SCP-835-JP

登録日:2016/11/18 Fri 19:05:40
更新日:2024/04/03 Wed 22:35:58
所要時間:約 10 分で読めます




SCP-835-JP とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクト (SCiP) の一つである。
項目名は『ゼノフォビア』。日本支部によって生み出されたオブジェクトであり、オブジェクトクラスは堂々の「Keter」に指定されている。

SCP-835-JPはSCP財団の日本支部に勤務している研究員や、機動部隊の隊員が謎の存在によって惨殺されてしまう怪現象である。

この現象は、およそ1ヶ月から3ヶ月の周期で発生し、それに遭遇した財団職員は10秒以内に致死量とみられる血痕を残して消滅し、二度と発見されることはない。

全ての事象に共通している点は、発生した場所が夜間の路地裏や寝室など暗闇の中に沈む場所であること、そして被害者となった全員がSCP財団に勤務する職員であるということの二点のみである。

ターゲットが財団職員のみである為、民間人に犠牲者が出ないことだけが唯一の救いだが、世界から暗闇を抹消することなど不可能である為、対処の方法は存在せず財団職員は恐怖に怯える毎日を送ることになってしまったのである。


追記・修正は遺書を書いてからお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-835-JP - ゼノフォビア
by home-watch
http://ja.scp-wiki.net/scp-835-jp

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。































   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *

この報告書はプロトコル・アイドル-835の実施に伴い大幅な改稿が行われました。

我らが財団が、このような迷惑極まりないオブジェクトが猛威を振るうのを黙って見ているわけがない。
財団は、研究の末このオブジェクトを無力化する方法をとっくの昔に完成させ、安全にこのオブジェクトを収容する事に成功しているのである。

ーーとは言え、収容方法が確立されるその過程にはとある偶然が介在しており、その偶然が無ければ財団は日本から撤退していた可能性も十分にあったのだ。

猛威を振るうSCP-835-JPに財団職員が怯える中、元々は中国人の日本人に対する蔑称だった「日本鬼子」を萌え擬人化した2ちゃんねるの皆様と同じようなノリで、このオブジェクトを萌え擬人化してしまったアホ研究員があらわれたのである。

「俺たちが日々あの現象に怯えてる横で何やっとるんじゃこのバカタレ!!」

研究員仲間がこう言ったか否かは不明だが、可哀想なアホ研究員は同僚たちの手によって自筆のノートごと、何とかあの怪現象を無力化できないものかと日々苦心していたSCP-835-JP研究チームのリーダーであった某博士の元に突き出されてしまい、漏れ無く博士の怒りも買って謹慎処分に処されてしまったのだった。

ーーしかし、ここで奇跡が起きたのである。

あれほど大暴れしていたSCP-835-JPが、出没サイクルを遥かに通り越した5ヶ月を過ぎても発生しなかったのだ。

まさか、あのアホ研究員のノートが原因か?
そう思った博士は、ことの真相を突き止めるために「プロトコル・アイドル-835」を立案し、実行に移したのであった。



「プロトコル・アイドル-835」

博士の立てた仮説は、SCP-835-JPは財団職員の認識を受けてその性質を変化させているのではないか、というものだった。
つまり、財団職員が暗闇の中に潜む姿なき殺戮者に怯えれば怯えるほど、SCP-835-JPはその影響を受けて自身の特性を変貌させ、より凶暴性を増すことになってしまうのである。

そこで、博士は財団の日本支部に対して二段階に分けた情報操作を決行した。

まず、件のアホ研究員が記した『消照闇子』の設定を元に、SCP-835-JPに関する全ての情報を改ざんしてSCP-835-JPが実体を伴った存在であると定義しなおした。

SCP-835-JPは消照闇子(けてる やみこ)と呼称される主に黒の学生服を着用した黒の長髪を持つ10代後半の少女とされています。
外見年齢が10歳ほど上下する場合や学生服以外の衣服を着用している場合もありますが、非常に優れた容姿を持つとされる点はほぼ共通しています。
無口で感情の起伏も少ないためその性格は陰気と評されることが多く、他者に自身の姿が見られることを強く嫌うようです。

"消照闇子"は暗所から暗所へ距離や遮蔽物を無視してテレポートを行うことができ、標的を殺害する際はその能力で接近し所持する大型の包丁を用い素早く攻撃を行います。
また闇を意のままに操り物体を包み込んで消滅させられる能力を有しているともされていますがその原理は不明です。
その能力ゆえに財団と敵対する要注意団体に誘拐され暗殺者として育て上げられたという過去を持っており、現在の人格はこうした経緯から形成されたものだとされています。

因みに、アホ研究員のノートの内容がそのまま採用された理由は、『消照闇子』に関る記述があまりにも詳細だったため、財団が手を加えなくてもそのままプロトコルに採用できると判断されたからである。
自らの黒歴史が、収容プロトコルとして未来永劫、報告書に残されてしまったアホ研究員可哀想。

次に、SCP-835-JP…ではなく消照闇子をモデルとしたキャラクターグッズを作成し、彼女を主人公とした小説やアニメ映画とともに財団職員の間に普及させ、同時に彼女を主人公とした二次創作の作成を全面的に推奨した。

この一連の作戦により、かつて財団を悩ませていた怪現象は、消照闇子と言う美少女キャラクターとして財団職員の間に定着したのであった。

…つまり、である。
博士は財団日本支部に対して『SCP-835-JPの正体はこれだ!!』というミーム汚染を仕掛ける事により、職員の意識を反映して変動するSCP-835-JPを美少女キャラクターの形に固定化し、財団が制御しやすいよう存在そのものを書き換えてしまったのである。

SCP-835-JPとはおそらく、暗闇に己を脅かす何かが潜んでいるのではないかという本能的な恐怖の具現なのだろう。
だが我々がかつて恐れた想像上の怪物は、プロトコル・アイドル-835によって今や陳腐な一キャラクターへ成り下がった。 - ██博士

普段はミーム災害に振り回されている財団が、今回はミーム災害を積極的に活用する事により危険極まりないオブジェクトに勝利した瞬間であった。



類似するオブジェクト

アメリカ本部にも、ストーリーを与えることで本来なら危険極まりないオブジェクトを見事に制御する事に成功した事例が存在している。

SCP-239、通称「ちいさな魔女」である。
彼女は、自らに関連する全ての事象を彼女の望む形に改変することが可能な最高クラスの現実改変能力者であり、万が一、彼女が自らの能力を自覚して悪しき方向に使い始めれば流石の財団でも手に負えなく危険性が高かった。
しかし財団は、彼女がまだ幼い少女であることを生かして「あなたは魔女で、私たちが調べた呪文以外は使えないんだよ」と教え込む事により、彼女の能力に制限を設ける事に成功。
彼女の収容及び、彼女の人生そのものをできるだけ平穏なものにすることを可能としたのである。

ーーしかし、だ。アメリカ本部がオブジェクトを制御するための枠組みとして用いたのが「童話或いは民間伝承」だったのに対し、財団日本支部が枠組みとして用いたのが「サブカルチャー」とは。

なんというか、実に日本らしい解決方法であった。


SCP-835-JPが関係している主なTale

Taleとは、SCPを題材にした二次創作小説のことである。


「 Are We Cute Yet? 」
まずは、前提となる作品からご紹介しよう。

20■■年、財団日本支部は福利厚生の一環として夏祭を企画した。
オブジェクトの違反が起こらない限り、基本的には何をしても自由…というお達しである。

そこで、財団でAnomalousアイテムの管理を担当している管理員は考えた。

「アイドル活動をしよう」と。

こうして、財団日本支部に所属する以下の女性職員を巻き込み、一夜限りのアイドルグループが結成される事になったのである。

茅野きさら(かやの ー)/異常性を持つオブジェクトの鑑定を行う研究員。
鳴蝉時雨(なるせみ しぐれ)/Euclidクラスオブジェクトの実験監督。
朝夕まづめ(ちょうせき ー)/財団日本支部の荷物検査担当官。
後醍醐 勾(ごだいご こう)/芸能界専門のフィールドエージェント。

さて、いよいよ夏祭りの当日。
芸術テロリスト集団の名前をもじって「Are We Cute Yet?」と名付けられたアイドルグループは、後醍醐勾が指揮する過酷なトレーニングを乗り越えた事もあって茅野博士の書いた歌詞はともかく素晴らしいパフォーマンスを披露する。

もちろんイベントは大成功。これをきっかけに、財団内にアイドルグループが何組も誕生することになったそうである。

「 Summer Live!!! 」
前述した小説を別の視点から描いたこの作品に、SCP-835-JPは登場する。

「Are We Cute Yet?」のライブは前述した通り大盛況。
そして、いよいよラストナンバーとなったその時。

なんと、舞台上にアイドルとして消照闇子が出現したのである!!

まぁ、かねてから財団公認キャラとして彼女の存在を認知していた財団日本支部の職員たちは、彼女の登場に恐れおののくどころか盛り上がってしまったのであるが。

お前らしっかりしろっての。

+ 以下、重大なネタバレあり

実は、この夏祭りそのものがSCP-835-JPをより無力化させるための計略だったのである。
前よりは扱いやすい存在になったとはいえ、『財団職員を通り魔的に襲うオブジェクトである』という根幹に関わる情報が残ってしまった事により、SCP-835-JPは未だに財団に対する脅威として存在し続けていたのだ。

しかも、二次創作を推奨した事によって設定が再びブレ始めてしまい、自身に関する情報を抹殺しようとする記憶処理を無力化してしまうなど再び厄介な存在に変貌し始めてしまったのである。

そこで、財団日本支部の重鎮の一人であるエージェント・カナヘビは考えた。
SCP-835-JPに与えた人格、即ち消照闇子をより詳細な形で設定しなおす事により、今度こそ財団に危害を加えられないよう徹底的に作り変えてやろうじゃないか、と。

こうして、エージェント・カナヘビに協力を依頼された後醍醐勾の差し金により、財団職員によって結成されたアイドル、『Are We Cute Yet?』のメンバーとしてさり気なく消照闇子をキャスティングする事に成功。
メンバー紹介という形で、彼女に関する異常なほどに詳細な設定をパンフレットなどの情報媒体に記載する事により、彼女のキャラクターをガチガチに固定して安全に収容し直す事に成功したのであった。

なお、舞台上に出現した消照闇子は、後醍醐勾が仕込んだ立体映像である。

そうそう、書き忘れていたが現在のSCP-835-JPの概説はこのような感じである。

SCP-835-JP とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は『消照闇子』。日本支部によって生み出されたオブジェクトであり、オブジェクトクラスは「Safe」に指定されている。


追記・修正は「Are We Cute Yet?」の楽曲を聞きながらお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-835-JP - ゼノフォビア消照闇子
by home-watch
http://ja.scp-wiki.net/scp-835-jp

SCP-239 - The Witch Child
by〔アカウント削除のため原著者不明〕
http://www.scp-wiki.net/scp-239
http://ja.scp-wiki.net/scp-239

Are We Cute Yet?
by AiliceHershey
http://ja.scp-wiki.net/arewecuteyet(削除済)

Summer Live!!!
by kyougoku08
http://ja.scp-wiki.net/am-i-idol

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SCP-JP
  • SCP-835-JP
  • SCP Foundation
  • 財団にとっての悪夢
  • 通り魔
  • 発想の勝利
  • home-watch

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月03日 22:35