ティアマト(Fate)

登録日:2016/12/17 Sat 20:43:44
更新日:2023/12/21 Thu 13:20:17
所要時間:約 17 分で読めます





※注意※




この項目には『Fate/Grand Order』のネタバレが含まれています。














生命は海から生まれた。原初の海ナンム。始まりの女神ナンム。

人類にとって、女神とは海そのもの。潮騒は呼び声となってお前たちの罪を克明にする。

思い出せ。忘れるな。

この声こそお前たちの原罪。この名こそお前たちの救済。

その名は―――――











―――かないで―――

―――いかないで―――

―――れないで―――

―――はなれないで―――

―――わたしから、また―――

―――また、わたしをおいていかないで―――

かえってきて―――かえって―――
もういちど、わたしのもとに―――

もういちど―――もういちど―――

いえ―――いいえ―――

もうにどと―――もうにどと―――


わたし を あいさない で




プロフィール

ILLUST:山中虎鉄
CV.悠木碧


クラス:ビーストⅡ
マスター:なし
真名:ティアマト
身長:160cm~74兆1000000000万km2(銀河の面積に合わせる)
体重:虚数なので重さは計測できない。ゼロと同じ。反面、体積は無限となる。要は四次元ポケット。
出典:古代メソポタミア神話
地域:メソポタミア
属性:混沌・悪


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A+ EX C A++ EX -

◆クラススキル
○獣の権能:A
対人類、とも呼ばれるスキル。
英霊、神霊、なんであろうと“母体”から生まれたものに対して特効性能を発揮する。
これはビーストII本体だけでなく、彼女から生まれた魔獣すべてに付与される。

○単独顕現:B
単体で現世に現れるスキル。
一度顕現してしまえば七日に渡りインド洋を塗り替える。
顕現してからは休む事なく魔獣たちを生み出し、人類を食い尽くす。
反面、ビーストⅡ本体は海そのものなので陸地にあがる事はできない。
人類掃討は子供である魔獣たちの仕事となる。
また、このスキルは“既にどの時空にも存在する”在り方を示しているため、
時間旅行を用いたタイムパラドクス等の攻撃を無効にするばかりか、あらゆる即死系攻撃をキャンセルする。

○自己改造:EX
黒い生命の海を用いて自分の霊基を作り替える。
通常の霊基状態(ファム・ファタール)から、全長60メートルを超す竜体に成長する。
竜体になったティアマトはランクA++以下の攻撃を無効化する。


◆クラススキル
○生命の海:EX
ビーストⅡは生命を生み出す海そのものである。
地球創世期の真エーテルを循環させている為、この海の中では魔力は無限に供給される。
黒泥に囚われ、海中に沈んだ者は自己改造、生態変化、生態融合、個体増殖といったスキルがランダムに付加される。
海から地上に出る際にはビーストIIと細胞クラスでのギアス……塩基契約(アミノギアス)しなければならず、自動的に人類の敵になってしまう。

○自己封印:C+++
ビーストⅡを縛る自傷の縄。
人類の集合無意識から“もういらない”と追放されたことを嘆き、憎むビーストⅡだが、その深層意識では“それも仕方のない事だ”と受け入れている。
その根源が『母』であるビーストⅡは最後の最後で人類の庇護に回りたい、という欲望を持っている。
この自己封印はそれがカタチになったもの。
ビーストⅡは常に自分を封印している。その痛みはビーストⅡの全体HPの50%を毎ターン与えているに等しい。
まれにビーストⅡが取り乱して海から出ようとすると、封印は瞬間ダメージを90%にまで高めてこれを戒める。
+++がついているのはその為だ。

○ネガ・ジェネシス:A
ビーストⅥが持つ『ネガ・メサイヤ』と同類のスキル。
現在の進化論、地球創世の予測をことごとく覆す概念結界。
これをおびたビーストⅡは、正しい人類史から生まれたサーヴァントたちの宝具を無効化してしまう。
具体的に言うと「人」と「星」のカテゴリサーヴァントの宝具にバリアを張る。

○怪力:A++
魔物としての能力。自身の筋力を向上させる。
ほぼ最上級のもの。黒泥を体とし、竜体として現れたティアマトの筋力は巨人のそれである。



◆宝具
なし。中心にいる頭脳体が宝具と言えないこともない。




何じゃこりゃあ……
このスキル群はDr.ロマンがティアマトを分析した結果だが、ギルガメッシュをして「貴様ティアマトの太鼓持ちか!」と怒鳴るほどに非の打ち所がない。
更にこれに加え、「生命が現存する限り決して死なない」という訳が分からない特性を持つ。
ティアマトは「全ての生命の母」であるため、「生命体が生きている」という事自体がティアマトの存在を証明してしまう。

現人類を脅かす脅威でありながら、人類の存在自体が彼女の生存を手助けしてしまうという矛盾故、正攻法では決して滅ぼすことが出来ない。
ティアマトを滅ぼす方法があるとすれば、それは元より生命の存在しない世界に落とすか、死の概念が存在しないものすら殺す天敵を連れてくる他にない。



【概要】

メソポタミア神話における創世の神のひとり。
神々は真水であるアプスー、塩水であるティアマトから生み出された。
その後、子供である神々は原父アプスーに反旗を翻し世界の支配権を獲得する。
この時、ティアマトは子供たちの行為を穏やかに容認した。
夫への愛より子供たちへの愛が勝っていた証左である。

しかし、神々は母であるティアマトにさえ剣を向けた。
ティアマトは嘆き、狂い、新しい子供として十一の魔獣を産みだし、神々と対決する。
戦いの末、ティアマトと十一の魔獣は破れた。
神々は彼女の死体を二つに裂き、天と地を造り、これを人界創世の儀式としたという。



しかし実際は違う。
ティアマト神とは、生命を生み出す原初の海そのもの。
まだこの惑星に生態系が確立されていなかった原初の時代に生命を生み出した土壌であり、
生態系が確立された後、不要なものとして切り捨てられ、虚数空間に封印された母胎である。

生命をランダムに生み出すティアマト神は、生態系が確立された段階で既に不要な存在であり、
同時に生命体がこの星に準じた知性を獲得する行程において、邪魔なものでしかなかった。

ティアマト神に人格らしきものは確認できない。
理想をなくしたのか、はじめから理性がないのか、どちらともとれる。
しかしどちらにせよ、今の彼女はただ子供を産み、育て、愛でる事だけを存在意義とするものであり、
自分を否定し、拒絶した人類に対し、防衛本能として殲滅の道を選んだ大災害に他ならない。
人類にとって生態系を塗り替えるティアマト神はおぞましい侵略者(インベーダー)であり、
ティアマト神にとって人類とはおそろしい異星人(エイリアン)である。相容れる事は決してない。

それ故、ティアマト神は人類悪の一つに数えられる。

人類史が拒絶したもの、人類が滅ぼした悪、人間の獣性が生み出した災厄の獣達。

これらを以って彼女の枠組みは決まった。創世の女神など偽りの名。
其の名はビーストⅡ
原罪のⅡ、母から離れ、楽園を去った罪から生まれし、最も古い悪。
もう一度地球の生態系を塗り替え、全ての母に返り咲く『喜び』をもって人類を滅ぼす、『回帰』の理を持つ獣である。


【ストーリー中での活躍】

ストーリーでの登場は第七章「絶対魔獣戦線バビロニア」。
ソロモンによって虚数世界から地球に引き戻されたが、ギルガメッシュが召喚したマーリンがティアマトを夢の檻に封じた事で眠りについていた。

しかし、ティアマトから聖杯を心臓として埋めこまれたエルキドゥの遺体がキングゥとして起動。
キングゥはゴルゴーンをティアマトと同調させることで感覚を共有させ、生きている限りは目覚めないはずのティアマトはゴルゴーンの死によって目覚めさせた。
自分を封じていたマーリンを握りつぶしたティアマトは、一瞬にして海をその権能である黒泥・ケイオスタイドで侵食し、
そこから生まれた新人類ラフムは旧人類の掃討を開始した。


Grand Order作中では三段階の姿で登場する。
ティアマト周辺では特殊状態『ケイオスタイド』により、ターン開始時に大ダメージを受けるので注意が必要。
また一部場面では特殊状態『地響き』により、戦闘開始時にパーティの列がランダムで変更される。変えられても大丈夫なように編成しておこう。


ファム・ファタール

ADVENT BEAST
1/1



人類悪 顕現


キングゥから聖杯を奪ったベル・ラフムが聖杯をティアマトに譲渡したことでケイオスタイドから浮上した際の形態。

その姿は上記マテリアルにある通り、身長160cmほどの少女のもの。
3を上下逆さにしたような形の巨大な角と竜尾、身長をゆうに越えるやや緑がかった水色の髪と太めの眉、「星の内海を映す」と表現される十字赤紫の瞳が特徴。

また、衣服と呼べるものは肩から腕にかけてと太ももより下を覆う皮のようなものと、かなりローライズなショーツのみ、胸に至っては腕で隠れてはいるが完全に丸出しであるうえ、
腹部に翼の様な淫紋文様が刻まれている。
七章が林檎の審査で時間かかったのってこの子のせいなんじゃ……

手を胸元で組み、腕と足は金色の鎖によって拘束されて身動きが取れない状態になっている。
これは後述の戦闘描写も併せて、『既存の生態系を破壊したくない』という地母神としての最後の理性の現れではないかと推測されているが詳細は不明。

上述の通りこの形態はまだ三段階あるうちの一段階目であるが、この時点でその霊基は七つ分の聖杯を上回る、超々々級の魔力炉心を持っている
また水爆に匹敵する魔力を行使出来るようであり、ペルシャ湾に居ながらにしてこの時点でウルクを吹き飛ばすことが出来たという桁違いの怪物である。
……繰り返すが、まだこれでも一段階目である。


戦闘はラフム二体を引き連れているが、攻撃は一切してこない。なので先にラフムを倒してしまえばただのサンドバッグになる。
ただしスキル行動『謳う』で三種類の5ターン全体デバフを順番に使い続けるので、延々とデバフが積もり続けて長期戦になりがち。
クラスもシールダー同様に相性がない『ビースト』なので耐性はないが弱点も存在しない。

ちなみにこのデバフは味方であるはずのラフムにも無差別にかかる。


余談だがファム・ファタールとは『運命の女』という意味で、男にとっての理想の恋人を指す。
さらに転じてその魅力的な振る舞いで男を虜にし、破滅へ導く毒婦という意味を持ち、神話におけるリリスなどや、マタ・ハリなどが例に挙げられる。



巨神ティアマト

直接的な戦闘がないため作中での正式な呼称ではないが、アルテラに倣いこう仮称する。

最初の戦闘により撃破されたファム・ファタールが拘束を解かれ、完全に理性を喪い自己改造スキルで巨大化した姿。
全体的なフォルムはファム・ファタールとほとんど変化はないが、角の数が増えより太さを増している。
この角によって腕を解いても胸の先端は隠れている。残念。

唯でさえ桁違いだった魔力量が更に上昇。星間航行すら可能な魔力量に、体内に膨大な生命原種を貯蔵した移動する生体工場とも言うべき存在
人類があと数百年かかって到達する神の箱舟、それがティアマト神の正体である。

脚部は明らかに質量を維持できないというほどに細いが、ケイオスタイドの上であれば問題なく移動できる。
というか海そのものであるティアマトはケイオスタイドの上でしか活動できず、自身がケイオスタイドを生み出し陸を侵食することで活動領域を広げて移動する。

また、角を変形させることで本来は地の属性でありながら飛翔することも可能という反則染みた性能も持つ。

ウルクを壊滅させ新たな子であるラフムによる新世界を作ろうと進行を始め、
主人公たち、ゴルゴーン(アナ)、ケツァル・コアトルの決死の妨害によって翼を折ることには成功するものの、
陸地の浸食を含めティアマトの進行自体を止める事は出来ずついにウルクに到達。

ギルガメッシュに致命傷を負わせ、さらに大量の飛行型ベル・ラフムたちを特攻させることで主人公らカルデアメンバーを気絶させてしまう。
が、キングゥの『人よ、神を繋ぎ止めよう』によって拘束され、その拘束を振り解いたとほぼ同時に、エレシュキガルの冥界転移が完了。
イシュタルの一撃によってウルクごと2000m地下の冥界へ叩き落された。


が――




ティアマト(ビーストⅡ)

CHILDHOOD'S END
1/1



第二の獣 決戦


冥界へ落下してなお霊基を膨張させ、ジュラ紀にまで回帰することで神性ならぬ神体として顕現。
人類が滅ぼすべき悪、『回帰』の獣としての本性を顕わにした、ティアマト神の真の姿。

その容姿は一言で表すなら人獣、あるいは人面竜。
大きく裂けた口を天に開き、逞しい四肢で大地を踏みしめる有翼の怪物。
しかしその顔にはファム・ファタール形態の面影があり、異形の中にどこか美しさを感じさせる。
サイズについても、約60m位あると明言されている。


エレシュキガルの権能・冥界の刑罰による大ダメージをものともせず、
逆にケイオスタイドとベル・ラフムで冥界を侵食、さらに飛翔し地上へ帰還しようとする。

これ程の事をしておきながら、これはまだ彼女が一番弱い状態であり、地上に上がれば最後、
一日も保たずウルクどころか地球は終了することになる。故に冥界に居る内に必ず消滅させる必要があった。

とは言え戦力差は圧倒的で万事休すかと思われたが、人理焼却による白紙状態を利用して徒歩で来た駆け付けたマーリンが生命を生み出す権能を花に変換することで侵食を阻害。
さらに、ジウスドゥラとして主人公たちをバックアップしていた山の翁がその正体を現し、翼を断ち切ると同時に『』の概念を付与。
ようやく撃破可能な状態まで追い込むことに成功する。

そして通常のサーヴァントの霊基パターンに変化したティアマト神は、初めて感じた死の恐怖にベル・ラフムを最大量産しながら壁伝いに逃走を試み、
それを防ぐため最後の戦いが幕を開ける事になる。


戦闘はベル・ラフム単体が相手の底部、11体のベル・ラフムを相手にする中腹部、ティアマト本体との頭部の三段階に分かれている。
全体攻撃と多彩なスキルを有しているうえここでも『ケイオスタイド』が発動しているが、
エレシュキガルのサポートで大量のバフがかかっているうえに『花の魔術師』で自ターン終了時に大回復するので、少なくとも六章の円卓の騎士よりは楽。
クラス:ビーストで相性差もないので、好きなサーヴァントで挑めるイベント戦的な演出が強い。
特に中腹部の戦闘ではまさかの山の翁をサポート枠で使える。

冠位英霊資格者二人からの追撃を乗り越え、あと地上まで300mというところまで到達したティアマトだったが、
冥界という場所を利用し、賢王の精神と英雄王の能力を両立して現界したパーフェクトギルガメッシュの援護により、頭部の霊基核がついに崩壊。


どれだけ母が愛そうと子はいつか巣立つもの。
怒りはあっても憎しみはなく、ただ分かり合えぬ摂理があっただけの女神は冥界の底へ墜落しながら爆散、完全に消滅した。

そう思えたが…

ラーヴァ/ティアマト


「『第二の獣は、他の獣より格下だ』そんなぼうげん、お母さんは許しません。」

ILLUST:山中虎鉄
CV:悠木碧

パラメータ
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
C C D A EX EX

宝具
毅き仔よ、創世の理に抗え(ナンム・ドゥルアンキ)


母の力、見るが良い。見るよね?

驚くなよ? タイムスケール、グリっと弄る! さぁ、いくぞ――

ネガ・ジェネシス、展開。毅き仔よ、創世の理に抗え――

毅き仔よ、創世の理に抗え(ナンム・ドゥルアンキ)』!!


なんと「Fate/GrandOrderArcade」にてアルターエゴとして参戦。
その姿は、まさかのロリおかんである。
アプリ版とは地続きであり、2017年に人類に敗北したという記憶もしっかり持っているのだが、「人類を守りたい」という愛情から無償で力を貸してくれることとなる。

地母神クラス、それも創世神クラスが分御霊とはいえ直接召喚されるというのは前例がない。
キャス狐ですら「天照大御神(モノホンの神様)のアルターエゴ(金色白面)のアルターエゴ」という存在なのにである。
ただ、サーヴァントとして相応にダウングレードしており、本人も自分の角が少し重たいと思っているらしい。

第二再臨まではロリ姿だが、第三再臨からはかつてのファム・ファタールに近いお姉さん姿に。
ただし口調はそのままなので「長身巨乳口足らずな、嫌われることは恐れるけど悪いことはしっかり叱るオカン」という萌え属性欲張りセットに

アーケードにおける第7章『臨界繁栄都市バビロン』は、黒幕の手に落ちたギルガメッシュと、それに対する協力者エルキドゥ
そして名無しのサーヴァント…に見せかけた冠位のサーヴァントの降臨と、
アプリ版第七章「絶対魔獣戦線バビロニア」とは色々対となる展開となる。


長らくアーケードのみの実装だったが、2023年4月にてドラコーとともに実装。

わたしはお母さん……。いや、違う、それは役職。
我が名はティアマト。アルターエゴ、でやってきた。
驚いたか人類。おまえたちが滅びると、わたしの負けが無意味になる。
よって力を貸してやる、という感じだ。
喜んだな人類。いいぞ。



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最終更新:2023年12月21日 13:20