ガン=カタ

登録日:2010/06/20(日) 20:25:44
更新日:2023/07/27 Thu 22:05:15
所要時間:約 3 分で読めます





映画『リベリオン』内でグラマトン・クラリックと呼ばれるエリート捜査官が使用する架空の戦闘術。
この映画以降は様々な作品に影響を与えた。

考案者は監督のカート・ウィマーと殺陣担当のジム・ヴィッカース。

壁等に隠れながらの撃ち合いや直立姿勢の決闘が中心だった従来のガンアクションとは対照的に、
自ら多数の敵の前に姿を晒してノンストップで素早く動きながら戦う。

アクション映画ではどう見ても蜂の巣になる状況で主役がバリアでも張っているかのように敵の弾に当たらずに活躍するシーンは多いが、
それについて作中で理論的な説明づけがなされた数少ない例と言える。



●作中の設定についての解説

ガンとは"銃"、カタとは東洋武術によく見られる型稽古の"型"である。
ガン=カタはリブリア(作中、主な舞台となる全体主義国家)の秘伝とも言える戦闘技法であり、
リブリアの最高法執行機関、その現場執行者「クラリック」にのみ伝授される。

武器として主に二挺拳銃を使用し、最小の攻撃で最大の成果を生む戦闘技法。

リブリアの科学陣は、第三次世界大戦の膨大な銃撃戦データを検証した結果、
敵味方が幾何学的に配置された状況において、一定の確率に基いて戦闘展開を予測する理論の構築に成功した
「次は誰がどこに位置し、どこを狙うか」計算出来るようになったのである。

この理論により、「次に敵が居ると予測される場所を撃つ」「次に敵が狙わないと予測される場所に身を置く」事を連続的に行う事が可能になった。
そしてその動作を、東洋武術の稽古を参考にした「カタ」に当てはめる事で信頼性を高め、
また訓練を効率化した。これが「銃の型」ガン=カタである。

本編中、主人公のプレストンが「起き上がり小法師」式の予備弾倉を、戦闘開始時に離れた場所まで転がしているシーンがある。
これは「以降の戦闘の展開中、あの辺で弾が切れる」と予測計算してあらかじめ配置しているわけで、ガン=カタの性質をよく示している。
こういう描写が、後のオマージュ作品とは違う原点ゆえの特徴と言えよう。

また弾道を予測する都合上、弾道を予測しやすく相手の銃口の移動量が大きくなる近接戦を行うことへの説得力を持たせている。
弾というものは銃口から円錐状に飛ぶと予想されるので、射手に近づくほど「次に敵が狙わないと予測される場所」は広がっていくのだ。
同士討ちの問題もあるし。

基本的に銃撃戦を想定した戦闘術に見えるが、
本質は「戦闘状況の連続予測」に基づく「銃を持った相手への対処」の技術であり、攻撃手段には格闘も含まれる。
ガン=カタ用武器「クラリックガン」に鈍器として使うためのスパイクが仕込まれていたり、訓練にが使われていたりするのはそのため。
至近距離の戦闘では相手の銃を掴むなどして積極的に照準を逸らしたり、敵の銃を奪うといった動作も行う。これらも前述の戦闘予測に沿っている。

ガン=カタに適した武器として、クラリックには「クラリックガン」という単射・連射切り替え式の自動拳銃が支給される。
だがガン=カタの習得者は戦闘を予測出来る事から、その他の武器も有効に活用する事が可能。例えば突撃銃、刀、散弾銃など。
日本刀を使用した場合は座頭市のような逆手持ち。

基礎を学ぶだけで戦闘能力が120%向上。
マスターすれば多数の銃を一瞬で把握し、銃弾の通る位置を予測し、全てを回避しつつ攻撃することができる。

マトリックスなどのように縦横無尽に飛び回ったり反射的に避けるのではなく、
ガン=カタ中は基本的に立ち位置や想定した移動ルートを崩さず、むしろゆっくり移動したり静止することが多いのも独特である。
あくまで常人レベルの身体能力で表現できるレベルで作劇しようとした結果だろう。

また滅多にないことだが、ガン=カタ使い同士の戦闘ではごくごくわずかな確率を求めての互いの銃の照準の読み合い、逸らし合いの応酬となる。


・ガン=カタ2.0
映画『ウルトラヴァイオレット』で主人公が使う、より進化したガン=カタ。
通常のガン=カタにバレエの動きを取り入れ、より滑らかに動けるようになった。
また、徒手空拳での戦闘も行える。相手を直接殴るのではなく、射線を誘導して同士討ちをさせる、というもの。


ガン=カタは拳銃を
総合的に使用する
格闘技である
  (゚д゚)
  (|y|)

この格闘技を
極めることにより…
  (゚д゚)y=- y=-
  (\/\/

攻撃効果は120%上昇
  (゚д゚)y=-
  (\/\
      \y=-

防御面では63%上昇
   ー=y―
     |
   (゚д゚)
ー=y_/|y|

ガン=カタを極めた者は
無敵になる!
ー=y (゚д゚)  y=-
 \/|y|\/

※このAAは、実際は120%上昇は基礎の動きを修得するだけで得られる効果、63%上昇するのは致命傷を与える技量、という2つの誤訳がある。
※ちなみに日本語吹き替え版でも誤訳があるが、半分程度(63%)の攻撃力上昇でも脅威となる、という誤訳で上記AAとはまた別。


●オマージュ

今では色々な作品でガン=カタのオマージュが見られるが、比較してもオリジナルに準えてる、あるいはアレンジしているものはほとんどない。
ぶっちゃけほとんどのオマージュはよくある二丁拳銃の使い手が、
敵のキルゾーン真っ只中に躍り込み、両手の拳銃を目視もせず別々のターゲットを撃って命中させ、
自分は被弾せずにいるものばかり(単にガンアクションとして見れば問題ないし、カッコいいのも多い)。

だが原作のガン=カタは「SF的な無茶を孕みつつも、作中世界で理論立てられた技術として実行されている」という点に特徴がある
ガン=カタオマージュを名乗るならば、「なぜこんな芸当ができるのか」という背景まである程度説得力を準備するべきであろう。
もっとも、視聴側が勝手にガン=カタ認定して勝手に批判している場合もあるので、あまり過激な物言いをするのは避けた方がいいだろう。

余談だが、考案者であるカート・ウィマー監督は嫁さんと子どもが出掛けてる隙に庭先でこっそりガン=カタの練習をしていたらしい。



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最終更新:2023年07月27日 22:05