ガジェットドローン

登録日:2016/11/12 Sat 20:00:16
更新日:2024/03/18 Mon 21:00:26
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準備は整いつつある。

一つ大きな花火を打ち上げようじゃないか!






『ガジェットドローン』はTVアニメ『魔法少女リリカルなのはStrikerS』に登場する架空の兵器群。
製作者は科学者にして広域指名手配中の次元犯罪者ジェイル・スカリエッティ


概要

第1級捜索指定遺失物「レリック」を始めとした物品を捜索・確保しようとする自立型の機械兵器群の総称であり、本作の戦闘シーンで必ず現れる、いわゆるやられ役の雑魚メカ。
作中では「ガジェット」と略されて呼ばれることが多かった。

製作者のスカリエッティは名前を付けることに興味がないため、管理局が付けたこの名称をそのまま使っている。セイン「うわ~いい加減……」
本編の前日談(漫画)で登場した段階では「ガジェット」または「ドローン」の呼称されていたが、本編が始まる頃には統合され現在の名称に納まったようだ。

発見当初は行動が単調であまり賢くなかったが、改良され続けているのか、自己学習しているのか、本編開始時には動きがだんだん賢くなってきているという。
地味にデザインも微妙ではあるが変化しているので、徐々にアップグレードされていたと思われる。
機械兵器なだけあってかなりの数が量産されており、その物量と何より後述する『AMF』によって魔導師にとっては天敵と言える特性を有す。

しかしスカリエッティは生命を素材とした作品以外には興味は薄いようで、自分の作品たちをより輝かせるための使い捨てのガラクタと吐き捨てている。
直接的な戦力としても全く期待されていないどころか、完全にレリックの収集手段&デコイとして割り切って使い潰されている。哀れ。

扱いは確かに雑ではあるが、それでもスポンサーの支援があったとはいえ、スカリエッティが管理局に正面から喧嘩を売れたのはこの兵器の活躍によるところが大きく、
ナンバーズの一部の装備にもガジェットの技術が使われていることからも、決して機体の性能や設計が悪かったわけではない。
むしろ、たかがお使いと囮のためにこれだけの兵器を作ってしまうところに、彼の兵器開発技術の高さがうかがえる。


AMF(アンチ・マギリンク・フィールド)


機種によって性能は異なるが、全機体に共通する最大の特徴は魔導師が使用する魔法を無効化するAAAクラスのフィールド系魔法防御「Anti-Magilink-Field(通称AMF)」を展開できること。
正確には範囲内の魔力結合・魔法効果発生の無効であり、魔力エネルギーはこのフィールドに入ると掻き消されてしまう。

魔力弾や盾だけでなく、足場や飛行魔法も阻害され、後述するAMF濃度によっては念話も妨害する。
フィールド内に入ってしまえば魔法の発動すらできなくなってしまうため、魔導師にしてみれば相当に厄介な機能。

AMFのような高位の魔法防御を備えた機械兵器はやはり珍しいらしく、なのは達も遭遇当初はその事実に戦慄していた(すぐに対応したが)。

魔法での対抗手段としては、
  • 魔力で加速した質量による攻撃
  • 魔力を炎熱・電気といった直接的なエネルギーに変換した攻撃
  • 多重弾殻射撃のような対フィールド弾
等々あるが、専門的な技術を要するもの(多重弾殻射撃はAAランクの上位魔法)もあり、魔力オンリーで戦うミッドチルダ式の魔導師ではとっさの対応は難しい。

多重弾殻射撃のような対フィールド弾は、フィールドを使いこなす高位の魔導師との直接戦闘のような限られた状況以外では必要とされず、習得難度が高いこともあって射撃型であっても需要が多くない。
それだけAMF標準搭載のガジェットが特異なケースということでもある。
もっともお手軽と思われる『加速した質量による攻撃』は、管理局が質量兵器を原則禁止していることもあって、規模によってはグレーゾーンに触れかねない。
他にもキャロは召喚の応用で対応するシーンがあったり、ガジェット相手ではないがティアナは魔力刃にフィールド貫通を付与したこともある。

接近型のベルカ式術者は、魔力で強化した肉体で直接攻撃するといった「魔力結合に頼らない」戦い方ができるため、比較的ではあるがAMFに対応しやすい。
が、それでも威力は減衰し、並みのベルカ式の使い手は威力の増強を武器の魔力(カートリッジ?)に頼っている部分が多く、魔力の強化が減衰した武器ではカジェットを倒すのは辛いという。
はやて「ただの刃物やとアレ(ガジェット)つぶすんはキツイよー」。

作中で明言されているわけではないが、明らかに多重弾殻とかそういうのが関係ない砲撃(主になのは、はやての魔法)が、AMFを物ともせず通っているため、力技で突破することも可能な様子。

AMFには濃度が存在し、高くなると魔力の結合が解かれるまでの時間が短くなる。I型は50%~60%程度、Ⅲ型が100%超で効果範囲も広い。
I型の濃度でも射撃魔法程度はフィールドに触れると瞬く間に無効化されてしまう。
機体を複数体密集させることで濃度を増幅することも可能であり、数さえ揃えれば特定の場所を囲むことでその内側の魔法発動をかなり阻害できる。

スカリエッティ側に高ランクの召喚士ルーテシア・アルピーノがいることもあって、多数のガジェットを遠隔召喚することで超高層ビルを瞬く間に包囲したこともあった。

高位の魔導師ならフィールド内にいても魔法を発動することが可能だが、それも高等技術であり、魔力消費が激しくなるため戦力の低下は免れない。
さらにガジェットに装備されている武装は全て魔力に頼らないもので構成されているため、魔導師に対しては制限なく一方的に攻撃できる。
AMFの影響を受けない魔力以外のエネルギーを運用する戦闘機人も同様であり、彼女達が戦闘する際には対魔導師用にかガジェットを数機程度連れているシーンが多かった。

個人単位ならともかく、高度な対AMF戦闘ができる者が纏った部隊はミッド地上には少なく、ガジェットが起こした事件に即対応できるのはこれを想定して設立された機動六課のみ。
終盤で押し寄せるガジェットの群れを相手に地上の防衛線が持ちこたえられたのは、
事件途中からヴィータ直々に鍛えられた108部隊の奮戦と、本局所属のなのはの生徒達が最前線に派遣されたことも大きいだろう。

Force』の時代には違法兵器の思想としてAMFのような『魔力無効』が当たり前になっており、管理局を脅かしたガジェットの存在が何らかの影響を与えたのは間違いないだろう。
スカリエッティもこの力(ガジェットと戦闘機人)を格安で譲る云々という話を世界に公言しているので、製品化の予定もあったと思われる。
エクリプスウィルス感染者の増加も重なり、対抗策として管理局は『AEC装備』や『第五世代デバイス』の実用化を急ぐことになる。

漫画版『Reflection』では、AMF発生機材の小型化(以前は戦略級の大型のモノが必要だった)が進んでいることが明かされており、(厳密には並行世界ではあるが)この頃からAMFの脅威が迫っていたことがうかがえる。
あるいは、Reflection時空でAEC装備が先取りされているのは、AMFのような魔法対策が何らかの影響で早まっているからとも考えられる。

本編での活躍


「ガジェットドローン」という名称は管理局によって付けられた名称であり、地上を浮遊する「Ⅰ型」、空を飛行する「Ⅱ型」、大型の「Ⅲ型」というように形状によって分類されている。

ガジェットは一度放つと完全に自律してレリック確保に勤しむようになっており、その間は基本的にガジェットを制御して動かすことはない(出来ないわけではない)。
なのでレリックが原因で何か起きても、彼は我関せずといった様子でそのあたりに気を遣う気はなかった。
無論、依頼主からはクレームがきている。

収集も成果があったようで、管理局に感知されずに50個前後のレリックを集めることに成功している。
終盤では、各地の指揮を担当したナンバーズ(オットー・ウーノ・クアットロ)がガジェットを制御していたが、全員が行動不能に陥ったため「自律行動停止」のコードが発行・送信され、各地のガジェットは停止した。


ガジェットⅠ型


人間位の大きさを持つカプセル状のガジェット。
最初に管理局に発見されたガジェットであり、『地上型』『Ⅰ型』と呼称される。
地上を高速で浮遊移動しており、常に複数機で行動している。
最も標準的なガジェットな上、地上を移動することからスバルたち六課フォワードチームと当たることが多い。
回想にてゼスト隊に破壊されているシーンもあるので、機体そのものは8年前から存在したようだ。

武装は前面にあるレンズから放つ内蔵電源による熱光線。他にオプションでミサイルポッドを付けていたこともあるなど、拡張性もあるようだ。
機体の内部にはアームケーブルと呼ばれる手の代わりをする触手を数本程度持ち、物品の確保や電子機器への介入など、かなり細かい作業も行える(意味深)。
Ⅰ型『やめて! 私を触手担当にする気でしょ? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!』

かなり序盤から雑魚メカらしくやられているシーンが殆どのため強い印象は無いかもしれないが、
その移動速度と回避動作は当時でBランク相当の魔導師・騎士だった六課フォワードチームを完全に翻弄するほどに速く、AMFの特性もあって撃破するのにかなり手間取った。

一般の武装隊員はD~Cランクがもっとも多いこと、Bランクは多くの魔導師たちが最初にぶつかる壁とされていることから、
Ⅰ型数機でもAMF戦闘に慣れていない標準的な武装隊員にとっては十分な脅威になることが分かる。


ガジェットⅡ型


エイのような平べったい形状をしたガジェット。『航空型』『Ⅱ型』と呼ばれる。
2メートル程度の大きさで、一般の空戦魔導師を凌駕する機動性を持ち、これも常に数機単位で襲ってくるが、レリックの収集機能を持たないなど、ほぼ戦闘用のガジェット。
航空戦力ということで、常になのはたち六課隊長陣と当たるため、ある意味ではⅠ型よりも雑魚メカらしいかもしれない。
本編内で一度スカリエッティによる改良が行われており、速度がさらに向上した。

武装は2門の熱線、翼の両脇と底部には空対空ミサイルを合計6発装備している。
飛行能力の無いナンバーズやルーテシアの移動手段として使われることもあり、そういう意味ではありがたい存在だったのかもしれない。
目立った戦果はないが、中盤ではクアットロの大規模幻術で編隊数の水増しと攪乱を行い、
結果的に隊長陣のランク限定解除を踏切らせるなど、間接的には大戦果を上げている。


ガジェットⅢ型


巨大な球体をした重装甲型のガジェット。『大型』『Ⅲ型』と呼ばれる。
数メートル以上はある巨体であり、単純にⅠ型をスケールアップしたような性能を持つ。
浮遊する他、狭い通路を転がって移動してきたことも。

Ⅰ型にもあるアームケーブルの他、ベルト状の巨大アームを内蔵しているため接近戦もこなし、熱線の砲門も増えている。
単純なパワーや熱線の出力もⅠ型と比べて桁違いに高い。
装甲もかなり固く、球体形状の特性からAMFによる威力減衰を抜きにしても高い防御力を持つ。
漫画では昆虫のような多脚を装備した実験機も存在したが、データ収集後はウェンディによってえげつない即席爆弾に変えられてしまった。

初登場時にはエリオキャロを追い詰め覚醒させるなどボス感があったが、その後はフォワード陣がAMF戦闘に慣れたこともあって特に手こずることもなく処理されていく。
最初の一体のみ、内部にジュエルシードを仕込まれていたりスカリエッティの名が刻まれたプレートが見つかるなど、フェイトに対する彼になりの挑発が行われている。
かなり高高度にも浮遊できるようで、終盤では浮遊砲台として航空魔導師を相手にも戦闘している。


ガジェットⅣ型


古代ベルカの巨大戦艦『聖王のゆりかご』の動力炉付近に多数配備されている自立行動兵器。
巨大な鎌状の多脚が特徴的で、全体的に蜘蛛や蟷螂を思わせるフォルムをしている。
一応翼があり、作中では披露しなかったが設定資料集には飛行形態が存在する。

元々は聖王のゆりかごの中にあった兵器の一つであり、スカリエッティはこの機体をベースにガジェットドローンを製作した。
つまりガジェットドローンの技術の大元は古代ベルカの兵器にあったということになる。
ガジェットに共通するかなり高性能なAMF展開機能などもこの機体、ひいては聖王のゆりかごから流用されているのかもしれない。
ガジェットⅣ型と呼称されているのは、管理局が発見した4番目のガジェットドローンという意味。

この機体に限りAMFの有無は不明だが、かつてゆりかごを不落の船とした一端を担ったとされるだけあって、その性能は高ランク魔導師でも不覚を取りかねない程に凶悪。

堅牢を誇るヴィータの騎士甲冑を容易く貫く攻撃力と、視認と探査を避け、背後を取られても気付かない程の高いステルス機能でヴィータを満身創痍の状態にまで追い込んだ。

さらに、かつてなのはの墜落事故の原因を作ったアンノウンの正体であり、その場に居合わせていたヴィータにとってはトラウマに等しい存在。

本編の8年前にゼスト隊によるスカリエッティの研究施設摘発の際にも局員を迎え撃っており、クイント(スバルの母)とメガーヌ(ルーテシアの母)を取り囲んでいるシーンがある。


余談

  • 質量兵器が主な武装であること、魔法を無効化するAMF、数を揃えられる機械兵器など、
    製作者のスカリエッティが意図したかは不明だが、ぶっちゃけ魔法文明を築いたミッドチルダと時空管理局に対する痛烈な皮肉とも取れる。
  • ちなみにその丸っこい外観とフワフワ地上を移動する様子に愛嬌を感じた一部のファンからは、
    今作のマスコット的に愛でられることもあり、創作ではディフォルメ化したりする作者もいる。



追記・修正は対AMF戦闘の訓練をしてからお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 21:00