さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜

登録日:2009/12/02 Wed 23:22:20
更新日:2024/04/09 Tue 17:14:41
所要時間:約 4 分で読めます




「そうです。彼女が僕の畏敬する天使様なのです」


『さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜』とは、2001年3月2日に発売された18禁アダルトゲーム(エロゲ)。
CRAFTWORK最後にして、史上最強最悪の鬱ゲーであり狂気・電波ゲームである。

キャッチコピーは「言葉・男・狂気・少女・さよなら」で、その名の通り、
「狂信(ファナティック)」=「人間の狂気」
をテーマにした作品。

【概要】

純粋にグロが多いのもあるが、このゲームは人間が不快になるツボを的確に示しており、また次第に現実と妄想が区別出来なくなる様な巧みな演出が成されている。
子供が見たら確実に泣き、普通の人でもかなり不安定になる。

あまりの鬱ストーリーに、
ご注意
  • 現実と虚構の区別が付かない方
  • 生きているのが辛い方
  • 犯罪行為をする予定のある方
  • 何かにすがりたい方
  • 殺人癖のある方
※このソフトには精神的嫌悪感を与える内容が含まれています。
上記に該当する方はご遠慮くださるよう、あらかじめお願い申しあげます。
という注意書きがある。

また、CD本体にはネガティブな単語がびっしりプリントしてあって怖い。

だが、合う人には神ゲー。
評価を点数にすると「0点か100点のどちらか」とまで言われる程極端に分かれる。

ただでさえ生産数が少ない事に加え会社自体が潰れた為に現在では最高レベルのプレミアが付いている。
下手すれば中古でも六桁を行くとまで言われている。
余談だが、発売当初はあまりのイミフぶりとグロさによりクソゲー認定されていた為、ワゴンで¥980~¥1480で投げ売りされていた時期がある。
今では、それがその40倍以上に高騰するまでになったのだから
当時の投げ売り価格でこのゲームを買えた人は幸運と言える。あまりそうは思えないだろうが


エロゲは数在れど、ここまで極端なケースはさよ教以外に見られない。


2011年12月にBD-PG版が販売された。
パッケージやディスクも再現され、書き下ろしのミニポスターつき。
しかしBD作品用の規制で一部のグロシーンが見えないとか。

2016年にはDLsiteでDL版が発売された。現在はこれが一番安価で手軽。
とはいえ、いくら手軽であっても気軽にプレイして良いかどうかはまた別の話。
迂闊に手を出すとマジで痛い目を見かねないので、未プレイ者は心してポチるべし



シナリオ:石埜三千穂/長岡建蔵
原画:長岡建蔵
音楽:さっぽろももこ

主題歌「さよならを教えて -comment te dire adieu-」
作詞:長岡建蔵(原詞)・さっぽろももこ(仏訳)
作曲:さっぽろももこ
編曲: 高瀬一矢(I've)
歌:MELL

【あらすじ】

「今日もまた退屈な実習生の一日が始まる……」
教育実習生として訪れた主人公が黄昏に染まる校舎で様々な少女達と交流するお話。

【登場人物】

  • 人見広介
気弱な教育実習生。

  • 巣鴨睦月(CV:佐々木あかり)
教室にいる女生徒。
天使。

  • 高田望美(CV:天天)
屋上にいる女生徒。
空を飛びたいという自殺願望めいたことを言う。

  • 田町まひる(CV:あさり)
校庭にいる女生徒。
ツインテ妹キャラ。

  • 目黒御幸(CV:紬叶慧)
図書室にいる女生徒。
司書係らしく雑学に詳しい。

  • 上野こより(CV:多田美智)
弓道部室にいる女生徒。
矢と毒舌を向けてくる巨乳。

  • 大森となえ(CV:涼森ちさと)
保険医。
ヘビースモーカー
主人公の相談にもよく乗る。

  • 高島瀬美奈(CV:佐伯ゆりこ)
先輩教諭。


【ネタバレ】

+ 閲覧注意
上記のいかにもエロゲのお約束的な設定は主人公の妄想である。

実は主人公は精神病患者で、校舎と思って徘徊しているのは自身が入院させられている大学病院の精神病棟である。
ヒロインたちも実際には人間ですらなく、カラスや野良猫、ホルマリン漬けの臓器標本などを、主人公が人間と思い込んで話しかけているだけ。
その容姿や人格は、かつて主人公が好意を持っていた少女や主人公自身の精神が反映されたもので、現実には存在しない
「学校が舞台とはいえ校舎の外に出るシーンが一切無い」「主人公達以外の生徒や教職員がモブどころか背景にすら一人も居ない」
「ヒロイン達がいつも同じ場所から動かない」「主人公は何故か上履きではなくスリッパを履いている」といった劇中の不自然な描写の数々はこのため。

本編に登場する本物の人間は、巣鴨睦月、大森となえ、高島瀬美奈のみ
睦月は重度の鬱で入院していた患者だったが、主人公との交流(ただしかみ合っていない)を通じて回復し、エンディング時点では退院している。
色々と相談にのってくれる大森となえは保険医ではなく主人公の主治医であり、主人公が苦手としている高島瀬美奈は主人公の姉である。
大森は主人公に現実を認識させようと、かの有名なスーパーマリオを例にこの状況を説明するのだが、
主人公は「畜生、あの女……! マリオの偉業を否定しやがって!」と暴走し、一番好感度の高いヒロインとくっついてしまう。
その後はヒロインによって展開は違うが、主人公がトラウマや過去を抉られ精神崩壊に近い衝撃を受ける。

ちなみに主人公がここまで精神を病んでいるのは、教師志望だったものの受験に失敗したことや、教師として働いている姉へのコンプレックスが原因なので、
「患者の妄想を適度に流すことなく付き合っている*1」「患者(主人公)のトラウマの一つである姉(瀬美奈)と毎日会わせる」といった大森の行動は、
治療するどころか病状を悪化させるようなものばかりで、主人公の担当医・精神科医としては失格と言えるレベルである*2



平常心でプレイするのはまず困難なゲーム。



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最終更新:2024年04月09日 17:14

*1 強い妄想がある患者に対しては、その妄想に付き合わず適当なところで話題を逸らすのが基本的な対処法とされている

*2 このことは大森本人も自覚しているようだが、自分の行動を改めようとしていないので、もはや悪質である。