朝比奈隆(こち亀)

登録日:2016/10/25 Tue 16:39:52
更新日:2024/03/27 Wed 00:20:34
所要時間:約 7 分で読めます




朝比奈隆とは、『こち亀』の登場人物。
単行本第87巻収録「友情の翼!の巻」並びにそのアニメ版第164話「友情の翼」に登場した。

※本稿の記述はアニメ準拠で記載しています。

【概要】

少年時代の両津こと、勘吉が模型飛行機のコンテストに出ていた際に知り合った、飛行機のパイロットを夢見る少年。
模型飛行機に詳しく、勘吉たちに作り方を教えたほか、彼らから面子の遊び方を教えてもらう。以降学校が違うものの毎日楽しく遊んだ。
最初は面子で負けてばかりで諦めかけていた彼だったが、勘吉から「面子の必勝法は、諦めない事」「諦めないで絶対に勝つと思えば、必ず勝てる」と教えられ、その結果ようやく勝てた。

家は大きく、まるでお屋敷のようであり、アメ車まである。
部屋には飛行機の模型がたくさんあり、母親は美人で、父親はパイロット。
さらに当時の日本ではまだ珍しかったコーヒーもあるなどまさに裕福な家庭で、勘吉たちからは羨ましがられているものの、両親はここ最近毎晩喧嘩しているため胸を痛めている。

やがて彼に教えてもらったことで、勘吉の模型飛行機の腕は上がり、勘吉は「来週行く映画館の中で飛ばす」と言い出した。

【家族】

仕事ばかり優先する夫に愛想をつかしつつあり、「貴方は飛行機と結婚すればよかったのよ!」と罵った。

パイロットの為仕事が忙しく、それを理解してくれない妻に憤っている。


【勘吉との別れ、そして再会】


1週間後、映画館に来た勘吉達。しかし、もうすぐ上映開始にも拘らず隆は来ない。
映画が終わり、勘吉達は隆にパンフレットを届けに行くが、朝比奈家はなぜかもぬけの殻だった。
そこへ現れた近所のおじさんが、隆の模型飛行機を勘吉達に渡す。その模型飛行機には手紙が添えてあった。
おじさんによると、隆は両親が離婚して、母方の実家の青森へ向かったという。そして手紙にはこう記されていた。

勘吉君、豚平君、珍吉君。
黙って別れていった僕を許してください。
君たちと過ごした2か月は、どんなに楽しかったか…

隆は、上野から22時発の青森行きの特急列車に乗り込もうとしていた。時計はもうあと5分を差しており、豚平と珍吉はもう間に合わないと諦めかける。
そして勘吉は叫んだ。

「いや、まだ間に合う!」

そう言って勘吉は家に戻り、ある物を取りに行った。

…そして遂に、特急列車の発車時刻になってしまい、そこへ戻ってきた勘吉が二人を連れて、真下に例の特急列車が通過する線路がある日暮里の陸橋の上へと向かった。
勘吉が家に帰って取ってきた物…それは、勘吉がこれまで集めてきた銀の面子(メンコ)…「銀面(ぎんめん)」200枚だった。
勘吉はこれを列車の線路にばら撒こうと画策していたのだ。そして列車が通過し、勘吉達は一斉に銀面をばら撒いた。

「俺の宝物を受け取ってくれぇ!」

銀面は列車の周りを飛び回り、乗客が「何だ雪か?」「光る紙が飛んでるぞ?」と騒ぐ中、一枚の銀面が隆の元に落ちてきた。
まさかと思い、隆が窓の外を見ると、陸橋の上に勘吉達の姿が見えた。
こうして勘吉達は、隆と再会の約束をし、別れたのであった。


…そして現在。羽田空港に向かっていた一機の飛行機は、ようやく着陸すると思われたが車輪が出せず、機長はやがて、意を決して胴体着陸を行うことを決意した。
友達の結婚式に行っていた麗子と、沖縄で中川グループ創立100周年記念の行事に出席し、偶然にも麗子と同じ飛行機に乗っていた中川が、騒ぎ出す客を落ち着かせる。

そして…。

『諦めないで、絶対に勝つと思えば、必ず勝てる!』

(勘吉くん…僕は諦めないよ…!)

その飛行機の機長だった隆は、ぶら下げてある銀面を見つめ、勘吉の言葉を思い出し、少しずつ滑走路へと接近していく。

一方、救急車や消防車がスタンバイする中、中川達を心配し寺井と共に空港にたどり着いた両津は、滑走路に降りつつある飛行機を見つけた。
そして遂に、飛行機は胴体着陸を始めた。飛行機は火花を散らしつつも、ようやく停まった。
中川と麗子と合流した両津と寺井。するとそこへ、隆達がやってきた。

「勘吉くん…!」

隆は、もらった銀面を両津に見せる。

「た…隆くん!」

互いにサムズアップを交わす二人。
こうして両津と隆は、約束通り再会を果たしたのであった。


【余談】

  • 彼が登場した回は、原作でも定期的にある「両さんのルーツ回」であり、また「友情に篤い」という一面もクローズアップされている。
  • アニメ版で演じたのは、あの浪川大輔。浪川氏は他にも白鳥純の中学生時代も演じている。
  • またアニメ版では描かれなかったが、隆のアドバイスを基に両津が作った模型飛行機は、例の大会で見事に優勝している。
  • 原作では隆がパイロットになった姿は描かれておらず、少年時代の夢を叶えてパイロットになった事が話の最後で触れられたのみ。「千両箱」に収録された方では結末が変更されており、両津と別れた後の消息は不明となっている。
  • 原作では末期に幼少期の両津が祖父・勘兵衛に飛行場へよく連れて行ってもらっていたというエピソードが描かれているので飛行機好きの素養を勘兵衛が作り、隆がそこから模型飛行機好きの方向へ発展させた…という事になると思われる。
    • ちなみに勘兵衛はかつて空母飛龍妖精さん艦載機整備員だった前歴を持つので、両津が飛行機好きになったのは血筋とも言える。


追記・修正は銀面を線路にばら撒いてからお願いします。

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最終更新:2024年03月27日 00:20