UPEO

登録日:2016/12/10 (土) 19:56:31
更新日:2022/09/10 Sat 06:43:59
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U P E O
UNIVERSAL PEACE ENFORCEMENT ORGANIZATION


国家間の紛争が火花を散らし核の恐怖に脅える日々は去った。
しかし、強大な力を持った多国籍企業間の争いや、悪質なテロ、
大惨事に発展しうる事故などの解決には、国家は既に何の力も持たない。
我々が世界唯一の治安維持対策機構として、有事に対応しうる最新の軍備と、
どんな組織とも対等に話し合える発言力を備えているのはそのためである。
国境も領土も無意味と化した混乱の時代に、人々が最後に頼れるのは、我々UPEOしかいないのだ。
来たれ、志高き若人よ!
(別冊説明書「フォトスフィア」より)



UPEO(ユーピオ)はフライトシューティングゲーム『ACE COMBAT 3 electrosphere』に登場する架空の治安維持機関である。





組織概要

正式名称は「Universal Peace Enforcement Organization」。
新国際連合共同体NUN, Neo United Nation)直属の治安維持対策機構であり、世界各地で国際平和のための治安維持活動(交渉の仲介並びに武力介入)を行う。現実の世界に例えるなら「独自の軍事力を持った国連安保理」。

多国籍企業ゼネラルリソースの勢力拡張に伴い、次第に国家という枠組みが形骸化、
やがて「一大陸内の連合国家」から「ゼネラルの信託統治区域」になり下がった2040年のUSEA(ユージア)においては、最早国家間の争いはほとんど起こらない。
NUNも「新国連」という名乗りとは裏腹に、実際のところは抗争を続ける二大企業、ゼネラルとニューコムの緩衝役に回っている。
法や警察権力までをもゼネラルが牛耳る現在のUSEAにおいては、UPEOはゼネラルを初めとする大企業を実力で制止できる数少ない存在である。


……と、建前は立派なのだが、実際のUPEOの評判はよろしくない。
そもそも、UPEOの行動を決定するNUN平和維持委員会のほとんどがゼネラル側の議員で占められていたのである。これが何を意味するのかは言うまでもないだろう。
また、外面上特定の企業に肩入れすることを避けるため、そして「国連による侵略」というイメージを払拭するため、武器装備は出来るだけ自前で調達し、企業から強力な装備も購入していないので、肝心のUPEOの軍事力は他企業以下
半ばゼネラルの代行機関と化し、派兵回数も少ないので、世間からは「張り子の虎」「軍隊ごっこ」と呆れた目で見られているのが実情であった。

しかし2037年になって、この状況に一石が投じられることになった。NUN着任後、いくつかの紛争解決で実績を上げ、ニューコム側との強いパイプを持っているガブリエル・クラークソンがUPEOの代表に就任したのである。
クラークソンはゼネラル派で固められた委員会を改革し、UPEOを取り巻くゼネラルの影響力を薄めることに成功。幸いにしてクラークソンはゼネラルとニューコムの平和的共存を願う人物だったため、ようやくUPEOは真に中立的な存在として再始動することになった。
また、UPEOの実戦部隊司令を務め、武断派として知られるギルバート・パークが主導する形で、深刻化する企業間紛争に対応するべく軍備増強も図られ始めた。2040年には特別航空部隊「SARF」が結成されるなど、UPEOを取り巻く状況は確実に変化している。
ただ、クラークソンは対話での平和的解決を基本方針としていることもあって、軍備増強についてはUPEO内でも温度差があるようだ。
少なくとも、現場ではクラークソンが少々空気化しており、パーク司令の影響力が強くなっている。


GBS報道ログ:「激論! UPEOの立場」

【キャスター】
ニューコムとUPEO間の対話に対してゼネラルリソース側からの反発が、混乱の火種となる事を危惧する声も多いようですが?
【コメンテーター】
はい……UPEOのクラークソン代表のような指導者は、前時代的な政治家タイプと言えるでしょう。
ゼネラルリソースによるUSEA統一以降はですよ、経済の力が政治や司法を駆逐したこの時代で
彼の行動は私にとっては……時代錯誤としか言いようがない。


ビデオフォンログ:「おとなしくしとけよ!」 Send:ERICH
お前がどういうつもりか知らないけど。UPEOで飛行気乗りでいたいんなら、パーク司令には逆らうなって。
ま、クラークソン派の連中の言ってる平和的な解決ってやり方でこの世界が守れるんなら、
最初っからゼネラルにUPEOなんて要らないんだし。
どっちにしてもただの飛行機乗りにゃ関係ない事だな。


拠点

●スナイダーズ・トップ
USEA大陸北部のスナイダーズ・トップ地方にNUN本部が存在する。
劇中では一切登場しない。
●エキスポ・シティ ニュー・アーク空港
大陸中部のフェイス・パーク地方沿岸部に広がる大都市。UPEO本部はニュー・アーク空港に存在する。
地上滑走路から直結する広大な地下空港施設が最大の特徴。


特別航空部隊―SARF

サーフ。正式名称「Special Armed Response Force」。前述のとおり2040年(つまりストーリー開始年)に新設された航空部隊である。
プレイヤーはここに所属し、ゼネラルの警備部隊GRDFやニューコムの実動部隊NEUに制裁を加えたり、時にはテロリストの排除を行う。

元ゼネラルリソース所属の天才パイロット・紘瀬玲名を隊長に据えた「精鋭」部隊だが、それ以外の隊員は実戦経験の少ない若手で占められ、練度にはいささかの不安が残る。また、ゲーム開始当初は使用する戦闘機も旧時代からの自主改良機しかなく、他企業の機体と比べるとかなり見劣りしてしまう。
ゲームが進むにつれ、UPEOへの影響力を確保しておきたいゼネラルや、売られた恩を返したいニューコムが(型落ちした)戦闘機の提供を行い、それで装備を増強していく。UPEOも他企業の先進戦闘機に対抗できる性能を持つ独自機を並行して開発しており、後半でようやくそれらが本格的に投入され、質の面では並ぶことになる。

パイロットのTACネームには、各人の名前や愛称がそのまま使われている。


保有機体

地上・海上部隊については劇中でも描写があんまりないので省略。ニュー・アーク空港の地上防衛部隊はそれなりの数がいる他、空母も存在している。
UPEO独自機は現実のロシア、ユーロ系の機体を元にしている。エスコンシリーズでは珍しく、主役側が欧州機をデフォルト装備している格好である。

プレイヤーの乗機

劇中登場順(使用可能になる順)に表記する。
また、提供機に関しては元組織の項目を参照してほしい。UPEO仕様機は全て灰色に塗装され、形式番号末尾に「U」がつく。

◆EF2000E タイフーンⅡ:戦闘機
初期配備の片割れ。元ネタはユーロファイター(タイフーン)。
現実では新しめの機体だが、本作では近代化改修が足りないのか、周りに取り残されている。
本作ではUPEO関連の共同軍用機会社で生産されたという設定。バランスが良く扱いやすい機体。
◆MiG-33 ファルクラムSS:戦闘機
同じく初期配備の片割れ。現実のMiG-33とは異なり、MiG-29を再設計した機体として設定されている。
やはり他企業の水準には及ばず、性能面で見劣りする。EF2000Eには旋回性で勝るが、耐久力で劣る。
バグか設定ミスか、作中では水平尾翼の動きが旋回方向と逆になっている。
◆F/A-18IU ホーネットADV:戦闘攻撃機
ミッション3以降使用可能。ゼネラルからの提供機。
EF2000Eの耐久力と安定性を引き上げた機体といったところ。対地・対艦攻撃にはこちら。
◆F-16XFU ジャーファルコン:戦闘機
ミッション3以降使用可能。同じくゼネラルからの提供機。
空戦性能がMiG-33を僅かに上回る。特に耐久力が改善されたのは大きい。
◆R-101U デルフィナス#1:戦闘攻撃機
ミッション6以降使用可能。ニューコムからの提供機。これまでの機体とは別格の扱いやすさを誇る。
◆R-201U アステロゾア:攻撃機
ミッション6以降使用可能。同じくニューコムからの提供機。純粋な攻撃機が無かったUPEOでは初の機体。
◆Su-37 スーパーフランカー:先進戦闘機
ゲーム開始時点のUPEO最強戦闘機だが、プレイヤーが使用可能になるのはミッション10以降。
シリーズお馴染みの大型の制空戦闘機で、パッケージにも描かれている本作の象徴でもある。
出し惜しみしていただけあってデルフィナスをもぶっちぎる性能を誇る。搭載武装も幅広く、ようやく他企業の新鋭機と互角に渡り合えるようになる。エリックはフランカーの大ファンで、ベルクト配備後も構わず乗り続ける。
なお、レナにはミッション1から水色の専用機があてがわれている。この機体はレナが移植している人工神経「オプトニューロン」を介し、通常の機体よりも優れたパフォーマンスを発揮する神経直結操縦装置「ENSIシステム」を搭載している。一方、UPEOのオプトニューロン対応機はこの一機だけしかなく、レナは作戦に応じて乗機を変更することが出来ない。万が一システムエラーが出た場合、レナの作戦参加そのものが不可能になる恐れすらある。
◆R-211 オルシナス:攻撃機
ミッション14限定。ニューコムから提供予定の新型機で、テスト飛行目的で搭乗する。
この機体だけ機体色がUPEOカラーではなく、オリジナルのニューコムカラー。
◆Su-43 ベルクト:先進戦闘機
戦闘攻撃機寄りのSu-37から更に空戦性能を高めたUPEOルートの最終機。ミッション15以降は搭乗機がこの機体に固定される。
前身翼を採用したドッグファイト向けの機体で、他ルートの最終機と比べると安定性と出力で劣るが、機動性ではトップ。
なお、元ネタであるSu-47 ビェールクトは本作がエスコン初参戦。発売当時は知名度が低く、その余りにSF的な外見を見て「こいつも架空機か?」と誤解するプレイヤーも少なからずいたとか。

その他の機体

◆R-505U:UPEO専用機
ニューコムが要人移動用として提供した超音速旅客機。機内の揺れはほとんどないらしい。
外見を無理やり例えるとしたら、超カッコよくなったコンドル1号といったところか?
◆EK-17U グローブマスターⅣ:給油機
ゼネラルでも使用されているC-17B輸送機の給油機仕様。元ネタとの差異はほとんどない。
◆V-22B オスプレイ:ティルトローター機
要人移動用として用いられている。こちらもほぼ元ネタと同じ形状をしている。



ゲーム中の所属者・関係者

◆ガブリエル・W・クラークソン
NUN・UPEO代表議員。某国にて官房長官、外務大臣を歴任した経験を持ち、NUN参加後もいくつかの紛争解決で成果を上げている。
確かな能力と実績を持つ人物ではあるが、識者からは「対話主体の国際協調路線はもはや時代錯誤に過ぎない」と評されることも多い。
◆ギルバート・パーク(朴銀影)
UPEO総司令。ゼネラルグループにて要職を歴任した後、出向の形で現在の地位についた。
武断派で、現ゼネラル最高幹部のアルデア・ナシメント常務と繋がっていることもあり、クラークソンとの関係は微妙なところ。
実は、ニューコム躍進のきっかけになった2031年のゼネラル大量退社事件をプロデュースした張本人でもある。世話をしてやった退社組から報復を避けるための防波堤代わりにされ、ゼネラルに主犯として突き出された後にナシメント常務に救われ、ほとぼりを冷ます&UPEOをゼネラルの駒にするために出向させられたという過去がある。
◆UPEO作戦部長(CV.長嶝高士)
ブリーフィングを担当する男性。肩書の割に、どうもあまり重要な立場にはいないようだ。

◆紘瀬玲名(ひろせ れな TACネーム:レナ)
SARF隊長を務めるエースパイロット。かつては先天的な能力を見込まれ、僅か9歳でゼネラルに入社し、DOE計画の被験者にされていた。
計画が非人道的と指摘されて終了した後も軟禁されていたが、数年前にUPEOに移籍。現在は「UPEOのアイドル」として広告塔扱いをされている。
フィオナ・C・フィッツジェラルド(TACネーム:フィー)
SARFパイロット。非常に負けず嫌いな女性で、SARFではナンバー2。
ゼネラル社員の両親とニューコム所属の姉を持つ上流階級出身者だが、イヤミの無いサバサバした性格で部隊のムードメーカー的存在。
EF2000E、F/A-18IU、R-101Uに搭乗。
◆エーリッヒ・イェーガー(TACネーム:エリック)
SARFパイロット。中産家庭に生まれたお坊ちゃんで、どこか戦争を他人事のように観ている節がある。
レナとフィーのことを気にかけてはいるが、自分の信念を持っていないために2人からは相手にされていない。
EF2000E、F/A-18IU、R-101U、Su-37に搭乗。大のフランカーマニアでベルクト配備後もフランカーに乗り続けている。
◆プレイヤー(デフォルト名:nemo)
本作の主人公はSARFの4番機として戦列に参加するが、物語が進むにつれ、いくつかの組織から移籍の勧誘をかけられることになる。
それを決めるのは画面の前のプレイヤーである。



ゲーム中での動向



ビデオフォンログ:「業務連絡」 Send:FIONA
業務連絡を口頭で伝えます。正式な書面は追って電送されます。
UPEO所属の搭乗員は、本日付けで無期限の待機命令。
ま、簡単に言えばかなり雲行きが怪しくなってきたって事。じゃ!

ビデオフォンログ:「業務連絡」 Send:FIONA
あ、居た……! 伝えておく事があります。
本日付けでUPEOの治安維持活動についての指揮全権が、パーク司令に一任されました。
これからは、UPEO特別航空部隊SARFのメンバーとして、常にレナと共同で行動する事になります。
まぁ……彼女のようなUPEOのスターと一緒なら中継も多くなるし、下手な失敗はできないって事。


2032年から足掛け8年にもわたる企業間冷戦。しびれを切らしたニューコムはフェイス・パーク地方にて本格的な軍事行動にでる。
この「フェイス・パーク紛争」はGRDFとNEUが抗争を続けるなか、事態沈静を図るSARFがニューコムを攻撃する構図で推移。ゼネラルはSARFに機体を提供し、GRDFのアビサル・ディジョン隊長らとの共同訓練を行うなどして関係を深める。
一方、レナ機のシステムが破損し、ここ一番の重大なときにエースを欠く失態も発生した。
やがてクラークソン代表がニューコムを説得し、停戦協定の発効にこぎつける。しかし、ディジョンはその様子を欺瞞と断じ、プレイヤーをGRDFへと勧誘するのであった。

発効の翌日、ゼネラルは協定を破棄。今度はSARFがNEU航空基地を防衛することになり、ニューコムはその功績に応じて(UPEOのご機嫌取りも兼ねて)SARFにRナンバー2機種を提供する。
復帰したレナと共にゼネラルの陰謀を探ったり、騒ぎに便乗するテロリストを排除する中、クラークソンはどうにか停戦調停の段取りをまとめ、レイニー岬へ飛び立つ。
しかし、護衛機はプレイヤーとエリック機だけ。フィーは何故かUPEO専用機内での護衛役となり、レナも不参加。更に情報が漏れたのか、ゼネラル部隊の奇襲を受けることに。
どうにか襲撃を凌ぐと、レナ(と、名無しの機体)が到着。しかし彼女らに課せられた任務は、スパイ容疑が発覚したクラークソンとフィーの撃墜であった。
プレイヤーは専用機を守るか、それとも撃墜するかの最終判断をレナに託される……。












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最終更新:2022年09月10日 06:43