、劇場版『最終聖戦の戦士たち』の設定では星矢たちとの戦いで死亡し魔界に落ちてしまったらしく、劇場版の敵であったエリスやアベルと共に魔王ルシファーに力を貸している。
しかし最後は星矢たちによってルシファー諸共魔界に封印されてしまう。
それでいいのか海皇。


なお、アテナのように人間へと転生しているわけではなく魂を自身の選んだ人間(この場合はソロ家の者)に憑依させているだけであり、ジュリアンとポセイドンはあくまでも別々の存在である。
ハーデスの例を考えるとポセイドン本来の肉体もどこかにあると思われるが、今のところそのことには触れられていない。



【戦闘能力】

ジュリアン自身は一般人であるため海闘士や聖闘士のような超人的な身体能力は一切持っていない。
だが、ポセイドンの力を発揮している状態では神としての絶大な小宇宙を扱い、海将軍や黄金聖闘士も及ばぬ圧倒的な力を発揮できる。
その最たるものは敵の攻撃をそのまま敵に向けて跳ね返す能力であり、星矢たちの攻撃を悉く跳ね返して見せた。
ちなみに劇場版ではアベルも同じような能力を使用している。

また、手にした三叉の鉾による一撃は黄金聖衣でさえも防ぎきることは叶わない。

しかしジュリアン自身が素人であるため必殺技の類は披露されず、攻撃は専ら上記の跳ね返しと小宇宙の放出のみで行っており(それでも十分に脅威的だが)、同じく神の力を持つアテナに攻撃を止められてしまったりもしている。

その他にも同格のハーデスに仕えるタナトスが黄金聖衣を粉砕しているにもかかわらず、ポセイドンの攻撃で星矢たちの黄金聖衣そのものに大きな損傷を与えられていないなど人間の肉体を借りているが故の制約とも取れる部分も多々ある。(嘆きの壁を破壊する際、その余波で黄金聖闘士だけではなく黄金聖衣自身もダメージを受け、耐久性が落ちていたためタナトスが破壊できた可能性もある。)



鱗衣

  • ポセイドンの鱗衣
海皇ポセイドンの魂を宿した者が纏う鱗衣。
全身を覆う黄金の装甲と左右に広がった肩部が特徴。
オブジェ形態ではポセイドン自身の姿を模した形となり、カノンに解放された直後のポセイドンは一時的にこの鱗衣を依代としていた。
覚醒後のジュリアンが着用していたが、海底神殿からの脱出後どうなったのかは明言されていない。
また『Ω』で登場した際にはこれによく似た新しい鱗衣を使用していた。
ちなみにこのポセイドンの鱗衣に限らず海将軍たちが来ている鱗衣もアトランティスが沈んだ際に失われているので厳密には彼らが来ている鱗衣はレプリカである。

  • 三叉の鉾
ポセイドンが持つという伝説の鉾。
凄まじい破壊力を誇り、矛先を向けられた相手に小宇宙による衝撃を与えることも出来る。
13年前までアテナの御符を貼りつけられた状態でスニオン岬の岩牢の奥に封印されていた。
しかしアテナの壺同様既に御符の力は失われており、発見したカノンによってあっさりと引き抜かれ彼を海底神殿へと運びポセイドン復活のきっかけを作った。
鱗衣と共にジュリアンが所持していたが、こちらも脱出後の処遇は不明。
『Ω』でも三叉の鉾を所持しているが同じ物かは不明。

  • 神衣
オリュンポス十二神だけが纏うことを許されるという鎧。
十二神に連なるポセイドンも所持しているはずだが他の神衣同様今のところその全容は明かされていない。
一説には上記の鱗衣がポセイドンの神衣であるとも言われるが、真相は不明。



【派生作品でのジュリアン&ポセイドン】

TV版ではなくゲーム版『アルティメットコスモ』にソレントと共にゲストキャラとして登場。今作では基本ポセイドン状態。
沙織と同じくジュリアンの容姿に大きな変化は無いが、鱗衣は新規デザインとなっている。
再び覚醒し地上支配を目論んだことで光牙たち若き聖闘士と戦うこととなる。
……しかし、実際は行方不明となる以前のアテナと星矢から「自分たちがいなくなった時に光牙たちを鍛えて欲しい」と礼を尽くした頼みとアクアドロップの一部を返還されたことで一回ぽっきりの条件で敵役を引き受けただけだった。

  • 『黄金魂-Soul of gold-』
冥王編中の話であるため最終回でジュリアンの肉体を借りたポセイドンが登場。
ロキと戦う黄金聖闘士たちの小宇宙の影響で目覚めたと語っており、彼らにエリシオンで窮地に立つ星矢たちへ黄金聖衣を届けることを提案し承諾を受ける。結果はご存じの通りだったが…
この時居合わせたヒルダにアスガルド編のことを挙げられ不審を向けられるが特に悪びれた様子は無かった。




追記・修正は魚を愛でてからお願いします。

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