魔法少女育成計画

登録日:2016/09/26 Mon 18:30:00
更新日:2024/02/27 Tue 18:24:32
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あ な た は 本 物 の 魔 法 少 女 に 選 ば れ ま し た

魔法少女育成計画とは、このライトノベルがすごい!文庫(長いので以下「このラノ文庫」)から発売されている作:遠藤浅蜊、絵:マルイノのライトノベル小説「魔法少女育成計画シリーズ(通称まほいくシリーズ)」の第1作目である。
ファンからの呼称は「無印」「初代」等。

概要

2012年6月発売。
「16人の魔法少女による生き残り合戦」をテーマにしたサバイバルアクション小説である。
まどマギのフォロワーかと思いきや話の作りやバトル描写はバジリスクに近く、文章も山田風太郎っぽい淡々とした形で描かれる。
このラノ文庫最大のヒット作になったようで文庫本は一時期品薄が続いたが、アニメ化発表後の現在は普通に買える。
2014年に四六版の「特別編集版」が発売された。こちらは大判になったついでに表紙等描き下ろしのイラスト、本作と2巻以降を結ぶ後日談の中編「スノーホワイト育成計画」と本作の間に起きた短編「女騎士の孤独な戦い」を新たに収録している。
一応後に2作ともそれぞれ別の短編集に再録されたが、今から買うなら特別編集版の方をオススメする。
2014年には漫画化、さらに2015年9月にはアニメ化されることが発表された。2016年10月から12月にかけて放送。
監督は『ご注文はうさぎですか?』の橋本裕之。制作は『がっこうぐらし!』のLerche。

あらすじ

N市で流行しているソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」にはプレイヤーの数万人に一人を本物の魔法少女にする力があった。
魔法少女になったプレイヤー達はそれぞれその力で人助けなどをしていたが、16人目の魔法少女が生まれた直後運営から「魔法少女は増えすぎた。これから8人になるまで毎週1人魔法少女をやめてもらう」と一方的に告知されてしまう。
最初は魔法少女が人助けをする際に貰える「マジカルキャンディー」の数を競い合って脱落者を決めていくものだったが、やがてキャンディの奪い合いを経て最終的には魔法少女同士の殺し合いという最悪の殺人ゲームへと発展してしまう…。

登場人物

16人の魔法少女

ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」のプレイヤーから選ばれた魔法少女たち。
魔法少女としての才能、人格等を考慮して運営によって選ばれる。なので「本物の魔法少女になれる」と聴いて嫌がるタイプの人はそもそも選ばれない。
魔法少女になると常人を遥かに超える身体能力、可憐な容姿(ソシャゲのアバターを元に作られる)、専用の魔法の端末、固有の魔法を1つ(どんな魔法かは端末に記載されている)が与えられる。
なお、魔法少女の資格を剥奪されると、人間としての自分も死ぬ。

※声優が2人書かれている場合はアニメ版 / ドラマCD。
  • スノーホワイト
声:東山奈央 / 種崎敦美
本名:姫河小雪 中学2年生
本作の主人公。他の友人達が成長して魔法少女アニメを卒業していくなか、魔法少女への憧れを捨てずに成長し続けた中学二年生。
変身後は白い学生服風のコスチューム。幼少期に小雪が描いた「魔法少女になった自分」の絵そのままの姿。
魔法:困っている人の心の声が聞こえるよ
周囲に困っている人がいる場合、その心の声を聞くことが出来る。スノーホワイトの体調や困っている人の困り具合によって可聴範囲や聞こえ方が変わる。
キャンディ集めに最も適した能力であり、参加して早々獲得量がダントツとなった。

  • ラ・ピュセル
声:佐倉綾音 / 田所あずさ
本名:岸辺颯太 中学2年生
魔法少女になったばかりのスノーホワイトの指導役を買って出た女騎士風の魔法少女。
何故か初対面のスノーホワイトの正体を知っているが…?
実は小雪の幼馴染の少年で、数少ない「変身前が男性」の魔法少女。思春期だからちょっと興味があるのはご勘弁。
魔法:剣の大きさを自由に変えられるよ
固有アイテムである剣の大きさを変えることが出来る。手に持てる大きさが限度。持てさえすれば剣というカテゴリから逸脱するほどのサイズでも可。
剣を視界におさめてさえいれば剣から手を離していても魔法を発動可能。

  • リップル
声:沼倉愛美
本名:細波華乃(さざなみ かの)
わけあって一人暮らしをしている高校2年生。切れるとグーでぶん殴ってくる武闘派。なんだかんだでトップスピードと行動を共にする。
喧嘩っ早い性格で、何かと舌打ちをする癖がある。
アバターは忍者風のコスチュームで手裏剣、クナイ、忍者刀等を標準装備。
魔法:手裏剣を投げれば百発百中だよ
投げたものを狙った目標に命中させる。途中に邪魔さえなければ目標と全く逆方向に投げても目標に向かって飛んでいく。実は手裏剣でなくても投擲できればなんでもいい。

  • トップスピード
声:内山夕実
本名:室田つばめ 19歳・主婦
ホウキに乗った魔女っ子。おせっかい焼きで声がデカく一人称は「俺」。
指導役になってから何かとリップルの世話を焼く。料理がうまい。
魔法:猛スピードで空を飛ぶ魔法の箒を使うよ
固有アイテムとして空を飛ぶ魔法のホウキ「ラピッドスワロー」を持つ。定員2名だが、重量制限はそれなりにある様子。
最高速度は現代の戦闘機を凌駕するほどだが、その状態で通常の物体に衝突しても壊れることはない。

  • カラミティ・メアリ
声:井上喜久子
本名:山元奈緒子 39歳・主婦
西部劇のガンマン風の魔法少女。N市の非合法組織に雇われて彼らのために「人助け」をしてお金を稼ぐ魔法少女。命が係わる案件が多いため、意外とキャンディの獲得量が多い。
縄張り意識が強く、自分のシマに勝手に入った魔法少女に襲いかかったりする。
魔法:持ってる武器をパワーアップできるよ
自身が手にしたあらゆる武器の性能を向上させる。通常の銃器では魔法少女に傷をつけることも出来ない(反射神経を強化されているので発射を見てから回避することすら可能)が、彼女が手にすることで魔法少女に通用する武器に変わる。
メアリ本人がその武器を手放しても魔法の効果は半永久的に持続する。

  • ねむりん
声:花守ゆみり / 黒沢ともよ
本名:三条合歓(さんじょう ねむ) 24歳・家事手伝い
パジャマ姿の魔法少女。働くことが苦手なニート気質で、自身の能力で夢の中でばかり活動している。
魔法:他人の夢の中に入ることができるよ
全ての人間が見ている夢に繋がっている「夢の世界」で自由に行動ができる。
ねむりんが現実世界であったことがあるものの夢には自由に行き来可能。夢の中では絶対的な力を持ち、あらゆることを行える。
また夢の中でねむりんが起こした出来事は部分的に現実にフィードバックされる。
夢で活躍することで得たキャンディは現実に反映されないため、獲得量はぶっちぎりのビリ。
死の間際に彼女が「とある人物」の夢に干渉した事が、結果的にバトルロワイヤルの行く末に大きな影響を与えた。

  • ルーラ
声:日笠陽子
本名:木王早苗 社会人
お姫様風の魔法少女。
N市の廃寺を拠点とし、複数の魔法少女を従えリーダーとして君臨する。
魔法少女なりたての頃にカラミティ・メアリに敗北したことがあり、その復讐のために部下を集めたという経緯がある。それにあたって、自分に忠実に従うような相手を選択している。
面倒見はよいが仕切りたがりな性格で自分が不都合を被ることを率先して避けるため、部下達からの人望は薄い。
魔法:目の前の相手になんでも命令できるよ
相手にどんな命令でも実行させる。
「王笏を向けポーズをとる」「命令をしている間はそのポーズをとり続ける」
「ルーラの名の下に命じなければならない」「相手との距離は最長で5メートル」「相手が言葉が聞こえる状況、通じる相手でなければいけない」
などの条件をクリアする必要がある。命令を実行し終わるか、条件を満たさなくなった時点で魔法が解除される。

  • ミナエル
声:松田利冴
本名:天里美奈 大学生
天使姿の魔法少女。羽が生えており実際に飛行も行える。翼は二人とも片方しかない。
ルーラチームに所属。妹のユナエルとピーキーエンジェルズを名乗る。
ルーラの前では文句を言わず従っているがルーラに対しては不満だらけ。
姉妹共々享楽的かつやや人間性を欠いた言動が目立ち、特にミナエルは妹を失った後それがより顕著に。
魔法:生き物以外の好きなものに変身できるよ
生き物以外のあらゆる物体に変身できる。大きさ・重さ・材質も変化可能。
但し変身した物の耐久力はミナエル自身以上にはならず、ミナエル自身が構造を理解していない複雑な機械等にも変身できない。

  • ユナエル
声:松田颯水
本名:天里優奈 大学生
ルーラチームに所属する天使姿の魔法少女。双子の姉のミナエルとピーキーエンジェルズを名乗る。
「お姉ちゃんマジクール」が口癖。
余談だがピーキーエンジェルズを演じる声優2人は実際に双子であり、本作以外でもその手の役柄で共演する機会が多い。
魔法:好きな生き物に変身できるよ
大きさ問わずあらゆる生物に変身できる。但し変身したモデルの身体能力や特殊能力までは真似出来ない。鳥に化けて飛行する程度のことは可能。

  • たま
声:西明日香
本名:犬吠埼珠 中学生
ルーラチームの犬っ娘魔法少女。気が弱く、強く出られると逆らえない。
鈍いせいで周囲から阻害されていたためルーラチームで仲間が出来て喜んでいる。
魔法:いろんなものに素早く穴を開けられるよ
地面をほんの少し引っ掻いたキズでも瞬時に直径1メートル、奥行き5メートルの穴に広げることができる。
たまが全く傷つけることが出来ないものには穴を開けられない。

  • スイムスイム
声:水瀬いのり
本名:坂凪綾名 7歳・小学1年生
ルーラチームの白スク水巨乳魔法少女。ルーラに憧れ、尊敬し、忠誠を誓い、教えられたことを全て忠実に守る。
基本無口だが物覚えがとても良く頭も回る。
中盤からたまがファヴから購入した薙刀を装備し「ルーラ」と命名。それが実はファヴの故郷「魔法の国」の製品だった事が、最後に思わぬ形で明かされる事になる。
魔法:どんなものにも水みたいに潜れるよ
あらゆるもの(固体)を泳ぐようにすり抜けられる。地面や壁に潜ることもでき、殴ったり切られたりといった攻撃もすり抜ける。
ただし自分自身の存在を認識するための「光」と「音」といった現象のみ透過不可で、それが事実上唯一の弱点。
誰が呼んだかタイガタイガ

  • マジカロイド44
声:新井里美
本名:安藤真琴 16歳・フリーター
魔法少女というよりはロボット。腰にウェポンラック、各所に姿勢制御用小型ブースターを持つ。
やりたくない事はしないで楽に暮らす事がポリシーで、かといって自分の変身時の姿や魔法の効力は微妙に人助けや生計に生かしづらいので、短編では恋の悩みを相談してきたシスターナナに適当なことを言って便利道具を売りつけて金を稼いでいた。
が、ヴェス・ウィンタープリズンが道具によって魔法少女に覚醒した事であえなく商売は終わりを告げた
ちなみに、魔法少女育成計画は知人の女性から頼まれて代理でレベル上げをやっていただけであり、キャラデザインはその知人が決めたもの。
魔法:未来の便利な道具を毎日一つ使えるよ
四億四千四百四十四万四千四百四十四個ある「未来の便利な道具」を毎日一つランダムに取り出すことが出来る。
但し出した道具はその日限りで消滅する上、「昆虫雌雄判別機」など全く使えない物が出てくることもある。
公式グッズとの連動特典短編「マジカルショッピング」では「対ボス戦専用マジックアイテム作成キット」で作った「一日たっても壊れない魔法道具」をラ・ピュセルにセールスして微妙な性能から失敗したが、実は道具の効用自体は「本作後の作品も含む極一部の厄介な魔法少女」に対して有用な代物。そんな所で未来に生きなくても…。

  • 森の音楽家クラムベリー
声:緒方恵美
本名:蔵野苺(朗読劇『森の音楽家クラムベリー外伝 魔法少女育成計画 UNRIPE DUET』より。本作内では不明)魔法少女になった時は9歳。
花に包まれたエルフの音楽家姿の魔法少女。
カラミティ・メアリと並ぶベテラン魔法少女で、魔法少女専用チャットではいつも無言でバイオリンを演奏している。
あの緒方恵美が魔法少女を演じるというまさかのキャスティングで、CVが発表された日にはyahoo!ニュースに記事が掲載された。
実は武闘派を超えて戦闘狂であり、強い奴を殺したいと思っている危険人物。
そもそも現実で活動していないねむりんと途中参加者のハードゴア・アリスを除き、N市内で目撃情報の類が見られないが……?
魔法:音を自由自在に操ることができるよ
あらゆる音を自由に再現できる。高周波振動破砕なども可能。魔法の特性で本人の聴覚がとても鋭い。

  • ヴェス・ウィンタープリズン
声:小林ゆう
本名:亜柊雫 大学生
男性と見まごう端正な顔立ちと服装、長いマフラーが特徴。
戦闘センスが非常に高い。シスターナナと恋人同士でダダ甘過ぎて周囲が引くくらい彼女を守り、肯定することを生きがいとしている。
マジカロイド44がくれたアイテムによって資質が認められた、という経緯を持つ。
魔法:何もないところに壁を作り出せるよ
好きなところに瞬時に厚さ30cmの壁を生やせる。壁の材質はその場所の地形に依存するが、魔法で強度が上がっている。
大量に生成することができ、檻のように囲むことが可能。性質上、空中戦での相性が悪い。

  • シスターナナ
声:早見沙織
本名:羽二重菜々 大学生
その名の通り修道女姿のベテラン魔法少女。ウィンタープリズンは彼女にとって理想の王子様。
魔法少女同士で助け合おうと呼びかける博愛主義者でそのせいでトラブルに遭うことも多いが、その都度ウィンタープリズンに守ってもらっている。
一方その博愛主義は理想だけでその中身を伴っていない側面もあり、リップルからはその人間性を早い段階で看破されている。
ちなみに、変身前は微妙にぽっちゃりしているが、ウィンタープリズンはそこも含めて溺愛している模様
魔法:好きな人の力をめいっぱい引き出せるよ
近くにいる誰か一人の身体能力を格段に向上させるが、自分自身には使うことが出来ない。

  • ハードゴア・アリス
声:日高里菜
本名:鳩田亜子 中学一年生
黒いエプロンドレス姿で目には隈がある。N市で16番目となる魔法少女。
無表情で言葉も少ない。ついでに挙動が不気味。何やら白い魔法少女=スノーホワイトを探している。
魔法:どんなケガをしてもすぐに治るよ
非常に強力な自己再生能力を持つ。
普通のケガはもちろん、致命傷や身体を分断されるようなケガ…というかミンチ状態でも少しずつ再生する。再生中でも活動が可能だが、ある程度再生しないと無防備になる。
コンクリ詰めにされて沈められても復活するという、殺し合いルールにおいては反則としか言えない能力を持つ。
なお、当然ながらこの再生能力は「魔法少女としての魔法」であるため、非変身時には行使できない。

その他の人物

  • ファヴ
声:間宮くるみ
ソシャゲの「魔法少女育成計画」のマスコットキャラクター。
電脳妖精タイプで実体を持たず、魔法の端末経由で魔法少女達にアドバイスを送ったり話し相手になったりする。
語尾に「ぽん」をつけて話す。「N市の魔法少女は増えすぎたぽん」と魔法少女削減を一方的に告知する。
また中盤では買う魔法少女の寿命と引き換えに武器や薬等便利アイテムの販売を開始している。

メディアミックス

漫画

1巻の内容が月刊コンプエースで2014年11月号から2015年12月号まで連載された。作画は江戸屋ぽち。全2巻。
尺の関係かいきなりキャンディ争奪戦からスタートしたり、一部キャラの身の上の描写がカットされたりなどしているが、大まかな部分は忠実にコミカライズされており、戦闘シーンについては特に評価が高い。
小説の挿絵では登場しなかった魔法少女の変身前の姿などが描かれており、このために原作挿絵のマルイノ氏が新たに変身前のデザインを起こしたものもある。

テレビアニメ

2016年10月から12月にかけてAT-X・TOKYO MX・BS11などで放送された。
原作1巻だけでは1クールの尺に足りないため、後の短編集等で描かれたエピソードを取り入れる形で映像化している。
BD・DVDは各巻3話収録の全4巻と、1クールアニメには珍しい形式となっている。


固有魔法:アニヲタwikiの項目に追記・修正できるよ

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最終更新:2024年02月27日 18:24