ウォルフガング(勇者特急マイトガイン)

登録日:2016/10/02 (日) 17:17:04
更新日:2024/01/09 Tue 15:26:32
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機械が己の存在に疑問を抱くようになったら、
それはもう人間と変わらんのじゃないか?

アニメ『勇者特急マイトガイン』の登場人物。

CV:佐藤正治


人物


ドイツ人の老科学者。自称「地球を代表するロボット工学の権威」。
昭和?年5月3日生まれの牡牛座。身長160cmで体重61kg。血液型はA型。
顔の左部分は手術跡なのか、地肌に比べて色が濃く、長い耳は先が折れ曲がって豚の耳のような形になっている。
ヌーベルトキオシティにある山の中の廃工場をアジトにしている。

世界一のロボットを造る事に情熱を燃やす科学者で、自分の作成したロボットに絶対の自信を持っている。
ロボット工学の権威を自称するだけあってその技術は優れており、雷張ジョーの愛機である飛龍や轟龍を作ったのも彼である。
その技術は、同じく技術者である浜田満彦や大阪次郎をも脱帽させるほど。
しかし超AIの分野は専門外なのか、ガインと対峙した時には「ロボットが喋った!?」と素直に驚いていた。

科学者としての技術は優れているが、それに反してロボットの操縦技術は今ひとつで、優れたロボットを造ってもそれを使いこなす事ができずに、旋風寺舞人にいつもやられてばかりいる。
当初は人に対する接し方に非常に難があり、目的のためなら手段を選ばない悪人として描かれていた。第1話では、電気泥棒をやめるよう吉永サリーに頼まれるものの全く受け入れず、邪魔と感じて攻撃し吹き飛ばして足を負傷させている。
後に大阪と出会い再びサリーにも会い、それらを通じて徐々に心境が変化していく。
心境に変化が生じた後は、一度は裏切られたジョーに陰で協力したり、科学者仲間であった宍戸英二の無念を晴らすために巨悪に挑むなど、根っからの悪人ではない部分も度々見せていた。

意外にも対戦型ゲームの達人であり、作中では街のゲーセンで他のプレイヤー相手に10人抜きを達成していた。


劇中の活躍


第1話『あれが噂のマイトガイン』から登場。
自称最強の戦闘ロボット「ティーゲル5656」を完成させ、これからの研究に必要な電力を奪おうとマブーシ発電所を襲う。
しかしそこに駆けつけたマイトガインにあっさり敗れてしまい、作戦は失敗した。
この事で科学者としてのプライドに傷をつけられた彼はマイトガインへの復讐を誓い、最強のロボットの作成に情熱を燃やすようになる。

「パンツァーCR17」のパイロットを探していた時にジョーと出会い、後に「ソニック(飛龍)」を彼に与える。
飛龍とマイトガインが戦っているところに「メガソニック8823」で割り込んでマイトガインを倒そうとするが、この行動でジョーの逆鱗に触れてしまい、彼に裏切られた挙句マイトガインに倒されてしまう。

この出来事がきっかけでジョーにも復讐心を燃やすようになり、彼の元に賞金稼ぎを送り込んだ事もあったが、徐々に財政難となり、数多くいた部下も僅か3人となってしまう。
そして不用意な発言でその部下にも見放されてしまい、資金を得るために青戸工場の技術者のアルバイトをする事となる(ちなみにこの時に名乗っていた偽名は「織布」)。
そこで大阪やサリーと触れ合ううちに人として大事なものに目覚めていき、ロボットよりも部下のほうが大事であるとの考えを持つようになった。

部下3人も自分の元に戻って来てこれからという時に、彼の技術に目をつけたエグゼブが現れ、部下を人質にとられやむなく彼の仲間となる。
エグゼブの指示で「アトラス(轟龍)」を作成し、それにジョーが乗る事となるが、その裏で密かにエグゼブの事について調べ始める。
その調査の結果、エグゼブが過去に宍戸を利用した挙句に殺害し、舞人の両親をも事故死に見せかけて殺害していた事実を突き止める。
友人だった宍戸を散々利用して殺し、何食わぬ顔で今度は自分を利用しようとしているエグゼブのやり方に激怒したウォルフガングはこの事実をジョーに伝え、宍戸の仇を取るためにエグゼブに一矢報いようと秘密裏に画策する。

エグゼブの周辺を調べていくうちに彼の背後に「ブラックノワール」という巨悪がいる事と、彼らがクリスマスの夜に「クリスマスオペレーション」を展開して世界を制圧しようとしている事を知る。
何とかしてこれを食い止めなければならなかったが、彼らの持つ「魔のオーラ」を無効化しなければ自分やジョーはおろか勇者特急隊ですら勝ち目はなかった。

クリスマスオペレーションが開始された後は、魔のオーラの弱点を解明するべく洗礼ロボの残骸の解析を急ぐ。
そしてオーラが消滅する寸前に「イノセントウェーブ」が測定されていた事を掴み、これが弱点と睨んで急ピッチでイノセントウェーブ増幅装置を完成させる。
増幅装置を大阪の元へ届けるよう部下に命じた後は、囚われの身となったジョーを助けるべく自ら増幅装置を装備してエグゼブの部屋へと乗り込む。
それを使ってブラックノワールにも一泡吹かせ、何とかジョーを救出するも、直後にエグゼブの凶弾に倒れ、足場を踏み外して転落してしまう。
その後は行方不明となってしまうが最終回のエピローグで生きていた事が判明。腕を骨折する大ケガを負ったものの元気な姿を見せ、部下3人組の前に現れて涙の再会を果たした。


なお、大阪もイノセントウェーブが魔のオーラの弱点であることに気付きはしたが、ウォルフガングはその頃には原理を完全に解明済みで、増幅装置まで完成させていた。
更にウォルフガングは青戸のアルバイトのときに工場長である大阪の人柄と技術を知る機会があったため、大阪を信頼に足る人物と判断して装置を託したのであった。
ウォルフガングの卓越した技能と、大阪が持つ工場の設備と人員が連携したことにより、勇者特急隊はブラックノワールを倒すための最も強力な手段を獲得するに至ったと言える。

また、主人公以外が無謀にもラスボスに挑む場合、一般的には敵の能力を軽く見てしまい、奥の手を出されて逆転負けする死亡フラグである。しかしウォルフガングは相手の能力を丁寧に調べ上げ、弱点まで正確に把握した上で綿密な計画を立て、自分のプライドを懸けて命を賭した勝負を挑み、1対1であればブラックノワールに対して終始優勢であった。しかしそれでもトドメを刺せるとは思っておらず、ブラックノワールを怯ませてジョーを救出した後は脱出を試みる、増幅装置を大阪工場長に託す、部下を巻き込まないよう突入計画の前に突き放すなど万が一の事態を想定してしっかりと行動している。
結果的にエグゼブの妨害で逃走に失敗したとはいえ、身体能力は平凡な老人が生身の状態でここまで奮闘し、しまいには死亡フラグまでへし折るのも珍しい。


部下


  • イッヒ、リーベ、ディッヒ
CV:山下啓介、鈴木勝美、川津泰彦
ウォルフガングの大勢いた部下の中で最後まで付き従った3人組。愛すべきバカ達。
ヒゲ面の男がイッヒ、瓶底メガネのようなゴーグルをかけたチビがリーベ、そばかすにモミアゲが特徴のノッポがディッヒ。
途中でウォルフガングの不用意な発言を受けて彼の元を去ってしまうが、3人でマイトガインに挑み敗れた後で再びウォルフガングの元へと戻った。
ウォルフガングの元を離れていた時には靴磨きの仕事をしていたが、実際やっていたのは恐喝であった(これでも彼らにとっては堅実で地道な行き方らしい)。
これで得たお金を、一度は見放したウォルフガングのロボット開発の資金に宛てようとしていたとてもいい子(?)たち。
名前の由来はドイツ語の「愛してます」。
ちなみにモブの部下はディッヒとほぼ同じ姿をしている。


関係者


凄腕のパイロットで通称「エースのジョー」。
ウォルフガングに街でスカウトされてパンツァーCR17や飛龍に乗り込み、マイトガインを倒そうとしたが、後に裏切り飛龍を持ち逃げしてしまう。
この事に怒ったウォルフガングは彼に賞金をかけて抹殺しようとしたが、後にエグゼブという共通の敵が出来ると次第に彼を援助するようになる。
終盤に差し掛かる頃には腐れ縁のような関係となっており、ピンチに陥った際にはウォルフガングに度々救われていた。

資金難と残った部下に逃げられ、たまたま見た求人誌から旋風時重工青戸工場でバイトしていたウォルフガングに無償で弁当を差し入れる。
この時、25円しか持っていなかった彼はサリーの優しさに心打たれ、(ここで働いた金で再び悪事を企てようとするワシには、あの子の笑顔が眩しすぎる。しかし、額に汗して働くこともまんざら悪くないかもしれん……)と一時は悪事から足を洗おうと考えた。

  • 大阪次郎
ウォルフガングが一時バイトしていた旋風時重工青戸工場の工場長。
はじめて彼が作り上げたネオ箱根登山用列車『あしか』のさよなら運転前の点検する様、ウォルフガングにかつて会社を辞めた旧友・伴の面影を見る。
シュタルク4126が襲撃した際、ウォルフガングは彼と共に『あしか』に同乗し共に人々を避難させるが、「壊れたらまた直せばいい。だが、人はそういうわけにはいかないからな」という言葉*1を受け、3人組の身を案じ無言で大阪の元を去った。

  • 抜き打ちのチェルネンコ
CV:星野充昭
ジョーの替わりにパンツァーCR17を操縦するはずだったパイロット。
パイロット選別の際に完膚なきまでにやられた恨みからジョーを毛嫌いするが、ウォルフガングの命令で渋々コンビを組む。
相手を始末するためなら無関係の人物を人質にとるなど卑怯な性格。

  • 死神ワイルダー
CV:笹岡繁蔵
ジョーの抹殺を依頼された賞金稼ぎ
アメリカにジョーがいると踏み、バーテンなどに変装してチャンスをうかがっていた。
搭乗機はメキシコのガンマン風ロボット「デスファイヤー」。

  • ユリウス
CV:結城比呂
100年ほど前に活躍していた幻の暗殺者。
正体は脅威の科学者チャペックが作り出した人造人間で、人類の夢である永遠の命を持っている。動力源は真空管。
しかし彼にとってそれは決して喜ばしい事ではなく、100年以上も暗殺者の十字架を背負って生きている己の存在に対して疑問を抱いている。
ウォルフガングに拾われて舞人暗殺の契約を交わすが、その時に彼から記事冒頭の台詞を言われた事で自分の中にも人の心がある事に気づく。
そして舞人暗殺に失敗した後は、いつか人間になれると夢見て当てのない旅へ出た。
最終回のエピローグでも登場し、舞人とサリーの結婚を祝っていた。


メカニック

彼が開発するロボットは名前にドイツ語や数字が入る事が多い。
ワンオフ機が中心となる他の勢力と比べ、プロトタイプを経て完成した発展型の機体も多く、
事前にマイトガインの性能や必殺技を調べて対策を講じたりもするので侮れない。
※ジョーが搭乗した機体は、ジョーの項目を参照。

●ティーゲル5656
雷様をモチーフにした戦闘ロボット。
動力は電気で、体内に大量の電気を蓄積できるようになっている。
武器は口からの火炎放射と胸部のマイクロミサイルで、意外にも電気を使った攻撃は行わなかった。
前作、前々作で登場した敵側のロボットやメカ獣では毎回定番装備だった「緊急脱出装置」が搭載されておらず、
縦一文字斬りを受けて敗北が確定した際には爆発前に部下を連れて自力で逃げ出して脱出せざるを得なかった。

●調査ロボット
マイトガインのパワーや技を解析するために造ったロボット。
戦闘力はほぼ皆無。

●メガソニック8823
飛龍の更に上をいく性能を誇るロボット。飛龍と違い変形機能はない。
カラーリングは紫で、頭部が日本の鎧兜のようになっている。
高性能の戦闘ロボだが、乗っていたウォルフガングの操縦技術がその性能に追いつかなかったため、飛龍相手にも苦戦していた。
武器は両肩や腰から発射するミサイルビームライフル(後のヒリュウブレイザー)。

●マルス1133
ブリキのロボットおもちゃのような姿をした戦闘ロボ。
切り札は両手を使った「動輪剣白刃取り」だが、両手の強度が貧弱だったため、受け止められずにそのまま一刀両断された。

●シュタルク4126
マルス1133の要素を受け継いだ機体。しかし以前よりかなりカッコよくなった。
マルス1133より装甲が厚くなり、頭部にビーム砲を装備している。
切り札はマルス1133と同様に「動輪剣白刃取り」で、今度はパワーアップした両手でしっかり受け止めて縦一文字斬りを封じた。
その後十文字斬りにやられたけどね。

●D9-B
●D9-B2
勇者特急隊のデータを取るべく作成された調査ロボット。
やはり戦闘力は高くない。

●クールミント3636
データ収集に使っていたトレーラーが変形したロボット。
ステルス性能に特化したロボで、あらゆるセンサーを無効化し、暗闇に紛れてマイトガインを痛めつけた。

●クラッベ4545
カニ型ロボット。
マイトガインと飛龍を誘い出すために街で暴れていた。

●ドライツェン1313
ジョーの手を借りず、自分の手でマイトガインを倒そうとして開発した最後のロボット。
「科学者としての力を借りているだけであって、パイロットとして仲間に入れたわけではない」というエグゼブの言葉に逆らい、この機体に乗って街中で暴れ、戦闘中にユリウスに舞人を暗殺させようとした。

●アトラスMk-Ⅱ
TR社に引き込まれて渋々開発したロボット。
轟龍の発展量産型。名前はおそらくエグゼブがつけた。
後にブラックノワールの洗礼を受けたチート強化形態Y(イプシロン) も登場する。

●Z(ツェット)
アトラスMk-Ⅱと同じくTR社で開発したロボットだが、完成直後にブラックノワールによる洗礼を受けてZになった。

ゲーム作品において

スーパーロボット大戦シリーズ』には『V』から参戦。
本作では火星に行った際に究極戦車ニーベルゲンを回収しており、それが縁で後にコロスからブラックノワールを打倒するための切り札を託される。
また破嵐万丈とも因縁が生まれる事に。
本作ではティーゲル5656やメガソニック8823の他に、原作では搭乗しなかったシュタルク4126にも乗り込んで戦いを挑んでくる。

X』ではパープルが率いる「ブラックダイヤモンド連合」に他の犯罪者たちと渋々加入する。
また今回では原作でも少しだけ触れられていた大阪との関係についても取り上げられている。
ボーナスシナリオではブラックダイヤモンド連合を脱退した他の犯罪者たちと同様に味方として使用する事が可能。UCガンダム勢であるラカン・ダカランやヤザン・ゲーブルとも共闘する。
パープルが倒された後は、他の犯罪者や部下と共に青戸工場に就職する。

T』では、何と初登場時はゾンダーと化している。
理由は、とある組織に依頼されたDG細胞の研究成果を奪われたため。
その後はUMDに雇われるが離反し、「裏の10大頭脳」を名乗ってT3に協力する。


「見ておれ、次こそは追記・修正してやる!」

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最終更新:2024年01月09日 15:26

*1 この言葉は伴がスピード重視するあまり乗客を顧みない上層部と対立する際の言葉。正確には「壊れた機械は直せますが、人の命に代わるものはないんです!!」。