ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン

登録日:2016/10/18 (火) 22:40:13
更新日:2023/07/16 Sun 13:58:07
所要時間:約 23分で読めます





『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』とは電撃文庫より刊行されているライトノベルシリーズ『ソードアート・オンライン』の第3章《ファントム・バレット》のスピンオフ作品です。
2022年6月現在既刊12巻。
SAO本編の世界観や用語等は本作中でも丁寧に説明されていますので、SAOをまったく読んでいなくても充分楽しめる作品となっています。

●目次

概要

作者は『キノの旅』や『アリソン』などで知られる時雨沢 恵一氏。
キャラクターデザイン・挿絵担当は『キノの旅』をはじめ時雨沢作品でもキャラクターデザイン等を担当している黒星 紅白氏です。
『ソードアート・オンライン』シリーズの川原 礫さんと出版社の電撃文庫から認可された、正式なスピンオフ小説なんですよ。

ガンマニアの時雨沢氏は《ファントム・バレット》編を読んで、
「少年少女達が実弾で好き勝手ドンパチ出来て、かつ真っ当なプレイなら死人が出ない」その話の内容と設定を非常に気に入り、
いつか自分もこの設定でGGOの小説を書きたいと考えていました。
そして『ソードアート・オンライン』のアニメ2期の企画がスタートした時、銃器に詳しい時雨沢氏は《ファントム・バレット》編の銃器の監修に招かれました*1
そのご縁で時雨沢氏が「GGOの話を書きたい」と要望したのを川原氏が快諾し、このスピンオフ企画が実現することになったんです。
このシリーズの文章は時雨沢氏の他作品と異なり、一貫して「ですます口調」で書かれているのも特徴です。
(それに合わせ、この概要も「ですます口調」で書かれています。)

本作にはキリトたち『SAO』本編のキャラクターはキャラクター同士の話の端にわずかに登場する程度で、基本的に出てきません。
一方で、ところどころに『SAO』本編の要素も登場してきますので、『SAO』本編を読んでおくとより楽しむことができるでしょう。
時系列的には『SAO』本編で言うところの《マザーズ・ロザリオ》編から《アリシゼーション》編と同時期になります。

略称は「SAOAGGO」あるいは「イカジャム」。
ちなみに、1巻の正式タイトルは『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインースクワッド・ジャムー』。
4〜5巻のタイトルは『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン ーサード・スクワッド・ジャム ビトレイヤーズ・チョイスー』とどんどん長くなっています。

2017年にアニメ化が決定し、第1期として原作3巻までのエピソードが2018年4月から7月まで放送されました。また、第2期の制作も決定しました。



☆あらすじ


これはゲームよゲーム! ただただ純粋に、心の底から楽しみましょう!


身長183cmの女子大生・小比類巻 香蓮(こひるいまき かれん)。
長身コンプレックスが災いし、《現実世界》では人付き合いが苦手な彼女を変えたのはVRMMO《ガンゲイル・オンライン(GGO)》だった。
身長150cmにも満たない理想の”チビ”アバターを手にした香蓮は、全身ピンクの戦闘服を身に纏い、プレイヤー”レン”となってGGO世界を駆け回る!
そんなレンの前に現れた美人プレイヤー”ピトフーイ”。
GGO内ではレアな女性プレイヤー同士、意気投合するが、ある日レンはチームバトルロイヤル形式の大会《スクワッド・ジャム》への参戦をピトフーイから打診され……。

銃と鋼鉄の世界《ガンゲイル・オンライン》を舞台にしたアニメ『ソードアート・オンラインII』《ファントム・バレット》編。
その銃器監修を担当した時雨沢 恵一だからこそ描くことができた、新たな『SAO』ワールドがここに!



☆登場人物


◇主要人物


レン (LLENN) / 小比類巻 香蓮
CV:楠木ともり(アニメ)/津田美波(電撃文庫FCI)
本作の主人公。女子大生。
「ゲームは余暇に行うべきもの」と考えて学業を優先させるなど真面目な性格。北海道出身だが大学進学に際して上京してマンションで一人暮らしをしている。
高卒時点で身長183cmと非常に身長が高く、その身長ゆえに合う服がなかったりバカにされたりと嫌な思いをすることが多く、そのことがコンプレックスとなっている。
そんな経験からやや内向的な性格で、人付き合いが苦手。

レンとしてのアバターは身長約145cmと非常に小柄。
装備一式を、リアルでは憧れを持ちながらも自分に似合わないので着られなかったデザートピンクにカラーチェンジしており、かつてはそのまま町を歩いていたが、
PK行為の復讐対策(ピンク色の服装ということだけは割れていた)も兼ねて、現在は緑や茶色といった目立たないマントを羽織ったりしている。
愛用する銃はアサルト・ライフルとサブマシンガンの中間に位置する、《FN P90》、通称『ピーちゃん』。
P90は服と同様にピンク色に染め上げている。
ステータス構成は小柄な体格を生かして敏捷性を重点的に上げたAGI型で、奇襲と急所攻撃を得意としている。
そのアバターやステータスの特性は、本人は意図していなかったもののPKに非常に特化しており、「東西冷戦時の東側の暗殺者のようなプレイヤー・キラー」として噂になった。

詳細は項目参照。

イラスト担当の黒星 紅白氏曰く、モチーフはウサギ


ピトフーイ(Pitohui)
CV:日笠陽子
レンのGGOにおける一番のフレンドで最大のライバル。
この作品におけるだいたいこいつのせい。
アバターは両頬に煉瓦色の幾何学模様のタトゥーの入った長身の美女。キャラネームの由来は”ピトフーイ”という有毒の鳥から。
しかし「名前が呼びにくい」などと言われがちらしく、レンやエムには「ピト(さん)」という略称で呼ばせている。
特に決まったプレイスタイルは持っておらず、リアルマネートレードで手に入れた多種多様な武器を使う。
メインで使うのはGGO内でも希少らしい、AKシリーズのカスタムモデル《KTR-09》や《スプリングフィールドXDM》拳銃2丁、そして青い刃の光剣《ムラマサF9》である。

一見すると陽気で気さくな人間に見えるが、その本性は……。

詳細は項目参照。

イラスト担当の黒星 紅白氏曰く、モチーフはヘビ。


エム (M) / 阿僧祇 豪志
CV:興津和幸
SJ1に参加することになったレンのチームメイトとしてピトフーイが紹介した男性プレイヤー。
ピトフーイとはリアルでも知り合いで、彼女には頭が上がらない。
アバターは190cm近い強面マッチョの巨漢。
物静かだが実戦経験は豊富で非常に頭が切れ、チームの参謀を務めることが多い。
プレイヤースキルも非常に高く、特に狙撃の腕は作中随一。
リアルでも射撃の経験があるようで、バレットラインの補助なしでの精密狙撃を行える数少ないプレイヤーの一人。
様々な銃器を扱うが、メインは遠近両用の7.62mm口径ライフル《M14・EBR》と45口径自動式拳銃《HK45》。
それ以外には防具としてGGOで最高硬度を誇る”宇宙船の装甲板”8枚を連結加工した特殊な楯を扱う。
ピトフーイの事を「あの女は頭がおかしい」「狂っている」と(レンに)堂々と言ってのけるが、同時に「自分の全てを捧げても良いと思うほど深く愛している」とも言い切ってしまう辺り、この人も実際相当おかしい。

詳細は項目参照。


フカ次郎 (Fukajiroh) / 篠原 美優
CV:赤崎千夏
香蓮の地元の親友。実家から道内の大学に通っている。かなりノリの良い性格。
キャラネームの由来は昔飼っていた飼い犬の名前から。
ALOのヘビーユーザーで重度のネトゲ廃人だが、時折GGOにコンバートして遊びに来る。
GGOに来るときにはALOの装備は所属しているギルドのロッカーに預けておき、逆にALOに帰るときにはGGOの装備はレンが借りたロッカーに預けている。
アバターはストレートの金髪と赤みがかった茶色の目を持つ少女。
髪はお団子状に結い上げ、ナイフを削って作成したかんざしでまとめている。
ALOの廃プレイヤーだけあってステータスは非常に高く、華奢な見た目に反して特に筋力と耐久度がとんでもなく高い。
実はALOで《絶剣》と戦ったことがある。
メイン武器は《MGL-140》六連装グレネードランチャー2丁。フカ次郎は右手に持つ方を『右太』、反対側を『左子』と呼ぶ……ものの彼女自身も区別するつもりはないようだ。

リアルではセミロングの茶髪に眼鏡をかけたなかなかの美人だが、男運がないらしく何度もフラれており、そのことを挑発に使われたことも。
実家には”なぜか”アミュスフィアが二つ置かれている。その理由は…勘のいい女は嫌いだよ。

詳細は項目参照。

『SAO』本編劇場版の《オーディナル・スケール》では本作のキャラクターで唯一名前のみだが登場し、ダインが彼女に熱を上げている様子が描かれた。



SHINC(シンク)

筋骨隆々の大女達で構成された強豪スコードロン。チームプレイが非常に巧みで、メンバーの厳つく強面の外見から”アマゾネス”などと呼ばれ恐れられている。
リアルでは香蓮が通う大学の高等部の新体操部に所属する女子高生たちで、全員美少女。チーム名も”新体操クラブ(SHIN Taisou Club)”に由来する。
つまりリアルの方がかわいい。
かつてはバラバラだったチームメイト同士の仲を深めるために全員でGGOを始めた結果ドハマりしたという経緯を持つ。
SJ1で自分たちを破って優勝したレンに対しては(良い意味で)強烈なライバル意識を持っているが、
レンのリアルが、たまに見かける憧れの年上で背の高い美人のお姉さん=香蓮であることを、SJ1の翌日、勇気を出して香蓮に話しかけた時に見抜き、
それ以降、GGO仲間としてリアルでも親交を結び、ちょくちょく彼女の家に遊びに行くほど仲良くなっている。
なお、(GGO内で)本編の彼女と面識がある。

◆エヴァ (Eva) / 新渡戸 咲
CV:朝井彩加
SHINCのリーダーで通称「ボス」。
アバターは180cm超の壮年の女子プロレスラーのような大女。その威容から”ゴリラ”呼ばわりされることもしばしば。
メイン武器は自動消音狙撃銃の《VSSヴィントレス》と、9mm口径自動拳銃《ストリージ》。
まっ逆さまに落下しながら標的の額を撃ち抜くかなり高い射撃の腕と、柔軟かつ確かな状況判断能力を持つ。
肝も非常に据わっており、巨体に似合わぬ俊敏さを活かした白兵戦も得意。
時折アバターの厳つい格好でお嬢様言葉を使うことがあり、SJ2以降は大会開始前にMMTMリーダーのデヴィッドと小洒落た”口擊”の応酬をするのが恒例となりつつある。
リアルでは新体操部の部長で快活な三つ編み娘。香蓮に勇気を出して最初に声をかけたのも彼女。
外の人と中の人のギャップが大きすぎるが、左右の三つ編みは両者とも共通している。
SJ1での死闘以来、レン=香蓮との再戦を事あるごとに熱望しているが、毎回何かしらの横槍が入るため約束は未だ果たされていない。
かわいい。

◆ソフィー (Sophie) / 藤澤 カナ
CV:内山夕実
SHINCのサブリーダー。
アバターは小柄でずんぐりむっくりしたドワーフのような女。
メイン武器はPKMマシンガン。SJ2では対戦車ライフル《PTRD1941》の運用のためにとんでもない役割を担う。
リアルではショートカットで勝気そうな女の子。咲の幼馴染で新体操部の副部長も務める。
かわいい。

◆トーマ (Toma) / ミラナ・シドロワ
CV:森永千才
アバターは黒髪に長身の美女。《ドラグノフ》狙撃銃やデグチャレフ(3巻より)を扱うスナイパーで狙撃の腕はチーム一。
リアルではロシア出身で貿易商の娘の金髪碧眼少女。祖国で父親に車の運転の仕方を教わったため、GGO内での運転役も担当する。
かわいい。

◆ローザ (Rosa) / 野口 詩織
CV:種﨑敦美
アバターは短い赤毛のそばかすで下町の肝っ玉母さん風。《PKM》マシンガンを使用する。
リアルでは日本人形のように可愛らしい、ボブカットの和風美少女。咲やカナと同学年のため、二人がチームから離れた際には後輩たちの指揮をとる。
かわいい。

◆アンナ (Anna) / 安中 萌
CV:M・A・O
アバターは緑のニット帽にサングラスをかけた、金髪ウェーブのハリウッド美女風。
武器はドラグノフ狙撃銃で、トーマと同じくスナイパー。
リアルでは長い黒髪を一つにまとめたおとなしくて内気な少女。小さな頃から両親とボルダリングをしていたため、GGO内でもスキルなしでの登攀ができる。
かわいい。

◆ターニャ (Tanya) / 楠 リサ
CV:白石晴香
アバターは狐のような鋭い目と顔つきをした銀髪のベリーショート。
武器はサブマシンガンの《PP-19 ビゾン》とストリージ自動拳銃。
敏捷力はチーム一でポイントマンを務める。似たような役割のレンとは何かと縁があり、交戦や共闘が多い。
リアルでは短髪でボーイッシュなボクっ娘。”ターニャ”としてはオレっ娘になるが、なぜかSJ3の時だけゲーム内でも一人称がボクのままだった。
SHINCのメンバーの中では一番アバターとの差異が少なく、並べると姉妹のように見えなくもない。
かわいい。



◇MMTM (メメント・モリ)

ナイフを咥えたドクロをエンブレムとしたGGO強豪スコードロンの一つ。
全員が相当なガチプレイヤー。チーム名の由来は”死を忘れるな(=メメント・モリ)”。
徹底的に統率されたチームプレイが武器で、特に室内戦闘を得意としている。

◆デヴィッド (David)
CV:間島淳司
MMTMのリーダー。メイン武器はステアー社製の
高性能アサルト・ライフル《STM-556》で、SJ2からは銃身の下にグレネード・ランチャーを装備している。近接戦用に9mm口径自動式拳銃《M9-A1》も所持している。
SJ3では赤い刃の光剣《ノサダN2》を使用。
怨敵ピトフーイを倒すためだけに大枚叩いて手に入れたらしい。刃の色的に彼の方が暗黒卿じみているのは考えすぎだろうか。

腕試しに参加したSJに思いの外ハマった。ピトフーイとは並々ならぬ因縁があり、彼女には何度も煮え湯を飲まされ続けている。
第3回BoBを本戦まで勝ち抜いた凄腕プレイヤーの一人だが、光剣に詳しくなかったあたり、どうやらとは戦闘にならなかった様子。
誰もが認める強豪ではあるが、作中では無残な結末を迎えることが多い。8割方どこかのイカレ女の仕業だが。
なお過去に呼び名に関して何かがあったのか”ダビド”と呼ばれると怒る。そう呼ぶのは十中八九どこかのイカレ女だが。
リアルでは千葉県成田市の某有名宅配便業者に勤めている。GGO内同様に生真面目だが、時たま危ない台詞が口を出てしまうようだ。それも全部ピt……ってもういいですかそうですか。

◆ジェイク (Jake)
CV:村田太志
MMTMのサブリーダー。細身の男性アバターだがかなりの筋力値(STR)を備える。メインアームは《HK21》マシンガン。
エムのラインなし狙撃を最初に喰らった人。
リーダー同様何かと不憫な目に遭うが、アサルト・ライフル使いばかりの同チームにおいては貴重な遠距離戦要員。

◆ボルド (Bold)
CV:小柳良寛
ドレッドヘアの男性プレイヤーで、イタリア製アサルト・ライフルの《ARX160》を使う。
あまり見せ場に恵まれないが、アニメ4話ではレンに至近距離からの凄まじい銃撃を約30発受けてようやくHPが全損していることが分かる。凄腕チームの一員だけあってステータスはかなり高いようだ。

◆ラックス (Lax)
CV:水中雅章
チーム一のガンマニアとされる男性プレイヤーで、SJ2からはサングラスを着用している。
元々G36Kアサルト・ライフルを使っていたが、SJ3を契機に狙撃銃の《MSG90》を入手。チームを支えるスナイパーとなる。目立たないが仲間想いな人物。

◆サモン (Summon)
CV:山本格
大柄な男性プレイヤーで、ベルギー製の《SCAR-L》アサルト・ライフルを使う。
チーム内では新参者かつ最弱とのこと。肩身が狭そうである。

◆ケンタ (Kenta)
CV:市川蒼
小柄な黒髪の男性プレイヤーで、ドイツ製の《G36K》を使う。
キャラネームの由来は大好物のフライドチキンを出す某有名ファストフード店より。そこから”チキン”というあだ名がついたが、実際は敵地への突撃を厭わない勇敢な戦士。



ZEMAL(ジーマル)(全日本マシンガンラバーズ)

マシンガンを愛してやまないマシンガン馬鹿の連中が集まったスコードロン。
当然だがメインアームはマシンガンでサイドアームは邪道とまで思っており、マシンガン以外の武器は一切使わない。
勝利よりもマシンガンを撃ちまくれればそれでいいトリガーハッピーな連中で、戦術などは一切考えずにその場のノリと勢いだけで行動する*2
それゆえに勝率はあまり高くない。さすがにSJ経験を積むことで、射撃に適した場所取りやカートを移動銃座に使ってのヒャッハー等少しは頭を使うようになったが。
ちなみに「全日本」を名乗っている理由は、北海道と沖縄に住んでいるプレイヤーがいるから。
最近では「OB (オープンボルトの略) 」を合言葉にマシンガンの神様を崇め出した。もはや新手の宗教である。

◆ヒューイ (Heuy)
CV:伊丸岡篤
ZEMALの (一応) リーダー。
アバターは茶髪をオールバックにしたマッチョな男で、得物は米軍が採用している7.62mm口径マシンガンの《M240B》。
何気に作中で最初に【Dead】マーカーが立った人。
このチームの皆様方はSHINCやMMTMとは異なりメンバー間の上下関係はあってないようなものだが、作戦指示や他チームとの交渉などの場合にはリーダーらしい一面を見せる。

◆シノハラ (Shinohara) / 志乃原 修哉
CV:川田紳司
某有名アクション映画の主人公のコスプレをした男性アバターで、7.62mm口径マシンガンの《M60E3》をこよなく愛している。
どれくらい愛しているかというと、M60E3のエアガンを抱いて寝たり食事や映画を隣で一緒に楽しんだりする程度。これに賛同できるあなたはZEMALへの加入資格を満たしていると思われるので病院に行くことをおすすめする。
ただ後述の事情故か5人の中では(相対的に)頭が回る方ではある。

リアルは静岡県伊東市のイケメン塾講師で生徒や同僚に好評……なのだが、女子大生バイトのあからさまな好意を華麗にスルーしている。まさか彼女も機関銃に負けているとは夢にも思わないだろう。勝ちたくもないが。

なお篠原 美優とはまるで全然関係ありません。

◆トムトム (Tomtom)
CV:浜添伸也
頭に緑のバンダナを巻いた男性アバター。FN社が誇る傑作マシンガンの《FN・MAG》が武器。
パンダみたいなキャラネームの由来は「GGO内にたくさんいる他のトムさんと被らないため」。だったら別の名前にしろという指摘は野暮というものだろう。
断末魔に定評のある「最強の敵」。

◆マックス (Max)
CV:内匠端明
両脇を刈り上げた逞しい黒人男性のアバター。5.56mm口径マシンガンの代名詞にしてSAO本編にも登場した、《ミニミ》 (マーク2モデル) を使用する。
SJ3前半戦においてショッピングカートを見つけ(てしまっ)た人。

◆ピーター (Peter)
CV:木島隆一
鼻にテープを貼った、メンバー内では一番小柄な男性アバター。手にするのはイスラエル製の5.56mm口径マシンガン・《ネゲヴ》。
”器用さ(DEX)”の数値を結構上げているようで6巻『ワン・サマー・デイ』でのテストプレイでは秘密兵器を披露し、レンたちやSHINCを大いに苦しめた。


◇T-S

SJ2から参加している、全身をSFチックなプロテクターで固めた防御重視のスコードロン。普段は光学銃だが、対人戦メインのSJでは実弾銃使用。
その反面、機動力が低くこれが原因でSJ2では一度予選落ち(その後、敗者復活)している。SJ2本戦では開始直後に城壁の上に上がる道を見つけ、他チームとほとんど交戦することなくLFを倒して優勝、漁夫の利を掻っ攫う*3
しかしその戦いぶりが(派手な戦いを見たかっただろう)ギャラリーの不興を買い、プロテクターをまとっての行動が取りづらくなってしまう。
SJ3では前回優勝者としてシードされたが、却って結託チームの標的に。対抗するためビルの上に籠もるが、この選択が後々(彼らにとっての)悲劇を招いてしまうことに。

◆エルビン
通し番号はNo.2。8巻時点でチームメンバー中、唯一台詞と名前がある。
SJ3では特別ルールでビルからの脱出に成功するが、その後どこかのイカれた女のせいで他のメンバーもろとも(以下略)。
しかもやられた後にプロテクターを剥がされて利用されてしまったので、たぶんピトさんに(アバターの物だが)素顔も割られているかわいそうな人。
ワン・サマー・デイではSJ3での経緯もあり他チームとの交渉役を引き受けている。

◇プロチーム

「ブラボー、チャーリー、デルタ。全滅を確認。損害なし」
正式名称は《Narrow》(アニメ1話より)。
SJ1で多くのチームを壊滅させた覆面の凄腕集団で、ショートバージョンの《FAL》やM82狙撃銃が主な戦力。
統制の取れたその動きから、エムは彼らが何らかの戦闘訓練や経験を重ねてきたプロたちで構成されたチームではないかと予想した。

エムの予想通り、その正体は航空自衛隊百里基地所属の自衛隊員たち。
上官からの指示で、実際の戦場に最も近いゲームの一つであるGGOの調査のために出場した。



◇KKHC

SJ2・3に参加していたスコードロンの一つ。
ある事情から、所属メンバーの射撃技術こそ非常に高いものの、対人戦闘の経験は皆無。

◆シャーリー / 霧島 舞
「人間を銃で撃つのがそんなに楽しい?みんなどうかしてる。さっさと全員撃たれてしまえばいいのに。そしたら、こんな大会、終わるのに」
CV:高野麻里佳
KKHCの紅一点。
アバターはリアルツリー・パターンの迷彩ジャケットを着た鮮やかな緑髪の美女で、ラインなし狙撃を行える数少ないプレイヤーの一人。
武器はドイツ製の猟銃をベースとした狙撃銃の《ブレイザー・R93タクティカル2》。
もともと対人戦には倫理的な拒否感を感じており、仲間たちの誘いを断り切れずに渋々SJに参加した。
…がピトフーイのイカれた行動を目にしてブチ切れ。ピトフーイをヘッドショットするも倒しきれず、直後にレンに仕留められる。
結局このことがが原因でSJ3以降では対人戦を苦にしなくなり、仲間からドン引きされてしまうことに。


◇クラレンスのチーム

SJ2・3に参加していたスコードロンの一つ。
イケメンプレイヤーのクラレンスが所属するチームで、SJ2ではレンと交戦している。

◆クラレンス (Clarence)
「君達は可愛いよ。君達みたいな強くて可愛い女の子、俺、だいだいだーい好き!」
CV:小松未可子
黒い戦闘服に身を包んだイケメンアバターのプレイヤー。
愛称は”クラ”とのことだが、作中で今のところそう呼ばれた描写はない。
恐ろしく顔の整った美形だが”紳士”ではない。
朗らかな物腰だが性格に難があり、他のプレイヤーをドン引きさせることもしばしば。
メインアームはM16とP90の合いの子たる珍銃《AR-57》。
P90同様5.7mm拳銃を使うことからSJ2では一騒動に巻き込まれた。一応役得もしたが。
腰には『SAO』本編でも活躍した《FN・ファイブセブン》拳銃を下げている。


◆サム
「この先どうするんだよ?どうにかなるのかよ?」
SJ3でクラレンスとタッグを組まされた不憫なプレイヤー。
中近東系の褐色肌をした男性アバターで得物はフランス製のアサルト・ライフル《ファマス》
SJ2の敗戦からSJ3参加に消極的だったが、クラレンスに強引につきあわされたかわいそうな人。
ちなみにこのチームのメンバーは皆クラレンスに何かしら弱みを握られているようだ。



◇ZAT (散切り頭の友)

「当たったかな……?全然分かりません!対人戦闘はやっぱり怖いです!ちびりそうです!」
SJ2・3に参加していたスコードロンの一つ。
某特撮作品地球防衛組織とは、全然関係ない。明治維新とも、全く関係ない。
SJ2では序盤の雪山でMMTMと交戦したもののあっけなく敗れた。
続くSJ3でも強豪チームのSHINCとぶつかり全滅させられている。
なおアニメ8話における彼らの活躍は丸々カットされており、画面に映った時にはすでに全滅していた。あわれ。

◆実況中継プレイヤー
ZATメンバーの一人。
茶色迷彩の戦闘服に、前後左右に超小型ビデオカメラを装着したヘルメットを着用している。
武器は自衛隊の使う《89式5.56mm小銃》
アサルト・ライフルとしては反動がとても小さいためセミオート連射に強い高性能な銃である。
この89式にも銃身の脇に前を向いて、そして自分を向いて小型カメラが貼り付けられている。自撮り棒ならぬ自撮り銃……。
ただ実況のために通信アイテムを持っておらず、仲間とはぐれると連絡が取れなくなる弱点がある。……縛りプレイ?

プライバシーの観点から対人戦闘の実況をしたことがなく、録画が禁止されていない公式大会のSJに参加した。
SJの公式中継映像とは異なり、実況付きで一人称視点の彼の動画はそこそこ人気があるとのこと。

SJ2ではチーム中最後まで生き残るもデヴィッドに額を狙撃されてお亡くなりになった。
SJ3でも他の5名に先立たれ、満身創痍でSHINCの年少組3人に取り囲まれた彼はこう叫んだ。

「死ぬ前に!一度でいいから!誰かのおっぱいを触らせてください!」

言わずもがな、ストリージ拳銃と2丁のドラグノフで蜂の巣になった。うらやましすぎる。
のちにこのセクハラ映像はかなりのヒット数を稼いだらしい。この話には変態しかいないのか?

◆ベンジャミン、カーサ、ケーニッヒ、フロスト、山田
SJ2で実況中継プレイヤーが名前を挙げた、彼のチームメイト。
実況中継プレイヤーとは実況されてもいいと了承してチームを組んだそうな。
SJ2以前はモンスター狩りの様子を動画にして投稿サイトに上げていた。



◇NSS (ニュー・ソルジャーズ)

「短い間だが、一緒に戦えて楽しかった。武運長久を祈る」
SJ2・3に参加していたスコードロンの一つ。
戦史好きのプレイヤー達で、時代考証に基づいた正確なコスプレ装備をしたノスタルジックなチーム。
脳内設定では、
『各戦場で死んだと思われた者たちが神秘的な力で未来に飛ばされて、そこで出会い、いつか戻れる日を夢見つつ、一緒に戦っている』
とのこと。楽しそうで何よりです。
SJ2では序盤に近くのSHINCを避けたところKKHCに遭遇、ラインなし狙撃の洗礼を受けてメンバーを半減させられた。
その後PM4包囲網に参加するも (主にピトフーイの) 悪鬼のごとき猛攻の前に敢えなく全滅した。
SJ3では市街地でZEMALのターゲットとなり、マシンガン5丁の前になすすべなく敗れている。
その際の辞世の句は一読の価値あり。そりゃいつの戦場にもあんなヒャッハーはいないよなあ。

◆グリーンベレーの男
NSSのリーダーで、ベトナム戦争時代の米陸軍特殊部隊の出で立ちをしたプレイヤー。
アサルト・ライフルの《XM177E2》が武器だが、SJ2では見せ場なくKKHCに撃たれている。
酒癖が悪いようで、何度か酔ったままログインしてチームに迷惑をかけているとのこと。

◆ソビエト連邦空挺軍の男
アフガニスタン紛争当時のソ連兵の扮装をしたプレイヤー。
武器はアサルト・ライフルの《AKS-74》で、グレネード・ランチャーを装備している。

◆ローデシア傭兵の男
ローデシア紛争当時の傭兵の紛争をしたプレイヤー。
武器はアサルト・ライフルのFAL。

西ドイツ陸軍兵の男
東西冷戦中の西ドイツ陸軍兵の装いをしたプレイヤー。
武器は《G3A3ZF》。
リアルでもグリーンベレー男とは面識があり、SJ2前日の晩から禁酒させていたようだ。

◆イギリス軍歩兵の男
第二次世界大戦中の英軍歩兵のコスプレをしたプレイヤー。
武器は《リー・エンフィールドNo.4 MkI(T)》。

◆旧日本陸軍将校の男
第二次世界大戦中の帝国陸軍のコスプレをしたプレイヤー。
武器はサブマシンガンの《一〇〇式機関短銃》。
ラインなし狙撃の仕組みを初見で見抜き仲間に解説するなどプレイヤースキルはそこそこ高いようだ。
メンバーが半減した時には代理リーダーを務め、PM4包囲網ではNSSの代表として会議に参加していた。
言動の一つ一つがやたら時代がかっている。他のチームメイトはそうでもないので、やはり彼だけは何かが別格なのだろう。



◇RGB (レイガンボーイズ)

「不利がなんだ!それを跳ね返してこそ、俺達は光り輝く!そう!この弾のように!」
SJ2・3に参加していたスコードロンの一つ。
三原色の頭文字に見えるが違う、そうではない。
チーム名の通りメンバー全員が光学銃を使う異色のチームである。

光学銃は同じサイズの実弾銃の半分から3分の2ほどの重さしかなく、拳銃でもエネルギーパック一つにつきおよそ百発撃てるためかなりの継戦能力を有する。実際SJ2には、マシンガン2狙撃銃1アサルト・ライフル4サブマシンガン3拳銃6と大量の銃を持ち込んでいる。
さらに遠距離での命中精度が高く、弾が全て光ることから弾道修正が容易で取り回ししやすいメリットがある。
ただし対人戦闘では誰もが使う《対光弾防御フィールド》により威力をかなり減衰されることからSJのような対人戦闘大会で光学銃を使う者はほとんどいない。

SJ2では駅付近の線路の上に陣を敷くものの、フカ次郎のグレネード攻撃をお見舞いされて全員仲良く吹き飛んだ。
酒場で秘策を授けられたSJ3だったが、秘策が裏目に出て自身の体勢を整える前にSHINCを呼び寄せてしまう。
自慢の銃口の数で持久戦に持ち込もうとしたが、かえって銃口からの光”マズルフラッシュ”を目印にされて一方的に狙撃され全滅した。

余談だがSJ2・3ともに慢心した発言やいわゆる”演説”が多く、その度に大火力の一撃が飛んできている。
架空の兵器である光学銃だが、マシンガンの《MG2504》や狙撃銃の《ソルプレッサA2》、アサルト・ライフルの《G991K》と3種類の名前が原作5巻で判明している。




◇その他の登場人物

◆小説家
CV:時雨沢恵一 (本人)
SJのスポンサーであり、大会主催者でもある小説家。病的なガンマニアで、銃が登場する小説ばかり書いている。
「リアルは割れているがアバターは割れていない」という立場を利用して毎回大会に出場しているが……。その顛末は各巻の”あとがき”に詳しい。ちなみに主な得物は自身のペンネームの由来でもあるSIG社の5.56mm狙撃銃・《SG550スナイパー》。
SJ3以降、プレイヤーに長々としたSJの開催通知を行う他、大会毎の特別ルールも考えている。
が、このルールのせいでほとんどの参加者に毒を吐かれていることを彼は知らない。

アニメ版では、3話においてまさかの登場を果たす。役名は「銃が出てくる作品ばかり書いてる小説家」で、上記の通り原作者自身が声を担当した。ついでにかなり美化されている。

その後総集編である5.5話の脚本を執筆しており、氏のファンにはおなじみの”あとがき”まで収録されていた。
……一応アニメです。




☆主な用語

◆ガンゲイル・オンライン(GGO=Gun Gale Online)
アメリカにサーバーを置く《ザスカー》が運営しているVRMMO。日本で稼働しているVRMMOで唯一リアルマネートレーディングが可能。
最終戦争後の荒れ果てた遠い未来の地球を舞台にしたゲームで、銃火器による銃撃戦をメインにしており、ガンマニアのプレイヤーも多い。
銃撃者には自身が発射する弾丸の着弾点である《バレット・サークル》が、被銃撃者には自身を狙う弾丸の弾道である《バレット・ライン》が視認できる。
これによって、リアルとは異なり「多少狙いが甘くても相手に弾が当たる」「当たる前に銃弾をよけることができる」などの動きが可能となっており、プレイの幅が広がっている。
ゲームの世界観とお国柄からか、男も女もゴツいアバターが多い。

◆バレット・オブ・バレッツ (Bullet of Bullets)
通称《BoB》。GGOにおいて個人のサバイバル戦により行われる大会。
  • 本編のファントム・バレット編の舞台。

◆スクワッド・ジャム (Squad Jam)
通称《SJ》。GGOにおいて2〜6人で編成されたチームのサバイバル戦により行われる大会。今までに3回開催されている。
第3回BoBにおいてコンビを組んでいた選手達の戦い方を見ていた某小説家が、「チーム戦で大会をやったら面白いのではないか?」と考えGGOを運営するザスカーに提案したことから始まった。
BoBとは戦い方が全く異なることや、BoBに出場するプレイヤーにはソロプレイヤーが多いことなどもあり、BoBとSJの両方に出場している選手はあまりいない。
主催者兼スポンサーは上記の小説家。
実は第2回大会のみ彼ではなくピトフーイが主催とスポンサーをした。
第2回大会以降は予選が導入されているが、前回の成績上位者は予選無しで本戦に進めるようになっている。

本作の略称の一つである「イカジャム」の名前の由来はレンが大会名をスクイッド (Squid=イカ) ジャムと勘違いしたことから。
複数のチーム (Squad=分隊) が狭いフィールドにギュウギュウに詰め込まれる(Jam) ことが名前の由来である。
◆ラインなし射撃
GGOにおける高等技術の一つ。
《バレット・ライン》や《バレット・サークル》はトリガーに指をかけていないと出現しないことを利用し、射撃直前までトリガーに指をかけないことで、《バレット・サークル》などの狙撃アシストが一切使えない代わりに、相手にも《バレット・ライン》などの回避アシストを与えないというテクニック。
完全に自力のみで射撃を命中させられるだけの技術が必要となることから、ゲームだけではなくリアルでの射撃経験と技術も必要となる。
それゆえに日本人でこのテクニックが使える人間はほとんどいない。
なおピトフーイ曰く、エイムアシストがないGGOは「爆笑必至のクソゲー」らしい。


☆アニメ版

2018年4月よりテレビアニメ版が放送開始。
製作は『SAO』本編を手がけるA-1 Picturesではなく、『プリンセス・プリンシパル』などで知られるstudio3Hz。本作と『プリンセス・プリンシパル』はともにキャラクターデザインを黒星 紅白氏が務めている共通点がある。
Bul-ray.DVDの実写CMになんと芸人のエスパー伊藤を使用した。
しかも第1話のシーンを再現するという徹底ぶり!!!

OP:『流星』
……Vo.藍井エイル

ED:『To see the future』
……Vo.レン (CV:楠木ともり)

なお、OP担当の藍井エイルはこの作品で活動を再開した。






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最終更新:2023年07月16日 13:58

*1 アニメ「SAO:ファントム・バレット」のガンショップのシーンで、お店の品揃えにシグ&ザウアー製の銃がずらーっと並んでいるのはこのご縁でしょうか…?

*2 1巻エピローグでは「筋力上げて2丁マシンガン」まで言い出したが、元々マシンガン自体が長期戦では銃身を交換しないと使い物にならないため(なのでスペア銃身も複数携帯)思い付きで終わっている。

*3 ちなみに原作のSJ2ではLFと同様の「城壁上からの一方的な射撃」により、開始1時間後(残り7チーム)のスキャン開始とほぼ同時にZEMALを攻撃、全滅させている。