テイルズ オブ ザ テンペスト

登録日:2011/11/27(日) 03:06:55
更新日:2023/12/04 Mon 22:10:52
所要時間:約 6 分で読めます




テイルズ オブ ザテンペストとは、2006年にバンダイナムコゲームスから発売されたニンテンドーDS用ソフト。
恒例のジャンルは「魂を呼び起こすRPG」

主題歌はmisonoが担当した「VS」。諸々の事情でソフトの販売が延期になったので、テレビCMでは同じmisonoの「ラブリーvキャッツアイ」が使用された。

当初、この作品はテイルズオブシリーズの本編作品9作目として扱われていたのだが、何故か本作発売の2007年以降シリーズにマザーシップタイトル(本編)とエスコートタイトル(外伝、なりダンやファンダムなど)の概念が誕生。
テンペストはエスコートタイトルに属することになる。
……というのが通説となっているが、バンダイナムコは上記の分類以前に本作のことを「本編」あるいは「外伝」と表現したことは一度もなく(外部メディアは本編として扱っていた)、一貫して「シリーズ初のDS作品」「シリーズ最新作」と表現していた。
そのため、実際にバンダイナムコが本作を本編と外伝、どちらに属するものとして扱っていたのかは分からない状況となっている。

2020年になってマザーシップ・エスコートの区分が撤廃され、「オリジナル」と「クロスオーバー」が新たに制定されて本編・外伝の区別が消滅した。これにより、本作は13年越しで外伝扱いから脱することとなった。

■戦闘システム

『3on3-LMBS-(3on3バトルリニアモーションバトルシステム)』を採用。
3Dになった『テイルズ オブ リバース』の戦闘、というのが最も近い。
ただし今作は戦闘参加メンバーは3人となっている。
3D戦闘になったゆえかリバースとは異なり、前後左右どこからでも直接攻撃が可能。


■ストーリー

人種差別を題材にしたようなあらすじ。
これまたリバースみたいな感じ。
しかし今作は主人公が差別される側の立場にいる。



■主な登場人物

カイウス・クオールズ
(CV:高城元気)
本作の主人公。15歳の少年。
一見すると普通のヒトのようだが、実はヒトとレイモーンの民のハーフ。
その事実が彼に様々な試練を与えることになる。
過酷な人生を送るが精神的にはかなり成熟している。普通にいい奴。
武器は片手剣の剣士。歴代キャラの技はこちらが担当。


○ルビア・ナトウィック
(CV:門脇舞)
本作のヒロイン。カイウスの幼馴染。
当初は僧兵になるべく故郷の村を旅立とうとするも…。
カイウスに対して恋心を抱いているが、なかなか素直になれずケンカばかりしている。
武器は杖で、魔術により遠距離攻撃を得意とする。


○ティルキス・バローネ
(CV:山崎たくみ)
カイウスたちが住む大陸とは別の地の王子。
フォレストと共にある目的を以てやって来る。
ルビアに「お兄さま」と呼ばれ慕われていたが、本人はアーリアに恋心を寄せる。
武器は大剣(両手剣)。カイウスとは対照的にオリジナル技が多い。


○フォレスト・ルドワウヤン
(CV:乃村健次)
ティルキスの部下である屈強な戦士。
今作、というよりも歴代作品と比べて見ても年長の45歳。
カイウスとは違い純粋なレイモーンの民で、種族のことで悩むカイウスを気にかける。
武器は斧。


○アーリア・エクバーグ
(CV:荒木香恵)
協会に所属している僧兵。
一見クールな美人だが性格は若干天然っぽく駄洒落好きというお茶目な一面も。
真意を掴みにくい言動を取ったりもする。
武器は杖。ルビアと対照になるような術の使い手。



不評点

ここまで簡単に作品を説明したが、今作は悲しいことにテイルズシリーズの中でも非常に評価が低い作品として有名となってしまった。

取り敢えず良く挙げられる批判点を見てみると

◆ストーリー
サクサク進めば10時間くらいで終わってしまう程の短さであり、必然的に低レベルでもクリア可能。
実際、筆者はラスボス時点でレベル40もありませんでした。
ゆっくり、じっくりプレイしてレベル上げを頻繁に行ない、時々道に迷ったりしながら進めればあるいは…。

◆ムービー
テイルズシリーズの見所の一つは綺麗でヌルヌル動くアニメーションムービーなのだが、この作品はそもそもアニメーション部分はOPのみ。
その上OPもアニメーションはサビ付近の一部分に抑えられ、大半はポリゴンなのである。
しかもそのポリゴンもお世辞にもクオリティが高いとは言えず、ムービー部分との比較もありなぜ全てムービーにしなかったのかとの声が良く挙がる。

◆ボイス
テイルズ作品を構成する要素として重要な豪華声優陣によるボイスも、今作は非常に聞ける部分が限られてしまっている。
キャラのボイスを聞けるのは料理と戦闘くらい。
正直、宝の持ち腐れ感が半端ない。

◆スキット
もはやテイルズの代名詞といっても過言ではないスキットも、ボイスがないのに加えてキャラのグラフィックもなく文字が出るだけというシンプルなものに仕上がっている。
そのくせさらっと大事なことをいうので困る…。

◆戦闘
これまでのテイルズシリーズでは可能だった「戦闘中の操作キャラ、術技、装備の変更」が一切できない。
さらにCPUも設定した4つの術技しか使えないし術技の指示も不可能。
CPUのAIも良くない(敵含む)。
ショートカットもない上に前述の通り前後左右から攻撃可能というシステム上、戦闘そのものはなかなか難しい。

◆ワールドマップ
今作に飛空挺などは存在せず徒歩が唯一の行動手段になる。
しかしマップそのものは広大で地図も見辛いのでかなり進みづらい。
砂漠で迷いすぎて匙を投げるなんてのもザラ。
エンカウント率も高くなり、テンポの悪さにも繋がっている。


ざっとあげてもこのくらい。
さすがにファンにも擁護しがたい部分もちらほら…どうしてこうなった。

「システムはともかくアニメーションとかボイスとかは容量的に仕方ないんじゃね?」と思う人も居るかもしれないが、
なんとこの作品DSソフト全体の容量の半分しか使っていない。


【こぼれ話】

テンペストは略すと『TOT』となり泣いてる顔文字にみえるので巷ではネタにされている。

2014年に海外のサイトで公開されたスタッフインタビューによれば、リメイクの予定はないとのこと。

設定や戦闘システムが微妙にTORに似ており、「リバースの100年の世界を舞台」として作られていたという噂もあるが、真相は定かではない。

ゲーム本編はまぁ評判がよろしくないが、小説は比較的評価が高い。ただ、ゲーム本編の過去話の描写が多く、カイウスたちの出番は少なめ。

外伝作品では長らくカイウスとルビアのみの参戦だったが、全員参戦を掲げた『テイルズ オブ ザ レイズ』でついにパーティキャラ全員の参戦が実現した。

「追記・修正よろしくお願いします」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • テイルズ
  • テンペスト
  • テイルズオブシリーズ
  • バンダイナムコ
  • TOT
  • TOT ←(ToT)では無い
  • DS
  • いのまたむつみ
  • misono
  • リメイクするべき
  • ゲーム
  • ニンテンドーDS

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月04日 22:10