明智警部の事件簿

登録日:2016/11/13 Sun 10:47:59
更新日:2024/03/31 Sun 14:54:34
所要時間:約 6 分で読めます





たとえ警視総監
総理大臣が相手でも

私は正義をゆずらない

『明智警部の事件簿』とは、かつてマガジンSPECIALで連載されていた推理漫画である。
週刊少年マガジンの推理漫画『金田一少年の事件簿』の登場人物である明智健悟を主人公とした公式スピンオフ作品。
原作は『金田一』と同じく天樹征丸・さとうふみやであるが、漫画は『探偵犬シャードック』でも漫画を担当していた佐藤友生となっている。
連載期間は2014年5月~2016年8月。全5巻。


概要

タイトルから分かるとおり、警視庁きってのエリートである明智健悟の警部時代の活躍を描いている作品。
『金田一』本編開始より2年前~半年ほど前の出来事となっているが、現在の時代背景を反映して作中の警察手帳はバッジ式になっており、スマホやタブレットPC、SNSの類まで登場している。
『金田一』と大きく違う点は、『金田一』の影のレギュラーである「怪人」が登場しないところと、閉鎖空間での殺人(所謂「クローズド・サークル」)を扱っていない事。
また、『金田一』では描かれる事のなかった「警察内部の深い闇」が取り上げられているのも特徴で、自分の信じる正義を貫くため、明智が組織に歯向かう覚悟であらゆる犯罪に立ち向かっているのも見所である。
ターゲットである女性を意識しており、本編に頻繁に登場した下ネタや女性キャラのお色気シーンは描かれておらず、スイーツや花を登場させている。
本編と異なりブロマンスものであり、明智と本作のオリジナルキャラクターで準主人公の小林竜太郎刑事の成長や関係性の変化を描いているのも特徴。
本作の第1話「少年の“仕返し”」は、アニメ『金田一少年の事件簿R』で設定を多少変更してアニメ化*1されており、小林が過去の明智との思い出を振り返る形でそのエピソードを金田一一七瀬美雪に話している。

なお、時系列的には剣持勇も警視庁捜査一課におり、明智とも既に面識があるはずなのだが、本作品では終了直前まで登場しない。


ストーリー

ロス市警で1年間の研修を終えて帰国したエリート警部・明智健悟。
キザでイヤミったらしい振る舞いから、周囲からは「変人」などと噂されている明智だったが、内には熱い正義の心を秘めていた。
そんな明智の部下となったのは、入庁したばかりの若手刑事・小林竜太郎。
明智の奔放な振る舞いとイヤミに神経をすり減らす日々を送る小林だが、それでも明智を「最高の先輩」と称して敬意を払う事は忘れない。
卓越した頭脳を武器に、「正義」を貫くために日々起きる難事件に立ち向かう明智と小林だが、様々な事件に関わるうちに警察の暗部へと踏み込んでいく事となる……


登場人物

CVは、『金田一少年の事件簿R』で放送された時のもの。

CV:森川智之
警視庁刑事部捜査一課強行犯係の警部で本作の主人公。26歳。
東京大学法学部在学中に司法試験に合格したキャリア組。
1年間のロス市警での研修を終えて、警視庁捜査一課へ配属された。詳しくは本人の項目を参照。
当時から自信家でイヤミな性格であったが、小林をはじめ周囲の人間を振り回す自由人な一面も見せる。なので一課の刑事たちからは「自由の(リバティー)王子」「ドヤ顔キザ野郎」などと陰で呼ばれている。本作では甘党である事も判明。
自分の内に秘めた「正義」を貫くため、怜悧な頭脳と鋭い観察眼を武器に様々な事件を解決に導いていく。
その決意は、たとえ大物政治家や警察上層部を敵に回しても揺らぐ事はない。
その上遺体に手を合わせ、死者の無念を晴らすために行動することが多く、ひたむきに捜査を続けることをモットーとしている。
ちなみに『金田一』にあった背景の「キラキラ」は本作でも健在。

  • 小林竜太郎(こばやし りゅうたろう)
CV:千葉雄大
警視庁刑事部捜査一課強行犯係の新米刑事。25歳。
「正義の刑事」に憧れて高卒で警察学校に入学し、それを卒業した後は巡査として交番に勤務。その真面目な勤務態度を上司に認められ、推薦によってこの春から本庁捜査一課に配属された。本編における美雪&草太ポジション。
自由人すぎる明智にいつも振り回されてばかりいるが、明智の事は「最高の上司」として尊敬している。キザでイヤミなところを除いて。
人の出任せをすぐに信じてしまうお人よしで、勘の鈍いところを見せて明智にイヤミを言われる事もある。
しかし明智からは「君には君にしか成し得ない正義がある。君は立派な警察官ですよ」と賞賛されており、「最高の相棒」として認めてもらっている。

なお、アニメで彼の声を担当した千葉雄大氏は『金田一』の4代目ドラマである、「金田一少年の事件簿N」の『鬼火島殺人事件』で、加藤賢太郎役で出演している。

  • 高木重史(たかぎ しげふみ)
警視庁刑事部捜査一課強行犯係の警部補。
老けて見えるが実はまだ30代。明智や小林の先輩で、やや短絡的な部分もある熱血漢。本編における剣持ポジション。
ぶっきらぼうで口も悪いが、案外面倒見はいいほう。
「捜査は足が大事」という考えを持っており、刑事として積んできた経験を生かして事件の捜査を行う。
キザで高学歴な明智に振り回され、彼のイヤミな言動に苛立つ事もあるが、明智の推理力は素直に認めている。

  • 南条あかね(なんじょう -)
警視庁刑事部捜査一課強行犯係の刑事。
明智より若く見えるが、実は明智よりも年上で先輩でもある。しかし明智のほうが階級が上であるため彼に対しては敬語を使う。
高木の後輩でもあり、彼に刑事のイロハを叩き込まれ、今でもそれを忠実に守っている。
そのひたむきな彼女の姿に、明智は刑事であった父親の面影を感じていた。
ある事件で容疑者となり、それを明智に助けられて以降は彼の捜査に加わるようになる。

  • 黄地公也(おうじ きみや)
警視庁刑事部捜査一課強行犯係の刑事。25歳。
明智と同じく東京大学法学部卒業後にキャリアとして警視庁に入庁。スコットランドヤードでの1年間の研修を終えて捜査一課へと配属された。
いつも黒いスーツに身を包んでいるクールな男。タブレットPCを携帯しており、明智が必要としている情報をすぐに収集し彼をサポートする。殺人現場の写真を直視できない。
小林をライバル視しており、明智の相棒の座を狙っている。本編における玲香&真壁ポジション。
明智同様優秀な頭脳を持ち、イヤミな性格でもあるが、やはり明智の頭脳についてゆけずに手玉に取られる事もある。

  • 課長
CV:黒田崇矢
警視庁刑事部捜査一課の課長で明智たちの上司。
眼光鋭い眼鏡の男性で、明智たち部下に対しては高圧的に接する。
娘がいるからか娘と同年代の少女には優しく、娘がファンであるアイドルの写真を持っているという意外な一面もある。

  • 三橋健三(みはし けんぞう)
CV:高橋広司
警視庁生活安全部少年事件課の課長。
見た目は穏やかそうな初老の男性だが、裏では上層部の圧力に屈し、犯罪行為を見て見ぬふりしている。明智曰く「悪党の圧力に屈した負け犬」
刑事部の刑事を見下すようなところを見せ、組織の方針に平気で歯向かおうとする明智を嫌っている。
ある大物と繋がりがあり、その人物の下を度々訪れて明智の動向を報告している。

  • 藤原玄道(ふじわら げんどう)
とある屋敷に住んでいる着物姿の男性で、登場する際は毎回生け花をしている。
三橋の報告で明智の存在を知り、明智が信じている「正義」を真っ向から否定するような発言をしている。
彼の正体は元警視庁人事部長で明智の父とも同期の重鎮であり、引退し隠居の身でありながらも影響力は今も絶大。
警察組織に蔓延る数々の腐敗を見せ付けられてきたせいで、警察に「正義」などないと断じており
明智も彼の並べ立てた事実には最後まで反論出来ず、口を噤むしか無かった。
だがその根底には誰よりも『正義が存在する事を信じたい』という希望を抱いている。

  • 金田一一(きんだいち はじめ)
  • 七瀬美雪(ななせ みゆき)
『金田一少年』の主人公とヒロイン。アニメ版『少年の“仕返し”』にゲスト出演。
詳細は『少年の“仕返し”』を参照。


エピソード一覧

Caseシリーズ




※余談だが本作の明智の最後の姿は、芸が細かいことに原作の作画担当のさとうふみや氏のタッチに似せて描かれている
 おそらくここから本編に繋がるという作者の意思表示であると思われる。


番外編

  • 渡らざるルビコン川
  • バッカスの偽り

小説

  • 明智警部の風雅なる珈琲時間

※『金田一』と同様に、各エピソードの項目を作るかどうかはお任せ致します。



「どんな項目に対しても我々ができることはただ1つしかありません。それは」

「ひたむきに」「追記・修正を続けること」

「……そのとおりです」


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 明智警部の事件簿
  • 天樹征丸
  • さとうふみや
  • 佐藤友生
  • マガジンSPECIAL
  • 講談社
  • 漫画
  • 明智健悟
  • 警察
  • 警視庁
  • スピンオフ
  • 推理漫画
  • 社会派
  • ×警視
  • ○警部
  • 金田一少年の事件簿
  • 正義
  • 腐女子ホイホイ
  • バッドエンド←アニメ版はハッピーエンド確定
  • 終盤は鬱展開
  • ブロマンス
  • 悲劇の主人公
  • 前日譚
  • スピンオフ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月31日 14:54

*1 サブタイトルは『明智警部の事件簿』と改題されていた