二刀流/両刀(ポケモン)

登録日:2011/09/03 Sat 23:04:03
更新日:2024/01/14 Sun 18:40:05
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ポケットモンスター」の対戦において物理技と特殊技を両方覚えさせているポケモンの事。
以降の記述では「二刀流」と略す。

◆概要

初代金銀の頃は全ての能力に努力値が全振り出来た仕様上、
このような二刀流の構成は割とスタンダードであり(「ふぶき」を覚えたケンタロス等)、
このような名称が使われることはなかった。
RSE以降では、努力値の仕様が振り分け式に変更され、物理か特殊どちらか一本に特化した型が主流となる。
そんな環境の中、あえて物理・特殊を器用に両立するポケモン達をこう呼ぶのである。
名前の由来は「物理」と「特殊」という「二本の刀」を使いこなすことからだと思われる。決してバイとかではない。

二刀流の最大の利点は何よりも「受けにくい」ことだろう。
物理攻撃に特化したポケモンは物理防御力に特化した、いわゆる「物理受け」に、
特殊攻撃に特化したポケモンは特殊防御力に特化した、いわゆる「特殊受け」に、
対して分が悪く簡単に受けられてしまう。
そこで物理攻撃と特殊攻撃を両立するポケモンならば、物理受けに「特殊技」、特殊受けに「物理技」で弱い部分を突けば突破が容易となる。

ただし攻撃と特攻を両方使う関係上、性格で耐久や素早さにマイナス補正をかけることを強いられる
努力値を一つの能力に振りきらない調整により、思ったより火力が出ないパターンが多い。
このように何か一つでも噛み合わない要素があればたちまち器用貧乏になってしまう危うい要素も持っている。

また残念なことだが、近年の対戦環境では二刀流はあまり積極的に使われていない。
主な理由として
  • 二刀流の最大の役割対象である「物理か特殊のどちらか極端に耐久を特化させた種族値のポケモン」が少なくなっている。
  • 攻撃か特攻のどちらかに振り切った種族値のポケモンが増えた。
  • 第6世代で特殊技の威力が低下。火力不足が深刻化している。
  • メガシンカ・Zワザ・ダイマックス・テラスタルといった新要素導入。高火力またはステータスアップダウンにより、受けポケモンを突破できる。
  • 戦法の研究が進み「ちょうはつ」「みがわり」「アンコール」などを絡めて逆に積み技の起点にする、こだわり系アイテムを「トリック」する、「ほろびのうた」を使う、などの受けポケモンに対する解答手段が多数開発された
といった理由があり、二刀流は時代遅れの戦術になりかけているのが現状である。
SVではバトル学の授業で「どっちつかずのステータスだと勝負で力を発揮しにくい」という二刀流について言及したセリフがあり、公式でもあまり推奨していないことがうかがえる。

余談だがアニメではゲームとは違い作劇上の『距離』の概念があるため、物理技と特殊技を両方覚えさせた両刀型の技構成が多い。

◆二刀流のポケモンの主な条件

  • 攻撃/特攻が両方高い
物理技と特殊技を両方を使い分ける関係上、攻撃か特攻のどちらかが極端に低い事は望ましくない。
一応、特攻が並でありながら「だいもんじ」を覚えたガブリアスギャラドス等も分類上は二刀流だが、多くの場合は単に役割破壊と呼ばれる。
  • 攻撃技が豊富
いくら攻撃特攻が高かろうと役割破壊に向く威力の高い技が無いと意味が無い。
相手や使い手にもよるが、特に役割破壊に有用な高威力の炎技や格闘技は需要が高い。
中途半端になったステータスを補う先制技は特に重要。
  • 攻撃技に乏しい
上とは矛盾するようだが、物理・特殊のどちらかに強力な技が少なく、消極的に二刀流にせざるを得ないパターン。
かつてのブースターやレントラーはロクな一致物理技を覚えなかったため、一致特殊技+不一致物理技という技構成が多かった。
また、他のポケモンとの差別化要素が少なく、二刀流にしないと何かの劣化になってしまう場合もこれに含まれる。
近年の二刀流はこのパターンが多い。
  • 特性が攻撃面で優秀。
強力な二刀流に見られる特徴。
技威力や素早さ補強することで能力値の不足を補え実戦的な両刀型になる。
  • 積み技に恵まれている。
積み技の中には「ふるいたてる」のように攻撃と特攻を同時に強化できる技もある。
「せいちょう」や「からをやぶる」等、積み技に恵まれることで二刀流として使いやすくなる。
  • 攻撃面以外の種族値配分がはっきりしていて無駄が無い
前述のように二刀流のポケモンのメリットは「受けにくい」事だが、逆に言えばこれは「相手が受けに回ってくれないと意味が無い」という事でもある。

最悪どんなに受け辛い優秀な攻撃範囲を持っていようとも「先手を取られて強力な一撃を貰い相手を受けに回らせる前に一発ダウン」なんて事になったら本末転倒である。
その為二刀流では「単純に先手を取って相手を受けに回らせる」高めの素早さか、「相手の攻撃を耐えて安定して反撃でき、サイクル戦でも交代先に負担を掛けやすい」高い耐久力を持つかのが望ましい。

もちろん「素早さ・耐久が高いほうがいい」のは二刀流だけでなくポケモン全体に言える話だが、二刀流の場合は攻撃と特攻を両立する必要があるため通常以上に余計なステータスが許されない。一切の忖度無しな言い方をするならば二刀流は「無駄が多い中途半端な種族値」と言えるのだ。
種族値合計の高さで無理矢理克服している場合もあるが、一般ポケモンが二刀流型で素早さも耐久も半端な場合、大抵は「鈍足なのにろくに攻撃を耐えない為行動回数が少ない残念ポケモン」と認識されてしまう。有名な例で言えばブースター辺りがそうだろうか。その為二刀流型の配分は「不遇な種族値と紙一重」であるとも言える。

余談だが、第3世代のホウエン地方出身のポケモンは上記の半端な配分のポケモンが他の世代と比べてやや多く、このような不遇な二刀流型のポケモンはしばしば「ホウエン出身っぽい」と言われる事がある。

ただし当時の物理・特殊はタイプごとで判別されていたため、タイプを問わずそれなりの威力を出せ、タイプ一致技と分類が噛み合わないことを避けられるという部分では長所と言えた。
第4世代以降は物理・特殊が技ごとに判別されるようになったため、逆にホウエン型が「他の種族値を削ってなんとか両刀にしている」という歪な形に見えるようになってしまったのである。

◆強力な二刀流ポケモン

豊富な技と高い攻撃/特攻/素早さ(104/104/108)を誇り、タイプも役割破壊に有用な炎/格闘複合という二刀流をするために産まれたようなポケモン。
くさむすび」に「とんぼがえり」、さらには「アンコール」とレパートリーが豊富すぎる。
別名「役割破壊の申し子」
第5世代以降だと二刀流の欠点がモロに目立って微妙なことになってるのは内緒である。

第四世代ではゴウカザルの陰に隠れていたが、隠れ特性「かそく」を獲得してから猿に代わって急速にメジャー化したポケモン。
加速で素早さをフォローしているので努力値調整が容易で火力が足りなくなることもあまりない。
「フレアドライブ」「とびひざげり」を主軸にした物理型が主流だが、接触技かつ反動が痛いフレドラの代わりに「だいもんじ」や「オーバーヒート」を採用したり、
バシャーモを受けにくるポケモンに刺さりやすい「めざめるパワー(氷)」を採用した両刀型も強力。

優秀な能力を持つ600族
恵まれたタイプや豊富な技の数々(だいもんじ、ハイドロポンプ、じしんetc.)により、「交代から安全に受けられるポケモンは皆無」とまで言われる。
その受け辛さのおかげで第四世代では「最強」と言われていた。
メガシンカ獲得後は「スカイスキン」によって飛行技まで手にし、ますます受けにくくなる。
「ハイパーボイス」と「すてみタックル」を両方を搭載した型も存在する。

我らが霰パの「御大」
能力値こそ微妙だがタイプ一致オート必中「ふぶき」と「ギガドレイン」の組み合わせはかなり受け辛い。素早さと耐久の低さを先制技の「こおりのつぶて」で補っているのも両刀型が活きやすい理由の一つ。
さらに「いわなだれ」や「じしん」といったサブウェポンも完備。
大抵持ち物はであるため、よく考えないと一匹以上持っていかれる可能性がある。
メガシンカでもAC両方上がり、両刀がしやすい。

大人気波導の勇者
高い攻撃/特攻から繰り出される「インファイト」「はどうだん」「きあいだま」「コメットパンチ」等の技の数々は脅威。
「じしん」「ストーンエッジ」「あくのはどう」、
「サイコキネシス」、先制技の「しんそく」など、バラエティに富んでいる。
メガシンカでは「てきおうりょく」を手にし、命中安定の「インファイト」と
採用価値の上がった「ラスターカノン」、「しんそく」と同威力になった「バレットパンチ」「しんくうは」を同時搭載する事が出来るのは魅力である。

XYまでは特殊メインだったが、ORASでは「ダストシュート」「けたぐり」を習得。
特にダストシュートは天敵のマリルリニンフィアを返り討ちにする事が出来る為採用価値が高い。汚いなさすが忍者きたない
「けたぐり」はAに252振って「いのちのたま」を持てばH4振りメガガルーラを高乱数1発で仕留められる。
これに加え、「あくのはどう」と「れいとうビーム」を加えた型が主流。
ただし、最近では御三家らしく水技を「げきりゅう」やミズZで強化することもあり、型が読めない。

あまり注目されないが、特性「おやこあい」で特攻も侮れない。
故に「れいとうビーム」や「だいもんじ」を搭載し、攻撃範囲を広げたメガガルーラも存在。
攻撃に振らなくても十分にあるため、受けにくさは随一。
ただし第7世代での「おやこあい」下方修正にともない実用性はかなり落ちた。

主に「せいなるつるぎ」+「かげうち」タイプがこれに当たる。
「じゃくてんほけん」でACを高めつつ、「せいなるつるぎ」でメガガルーラを倒したり、
一貫性の高い「シャドーボール」、先制技の「かげうち」など、技こそ少ないが等倍範囲が広いお陰で受けにくい。
なお見た目的には進化前のほうが二刀流だが、ニダンギルの能力は残念ながら物理特化なので二刀流はできない。

USMでのテコ入れにより600族屈指の技の宝庫となった鱗竜。
両刀型では「スケイルノイズ」や「インファイト」等使い勝手の良い技を組み合わせて戦うことが可能。
専用Zワザ「ブレイジングソウルビート」や専用技の「ソウルビート」で全能力を強化できるのも両刀アタッカーとしては大きな強みである。
というか剣盾まで「はどうだん」を覚えなかったので特殊型だと「きあいだま」に頼らざるを得ないという事情が大きい。

物理なら「とびひざげり」「とんぼがえり」、特殊なら「きあいだま」「むしのさざめき」と、物理特殊どちらでもメインウェポンには困らない。
ただ、きあいだまの命中率の不安さととんぼがえりの有用性から、たいていは物理技+飛行対策の「れいとうビーム」で物理寄り両刀とすることが多い。
他のサブウェポンは「どくづき」「ドリルライナー」「じごくづき」「イカサマ(Zワザ用)」「でんげきは」など。
なお、ACSにとことんまで振り切った分耐久は紙なので、第7世代時点でのポケモンでは珍しく耐久を下げる性格にすることが多い。
第8世代では高火力の氷物理技「トリプルアクセル」を習得したため物理型が主流になったが、命中安定かつ非接触の「れいとうビーム」を採用する両刀運用も健在。

攻撃特攻共に高く、物理技は「ヘビーボンバー」「じしん」「ニトロチャージ」「いわなだれ」、
特殊技は「ラスターカノン」「エアスラッシュ」「かえんほうしゃ」「だいもんじ」「ギガドレイン」と鋼タイプではトップクラスの技レパートリーを誇る。
全ポケモン中トップの重さによりヘビーボンバーを最大威力で出しやすいことや、特殊炎技で役割破壊を狙えることから二刀流での運用が非常に多い。

専用物理ドラゴン技の「ドラゴンアロー」が非常に優秀なものの、他の物理技が貧弱なため二刀流での運用が度々見られる。
素早さ種族値が142もあるので努力値調整が容易なのも大きな理由である。

物理特殊共に能力値と習得技がかなり優秀な部類かつ、素早さも高いので二刀流も強力。
物理寄りの努力値調整でも威力が控えめかつ接触技の「ソウルクラッシュ」を嫌って「ムーンフォース」を採用した両刀構成も多い。

2014年の映画で主役を張った姫様。
耐久型や「トリックルーム」発動要員タイプの通常ディアンシーとは違い、速攻ニ刀流アタッカーとなっている。一致技の攻撃範囲の広さが魅力なのだが、第6世代時点では物理フェアリー技の「じゃれつく」と特殊岩技の「パワージェム」を覚えなかったので、まともに使うには二刀流が大前提というなんとも中途半端な運用を強いられていた。
剣盾からは漸くどちらも覚えられるようになったのだがメガシンカが廃止されてしまっている…

ウルトラサン・ウルトラムーンのパッケージを飾ったポケモンのフルパワー形態。
種族値自体が十分に両刀向きな上、専用技「フォトンゲイザー」はランク補正込みの攻撃と特攻の実数値を比較し、
攻撃が特攻より高ければ威力100の物理技、特攻が攻撃と同値またはそれより高ければ威力100の特殊技になる。
相手の特性まで無視してしまうので、非常に受けにくい。

ポケモン界の顔とも呼べる電気ネズミ。進化前ゆえに素の攻撃・特攻は低いが、専用アイテムの「でんきだま」を持たせれば実質的な種族値は150を超える。
物理技には威力120を誇る専用技「ボルテッカー」を筆頭に「アイアンテール」や「じゃれつく」を覚え、特殊技は「10まんボルト」、「かみなり」、「ボルトチェンジ」といった一致技の他、じめんタイプに対抗できる「くさむすび」や「なみのり」を習得可能。
ただし「でんきだま」を持たせると「きあいのタスキ」を持てないため、進化前相応の貧弱な耐久とそこそこあるが高いとも言えない素早さをどう誤魔化すかを考えなくてはならない。

  • 特性『ムラっけ』持ちのポケモン
攻撃と特攻の双方が上がる可能性があるので、物理技と特殊技を両方覚えさせておけば、どちらの能力が上がっても無駄にならない。
種族値的にもオニゴーリオクタンスコヴィラン等、攻撃=特攻が多く、両刀とは好相性である。
ただし、現在のムラっけ型の戦法は、「まもる」と「みがわり」を駆使して能力上昇の回数を稼ぐというものが主流であり、これだけで技スペースが二つ潰れるため、どちらかに特化させる場合や攻撃技は一つだけということも少なくない。

その男らしい見た目からウホッなネタによく使われるが、
その四本の腕を使っておにゃにょこをレイープしてる姿も結構見かける両刀使い(バイセクシャル的な意味で)。
一応「ノーガード」+「だいもんじ」でエアームドを突破したり、ガチでも無理なことはない。

ロリコンで有名なポケモンだが作品によってはショタもいける両刀使い(バイセクシャル的なry)。

♂だろうが♀だろうが平気で犯して孕ませたり孕んだりする両刀使い(バイセクry)。
というか無性別でもいける。
ただし幼児には興味が無いらしい。
その特性上ある意味ガチ対戦でも両刀型。



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最終更新:2024年01月14日 18:40

*1 第6世代のみ

*2 剣盾で種族値変更