邪命体エヴォリアン

登録日:2016/09/23 Fri 03:29:00
更新日:2024/02/14 Wed 02:07:16
所要時間:約 14 分で読めます





お言葉を頂きます...邪命神デズモゾーリャ様...

アナザーアースを意のままにせよ 征服せよ



邪命体エヴォリアンとは、『爆竜戦隊アバレンジャー』に登場する悪の組織。
書籍によっては「侵略の園エヴォリアン」と表記されることも。


【概要】

6,500万年前、地球に衝突した巨大な隕石に付着していた邪悪な生命体を発端とした組織。
この隕石に付着していた生命体こそが首領「邪命神デズモゾーリャ」。
デズモゾーリャはダイノアースで眷属となる邪悪な生命体「邪命体」を生み出して大軍団を結成。
ダイノアースを砂漠化して滅ぼした後、アナザーアース(地球)に侵攻を開始し、アバレンジャーとの戦いは切って落とされた。

同時に、この隕石こそがアナザーアースとダイノアースという2つの平行世界を発生させる原因になった。
いわばデズモゾーリャこそがアバレンジャーの世界観や各種設定を造り上げた元凶とも言える。

幹部陣は「使徒」と呼ばれるデズモゾーリャに仕える神官のような面々で構成されている。
……が純粋な戦闘要員がなんと2人(なお1人は放送2話目で退場)と、非常に少ない。
後述するように、よりにもよってアナザーアースの人間に組織を乗っ取られたりうっかりミスで侵略する以前に存在そのものが消えかけるなど、
単純な組織の規模としては歴代の悪の組織の中でも最弱クラスに貧弱な代わりに、怪人自体はその気になれば無尽蔵に量産できるなど、部分的には非常に強力な部分も備えており、全体的にパワーバランスが歪。

またアバレンジャー達はエヴォリアンの首領の存在や組織の目的に至るまで知識がほぼ無かったりと、
歴代戦隊の敵組織と比べても秘匿性が高いのも特徴。

基本的に組織としての行動方針は「アナザーアースの侵略」「主であるデズモゾーリャの復活」の2点。
所謂ステレオタイプな侵略者であるが、他の戦隊敵役との違いとして、
邪命体が人間に成りすまして人間界に潜り込み、数か月単位、或いは1年もの時間を掛けて侵略の作戦を遂行する*1など、
ジワジワと計画を進め、作戦を実行することが多いのがエヴォリアンの特徴と言える。

主な戦力は等身大邪命体「トリノイドと、巨大邪命体「ギガノイド」の2種類。
どれも使徒であるミケラとヴォッファが製作を担当する。
ただし邪命体の創造を担当する幹部が揃いも揃って芸術家なのもあって、邪命体を生み出すペースは非常に不安定でバラつきがある。
両者共に拘りも激しく、時にはスランプに陥ったり、ミケラとヴォッファのモチベーションが下がれば怪人製作が滞る場合もある。
……といっても、お手軽に巨大戦力や等身大戦力を生み出せるという点ではかなり厄介と言えよう。

根拠地は砂漠化し滅亡したダイノアースに建造された、奇怪な彫刻のような巨大な城「侵略の園」。


【構成員】

首領


2つの我が1つになる時、新たなる進化の時……!

声:佐藤正治

6,500万年前、地球に衝突しアナザーアースとダイノアースを発生させる原因となった巨大隕石に付着していた生命体が成長して生まれたエヴォリアンの創造神。
ただし、劇中では肉体が存在しない思念だけの存在である為、普段は使徒であるリジェに憑依している。
神託のように彼女の肉体を通じて使徒に命令を下したり、失敗した使徒に制裁を下す。
アバレンジャー側はデズモゾーリャの存在は全く知らなかったようで、物語終盤で漸くその存在を把握する事になった。

実は隕石が衝突した時の影響で魂が二つに分かれてしまっており、
アナザーアースとダイノアースにそれぞれ自分の魂「邪命因子」が存在してしまっているのが特徴。
デズモゾーリャの邪命因子は自己保存の本能を持ち、寄生した者に圧倒的な能力と才能、不死身の力を与えながら宿主を転々として、アナザーアースの歴史に様々な影響や混乱を及ぼしていた。
完全体の見た目のイメージはアメーバなどの単細胞生物とクラゲが混ざったような奇怪な生命体。
詳しくは個別項目を参照。


10年後には別の巨悪を創造する根源となった。


使徒

デズモゾーリャに従う所謂幹部集団。
基本一癖二癖もある奇人やイロモノが多い。

これも、これも、これも!美しくないんだなぁ、アナザーアースの物は……。

フフフ、教えてやらなきゃねぇ……。最高の「芸術作品」というものを。

声:緒方文興

本名「ミケラ・フォン・エンガキン・メッタ・クッタ・デーモスゴーリャ」
デズモゾーリャに仕えるエヴォリアン最古参の使徒の一人。
生命の実と特殊なエキスを配合した3色の絵の具を使って、手に持つ筆状の杖で絵を描くように、動物、植物、無生物の三つの要素を合成し、等身大怪人の合成生物「トリノイド」を創造する能力を持つ。

使徒という名を冠しているが、とぼけたマイペースな性格で非常に俗っぽい為神官としての威厳はゼロ。
しかし狡猾でえげつない策も考案する策略家としての顔も持つ。
創作意欲や作品のアイデアは旺盛で仕事も早く、ヴォッファと異なりスランプに陥ることは少な目。
詳しくは個別項目を参照。

名前の由来はイタリアの彫刻家である「ミケランジェロ」から。
デザインは騙し絵をイメージしており、顔は三つの鼻と口の輪郭で構成されているのが特徴。



「トリノイド」等という中途半端な物を繰り出すから、アバレスーツのアナザーアース人が出てくるのだ!

俺は始めから、スケールデカく行くぞぉ!

声:宇垣秀成

ミケラと共にデズモゾーリャに仕えるエヴォリアン最古参の使徒の一人。
自身がキーボードで奏でた音楽と生命の実を融合させて、最初から巨大な肉体を持つ侵略生物「ギガノイド」を創造する能力を持つ。

自らを「天才」と豪語する自信家だが、性格はミケラ同様マイペースで非常に俗っぽい。
「壮大な作品を作る」という芸術家としての拘りが強いためスランプに陥りやすく、おまけに好不調の波が激しいこともあり製作速度には難がある。
詳しくは個別項目を参照。

名前の由来はドイツの音楽家である「バッハ」から。
デザインモチーフはアメーバやミジンコなどの原始的な生物。服に音楽の意匠があしらわれている。


今日はこの子なんだ!頑張ってねっ!チュッ♡

演:鈴木かすみ/小川摩起

可愛らしい少女の姿をした使徒。
普段はカプセルの中で眠っているが、
憑依しているデズモゾーリャが使徒に命令を下す際に目覚め、デズモゾーリャを意思を伝える巫女の役割を持つ。
詳しくは個別項目を参照。


  • 破壊の使徒ジャンヌ
あの鎧を私が着こなすまで、命は長らえさせてあげるわ!

演:桜井映里

エヴォリアンの使徒の1人で、使徒の中では数少ない(というか唯一の)純粋な戦闘要員。
赤いボンテージめいた皮の衣装を着て剣を自在に操る、気丈で男勝りな性格。
「力」に執着し、より強い力を求めて爆竜や暗黒の鎧を求めアスカと因縁を深めていく。

その正体はアスカの恋人の竜人で、反エヴォリアン・レジスタンスの戦士「マホロ」
ダイノアースで劣勢に立たされ、アスカや兄・ミズホとともに敵陣突入を図るが作戦は失敗。
その際デズモゾーリャに幻影を見せられてアスカが裏切ったと思い込まされ、そのまま兄と共にエヴォリアンに下ることになった。
所謂悪堕ちである。

名前の由来はジャンヌ・ダルクから。


  • 暗黒の使徒ガイルトン
裏切り者には死あるのみだ!

声:加々美正史

暗黒の鎧」を身に纏った使徒。
アナザーアース侵攻の一番手を務めた。
移動要塞アノマロガリスに乗り、洗脳した3体の爆竜(ティラノ・トリケラ・プテラ)を率いてアナザーアースへ侵攻するも、
洗脳した爆竜達を奪われ、アスカが見出したアバレンジャー達の前に敗れたことでボロボロになりながら撤退するも、
逃げ帰った侵略の園でそのままジャンヌに処断され、放送開始2話目で退場した。
正直幹部と思えないくらい出番が少なく扱いも不遇*2。しかし彼が纏っている鎧は作中を通じて登場するキーアイテムである。
本人よりも鎧の方が目立っているとか言わない。

その正体は、デズモゾーリャに洗脳されたマホロ(ジャンヌ)の兄・ミズホ。
後に第49話で上記の末路は「ミズホ自身の命が尽きかけていた事と、暗黒の鎧をマホロに受け継がせる為」であった事がマホロの回想で明かされている。

名前の由来はアイルトン・セナ。


配下

ミケラとヴォッファが創造する2種類の怪物達。
2人が芸術家ということから、創造された邪命体達は皆「芸術作品」として位置づけられている。
そのためミケラとヴォッファがスランプに陥ると途端に怪物の制作スピードが低下する。

トリノイド


さあ、生命をあげよう……

今週の怪人員枠その1。
ミケラが地球上にある3種の物質を融合させ造り出す怪人タイプの等身大邪命体。
生物でありながらメカの機能を備え、マシンの強さを持ちながら生物の柔軟さを有する合成生物。
……なのだが、中には「電波」や「神隠し」、「釣りバカ」といった何をどう混ぜたのか分からない要素を持つ奴もチラホラ。
トリノイドは死ぬと、核となっている生命の実が天空に舞い上がり、舞い上がった実がジャメーバ菌を含んだ雨を降らせることで再生・巨大化を果たす性質を持つ。
詳しくは個別項目を参照。


≪ヘキサノイド≫

映画『爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』に登場した「ハナビキニキビーナス」の1体のみ。
ミケラが6つのモチーフ*3を融合させた、トリノイドの強化型。
……という触れ込みで製作され、実際戦闘力も高かったが、モチーフを合成しすぎた代償か、巨大化能力も失われてしまった。
6種類の内訳は「動物1+植物1+無生物4」という謎のバランス。


ギガノイド


来た…来た来た来たぁ!今度こそ、傑作ができそうだ!

今週の怪人員枠その2。
ヴォッファが造り出す怪獣タイプの巨大邪命体。
一部を除き言葉は喋らず、大規模な破壊活動や、爆竜に対抗するために生み出される。
ヴォッファの拘り故トリノイドと比べ数は少なく力押しで計画を進める事が多いが、その分トリノイドを凌駕する「スケールのデカい」能力を持つ。
詳しくは個別項目を参照。


その他戦力

  • バーミア兵
「ジャメ!ジャメジャメ!」

今作の戦闘員枠。
アメーバを人間大に急成長させて造りだした邪命体。
邪命体の中では最下級に属する下級兵士で、「ゾルル(白)」「ゲルル(黒)」の2種類がいる。
武器はボディブレードのような波打つスティックの様な武器。
EDでは一糸乱れぬ軽快なダンスを見せてくれる。


  • 要塞生命体アノマロガリス
UFOのような空飛ぶ巨大邪命体。
戦艦の一種だが周囲の物質を吸収し着陸することで、生きた要塞へと成長する性質を持つ文字通りエヴォリアンの生きた拠点。
地上への攻撃や人員・兵器移送の他、怪光線で周囲を砂漠化する事が可能。
ダイノアースを蹂躙し滅ぼしたのもこの砂漠化光線による所が大きい。
生命体なので後継の2号機は「アノマロガリス Ⅱ世」と呼ばれ、打倒アスカに燃えるジャンヌが操縦する。
さらに最終決戦では大量の量産型が出現。アナザーアースを砂漠の地に変える「魔の二百日」を実行しようとした。


  • 暴走連結生命体バルギゲニア
暴走連結、ハルマキマニア~?

バ・ル・ギ・ゲ・ニ・アだぁ!この1ヶ月の苦労が、今、実を結ぶ…!!

アナザーアースへの強制取材旅行の際に目撃した「電車」にインスピレーションを得たヴォッファが、1ヶ月の時間をかけて造り出した巨大邪命体。
知能は低いがその分戦闘力にスペックを極振りした怪物で、連結部分を切り離して飛行し攻撃も行う。
巨大な無数のタイヤで地面を踏み荒して疾走し、地中さえも潜行できるハイスペック生物。


  • キラーゴースト
俺の分身、キラーゴースト。

手始めにアバレンジャーを相手に、新たなゲームを開始してやる。

首領の座を奪い取ったアバレキラーがウイングペンタクトで描いて造りだした邪命体。
アバレキラーの能力を引き継ぎ、体内に爆竜を取り込み捕える能力を持つ。
アバレンジャーを圧倒するが、アバレマックスに変身した凌駕の前に手も足も出ず倒される。
後にリジュエルの手でリジュエロイド・キラーゴーストⅡ世を製作するも、初代のような猛威を振るうには至らなかった。


  • 生命の樹
エヴォリアン本拠地「侵略の園」の中枢部に生えている、緑色に発光する異形の樹。
生命の樹が生み出す「生命の実」という果実が邪命体の核として作用し、トリノイドやギガノイドを生み出していく。
この植物そのものがデズモゾーリャの一部なのか、マホロが孕んでいた子供をデズモゾーリャの分身である使徒リジェに変えてしまった。
この樹はアナザーアースにも存在しており、劇中終盤ではギガノイド第11番「不滅」とアナザーアース側の生命の樹が融合。
巨大な生命の樹へと変貌すると、日本中に触手の様な根を巡らせて邪命因子をばら撒こうとした。
なお巨大化した生命の樹は、デズモゾーリャの力を受けることで邪命体を生み出すプラントのような役目も果たし、
命の実から滅んだギガノイドを生み出す「ギガノイド・ルネッサンス」を行った。


  • 暗黒の鎧
本来は竜人族に伝わる伝説の鎧。
普段はオウムガイのような形に変化し(所謂変身アイテムのようなモード)、持ち主が携帯する。

装着者に絶大な力を与える代償に、装着者は常に破壊衝動に苛まれる分かりやすい呪いのアイテム
闘争本能のまま敵味方関係なく破壊の限りを尽くし、装着者が命を落とすまで戦い続ける狂戦士へと化してしまう。厄ネタの極みみたいな鎧。
鎧の制御には他者の負の念が必要な為、鎧の力を求めるジャンヌは度々人間を苦しませる策を実行した。

詳しくは該当項目を参照。


  • 戦闘巨人バクレンオー
爆竜カルノリュータスと爆竜カスモシールドンが爆竜合体した戦闘巨人。
元々は映画『アバレサマーはキンキン中!』に登場した存在でエヴォリアンとは無縁だったが、
後にTVシリーズ第48話においてデズモゾーリャの新たな器として目を付けられ復活を果たした。
映画公開当時に掲載された漫画『若草のフリージア』にてその出自が明かされた。詳細は当該項目を参照。


  • 邪忍イーガ
長いこと閉じ込められてウズウズしてた所だ…

思う存分アバレさせてもらうぜ!

声:梁田清之

Vシネマ「爆竜戦隊アバレンジャーVSハリケンジャー」で登場した邪命体かつ宇宙忍者
過去に次元を超えてダイノアースにやってきた宇宙忍者に邪命体が取り付いて誕生したとされる邪忍法使い手の宇宙忍者。

過去に大暴れしていたため、賢者たちによって邪悪魔王封印の宝玉に閉じ込められていた。アスカも存在を知っていたが、フラビージョとウェンディーヌによって封印を解かれたことにより現代に復活する。
影分身の術で実体を持つ分身を複数体作り上げることができる。アバレンジャー、ハリケンジャーが自らの分身と戦っている間に様々な人間からダイノガッツを吸い取り、最強の戦士になろうとしている。手裏剣型のソードや忍刀が武器で、変わり身封じの札で2戦隊の変身を封じた。
「邪忍究極奥義・巨人大変化」で巨大化することが可能。

必殺技は巨大手裏剣と忍刀を持ったまま回転突撃する「邪忍法イーガスピン」。その威力はアバレンオーの「爆竜電撃ドリルスピン」を真正面から打ち破るほど。


【余談】

今作の怪人デザインは、前作に続きさとうけいいち氏が担当。
単独で個性豊かすぎるエヴォリアンの面々や舞台、幹部達が使う小道具に至るまで、エヴォリアン全てのデザインを製作した。

今作では敵組織のキャラソンがアルバムに収録されている。
曲名は「エヴォリアン聖歌」。なんと聖歌ソングである。
歌はリジェ、ミケラ、ヴォッファの3幹部が担当。
荘厳ながらどこか不気味な雰囲気の漂うエヴォリアンらしい歌だが、曲で度々出てくる不思議な呪文を並べ替えると
「アナタハドレイニナルノ」「イイナリノウンメイヨ」という不気味な言葉のアナグラムという事が分かる。



「ミケラ、ヴォッファ。アニヲタwikiを征服せよ、侵略せよ」

フッ

……あっ!今日はこの項目を追記・修正するの?

がんばってねっ!チュッ♡


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  • ※日曜朝7時30分です。

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最終更新:2024年02月14日 02:07

*1 そのため、本編で最初にアバレンジャーと戦ったゲスト怪人「バクダンデライオン」のナンバリングは「トリノイド4号」。1~3号はこの時点で既に人間社会に潜伏していた。

*2 死後、主であるデズモゾーリャからは「所詮ガイルトンの力などその程度」と適当に扱われるなど、彼の存在は捨て駒同然だった模様。

*3 花火+ビキニ+ニキビ+ビー(蜂)+ビーナス像+ナス。