鉄人タイガーセブン

登録日:2016/11/14 (月) 21:13:24
更新日:2024/01/01 Mon 21:41:47
所要時間:約 8 分で読めます







タイガー・スパーク!



鉄人タイガーセブンとは、1973年(昭和48年)10月6日から1974年(昭和49年)3月30日までフジテレビ系列で全26話が放送されたピープロ制作の特撮番組。

◎概要

前枠「風雲ライオン丸」に次ぐ特撮シリーズだが、前作で時代劇・特撮のお約束事をとことん否定した高際和雄の手による、徹底したリアルでハードな作風がウリ。
その結果やっぱり人気は出ず、「ジャンボーグA」「ど根性ガエル」といった裏番組に苦戦し、1年放送予定が半年で打ち切られ、後番としてあの怪作「電人ザボーガー」が放送されることになる。
なお、タイトルロゴの「鉄人」「鉄」「金矢(金偏に矢)」と表記されている。


◎ストーリー

サハラ砂漠へ向かっていた滝川博士率いる調査隊は、1万4千年前に封印されたムー原人のピラミッドを発見する。
滝川博士の息子・滝川剛は、父の後を追ってピラミッドに入るが、砂原人スナウラミに殺害されてしまう。
博士は、死んだ剛をミイラ蘇生用の機材・人工心臓SPを使って蘇生させることに成功するも、仲間をミイラ原人やオイル原人、エレキ原人、カッパ原人といった他のムー原人たちによって殺害され、自身も大幹部・ギル太子に殺害されてしまう。
しかし、剛だけは父から託された「タイガーセブンのお守り」と呼ばれるペンダントの力で生還し、鉄人・タイガーセブンへと変身を遂げるのだった。

父の仇を打つべく、滝川研究所の生き残り・高井戸グループと共にムー一族と戦う剛だったが、彼を待ち受けていたのは、孤独な戦いと過酷で厳しい現実だった…。


◎登場人物


【高井戸グループ】


滝川剛
主人公。
有能なオートレーサーだったが、父を追ってサハラ砂漠へ向かい、砂原人スナウラミに殺害される。
しかし人工心臓SPによって蘇生し、さらに父の形見のペンダント「タイガーセブンのお守り」によってタイガーセブンへの変身能力を得た。そして仲間たちと共にムー一族を追っていく。
さらなる詳細は個別項目で。

高井戸博士 演:中条静夫
高井戸研究所所長で、剛の良き理解者。
自転車屋に偽装した秘密研究所にてムー原人の動向を追っている。
ムー一族の存在を信じない人々からキチガイ扱いされながらも、若き所員たちと共にムー一族と戦う。
中盤からはムー原人の存在を証明するにはムー原人そのものを捕獲するしかないと考えるようにもなるが、海坊主原人をいざ捕獲しても、人々の混乱を避けるべく突然変異と発表するという優柔不断なところもある。
最終回で剛が抜けた事を受けて高井戸研究所を閉鎖。クルーザーに乗って単身ギル大使に生身で挑み殺害されるも、その頭髪を死んでも握り続けていた事でムー一族の存在を世に示すことに成功した。

北川史郎
高井戸博士の助手。妹がいる。伊豆半島出身。
厳格で直情的な性格であり、自分勝手な人間を嫌う。その為剛に対して辛く当たることも多かった。
更なる詳細はこちらで。

林三平
高井戸博士の助手。
北川の弟分でお調子者。次郎とも仲良し。大怪我を負わされたり、ムー一族によってハエ人間になってしまったこともあった。一方で剛への反感は特に抱いていない。
第19話にて、タイガーセブンの正体は剛ではないかと推測するなど、意外と勘の良い一面もある(北川からは「そんな事はあり得ない!」と一蹴されるが)。

青木ジュン
メンバーの紅一点で、本作のヒロイン。
滝川博士の親友・青木博士の娘であり、弟の次郎と共に滝川家の養子になる。
とても弟想いな性格である。
剛を「剛兄さん」と呼び慕い、いつしか彼に好意を抱くようになるが…。

青木次郎
ジュンの弟で小学生。
年相応に小生意気だが、タイガーセブンに憧れている。
剛を「剛兄ちゃん」と呼び慕い、第19話では剛を臆病者扱いした北川に食って掛かった事も。

ちなみに演じた吉田友紀氏はタイガーセブンのスーツアクター鴨志田和夫氏の息子で、成長後『電脳警察サイバーコップ』で主役を担当し『超星神グランセイザー』にもサブレギュラーとして参加。
つまり、リアル父親が中にいたからタイガーセブンを慕っていたとも取れなくもない
他にも特撮関連では『電人ザボーガー』『ウルトラマンレオ』『プロレスの星 アステカイザー』『スパイダーマン(東映版)』『ウルトラマンダイナ』にゲスト出演している。

【ムー一族】


ムー大帝
ムー一族の帝王。
1万4000年前、人類に敗れてサハラ砂漠奥地のピラミッドの中に封印されたが、滝川探検隊によって封印が解かれ、現代に蘇ってしまう。
だけの存在であり、言葉を発することはない。
最終回ではギル太子と合体する。

ギル太子 声:小林恭治
ムー大帝に忠誠を誓うムー一族の大幹部。
ツタンカーメンのような青いマスクを被り、その素顔はとても醜いものとなっている。
最終回でムー大帝と合体してパワーアップし、仮面と衣装をかなぐり捨て素顔をさらし、全裸で銃火器としての機能もある棍棒を武器に高井戸博士を殺害するも、タイガーカッターであえなく倒される。

黒仮面 声:増岡弘
ギル太子の部下で、ムー一族の戦闘指揮官。至って残虐な性格。
ギル太子と同様、素顔はとても醜いものとなっているらしいが、作中で明かされることはなかった。
第25話で、タイガーヘッドビームにより倒される。
中の人はジャムおじさんやマスオさんで有名。

ムー原人
ムー一族の怪人。
動物や妖怪から無機物や地震のような現象まで、モチーフの幅が広い。
鼠原人犬原人のように、ムー一族とは全く関係なく、組織に所属していない者も存在する。
後半からは主人公そっちのけの重いドラマを背負ったものが多く登場するのも特徴。
人語を話さない者が多く、明確に喋ったのは半魚原人アマゾンX、オオカミ原人、ロウ原人、ガス原人、くも原人、鼠原人、ミノムシ原人、犬原人、マリオネット原人の9体のみ。
各ムー原人の詳細はこちらで。

ムー帝国戦闘員 
短剣が武器。80キロ以上のスピードで走れるほか、人間に化けることも可能。第23話では「ギル戦闘員」とも呼ばれた。

【その他】


滝川博士
考古学者で、剛の父。彼もまたムー一族の事を研究していたが、ムー一族の存在を信じない人々からはやはりキチガイ扱いされていた。
オートレーサーになるべく家出した剛のことは冷たく突き放していたが、それは愛情の裏返しであり、彼のことが載った記事が出ると、「家出した奴は息子じゃない、死んだも同然だ」と恨み言を呟きながらもスクラップブックに残していた。
砂原人スナウラミに殺害された息子に生き返ってほしい一心で、ミイラ蘇生用の機材・人工心臓SPを剛に移植させ、さらに「タイガーセブンのお守り」を渡した。
しかし、直後に現れたギル太子にナイフで刺し殺される。

池田美波
8話に登場。地質学を研究していた大学生で、剛の高校時代の後輩。
硫黄山で石を採集していた際に石原人に襲われ、剛に助けられる。
高井戸研究所で石原人の欠片の分析を引き受けるも、欠片を追ってきた石原人によって殺されてしまうが、死の間際に石原人の分析結果を剛に手渡した。彼女の形見となった赤いスカーフは、剛が巻くようになった。

青木博士
13、14話にて、前者は次郎の夢の中と写真、後者は回想シーンに登場。滝川博士と同じく考古学者で、彼の親友にしてライバルであった。
今から5年前、滝川博士と共にサハラ砂漠へ向かった際、調査中にろくろヴィールスが充満した地下へ落下しヴィールスに侵されて死に至った。
遺言により、滝川博士がジュンと次郎を引き取ることになった。

佐山陽子
佐山勝男
15、16話に登場したとある姉弟。
働いている兄のもとへ弁当を届けに行ったところ、ガス原人に襲われたその兄を治療中(噛み付いて牙からエネルギーを注入するという方法だった)のタイガーセブンを、逆に兄を襲っているものと誤解。
治療を妨害したことで兄の蘇生は失敗し、タイガーセブンを心から憎み、高井戸グループとも対立する。
しかし、ムー一族に利用された末に瀕死となった勝男が兄と同じ治療法で助かった事で、誤解は解ける。

黒沢
17~19話に登場。ムー原人を追うルポ・ライター*1。フルネームは「黒沢タクヤ」だが、「タクヤ」の漢字表記は不明。
自身の父親もムー原人に殺されており、高井戸グループにムー原人に関する資料の公開を迫ったが、後に落石からタイガーセブンに救われたことで改心した。
作中では唯一、剛がタイガーセブンであることを知った一般人でもあった。

冬子
24、25話に登場。マリオネット原人と心を通わせたサーカス団の少女。次郎とも仲良くなる。
しかし、タイガーセブンが避けた黒仮面のが運悪く命中し…

◎ヒーロー


タイガーセブン
剛が「タイガー・スパーク!」のかけ声とともに変身する鉄人。青いコスチュームを着用し名前の通りの顔をしている。
詳細は剛の項目で。


追記修正は、乗っていたオートバイで子供を撥ねてからお願いします。

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最終更新:2024年01月01日 21:41

*1 本人曰く、「『トップ屋』と言った方が分かりが早いでしょうね」。