マイティ・モーフィン・パワーレンジャー

登録日:2016/12/19 Mon 19:05:19
更新日:2023/10/31 Tue 10:52:51
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マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』とは、日本の『スーパー戦隊シリーズ』を基に、アメリカなどで展開されている『パワーレンジャーシリーズ』の第1作目である。


▼誕生の経緯と評価

きっかけは、ライセンス関連の企業であった『サバン・プロダクションズ』の社長であるハイム・サバン氏が、仕事で来日した際に『スーパー戦隊シリーズ』を視聴したこと。
同氏は当時放送していた『超電子バイオマン』の英語吹き替え版をアメリカに売り込もうとする。
が、最終的には腹心のシュキ・レヴィ氏の提案により、


「特撮シーンは日本の物を流用するが、ドラマパートにはアメリカ人俳優を起用して新規撮影し、これらを編集で組み合わせる」


という、日本どころか米国でも前例の無い方針を取ることとなった。
これは日本人だけが出演する番組が米国では受け入れられづらい、一部描写がアメリカの厳しい放送規定に引っかかってしまう、といった問題を解決する狙いがあった。

当然東映はこの話を持ちかけられて困惑したが、サバン氏は「アニメはもう世界中から入ってくるからいらない、実写が欲しい」「こんなクレイジーなものを作れるのは東映しかいない」と熱心にアプローチをかけ、最終的には「良い作品が生まれるなら」と承諾された。

こうしてパイロットフィルム『BIOMAN』が制作されたが、肝心の米国のTV業界は「日本のゲテモノドラマが売れるわけない」と、どこも相手にしなかったという*1

しかし、サバン氏は諦めることなく、精力的にプロモーション活動を継続。
すると業界関係者で唯一『Foxチルドレンズネットワーク』社長のマーガレット・ローシュ氏がサバン氏の考えに理解を示した。
そう、かつてマーヴェルコミックTV制作部門に勤務していたローシュ氏は、かのスタン・リーの肝煎りで『太陽戦隊サンバルカン』の英語吹き替え版放送を企画するも、サバン同様の理由で却下された過去の持ち主であった。サバン氏の考えに賛同しない理由は無かったのだ。

サバン氏はローシュ氏を中心にし、数年をかけて『スーパー戦隊シリーズ』を売り込むためのプロジェクトを企画・準備した。
同時に『BIOMAN』に出演していた俳優が年齢を重ねていたため、再出演は不可能と判断され、新たなキャスト陣で制作される運びとなった。

米国のTV業界や専門家からは絶対に成功しないと嘲笑されたが、まずパイロット版を放送して宣伝すると同時に人気が出る事を証明。嘲笑したひとねえ今どんな気持ち?
93年に本放送に入るや否や、社会現象になるほどのヒット作となったのである。

当時のアメリカ、特にアメリカンコミックは『グリム&グリッティ』の流行により、悲惨で暗く、ヒーローが不幸な目に遭う話ばかり制作されている時期だった。
しかしこの風潮に辟易していたファンもまた数多く存在しており、そこに現れた「スーパーパワーを手に入れた少年少女たちが、世界を救うために真正面から悪に立ち向かっていく勧善懲悪のヒーローとなる」展開は、爆発的人気を獲得したのである。

また、玩具も非常に評価が高かった。
主力商品とされたのは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』からの流用*2だったが、現地でもバンダイの米国法人であるバンダイアメリカや、他の多数のメーカーからオリジナル玩具が販売されていた。
特にレンジャーのマスクと変身するキャラクターの顔をスイッチで入れ替えられるフィギュア「オートモーフィン・シリーズ」は大ヒット商品となる。
関係者にとっても予想外の人気で供給が追いつかなかったこともあり、アメリカの玩具屋では入荷しても数日で店頭から消えてしまったという。後年の関係者の回想では、「増産のために玩具工場を16箇所作ったのにそれでもまだ追いつかなかった」というのだから、凄まじい人気のほどが窺えるというもの。
クリスマスシーズンには全米のダディの間で、子供にプレゼントするパワーレンジャーグッズの争奪戦が起きるのが風物詩となった。
これをパロディしたのが、かの有名な映画『ジングル・オール・ザ・ウェイ』である。


本シリーズのヒットによって、当時打ち切り寸前だった『スーパー戦隊シリーズ』は継続が決定して、同時に子供向け番組部門の地位も向上したとされる。
日本のファンからは「改変が気に入らない」「ありのままの作品を見てほしいのに」「『ダイレンジャー』はどうした」とローカライズに否定的な意見も一部見られるのは確か。だが、商業・経済的な観点、そして米国TV史の歴史的視点から見れば、サバン氏の戦略は「きっかけを作る」点では間違いなく最良のものだったといえる。

当時、原作が日本の番組であることはアメリカではあまり言及されず、米国で東映の評価が上がることは無かった。
しかし視聴者側はともかく、事情を把握できる業界側は本作の成功により「あれ、日本のコンテンツって売れる?」と輸入・宣伝に本腰入れるようになった事が、90年代後半における『ドラゴンボール』や『ポケットモンスター』など、別媒体の日本産コンテンツのアメリカ進出成功にも間接的に繋がっている。

また、本作の成功を受け、同じように日本の特撮ヒーローをリメイクしたスピンオフシリーズも何本か制作された。
大半はあまり芳しくない結果に終わったが、中には『重甲ビーファイター』をベースとした『ビッグ・バッド・ビートルボーグ』など一定の成功を収めた作品も。


一方、「アメリカのコンテンツを駆逐する日本のコンテンツ」という現象は、歴史の短い国である同国にとっては大変な恐怖でもあった。
何しろわずか半世紀前に戦争で焼け野原にして完勝したはずの国が、何故か数十年ちょっとで復活して自国にも迫らんばかりの経済大国となったばかりか、文化まで脅かしているのだから。
ましてや「アメリカのヒーロー以上にアメリカの正義を理解している」パワーレンジャーの存在は、得体の知れないものを感じさせたのだろう。
結果、今日にも続くジャパン・バッシングの流れもまた同様に生まれる事になってしまった。

また、子供向け特撮ヒーロードラマというジャンルそのものに馴染みの薄かったヨーロッパでは、「『パワーレンジャー』は子供を暴力的にする」という批判も展開され、いくつかの国ではこれらの運動を受けて『パワーレンジャー』が放送打ち切りの憂き目にあっている。

しかし、そのような軋轢を乗り越えて20年以上も人気を維持し、2017年3月には本作のリメイク映画が公開。
テレビシリーズの続編や番外編ではなく、原作の流れを踏襲しつつ設定・キャストを一新したリブート映画で、『仮面ライダー THE FIRST』や『ULTRAMAN』のようなリアリティ寄りの作品に仕上がっている。
原作発祥の地である日本では2017年の7月に公開された。

ちなみにネットの発達で原作の情報も徐々に入るようになったおかげで、現在では原作のDVDが発売されるなど、日本版『ジュウレンジャー』はもちろん、その前の世代の『スーパー戦隊シリーズ』も現地のファンに知られており、本家『ジュウレンジャー』のキャストであるティラノレンジャー/ゲキ役の望月祐多氏が現地のイベントに登場することもあるようだ。
氏曰く「僕たちジュウレンジャーもやっぱりすごい人気みたいです」




▼作風

原作のファンタジー要素の他に、当時米国で流行していた学園ドラマのテイストも組み込まれている。
また、多人種国家という文化圏のため、変身者の人種はなるべくバラバラになるように振り分けられている他、男女比をなるべく均等にするために黄色のレンジャーが女性とされている。

当初はほぼ全ての戦闘シーンが流用映像で賄われていた。
これには先述したシリーズ誕生の経緯の影響も大きいが、それ以上に特撮のノウハウの少ないアメリカでは、特撮番組に欠かせないスーツの製作が日本ほどハイペースで行えないこと、
そして何よりアメリカで戦隊レベルの特撮番組をゼロから制作した場合、日本の十倍以上もの莫大な予算がかかってしまうという事情もあった模様。

しかし、あまりの人気ぶりに番組が3シーズンに延長されたため、『ジュウレンジャー』の特撮映像ストックを使い果たした後は必然的に新撮カットが多用されることとなった。
当初は日本で制作されたオリジナル怪人のスーツと、これを使って撮影された『パワレン』専用の新撮カットをアメリカに送っていたものの、この方式では色々と無理があったのか、以降は『ダイレンジャー』の怪人を流用し、現地のスタッフ・スタントマンで新規映像を撮影していた。
しかし、制作陣から「アクションのクオリティが低い」という声が上がったため、日本のスーツアクターやアクション監督が招集されることになり、前田浩、こしげなみへい、横山誠、坂本浩一がこれに参加した。
(その後若手メンバーたちは日本に戻って名実ともに特撮界をけん引する映像監督になるのだが、それはまた別の話)

坂本氏曰く、初期は「同じアクションを繰り返して理詰めの構成が出来ていなかった」とのこと。
もっとも、『パワレン』の制作方式事態が前例のないものだったことは理解しておかなければならないだろう。
手探りの部分もまたこの作品の特徴の1つであるが、それを経て後続の作品が洗練されていくことになるのは日本の特撮史ひいては全てのコンテンツと何も変わらないのだから。

またスーパー戦隊シリーズ定番の変身後の名乗り口上は、歌舞伎の様式美の流れを汲んだ日本ヒーロー独自の文化であったため、本シリーズでは「必要ない」と判断して当初は削除される予定だった。名乗っているその間に攻撃されるじゃないか、と解釈されたためである。
しかし東映側が「名乗り口上無しは絶対に認めない」と強硬に主張したため、現地スタッフも首を傾げながらも承諾、かなり簡素化はされたものの引き継がれた。
結果これが大受けし、以後もシリーズでは継続して名乗り口上が行われるようになった。

2シーズンからはブルーレンジャーのビリーとグリーンレンジャーのトミー、ピンクレンジャーのキンバリー以外のメンバーがギャラ交渉のもつれという事情から変更される事態が発生。
またトミーは一時期グリーンレンジャーの力を失い戦線から離脱していたが、新たにホワイトレンジャーの力を手に入れ、リーダーとなる。

ちなみに『ダイレンジャー』からキバレンジャー、ロボ、怪人しか登場しないのは、
日本側のスタッフが「翌年は『ダイレンジャー』で行きましょう」と提案するも、アメリカは「なんで人気あるのに変えるの?」と返答されたため。
向こうではスパイダーマンバットマンのように同じスーツのヒーローが何年も活躍しているためか、
当時は日本のように一年で変える意味が理解できなかったと思われ、ダイレンジャー5人のスーツは見送られた。東映側も最終的に「番組として面白くなるならそれでもいいか」として合意したとの事。
気伝獣はメガゾードのパワーアップ形態という体。
ホワイトレンジャーVS偽グリーンレンジャーという夢の展開も。

3シーズンはレンジャーが忍者パワーを手に入れ、忍者(らしき)スーツからレンジャーの姿に2段変身する展開もあった。
地続きの世界観ゆえに、キングブラキオンの玩具にスーパー隠大将軍やスーパー無敵将軍の玩具を乗っけた強化形態 が出現するなど カオスな部分も目立つ。
またキンバリーも自身の夢の為にレンジャーを離脱した。

第146話~第155話まではレンジャーが子供にされ変身できなくなりエイリアンレンジャーが代わりに戦うため、タイトル、「ゴーゴーパワーレンジャー」の歌詞も「ゴーゴーエイリアンレンジャー」に変更されている。

最終回はそのまま『パワーレンジャージオ』に繋がる。さらに『ターボ』(前半まで)も彼らが引き続き変身し、1998年制作の『イン・スペース』までは完全な続編として制作されている。
1999年の『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』で毎年登場人物が入れ替わるようになるも、初代から繋がった作品ということ自体には変わりはない。


▼日本では

第1シーズンが「パワーレンジャー」、第2シーズンの100話までが「新パワーレンジャー」として放送。
日米のタイムラグを減らして、新しい作品を放送したいという意向から、第101話以降~ジオまでは放送されなかった。
日本向けの映像ソフトはVHSしか存在せず、長らく視聴困難だったが、2021年4月、ついに東映特撮ファンクラブにて第1シーズンが配信開始。5月から第2シーズンの配信が開始された。
以降のエピソードの吹き替え版が新しく製作されるかは今のところ不明。

1995年(日本では1996年)に公開された『パワーレンジャー 映画版』はシーズン3中の話であるが、厳密にはパラレルワールドに当たり、キャストも一部異なる。
こちらは東映特撮ファンクラブ以外での配信やDVDもあり、現在でも気軽に鑑賞できる。


▼あらすじ

It's morphin'time!!(変身だ!!)
悪の魔女リタ・レパルサが長年の封印から開放されてしまった。
それを察知した善の支配者ゾードンはアメリカのエンジェルグローブに住む勇敢な5人の若者たちをパワーレンジャーとして選出した。
5人は高校生活の傍ら、ヒーローとして様々な困難に立ち向かっていく。
新たなパワー。
新たな敵。
そして新たな仲間。
こうしてティーンエイジヒーローたちは今日も世界の平和を守るのだ!


▼キャラクター

日本語吹き替えのキャストは第49話から、リタなどの例外を除きその大半が一新されている。

○パワーレンジャー


ドラゴンゾード!
マンモス!
プテロダクティルス!
トリケラトプス!
セイバートゥースタイガー!
ティラノサウルス!


ワージャー



◆ジェイソン・リー・スコット / レッドレンジャー(ティラノレンジャー)
演:オースチン・セント・ジョン 吹き替え:中村大樹→村井厚之

初代リーダー。空手やバーベル連続上げなど、スポーツ全般を趣味にしており、正義感とリーダーシップにも優れる。
ホワイトレンジャーになったトミーにリーダーの座を譲り渡して、しばらくした後、スイスに留学する為、ロッキーを後継者とした。
その後、ジオでは2代目ゴールドレンジャー(キングレンジャー)として復帰。ロッキーとの絡みもある。
吹き替え版第1期の中村大樹は『救急戦隊ゴーゴーファイブ』の冥王ジルフィーザ


◆ザック・テイラー / ブラックレンジャー(マンモスレンジャー)
演:ウォルター・ジョーンズ 吹き替え:鳥海勝美→田尻ひろゆき

初代サブリーダー。チームの中でも陽気なムード―メーカーを担っている。
ダンスやヒップホップを趣味とする他、彼自身もジェイソンに匹敵するほどのスポーツの腕を持つ。
一度だけ、ジェイソンとトミー以外で、ドラゴンシールド(ドラゴンアーマー)を装着している。
スイスに留学する為、アダムを後継者とした。


◆ビリー・クランストン / ブルーレンジャー(トリケラレンジャー)
演:デビッド・ヨースト 吹き替え:真殿光昭→近藤聡一郎→杉山紀彰

本作における発明・メカニック担当。パワレンで青が頭脳担当のシンボルという傾向が強いのは彼のせい。
頭は良いのだが、解説する際に一々分かり辛い専門用語を多用する悪癖がある。
忍者レンジャーになってからは、の力も使うようになる。
初期メンバーでは最後まで残り続け、次回作『ジオ』で戦線離脱した後もしばらく技術担当としてレンジャーに協力していた。
シーズン3で子供にされた際に自分だけ独自の装置を使い元に戻ったことが原因で『ジオ』では肉体が老化してしまうが、セストリアと共に惑星アクェイターに赴き、その星の水を用いた治療を受けたことで老化から元に戻る。そして、恋仲となったセストリアと共に現地で暮らし始めた。
吹き替え版第1期の真殿光昭は『炎神戦隊ゴーオンジャー』の害気大臣キタネイダス


◆トリニー・クワン / イエローレンジャー(タイガーレンジャー)
演:サイ・トラング 吹き替え:まるたまり→三浦智子

東洋系の少女。勝気な性格で、カンフーとバレーボールを得意としている。
スポーツ系の一方、ビリーの分かりにくい解説を唯一理解できるという理知的な一面もある。
スイスに留学する為、アイーシャを後継者とした。
前述のように原典のジュウレンジャーでは黄色は男性が担当しているが、本作では女性が担当という体で演出されている。
吹き替え版第1期のまるたまりは『激走戦隊カーレンジャー』のダップ
余談だが、トリニー役のサイ・トラングは2001年9月3日に交通事故で帰らぬ人になってしまった。
本家スーパー戦隊第1作目イエローの演者も突然の死を迎えたので、戦隊イエローの嫌なジンクスである。
別世界ではヴィランの一味だった。


◆キンバリー・アン・ハート / ピンクレンジャー(プテラレンジャー)
演:エイミー・ジョー・ジョンソン 吹き替え:小山裕香→荒井静香

新体操とアーチェリーを得意としている少女。
トミーとの恋愛や両親の離婚話などドラマパートにおいて、プライベートな部分が特に掘り下げられている。
忍者レンジャーになってからは、鶴の力も使うようになる。
フロリダに新体操の留学をする為、キャサリンを後継者とした。
なお、新体操設定は役者の経歴が反映されている。


トーマス・オリバー/ グリーンレンジャー(ドラゴンレンジャー)ホワイトレンジャー(キバレンジャー)
演:ジェイソン・デビッド・フランク 吹き替え:落合弘治→荻原秀樹

追加戦士。愛称の「トミー」の呼び方のほうが有名。
空手の腕はジェイソンに引けを取らず、大会では決勝戦で雌雄を決するほどだった。
その戦闘センスからリタに洗脳され、悪のパワーレンジャーにされてしまうが、パワーレンジャーとの戦いの末に正気に戻り、6人目のレンジャーとなる。
原作のドラゴンレンジャーと違って死亡しなかったが、パワーを消失。元の生活に戻るも、ゾードンの手で復活を果たす。
だが、「パワーが強力だが不安定で迂闊に使うと消滅する」という制約が付いたことで、原典同様に自由に戦えなくなる。
結局、パワーを再び失ってしまうが、ゾードンから与えられた新たなパワーでホワイトレンジャーに転生、引退したジェイソンからリーダーの座を譲られる。
忍者レンジャーになってからは、隼の力も使うようになる。
その後、『ターボ』中盤でTJにパワーを託して引退するまでレンジャー達を引っ張り続け、『ダイノサンダー』でも司令官ブラックレンジャーとして再登場。
結果、ドラゴンレンジャー、キバレンジャー、オーレッド、レッドレーサー、アバレブラックに1人で変身するというとんでもない偉業を成し遂げることとなった。
吹き替え版第1期の落合弘治は『星獣戦隊ギンガマン』の黒騎士ブルブラック。奇しくも間接的に追加メンバー系繋がりとなった。



○パワーレンジャー(第2世代)

◆ロッキー・デサントス / 2代目レッドレンジャー
演:スティーブ・カーデナス 吹き替え:中嶋一星

ジェイソンの後継者。
忍者レンジャーになってからは、猿の力も使うようになる。
レッドレンジャーではあるが時は既に、トミー=ホワイトレンジャーが番組の顔となっていたため、レッドでありながらリーダーでも主役でもない不遇なレッド。キャラもジェイソンと被り気味だったため、人気も今ひとつ。
後年のレッドレンジャー全員集合の『FOREVER RED』でもジェイソンと同じティラノレンジャーの姿になってしまうせいか召集されなかった可哀想な人。
が、後に『パワーレンジャー・ニンジャスティール』にレッドレンジャーとしてまさかのゲスト出演。
当該エピソードの主役は共に客演していたトミーだったが、彼も他のレンジャー達と共に勇敢な戦いぶりを披露し、レジェンドの貫禄を見せつけた。
よかったね。


◆アダム・パーク / 2代目ブラックレンジャー
演:ジョニー・ヨング・ボッシュ 吹き替え:川中子雅人

ザックの後継者。
「黒人がブラックになるのは差別ではないか」という声が出たため交代となった、アジア系のイケメン。
クールだが実は熱い男で、下手するとロッキー以上に主人公っぽい部分もちらほら。
忍者レンジャーになってからは、蛙の力も使うようになる。
この後、トミーと共に『ターボ』の序盤までレンジャーとして活躍するが、
その後も再びブラックレンジャーとして何度も客演をしている上に、『オペレーション・オーバードライブ』では15年の時を経て完全新規の変身バンクも作られたりしている凄い人。
なお、中の人は現在は声優としての活躍を主としており、日本アニメでは小野大輔の専属吹き替えをしている他、2023年には『ウルトラマンブレーザー』英語吹き替え版でヒルマ・ゲントも演じている。


◆アイーシャ・キャンベル / 2代目イエローレンジャー
演:カラン・アシュレー 吹き替え:杉原美和

トリニーの後継者。映画版ではアイシャと呼ばれる。
アダムと同じく「黄色人種がイエローになるのは差別ではないか」との声を受けて交代となった、アフリカ系の黒人少女。
忍者レンジャーになってからは、熊の力も使うようになる。
第3シーズン最終章のエイリアンレンジャー編において、ジオクエストの最中に出会った、ターニャを後任とし、自身はアフリカの動物たちを救うべく、アフリカに残った。


◆キャサリン・ヒラード / 2代目ピンクレンジャー
演:キャサリン・サザーランド

リタに操られて手先として使役されていた女性。
自力で洗脳に打ち勝った後に、キンバリーの後継者となる。
バレエが得意で、プロの道を目指している。
彼女が初登場するシーズン3の吹き替えは製作されていないため、吹き替え版が存在する映画版や『ターボ』では唐突に登場するというよく分からないことになっている。


○協力者

ゾードン
CV.デビッド・フィールディング→ボブ・マナハン(第36話~) 吹き替え:荒川太郎→齋藤龍吾

宇宙における善の支配者とされる、エルター星出身の宇宙人。
一万年前に、リタ一味に地球が襲われた際に、当時の地球人にパワーレンジャーの力を与えて協力していたが、
最終的にリタと互いに封印術をかけ合って痛み分けに終わり、特殊な時空間に幽閉されて現実世界に干渉できなくなっている。
外見はシリンダーに入った巨大な生首だがこれは封印の影響で、かつてはヒューマノイドタイプの宇宙人だった。回想シーンで登場した当時の姿は原典におけるバーザの流用。
『ジオ』にも引き続き登場。

◆アルファ5
CV.リチャード・ウッド 吹き替え:鈴木勝美→松井紀子

現実世界に干渉できないゾードンの手足となって働くロボット。兵器開発やレンジャーのサポートを担当している。
「アイヤイヤイヤイ」という口癖がある。
元々はゾードンの同盟相手である惑星エデノイの王族から提供された機体。


◆ニンジャー(ニンジャマン / サムライマン
パワーレンジャーの変身道具となる「パワーコイン」の技術を開発して、ゾードンに提供した同盟相手。
自身も戦闘力は非常に高い。


◆アクェイター/エイリアン・レンジャー (カクレンジャー)
  • メンバー
アウリコ/アクェイターレッドレンジャー 演:デビッド・ベーコン
デルフィン/アクェイターホワイトレンジャー 演:ラジア・バロウディ
セストロ/アクェイターブルーレンジャー 演:カリム・プリンス
ティデウス/アクェイターイエローレンジャー 演:ジム・グレイ
コルクス/アクェイターブラックレンジャー 演:アラン・パルマー

ゾードンと同盟関係にある水の惑星「アクェイター」のパワーレンジャー。
水の力がエネルギー源のため、地球では本来の力を発揮しきれない模様。
子供の姿になり、パワーを失ったパワーレンジャー達に代わって登場した。
『ジオ』や『インスペース』にも登場、日本では彼らが登場する吹き替え版は制作されていないため、彼らの活躍が見られるのは『インスペース』のみ。


◆プリンス・デックス/マスクド・ライダー(仮面ライダーBLACK RX)
惑星エデノイの王子。
力を求めて暴走した叔父のドレゴン伯爵を止めるため、レジスタンスを組織して戦っていた。
当初はエデノイに迷い込んだレンジャー達を敵と間違えて襲いかかったものの、誤解が解けたことで共に戦った。

仮面ライダーBLACK RXをベースとしたスピンオフドラマ『マスクド・ライダー』から、放送に先んじてシーズン3にゲスト出演。
こうしたプロモーションの甲斐あってか、『マスクド・ライダー』第1話は同年の子供番組の中でも最高の視聴率を獲得したものの、残念ながらその後は失速続きのまま1シーズンで終了し、成功とはいえない結果となってしまった。


○サブキャラ

◆バルク 
演:ポール・シュリアー 吹き替え:桜井敏治→大山昇
◆スカル 
演:ジェイソン・ナーヴィー 吹き替え:成田剣→川中子雅人

日常シーンのコメディリリーフ担当であり、多くのファンから愛される名脇役。
詳細は該当項目参照。



○ヴィラン

原典はバンドーラ一味

◆リタ・レパルサ(魔女バンドーラ) 
演(映像流用)&吹き替え:曽我町子→カーラ・ペレス CV.バーバラ・グッドソン

一万年前に地球を侵略しようとしていた宇宙人の魔女。ゾードンと互いに封印をかけ合い、あい打ちになっていた。
後に宇宙飛行士の手で復活し、再び地球侵略に乗り出す。片頭痛持ちで、部下のポカに何かと頭を痛めている。
高い攻撃力を持ちモンスターを強化する力を持つ召喚獣のローカー(大サタン)が切り札。
ロード・ゼッドに宮殿を乗っ取られてからは体を縮められた上、ゴミ箱のようなカプセルに入れられ宇宙の果てに追放された。

第1シーズンでは、「原作の演技を再現できる女優がいない」という理由から、ストックが切れるまで曽我町子女史演じるバンドーラ様の映像に現地でセリフを入れなおして使用されていた。
第2シーズンからは現地の女優が起用(声はそのまま)されており、劇中では若返ったと説明されている。
ちなみに、先述した日本製新撮カットにおいても曽我女史は出演しているが、英語が苦手な女史は口パクにかなり苦労したとのこと。


◆ロード・ゼッド 
CV.ロバート・アクセルロッド 吹き替え:海老原英人

リタの上司であった宇宙の悪の重鎮にして、シリーズ初のオリジナルヴィラン。
リタの失敗に業を煮やして彼女を追放するが、後に彼女に惚れ薬を盛られて夫婦となる。
高い戦闘力と驚異的な異能・技術力を持ち、巨大ゾード「セルペンテラ」(大神龍)が切り札。


◆ゴルダー(グリフォーザー) 
CV.ケリガン・メイハン 吹き替え:桜井敏治→中嶋一成

戦闘指揮官。原作と異なり、最初から話せる。
戦闘力は高いが、リタやゼッドを出し抜いて宇宙を支配しようともくろむ野心家。
その癖、権威に弱く実力者に脅されるとすぐに媚を売る風見鶏的性格である。


◆バブー(トットパット) 
CV.コリン・フィリプス 吹き替え:成田剣→川中子雅人

リタの雑用係。影が薄い。


◆スクワット(ブックパック) 
CV.マイケル・J・ソリッチ 吹き替え:鈴木勝美→大山昇

リタの雑用係。やっぱり影が薄い。


◆フィニスター(プリプリカン) 
CV.ロバート・アクセルロッド 吹き替え:茶風林→齋藤龍吾

モンスターの創造や強化を担当する。
トップであるゼッドではなく、直属であるリタの方に忠誠を誓っている。


◆リト・レボルト(ガシャドクロ) 
CV.ボブ・パーペンブルック

リタの弟。戦闘力は高かったが、話が進むにつれてバカキャラとなる。
ただし、サンダーゾードを全て破壊するという、ストーリー上とんでもないことをしている。


◆パティ・パトロール(ゴーレム兵)
リタ一味の戦闘員
上級タイプや強化タイプに加え、ゼッドに強化されたZパティ・パトロールも登場する。


◆テンガ・ウォーリアー
原作に登場しないオリジナルの戦闘員。スーツは劇場版に登場したテング・ウォーリアーの流用。
リタ「名前をテンカウントで決めな!」
リト「えー、じゃあテンガ」
という適当極まりない命名経緯を持つが、自力で大気圏を突破する飛行能力に加え、ジオではコッグズ(バーロ兵)と互角に戦う等、悪の組織の戦闘員としては非常に優秀。


◆マスター・ヴァイル(妖怪大魔王)
リタとリトの父。
銀河を一つ支配下に置く強大な魔術師で、時間遡行魔術でレンジャーを子供にしてしまった。



▼戦力

◆パワーモーファー(ダイノバックラー)
バックル型の変身アイテム。
力の源であるパワーコインを装着して正面に突き出し、自らの恐竜の名前を叫ぶことで変身する。
トミーのものは金色で、ホワイトレンジャーとなってからも使われている。
第3シーズンでは「(自分の色)レンジャーパワー!」の掛け声で変身する。


◆リストコミュニケーター
ビリーお手製の腕時計型通信装置。
基地の転送装置と連動しており、これを操作することでどこからでも基地にテレポート可能。
着信音は番組主題歌。
『イン・スペース』まで使われ続けた。
『ジオ』や『ターボ』では変身アイテムが同じブレス型だったため、変身の掛け声とともにこれが変身アイテムに変化する演出が取られた。
その影響か、後のシリーズにおいてはブレス型変身アイテムに普段使い用のコンパクトな収納形態が用意され、変身する時に本来の姿に戻るのが定番となっている。


◆ブレードブラスター(レンジャースティック)
レンジャーの共通装備。
剣と銃の機能を使い分けられる。


◆パワーウェポン(伝説の武器)
レンジャー各人の専用装備。
レッドレンジャーがパワーソード(龍撃剣)、ブラックレンジャーがパワーアックス(モスブレイカー)、ブルーレンジャーがパワーランス(トリケランス)、
イエローレンジャーがパワーダガー(サーベルダガー)、ピンクレンジャーがパワーボウ(プテラアロー)を使い、
合体させることでパワーブラスター(ハウリングキャノン)となる。


◆ドラゴンダガー(獣奏剣)
グリーンレンジャー専用の短剣。
笛の音色でドラゴンゾードを操る。


◆ドラゴンシールド(ドラゴンアーマー)
グリーンレンジャーが胸に装着する金のアーマー。
トミーがパワーを失っている間はジェイソンが所有していた。


◆パワーキャノン(スーパー気力バズーカ)
ゾードンとアルファ5が開発したバズーカ型武器。


◆サーバ(白虎真剣)
ホワイトレンジャー専用の魔法の剣。
原典同様喋れるが、後半になるとどんどん口数が少なくなっていく。


◆メタリックアーマー
マスター・ヴァイルに対抗すべく開発された、本作オリジナルの装備。
使用すると魔術への耐性が付加され、スーツがキラキラになる。
イエローレンジャーがこれを使ったら見た目が完全にゴールドレンジャーなのは突っ込むな


◆シャークサイクル
シーズン3から登場したレンジャー用バイク。
レッドレンジャー、ピンクレンジャー、ホワイトレンジャー用はシャークブリッターの流用で、
イエローレンジャー用はシャークランチャー、ブルーレンジャー用とブラックレンジャー用はシャークスライダーのバイク部分のリデコ。



▼メカニック

◆ダイノゾード(守護獣) / ダイノメガゾード(大獣神
神という設定は宗教的に問題があったため、原作と異なり意思を持たないただの兵器である。
合体バンクでは合成音声によるナビゲートが印象的。


◆ドラゴンゾード(ドラゴンシーザー
グリーンレンジャーのパワーを元にリタが創造した。
グリーンレンジャーのパワーが弱まると呼びだせなくなる。
トミーがパワーレンジャーに加入した際、ゾードンの力で他のゾードとの合体機能が追加。
それぞれメガドラゴンゾード(剛竜神)とウルトラゾード(獣帝大獣神)の一部を構成する。


◆タイタヌス(キングブラキオン)
レンジャーの切り札。ウルトラゾードがこれに搭乗することでメガウルトラゾード(究極大獣神)になる。
何故か後述するニンジャメガゾードやショーグンメガゾードとも互換性があり、なんと日本ではありえない究極無敵将軍と究極隠大将軍が完成する。


◆サンダーゾード(気伝獣) / サンダーメガゾード(大連王)
ゼッドに破壊されたゾードを雷の力で強化・修復した機体。
ダイノゾードの姿で召喚された後、レンジャーの掛け声でサンダーゾードに変化する。


◆ホワイトタイガーゾード(ウォンタイガー)
サーバの力を元にゾードンが作った機体。


◆トール・キャリアゾード(ダイムゲン)
ゾードの中で明確に自我を持っている数少ない機体。単体でメガゾード形態に変身できる。


◆ニンジャゾード(超忍獣) / ニンジャメガゾード(隠大将軍
元はニンジャーの所有物。
原典とは逆に1号ロボとなった。
映画版でも主役メカに抜擢されたが、色んな意味でえらいことになっている


◆ショーグンゾード(巨大獣将) / ショーグンメガゾード(無敵将軍)
原典とは逆に2号ロボ。
元は地球の古代ゾーディニア文明が作った、ゾードン製ではない機体。
レンジャー達が子供になってしまってからはエイリアンレンジャーに譲渡された。


◆ファルコンゾード(ツバサマル)
ニンジャゾードのコアとなる機体。
ホワイトレンジャーが搭乗。


◆バトルボーグ(獣将ファイター)
エイリアンレンジャー達が外から操るモビルファイター巨大ロボット。
レンジャー達の動きに合わせて敵を討つ。



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最終更新:2023年10月31日 10:52

*1 ちなみに『バイオマン』の海外進出自体はフランスで成功しており、アメリカにおける『パワーレンジャー』を彷彿とさせるほどの大ヒットを記録した。

*2 現地の玩具規制に則った仕様変更はされているので、完全に同じものではない。