ひこにゃん

登録日:2016/10/16 (日) 17:14:45
更新日:2024/01/01 Mon 02:01:54
所要時間:約 7 分で読めます




ひこにゃんとは滋賀県彦根市のマスコットキャラクター。愛称は1167点の一般公募から決定した。

名前の通り、白猫をモチーフにしたキャラクター。キャラクターデザインはイラストレーター、もへろん氏が担当した。
およそ3頭身で、赤い兜をかぶっている。この兜は井伊の赤備えとして有名な井伊家の伝来品をモデルにしたもの。
性別は不明。見た人の心のままにということらしい。誕生日は、4月13日。

その独特の愛らしい動きや「ゆるさ」が話題を呼びかつてのゆるキャラブームの火付け役として知られている。

本来、国宝・彦根城築城400年祭でのマスコットキャラとして作成されたはずが、ひこにゃんが注目を浴びすぎてしまい
メインの彦根城築城400年祭の認知度が追いつかないという事態まで発生したほどである。

イベント終了後も、彦根城のマスコットとしての存続を願う声が多く上がり、ほぼ毎日彦根城のどこかに現れている。

また、滋賀県関連、井伊家に関するイベントにも参加することがありやや規模の大きめなゆるキャラのイベントにも
ちょくちょく顔を出している。さらに、パリやアメリカなど、海外遠征も4度ほど行っている。

通常は「ひこにゃん」と名前で呼ばれてはいるが、スタッフの知人が

「何?あのモチみたいなの」

と発言したことがきっかけとなり一部のファンからはおろかスタッフの数人にまで「モチ」呼ばわりされているとか(公式プロフィールにも記載)。


ひこにゃんの特技一覧

~オリジナル系~

◆だらにゃん
今日もよくだれています。

◆ひこにゃんじゃんけん
指が無いのでチョキは義手を使用。

◆鈴叩き
本当に音が鳴ります。

◆正座
立つときはスタッフの助けが必要。

◆鉄琴演奏
曲目はその日の気分で。

◆仕舞 
剣技の他にも踊りも踊れます。

◆殺陣
愛刀『爪楊枝』で繰り出されるひこにゃん渾身のアクション。

◆もちのこ
両腕をどこかに隠し、その姿がツチノコのように見える事からついた名称。

~パロディ系~

◆モチーズブートキャンプ
にゃんモアセッ!!

◆エアギター
たまに、海老天や実物(風船)も使用。

◆モチバウワー
頭が重…大きいので約90度が限界。

◆アイーン&変なおじさん
馬鹿でも変でもないけど、できないわけじゃない。

◆欽ちゃん走り
にゃんでそ~なるの?

◆そんなの関係ねぇ
おっぱっぴー。

ラジオ体操
彼(彼女?)の場合、かなりテンポが速め。

◆コマネチ
股に手が届きません。

◆レイザーラモンHG
フォ~!!


…などなど、オリジナルの物からパロディに至るまで結構なバリエーション。実際に動いてやって見せているところはかわいい。
本当にかわいい。大事なry

百聞は一見にしかずという事で、機会と興味のある方は是非とも一度彦根城へと足を運んでみよう。
行けずともようつべやニコニコにも有志達の手で結構動画がうpされているのでこちらも興味があれば是非とも検索していただきたい。

そして、短い手足で頑張っているひこにゃんの姿を見て癒されようではないか。


さて、ひこにゃんを語る上で、どうしても外すことのできないのが

「ひこにゃん騒動」であろう。

この騒動は、築城400年祭実行委員会(以下、委員会)が原案者のもへろん氏が猫をモチーフとして描いた
「座る」「跳ねる」「刀を抜く」の3点のイラストを採用したことから始まった。

委員会ともへろん氏が所属しているデザイン会社はこのひこにゃんの著作権を、買い取りという形で委員会へ帰属させる契約をし
委員会は地元の企業などに無料でキャラクターを使用する許可を出していた。

その後、委員会ではなく、彦根市が著作権者として登記され委員会が近江牛の宣伝のために「肉が好物」など
もへろん氏の意図しない設定が勝手に作られたりした。

それだけにとどまらず、同件の権利者とされる彦根市はひこにゃんのイメージが上記に挙げた3点のイラストしか存在しないのに
その3点のポーズではない、オリジナルのポーズの人形を作ったり背面の設定資料が無かったにもかかわらず
尻尾のついた人形を作ったりそれの販売を許可したりした。(ひこにゃんには尻尾が無い。)

これに対しもへろん氏は

「使用を許可したのは3点のイラストのみであり、使用期間も築城400年祭の開催中のみ。
彦根市は、作家の作品への愛着と苦労を無視した。」

と主張。市に対して400年祭終了以降の使用禁止の民事調停を申し立てた。

またこれに対して彦根市は

「契約のとおり、著作権は委員会にある。これは財産権となり永続するものであり、委員会が解散しても
手続きに基づき資産は処分される。彦根市は、委員会に頼まれて権利の行使を代行しているだけ。今回該当する権利行使は
「対価の発生しない当該著作権の認可」のみ。著作権に基づいて、人形などの商品の事案も発生することは必然。
そこには多少のイメージの違いが出てくるのも当然。なので、これだけではキャラ全体の特性を変更したとは言えない。
それに契約の際にデザイン会社はあなたの代理であると意思表示しなかったのだから、あなたはあくまで会社の下請。
よってあなたは委託者(もへろん氏の同族会社)に権利を渡していることになる。」

と反発した。もへろん氏の主張は、法的根拠が全くないとし事実関係を争う答弁書を彦根市市長が自ら提出した。

要するに

もへろん氏「勝手にイメージや設定を変えるな!」
彦根市「丸ごと全部変えたわけじゃないからいいだろ!下請が威張んな!」

と言ったところか。

2007年12月14日に民事調停が成立し上記3ポーズの著作権を実行委員が買いとり、それを商標登録し、市のキャラとしての使用を
続行することとなった。市は3ポーズのイラストのみ業者に使用許可を出すということで、両者は合意した。

こういった事情で、もへろん氏は、絵本に限り創作活動を認められることとなる。その後もへろん氏は和解の際に決まった絵本の他に
ぬいぐるみ等の様々なグッズを販売するために、ひこにゃんの類似のキャラクターを発案し彦根の魅力を独自の手法で伝えて行こうと活動を試みた。

そうして生まれたのが


「ひこねのよいにゃんこ」


また市がこれに対し、2009年7月28日著作権と商標権を侵害しているとしすぐさま市内の業者によいにゃんこグッズ販売の中止を求めた。
もへろん氏も、調停後も市が立体グッズ製作及びその許可をしていることに対して異論が出され、2011年12月24日
大阪地裁は両者が交わした調停に違反すると認定し、また協議が進められることになった。

協議はゆうに1年8か月にも及んだ…。そしてついに12年11月某日、両者は類似キャラクターグッズの販売と製造を禁止、グッズを製造
販売した4業者は解決金として計370万を彦根市に支払い、市は今後ひこにゃん関連の商品やメディアを展開する際には
原案者であるもへろん氏に許可を取る事を条件とし、ようやく和解に至った。

両者の彦根の魅力を伝えようとする熱い思いが、どこからか間違った方向に行ってしまい、不幸にもこのような
5年近くにも及ぶ騒動を引き起こしてしまったのだと思うと、なんだかやりきれない。

この項目に目を通して下さっている読者の方々も「ひこねのよいにゃんこ」というキャラクターを決して軽い気持ちで
パチモンやニセモノ扱いしたりせず、このような複雑な事情が絡み合って生まれたキャラなのだということをどうかご理解願いたい。



これまでの活躍のご褒美でしょうか。

今日アニヲタwikiに
ひこにゃんの項目が作成されました。

自分の項目に大喜びのひこにゃん。

ひこにゃんは
「追記・修正お願いしますにゃん」と
呼びかけていました。


よかったね!ひこにゃん!


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最終更新:2024年01月01日 02:01