SA-16 スティレット

登録日:2016/12/08 Thu 20:21:06
更新日:2024/04/09 Tue 09:44:22
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概要

SA-16 スティレット」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のひとつ。

記念すべきシリーズ第一弾であり、シャープなシルエットをした飛行型FAとなっている。モチーフは日本の戦闘機F-2

本項目では系列機種のほか、系譜を汲む発展機である「SA-17 ラピエール」も取り扱う。フレームアームズ・ガールにおける擬人化されたスティレットについてはこちらを参照。


目次





SA-16 スティレット


地球防衛機構が開発した最初のFA。
月面軍が送り出す「アント」が陸戦型ばかりだったこと、そして物量で優る敵を阻止しうる能力を必要としていたことからフレームアーキテクトに飛行能力を付加するという要求がなされた。
開発元はフランス防衛機構となっているが、陸戦型の「三二式一型 轟雷」と並行して世界中の技術者の協力のもと開発された背景を持つ。
「戦車」である轟雷に対し、スティレットは短時間のホバリングも可能な推力と高度な姿勢制御能力を有する「戦闘機」であり、性能はむしろ戦闘機と言うより対地攻撃機寄りなのだが対アント戦の迎撃効率を高めることに成功した。

機体配色を後述のクファンジャルカラーに改めた特務仕様が存在するが、通常スティレットとの差異はカラーリング以外不明。

その汎用性から長く防衛機構の主力機体を務め、数々の派生機体を産み出している。


◇武装
  • SH-4000B セイレーン mkⅡ
スティレット用に設計された単発ブースター。従来の航空機ブースターと比較するとかなり大型で、アーキテクトに対する出力を確保するためとされる。
燃費や運用面での課題も多く、後に幾多の改良が施されていくこととなる。

  • M547A5 60mmガトリングガン
右腕部にマウントされるSA-16の主兵装。対地掃射能力を求めた結果標準装備として採用された。
本来面制圧を目的とした兵器であるものの、 コレの手動バースト射撃による狙撃を平然と実行する者 も居るため射撃精度・集弾性能自体は高い模様。ほぼ操縦者の技量に依存した芸当という点は留意すべきであるが
あまり目立たないがアヴェンジャーの2倍の口径を持つお化けガトリングである。

  • S-41B 空対地ミサイル
左腕部にマウントされる誘導兵器。
携行弾数は最大で片腕に2発ずつ、合計4発と少ないものの、威力が高く扱いやすいことから普及している。
実際他のFA用ミサイル兵器と比べてもかなり大型。

  • 肩部スタビライザー ×2
緊急時に格闘武器として使用できるが、姿勢制御能力が低下するので積極的な使用は推奨されていない。
しかしこれでベリルウェポンの中でも高い破壊力を有するベリルスマッシャーと斬り合う描写が存在する為、相応の切れ味と剛性を備えていると思われる。乗ってる奴が超ド級の変態だったから出来ただけとか言わない


◇キット
2009年10月発売。定価3000円。デザイナーは柳瀬敬之氏。
リニューアル版は2014年1月発売。定価3200円。

初期のキットとリニューアル後のキットでは大きく異なり、旧版では色分けが芳しくなく、胴体や頭部がほぼ青一色で「素組みで色分けを実現」の売り文句はもはやギャグとして一部では語り草となった(ただし塗装で色分けする場合、パーツが大きく破損しにくいため旧版の方が組みやすい事がある)。
リニューアル版で色分けの細分化や成型色変更を施されたほか、肩部スタビライザーと脚部装甲が塗装済となっている。
ガトリングは右腕用だけで、2個買いしても持てなくはないが左右対称にはならない。




SA-16d クファンジャル


スティレットの燃費を改善する目的で開発された派生機体。
スティレットは移動にも戦闘機動にも推進機を頼るため消耗が激しく、エネルギー切れや推進材切れで撤退することも珍しくなかった。
これを解決するため主機を「SH-4000-D セイレーンmkⅡ-D」に更新し、肩に補助動力と推進機を増設、同時に脚部の装甲を大胆に削ぎ落として軽量化している。
さらに逆関節状のフレーム配置である"オストリッチレッグ機構"が考案されたことで歩行速度も改善できた。
結果として陸上戦での推進剤消費を大幅に抑えることに成功し、稼働時間が飛躍的に改善されている。
特に対アント戦で高い戦果を挙げており「 オペレーション・アント・クリーナー 」において迎撃率100%を実現できたのは本機を大量配備した中東・インド地域のみだったとされる。


◇武装
  • Fa/MG-04 マシンガン
航空機用の機関砲をFA用の手持ち武器に転用したもの。
中~近距離での瞬間火力に優れる。

  • Fa/ML-04 マルチミサイルランチャー
小型のミサイルランチャー。
取り回しが良く、携行性にも優れるため普及している。

  • IOF105 サイドスラスター ×2
肩部に増設された補助動力を内蔵する推進ユニット。
横方向への加速を可能にし、軽量であることも相まってスティレットの機動性を大きく向上させている。


◇キット
2010年10月発売。リニューアル版は2012年8月発売。両者とも定価3600円。
なおリニューアル以前は窓付きのパッケージだったが、リニューアル以降は一枚絵のボックスアートとなっている。

成形色が黒+オレンジになり、肩と脚部のデザインを変更。
スティレット同様旧版は白がほとんどなく、色分けが宜しくなかった。リニューアル版では改善されているのも同じ。
ランナーはスティレットにクファンジャルのパーツを追加した構成のため、どちらも組むことができる。
ただし塗装済だったパーツが無塗装なので色分けは劣る。
オストリッチレッグ形態には差し替えで切り替える。
モデリングサポートグッズ(M.S.G)「ウェポンユニット04 マシンガン&ミサイルランチャー」が手持ち武器として付属する。




SA-16Ex スティレット〈装備拡張試験型〉


EX計画 のテストベッドモデルとして改修が施されたスティレット。
随所にコネクターユニット「Ex-P16H」が取り付けられ背面ブースターと四肢スタビライザーをオミットした、正にテスト運用に特化したモデルとなっている。

EX計画は過去に試作されたFA用ユニットや武装を前線に投入する手筈になっていたが、ベイルゲイト攻略戦の残存勢力掃討に用いられた漸雷強襲装備型が急場凌ぎの改修によって劣悪な操縦性となっていた事を鑑みると、それらのユニットを即座に放出していくのは同じ結果を招くこととなるため得策ではなかった。
そこで防衛機構は本機を用いて各武装のマッチングを行い、完成度を高められた兵装から逐一戦線に支給していくという手を打ったのである。
これによって本機がEX計画に寄与した恩恵は大きく、地上反攻作戦が実施されるまで、縁の下の力持ちとして防衛機構を支え続けた。
またテスト終了後には攻勢任務に参加させる動きもあったようで、下記の「エクストリーム」が建造されている。


◇武装
  • Ex-P16H ×10
各種兵装を装着、操作するためのユニット。
ユニット制御の中継器も兼ねており、例えブースターをポン付しても漸雷強襲装備型の劣悪な操作性とは無縁となっている。

  • イオンレーザーカッター / シェイパーカノン ×2
本機はその性質上単体での戦闘能力はほぼ皆無のため、腕部に緊急時用の兵装が二種類積載されている。
レーザーカッターは使用可能時間が短いが高い切断力を有し、シェイパーカノンは弾数や威力に乏しいが取り回しに優れる。

  • サブマシンガン ×2
広くFA用に普及している手持ち武器。本機は試験実施時における重量バランスや干渉の問題を検証するために装備しており、攻撃に用いられることは稀だった。


◇キット
2020年6月発売。定価4500円。

ヘキサギアやM.S.Gのプロデュースを担当しているYUKIこと亀山直幸氏が制作し多くのM.S.G製品紹介ページで使用されているM.S.Gカラーのスティレットが元ネタで、ユーザーから製品化を希望する声が多く上がったためにキット化が決定した。
商品化にするにあたって メガミデバイス朱羅九尾 のキャッチコピー"M.S.Gを纏うという提案"にインスパイアを受けており、M.S.Gをデザインの中に盛り込み単独での組み替えをメインに据えた九尾に対し、本キットは様々なM.S.Gを追加で纏ってカスタマイズするという方向性となっている。

成型色はダークグレー、ライトグレー、ホワイト。アーキテクトはガンメタリック。
スティレットにM.S.Gを盛るための全身に装着するジョイントが追加。HIPS製で強度も十分。
更に腰部分もポリキャップから専用造形のHIPS製ジョイントに変更された。保持力が大幅に向上しているのでうれしい限り。
通常スティレットと同様のパーツ類が塗装済みとなっている為、パチ組でも色分けは良好。
スティレットのパーツは全て入っており、グレーカラーのスティレットとして組む事も出来る。但しガトリングガンと腕部ミサイルは付属しない。

YUKI氏製作バージョンとの違いは胸部ダクト、スネ部分の配色で、キットでは全てホワイト成型となっている(YUKI氏の物はダクトがライトグレー、スネ装甲がダークグレー)。

武装としてM.S.G「ギミックユニット LEDソード」の刀身部分(クリアグリーン成型)と、単品版では生産終了している「ウェポンユニット07 ダブル・サブマシンガン」が付属。

コトブキヤショップ購入特典はデコマスカラー再現用の追加パーツ一式。

2020年7月1日から同年9月22日にかけては、本キットとM.S.Gのミキシングを主体としたコンテスト「スティレット装備拡張プラン試験」、通称"スティコン"が開催された。
塗装や改造が苦手なユーザーも参加しやすいようにという意向で実施され、切った貼ったの加工の類はNG、塗装色もモノトーンカラーのみ等、一般的なコンテストと比較すると異色のレギュレーションをとる。
またその性質上、掲載されている作品はいずれも改造無しで再現できる(塗るだけでいい)。
実際参加作品の大半は組み替えオンリーが占めている他、中には何をどのように組み合わせているのか一目では分からないようなハイセンスな物も見られる。
詳細は公式ホームページを参照。




プラン118〈エクストリーム〉


SA-16Exを拠点攻略に用いるべく更に改修した機体。

全身に設けられた大量のブースターとスタビライザーによって爆発的な加速力を生み出す。
脚部に至っては丸ごと大型ブースターに換装した上でその元脚部ユニットをも追加のブースターユニット基部として組み込んでおり、アーキテクトの「部位ごとに動力(UEユニット)が内蔵されている」という特性を存分に活かしたものとなっている。

脚部がブースターに置き換わっている都合上一度着陸すると再離陸は不可能で、運用効率面では課題が残る仕様。またFAとの直接戦闘もメイン運用の視野には入れていないものと推測される。
とはいえ対TCS兵装が無い状況にもかかわらず、パイロットの力量込みで速度と火力に優れるフレズヴェルクを手玉に取る等、その運動性能と潜在的正面戦闘能力は決して侮れるものではない。

月面戦争時には運用を見送られていたが、後に 技術復興連盟 (G.A.F(ガフ))が R.V.L.T の拠点攻略に用いるべく本機の再テストを行っている。


◇キット
スティレット装備拡張試験型の予約開始時に公式ブログに掲載された作例が公式設定に組み込まれた物。製作はYUKI氏。
こちらでの名称は「SA-16Ex スティレット〈装備拡張試験型〉試験No.118 コード:エクストリーム」。

拡張スティレットをベースに
  • ヘヴィウェポンユニット06 エクシードバインダー ×2
  • ヘヴィウェポンユニット18 レイジングブースター ×1
  • ヘヴィウェポンユニット11 キラービーク ×1
  • ウェポンユニット07 ツインリンクマグナム ×1
  • ウェポンユニット10 マルチプルシールド ×1
  • メカサプライ14 ベクタードスラスターA ×1
を取り付けた超ゴテ盛り仕様。YUKI氏曰く「スティレットレイジングフルアームドカスタム(これもYUKI氏による作例。詳細は後述。)を超えるカッコよさを目指した」との事。

スティコンのレギュレーションに則った作例でもあるため矢張り再現は容易だが、とにかく重い。輝鎚・乙張りに重い。空戦機なのに。
関節強化は勿論、ディスプレイ用のベース類もフライングベースネオなど頑丈な物を用意したい。
なおこの一式の合計価格は定価で6300円。スティレットと合わせると10800円にもなる。




SA-16B25 スーパースティレット


スティレットの航空格闘性能向上実証プログラムに基づいてセントルイス工場で生産されたタイプ。

改修は主にエンジンブロックに集中し、エンジンを「SH-4100-A セイレーンmk.Ⅱ+」に更新、推力が20%強化された。
さらにクファンジャルのショルダースラストユニットを併せて装備し、新開発の可変ノズルとより大きくなった主翼によって低速域での格闘戦能力は著しい向上を見せた。
しかし推力を強化し過ぎた代償に操作性が悪化し、コントロール不能による墜落事故が多発した為に生産数は36機に留まった。

最終的にアラスカ基地*1に集中配備されたが、そこで起きた第3次カナダ防空戦において13対26という圧倒的不利な状況下にもかかわらず敵機21機撃墜、味方の損害ゼロという驚異的な戦果を収めた。

実験用のマイナーチェンジ機として主翼の形状を変更して安定性を向上させたSA-16B25c スーパースティレット改も存在する。


◇キット
残念ながら『フレームアームズ モデリングサポートマニュアル VOL.1』にイラストが掲載されたのみでキット化はされていない。
下記の「エクステンドアームズ04」やフルオプションセットで似た状態にすることは可能。




SA-16s2 スーパースティレットⅡ


上記の「SA-16B25 スーパースティレット」を改修し、操縦難度を下げた機体。
主機は「SH-4100-A セイレーンmk.Ⅱ+」のまま主翼形状を変更、肩のブースターは可動式となり、四肢には「クレイドル」と呼ばれる増加装甲を装着する。また頭部と胴体も改修されている。
結果として総合性能は大きく向上し、次期主力機に最も近い機体と呼ばれ、その性能は折り紙つき。
しかしバーゼラルドの開発計画が始動したことで量産は見送られてしまった。ただでさえ戦況が泥沼化して少ない予算をそっちに食われて他に予算が回らなかったようである。

最終的に残された試作パーツが強化ユニット「EXU-04」として前線部隊に支給された。


◇武装
  • ACSクレイドル ×4
「Armor Complex Supplying(複合兵装供給)システム」。その形状から「クレイドル(ゆりかご)」と名付けられた。増加装甲・推進機・機関砲2門・ブレード(プレシアダガー)を合体させた多機能ユニット。
重量と推力を同時に増やし、操作性を損なわずに機動力を上げるという構想によるもので、後のゼルフィカールのスラストアーマーに繋がる。
IOF402との併用が前提であるため使い勝手が悪いなど改善の余地は多かった模様。

  • IOF402 ヴァリアブルスラスター ×2
クファンジャルの肩部スラスターを発展させたもの。
出力が強化されたうえに推進方向を任意に変更できるようになり、機動力がさらに向上した。
ただしその分重量がかさんでおり、熟練パイロットの中には従来のIOF105を好む者もいたとされる。


◇キット
スティレットに「エクステンドアームズ04 〈SA-16 スティレット拡張パーツセット〉」(2014年2月発売、定価2000円)を組み込むことでスーパースティレットⅡに改造できる。

頭部と胴体のパーツも交換するので、後から組み込もうとするとやや面倒。
肩のスラスターは2色に分けられているが、クレイドルはブレードまで黒一色なので塗装推奨となる。アイセンサーも未塗装。
クファンジャルの肩と組み合わせることで「SA-16B25 スーパースティレット」に近づけることができるが、主翼の形状は「スーパースティレットⅡ」のものであるため設定上はスーパースティレットを完全に再現することはできない。

2017年1月にアーキテクトのリニューアルにあわせ、接続軸径を調整した「:RE」版が発売された。




SA-16 スティレット 制空部隊仕様


攻撃任務に就くスティレットには低視認性塗装が施されることがあり、降下艇基地攻略戦に投入された機体は淡いブルーの塗装が施されていた。

この頃になると次世代機が完成し乗り換えが進んでおり、製造ラインの減少や戦闘の激化もあって、スティレットは徐々にその数を減らしていった。
そんな中で敢えてスティレットに乗るパイロット達は腕利き揃いであったとされ、旧式化した機体を強化して戦い続けたという。

そうしたパイロット達の練度やそれまで蓄積された運用ノウハウを捨てるのが惜しまれたこと、新型に換装するよりも彼らを集中運用したほうが「お得」と判断されたことから、スティレットのみで構成された特殊航空部隊が編成された。

この部隊のスティレットはいずれも搭乗者に合わせて高度にカスタム化されており、旧型ながら戦力としては当時の新型量産機SX-25/JX-25に比肩するものだったとされる。
また後述する各武装の運用形態情報を統合して推察する限り、部隊のメンバーは熟練者ほど素の構成に近いスティレットで戦っていた可能性が高い*2。隊長の ロイ・エイラム大尉 に至っては頭部、胸部、背面ウィングを改修し、ガトリングを両手持ちにしただけのスティレットを操っているのでさもありなんと言ったところか。ホント変態しかいねえなこの世界の地球
兵站面に関しても他部隊で新型に換装されて余剰となったパーツ類が集められており、比較的充実した環境での運用を実現していた模様。


◇武装
  • SH-4000B セイレーン mk.Ⅱ+
背面の単発ブースター。
部隊内に配されたものは全て最新バージョンである4100番台で、こと機動力という観点では当時でも屈指の物だった。

  • M547A5 60mmガトリングガン
スティレットの主兵装。通常右腕に1門のみ装備されるが、場合によっては左腕や両腕に装備される例もあった。

  • IOF105 サイドスラスター
クファンジャルの物と同一の推進ユニット。
部隊内においては格闘戦を好むパイロットが使用することが多かったらしい。

  • IOF402 ヴァリアブルスラスター
IOF105の発展改良型。
前述の通り重量増加を嫌うベテランには敬遠されがちだった本装備だが、部隊内においてもその傾向は変わらなかった様子。

  • ACSクレイドル
動・攻・守一体型のマルチユニット。
これまた前述の通りIOF402との併用が前提の武装であり、そのIOF402が部隊内では敬遠されていたため、必然的にこの武装を好んで使用するパイロットも少なかった。


◇キット
「SA-16 スティレット 制空部隊仕様 フルオプションセット」でキット化。2014年11月発売。定価5400円。コトブキヤショップ限定品。

スティレットの全部入りキットで、未組立のアーキテクト、スティレット、クファンジャル、エクステンドアームズ04まで全て入った豪華仕様。ただしクファンジャルのマシンガン&ミサイルランチャーは付属しない。
さらに新規パーツとして左腕用ガトリングが追加。
塗装済みパーツこそないが、成形色が青みがかったライトグレーになっており、塗らなくても各パーツの色合いが統一されている。
色分けはリニューアル版準拠だが、通常スティレット/クファンジャルで組む場合は胴体パーツのダクト内側が白で塞がっているのが目立つか。




SA-17 ラピエール


近距離戦を不得手とするスティレットの欠点を補うため、高高度からの狙撃を主戦術とするべく開発されたFA。
スティレットをベースに、可能な限り従来の技術を流用するという開発方針が特徴で、実際に推進系にはヘリや航空機で採用実績のあるものを多く使用している。
長距離戦に対応するために索敵装備も充実しており、頭部のツインテール型レーダーユニット「LR/S07 シュヴー」や主機「SHR5500-REセイレーンMk.Ⅴ」を兼ねる無人偵察機「RAF-04 スポッター」などを搭載する。

戦闘機に例えられるスティレットに対して「戦闘ヘリ」のような滞空性能と、乱気流をもものともしない安定性、広範囲を見渡す眼を手にし、高高度対地狙撃の難度を大幅に下げることに成功。
進化した姿勢制御能力を用いてスティレットをも凌駕する高機動戦闘までも可能とした。

しかしその代償にコストが高騰してしまい、製造工数・価格共にスティレットの2倍近くになってしまった。
このコストが災いし主力機としての採用は逃したものの、指揮官・エース用の上位機種として配備されるようになった。


◇武装
  • Fa/SR-09 スナイパーライフル
長射程のFA用スナイパーライフル。
当初スティレットに本装備を携行させたが、高高度からの狙撃には熟練が必要なため本機の開発がスタートした。
「フレームアームズ モデリングサポートマニュアルvol.001」によれば有効射程4000mの滑腔砲で、航空/地上双方での運用に対応するとのこと。
弾頭もHEATや徹甲弾など複数種類あるらしい。

  • LR/S07 シュヴー
頭部に搭載されたツインテール状の索敵広域レーダー。高い情報処理能力を有するが、状況によってはその重量と体積が仇となるケースも多く、中央部に一つだけ搭載し軽量化を図った「モノクラフトタイプ」や、スティレットの頭部形状に倣った「ブレードタイプ」等、様々なバリエーションが生まれる事となった*3


◇キット
2011年2月発売。定価3600円。デザイナーはNAOKI氏。
シリーズ初にして唯一の女性型FA。

関節パーツの交換で肩幅を狭めており、女性らしいプロポーションを実現しようとしている……のだが、肩や背にボリュームのあるパーツが多く、正直言ってシルエットはゴツめの印象が強い。
アイセンサーは塗装済みで色分けも優秀だがデザインの都合上干渉する部位が多く、また可動域そのものも狭いのが玉に瑕。後肩のヒラヒラはよくポロリする。

手持ち武器として「M.S.GウェポンユニットMW-09 薙刀・スナイパーライフル」が付属。

シュヴーの頭部バリエーションはこれ単品では再現できず、後述のラピエールゼファーを塗装するか、そちらの特典パーツを用いる必要がある。




SA-17s ラピエール ゼファー


多対1での近接戦闘」に最適化したと思われる、ラピエールの改修機。
正確には防衛機構の所属ではないらしく、本機体および「 今朝霧スミカ 」を名乗る搭乗者共々いずれの部隊にも登録がなく、その詳細は謎に包まれている。

戦闘記録から推定できる範囲では並外れた加速力と運動性能、携行する超小型リニアレールカノンによる高火力が特徴で、外観はほぼラピエールそのものながら内装機器類は大幅にチューンされている可能性がある。

第一次アラスカ基地防衛戦で初めて確認されて以降、各地の戦線でこの「青いラピエール」が目撃されるようになった。
疾風のごとき電撃戦で敵を蹴散らし何処へともなく去っていく本機は、いつからか敬意を込めて「ゼファー(風神)」と呼ばれるようになったという。

多くの部隊を救ったが、海上都市「ベイルゲイト」攻略戦で撃破された際にコックピットを含む上半身をヴァイスハイトθが奪い逃走、搭乗者も行方不明となっている。
残った部分と武器の電磁加速砲は防衛機構が回収・解析を行い、YSX-24 バーゼラルドの開発に活かされている。

本機の「奇襲と格闘」という運用は従来の「長距離からの安定した狙撃」とは真逆の物であり、改めてラピエールのポテンシャルの高さを知らしめることとなった。


◇武装
  • 八式電磁加速砲 ×2
ゼファーが用いる拳銃型の武器。
コボルドの胴体部装甲*4を一撃で貫通するなど、そのサイズに反してFAの携行火器の中でも高い威力を誇る。二挺にはそれぞれ「準戒(じゅんかい)」「穿月(うがつ)」と刻まれているが、性能に差はない。
ゼファーの出現当時実用化されていたFA携行型の電磁加速砲と言えば三八式のLR-PSCくらいであり、この武器はほとんどオーパーツ級の代物だった。
防衛機構側には開発・配備された記録が無くワンオフで誂えられたものとされているが、その解析のために防衛機構が試作したコピー品も存在する。


◇キット
2011年11月発売。定価3600円。

本体成型色を新たにブルーへと変更、更に新規で頭部アクセサリー(シュヴー)パーツと専用武器の八式電磁加速砲が付属する。
また胴体部の頭部と干渉していたパーツの金型を改修して頭部の可動域を改善。これは後に再販されたラピエールにも採用されている。
通常版についてきたウェポンユニットのランナーは入っていないので注意。
色のお陰でスティレットとのミキシングがしやすい。

コトブキヤ店舗での購入特典として通常ラピエールカラーの頭部アクセサリー一式が付属していた。ちなみに記念すべきフレームアームズの購入特典の第一弾である。




その他の派生機体

公式資料などで存在が確認されているものの、詳細が不明となっている派生機体を以下に挙げる。
  • SA-16A スティレット Block10
「フレームアームズ モデリングサポートマニュアルvol.001」に掲載されている派生機体。
公開されているのは後ろ姿だけで、特に解説なども存在しない。

  • SA-16b フセット
コボルドヴァイスハイトθなど、一部のキットの解説に登場する派生機体。詳細不明。
名称の「フセット」は剣の名前で、目盛りが刻まれた定規になる剣。
コボルドに小隊単位で全滅させられたり、割と不遇。
トルース・ロックヘッド が「 ベイルゲイト攻略戦 」で使用していた。

  • SA-16-Ⅱ+
「フレームアームズ モデリングサポートマニュアルvol.001」に掲載されている派生機体。
ペットネームなどは不明。外観は通常のスティレットと変わらない。
フェーズドアレイレーダーが強化されており、最大16個の目標に同時攻撃が可能とされる。

  • SA-16E スティレット
「フレームアームズ モデリングサポートマニュアルvol.001」に掲載されている派生機体。
低空侵攻用に改修された機種で、地形追従レーダーと航法ユニットを搭載する。
胸部正面のデザインが若干変わり、インテークの形状も異なる。

  • SA-16dブロック5 クファンジャル
「フレームアームズ モデリングサポートマニュアルvol.001」に掲載されている派生機体。
頭部のアンテナが撤去され、肩の推進機が各2基→各1基に減らされている。

  • スティレットレイジング フルアームドカスタム
公式ブログ掲載の作例。
ベースとなるスティレットに「へヴィウェポンユニット18 レイジングブースター」、「へヴィウェポンユニット19 ソリッドラプター」、「ヘヴィウェポンユニット11 キラービーク」を、無加工で組み合わせている。
元々はレイジングブースターとソリッドラプターの商品紹介ページに掲載されていた作例で、FAブログにて制作方法が詳細に解説された。




余談
  • 系列機体の名称には刀剣類の名前が使われており、「スティレット」は細身の刺突短剣もしくは銃剣、「クファンジャル」はS字状の刀身を持つ中東地域の曲剣、「ラピエール」は15世紀頃のフランスの刺突剣。以降の地球製空戦機も刀剣の名前で統一されていく。

  • スティレットの旧版とリニューアル版では取説に書かれている設定が大きく異なり、旧版には「高所作業用のフレームアーキテクトがルーツである」「空戦用として設計された」等の記述があるが、リニューアル版では世界観設定の変更*5に合わせて内容を差し替えられている。

  • クファンジャルも設定が変わっており、旧版では「逆関節にするために足の装甲を削った」となっていたが、リニューアル版では「装甲を削って軽量化した後、偶然逆関節が考案された」となり、装甲と関節構造の因果関係が逆になっている。



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最終更新:2024年04月09日 09:44

*1 あのロイ・エイラム大尉の所属基地である

*2 流石に完全な素というわけでもなく、中身はチューン・アップや改修によって性能が底上げされているが

*3 キットでは所謂「全部載せ」も可能

*4 轟雷の120mm低反動滑腔砲の直撃に一発は耐える強度がある

*5 フレームアームズ開発のタイミングが月面軍侵攻の後になった