給油艦(艦これ)

登録日:2016/09/02 Fri 00:16:00
更新日:2023/08/09 Wed 16:51:32
所要時間:約 12 分で読めます



ここでは、艦これにおける給油艦について解説する。
バナーでは「補給」と表示されていたりするが、間宮・伊良湖などの「給糧艦」と区別をつけるために本項目名は「給油艦」とさせていただいた。*1
広い意味では補給艦として共通なのだが。

現在実装されているのは、15夏に実装された改風早型1番艦の速吸、そして17春に実装された神威型1番艦の神威となる。
艦種が違うが補給艦と同じ内部設定にされている艦娘に宗谷と山汐丸がいるがここでは割愛。


洋上補給

補給艦に共通する機能として洋上補給は切っても切り離せない。
補給艦は基本的に脆くて大破撤退要因となるのだが、それでも使うのはレベリング・ルート固定以外では洋上補給が目的であると考えて間違いない。
なのでまずそこから解説することにしよう。
読んで字の通り、「出撃中に燃料と弾薬を補給すること」である。

洋上補給は、補給艦と装備アイテムとしての洋上補給を入手するところから始まる。
洋上補給の入手方法としては、速吸入手時に1個、改装時にもう1個持ってくる。
イベント報酬としてもよく配られるが、甲作戦と乙以下の作戦での報酬差別化に使われることが多い。

ただ、洋上補給1回につき最低1個消滅してしまうため、乙以下でのクリアが常態になっている提督は洋上補給不足に苦しむ可能性がある。
2016年秋と2019年春にマンスリーで洋上補給が1個もらえる任務が加わっているため、きちんとこなせばカッツカツにはなりにくいがそれでも安易にじゃぶじゃぶ使えるようなアイテムではない。
洋上補給をつかえばいけそうな編成を見極めた上で、ここぞと言うときに使うアイテムだと考えておくべきだろう。
また、課金すると2個300円で買える。これを高いと見るか安いと見るかは提督次第。
地味に課金アイテムを持ってくる艦娘は速吸だけである。

洋上補給は補給艦にしか装備できない。更に、装備するとただでさえ低い補給艦の装甲が下がってしまい、レベル次第ではゼロになることも。燃料満載だと僅かな被弾で危険な状態になる場合も多いので仕方ない。
一方、補強増設を補給艦に使えば補強増設装備枠に載せられる強みがある。
報酬などでちょくちょくもらえる補強増設を回したいところである。

洋上補給は、長丁場海域で役に立つ。
補給艦を連れ、洋上補給を1個積んだ状態で燃料・弾薬が一定以上減ると、補給するかどうかの意見具申が出る。
状況に応じて却下もできるが、補給を選ぶと、通常艦隊で25%、連合艦隊で15%の燃料・弾薬が回復する。
2個使うともっと回復させることもできる*2
燃料や弾薬の欠乏は、回避率を下げたり火力の大幅な減少につながるため、15%の回復でも非常にありがたいのである。
なお、回復すると言っても回復分の燃料・弾薬は母港の備蓄から支払うことになるので要注意。
母港に備蓄がないと最初から意見具申が出なかったり、あるいは補給させても全員にいきわたらず、戦力回復が不十分になる。


洋上補給の実装当初、洋上補給は任意に発動することができないと言う問題があった。
燃料と弾薬の減り具合で自動的に補給が行われるため、計算ミスで貴重な洋上補給が浪費されてしまったり、
護衛退避などの具合で「ボスは倒せなさそうだがとりあえずゲージを削っておこう」と言うときにも浪費してしまうと言う頭の痛い悩みがあった。
速吸の燃料弾薬を意図的に消耗させておくことで、狙ったタイミングに発動させると言う小技を用いる提督もいたが。
2016年4月1日に行われたメンテナンスによって、洋上補給は具申が行われ戦況に応じて行うか否かを選ぶことが可能になっている。

とはいえ、限りあるアイテムを使うこと、なにより補給艦が全般的に脆い艦種であることもあって洋上補給の使いどころはしばしば悩ましい。
洋上補給を使っていざゲージ破壊を賭けてボスと勝負!!というときにT字不利を引いたりすると泣くに泣けない。*3

2016年春イベントで、E6ボスに対し、速吸によってルート固定しつつ洋上補給で火力を維持する攻略法が編み出された。
甲作戦だと900ものHPを持つボスを削り切るのが非常に厳しく、何とか火力アップを狙わないと勝負にならないと思われたためだ。
ところが、運営のミスによって予定されていた航空特効が発動されていなかったこと、更にギミックの存在が発覚。
基地航空隊の圧倒的な特効力に航空支援、本隊の航空攻撃を併せると、下手をすれば艦隊と激突する前にボスを潰してしまうことすらある。
結局航空攻撃の運の要素が大きく、艦隊の砲撃はトドメレベルでそうまで重要な要素ではないと判断されたため、洋上補給作戦はアイテムの貴重さに見合いにくく下火となった。

本当に速吸の大活躍が報告されたのは2016年夏のE4(最終海域)である。
安全なルートを使っても無策だと燃料0%、弾薬30%のペナルティ状態で挑まなければならず、基地航空隊もボスまで届きにくい上に基本的に道中に使いたい。
ボスは夜戦勝負になる可能性が高いが、燃料なしによって回避率が低下。その状態をサマーダイソンに狙われては大破を量産せざるを得ず、夜戦火力が大幅に落ち、ボス撃沈に届かない。
基地航空隊や本隊の燃料消費・修理資源もすさまじく、10万以上の燃料が普通に枯渇する危険すらあるため、出撃回数自体も抑えたい。
結果、速吸の洋上補給に白羽の矢が立った。

道中もなかなか苛酷な海域であったが、何とか潜り抜けて洋上補給をした上でボスに挑んだ時の艦隊の本気は凄まじく、条件によっては甲作戦なのに昼までにボスを撃沈する提督も。
とはいえ、数に限りある消耗アイテムの洋上補給、1個2個で何とかなった提督はよいが、うまくいかないときはいかない。
甲作戦ばかりでクリアしていた提督とは限らず、前イベントで運営の不手際により洋上補給を無駄遣いさせられた提督もいたので魔法のカードに手を伸ばそうとした提督もいたようである。
少なくとも、洋上補給を課金で買おうとする提督が現実味を帯びたのは、2016年夏が初めてだろう。

それ以降、毎イベントというほどではないが長丁場海域の度に補給艦を使った攻略法が編み出される。
18初秋のように洋上補給関係なく補給艦自体がルート要員*4となった例もある。
「補給艦&洋上補給なしではクリアできない」という海域は今のところないものの、補給艦と洋上補給の存在が提督に重要な選択肢を与えることは間違いなかろう。
ただし、補給艦は回避も低く全般に脆い艦種でしばしば大破撤退要因となるのと、ボス相手に攻撃力はお世辞にも高くないため、その分のデメリットとトレードオフであることには注意すべし。
大破進軍しても沈没しない第二艦隊旗艦に置くのがよくある対策。敵の編成によっては第一艦隊においてもあまり被弾しなかったりすることもある。


速吸

おはようございます。航空機搭載給油艦 速吸、頑張ります!


史実概要

補給艦の名称は海峡等の名前からつけられることになっており、速吸の名の由来は艦名は瀬戸内海西口に位置する速吸瀬戸に由来する。
地図で探すなら「豊予海峡」で検索推奨。*5
あ、憲兵さん?速吸と聞いていやらしい想像をしているアニヲタがこっちにいるんですが…
姉としては風早(かざはや)がいて当の速吸も言及しているのだが、速吸は姉とはかなり設計が変更されている。
妹に当たる給油艦計画はあったが、いずれも着工されず計画倒れに終わっている。*6

なお、ヴァイスシュヴァルツでは風早型運送艦2番艦(ゲームにおける表記・改風早型1番艦ではない) 速吸となっている。
書類上はこちらの方が正しいのだが、風早は艦これに実装されておらず、さらに運送艦の種別が艦これに存在しない*7為、少し違和感がある。

本当は速吸とは別に給油艦が作られているはずだったのだが、色々あって水上機母艦とか潜水母艦とか空母とかに改装し、給油艦ではなくなってしまったので、1941年の計画で改めて「本職」の給油艦が作られたのが風早型である。
なお、改装されて給油艦でなくなったのは、こちらとかこちらとかこちらの方々である。

速吸最大の特徴は、艦攻である流星を搭載予定であったことであり、風早との最大の違いでもある*8
もっとも、流星が実戦投入されたのは1945年3月であり、その前に速吸は沈んでしまったが・・・

ミッドウェーでの敗戦でを失った関係で伊勢型戦艦が航空戦艦になったのと同様、速吸にも航空戦力の補充役を期待されたのである。
とはいえ、発進する機能を持つだけで着艦することはできず、出した艦載機は別の空母や飛行場に回収してもらうかトンボ釣り*9に任せるしかない上、搭載数も申し訳程度だったが。

排水量は正規空母である飛龍並。艦隊への燃料補給には、それだけの排水量が必要なのである。
かと言って大型化しすぎても的になりやすく、元々申し訳程度の機銃や高角砲しか積んでいない上、一旦燃料に火がつきでもしたら即お陀仏な給油艦には死活問題。給油艦は重要な艦種であるがその分難儀な艦でもあったのである。
搭載燃料は9800t。大和型戦艦(搭載燃料6400tほど)をゼロから満タンにしてもお釣りがくる*10

史実で速吸に見せ場があったのはマリアナ沖海戦。
日本の空母機動部隊が大鳳翔鶴飛鷹と多くの艦載機を失う悲惨な敗戦であったが速吸は戦いを終えた艦隊の補給にせっせと勤しんだのであった。

頑張りすぎて補給艦なのに主力艦隊より前に出てしまい、熊野に『参考までに申し上げますが、補給部隊が艦隊の前に出るのは不適当と思いますのよ』と突っ込まれてしまったり。
ただ、この時は別に何事もなかったのだが。

速吸は1944年8月19日、輸送作戦中に潜水艦ブルーフィッシュの雷撃を受けて沈没。*11

ちなみに、速吸の写真はほとんど現存しておらず、なんと魚雷を受けて艦尾から沈没していく様子をアメリカが潜望鏡越しにとらえた写真1枚しか見つかってない。*12


ゲーム中において

絵師はコニシ、声優は野水伊織。
初実装は2015年夏イベント。特に甲作戦はメンテで修正されるまでバグでクリア不能だった2016年春イベント後半海域まで史上最難関の呼び声も高いイベントであるが、速吸はE4の攻略報酬であった。
E7まであるにもかかわらずE3が主力を投入すべしと言われた難所であり、E4も難易度は相当高かったため、準備不足だと速吸入手も挫折したり、速吸入手が達成できたらそれ以上の進行を断念する覚悟で挑んだ提督もいたかもしれない。

2015年は特殊艦を実装すると言う情報が流れており、「艦隊随伴型」という運営アナウンスがあったことから、速吸の可能性は既に取りざたされていた。
さらに、艦これ恒例の観艦式イベントのパンフレットで野水が「はやすい」と書いて黒髪ショートの少女の絵を出した*13ので担当声優まで含めてネタバレとなった。
なお、観艦式はイベント開始の前日だったため、野水がやらかした訳ではなく運営承認の下ネタバレしたのではないかと言われている。


入手方法は、イベント報酬のほか、次の秋イベントでもE1からドロップ。
このE1、出撃は要連合艦隊なものの甲でもS勝利に戦艦すらいらないほど楽勝な上にレア艦ザクザクなサービスマップだったこともあり、速吸が複数きた提督も多い。
その後もイベントでドロップ海域が多数報告されている。
ついには通常海域6-4にもドロップ実装されるようになったが、6-4の難易度は凄まじい上に掘りともなると更に地獄。よほど速吸に思い入れがあるのでなければイベントを狙うのが無難だと思われる。


さて、速吸の性能であるが、明石同様、戦闘能力をあてにしない補助的な艦艇だっただけあって、戦闘に出すのは得策ではない。
しかも、燃費がなんと長門・陸奥の改をも上回る。
回避値が戦艦よりも低く*14、耐久も装甲も低くてすぐに大破してしまう。
このため、レベリングするなら演習に出すのが一番である。
演習レベリング枠を使うだけの価値はあると言える。
尤も、演習には秋月型を始めとした駆逐艦という天敵がいるのだが…。むしろレベリングが目的であれば此方の方が警戒すべきかもしれない。

一応の戦闘能力として、瑞雲系の搭載は最初から可能。
そして、史実で艦攻である流星を搭載予定であったため、改になることで艦攻の搭載が可能。
艦攻を搭載すると攻撃力の計算が空母と同じになり、艦載機の熟練度と乱数次第で大火力によるパンチが出せる場合がある。



給油艦なのに大和型でさえワンパンすることがある。

給油艦なのに大和型でさえワンパンすることがある。





大切なことなので2回言いました。誰が呼んだか速吸流星拳

烈風拳使い「仲間でございますな」

ただし、最大スロットでも6機止まりである。制空権確保でもしない限り撃墜&熟練度後退or消滅のリスクも高いので、使いどころには注意が必要。
なお、艦攻を載せると内部データ的には空母と同じ扱いになるため、艦載機が全滅したり、中破になったりすると攻撃ができなくなる。
脆い艦娘の駆逐艦には艦攻と艦載機熟練度による大火力は必要なく、逆に艦攻を対空カットインで叩き落されてしまう可能性がある為、駆逐艦が見えている場合には攻撃隊を降ろすなど、運用に注意が必要だ。

彼女の主な出番となるイベントの敵艦は大和型とは比べ物にならないほど硬く、艦攻を連戦で吹き飛ばされてしまう事も多いので、流星拳は演習ほどの活躍は見せてくれないだろう。
後半海域にもなれば『雑魚なのに耐久・装甲は大和型を凌駕する奴』やら『艦種特性上駆逐艦を冠しているだけの重雷装重巡洋艦旧型駆逐艦』やら『戦艦棲姫より装甲が高い軽巡洋艦』やらがゴロゴロしているのだが、そもそもそのような奴らを相手するならば最初から戦闘艦を入れた方が効率が良いだろうし、逆に速吸が必要ならダメコンorタービン&缶と洋上補給にスロットを割かれて艦攻を載せている余裕がない*1方が多い点も頭が痛い。
制空権の保持が大変なら、二式水戦系の装備を載せて制空補助にした方がよいだろう。
ただし、連合艦隊の第二艦隊なら相手も連合艦隊でない限り航空戦に参加しないので、スロットと制空値が許すのなら流星拳に賭けるのも一つの手ではある。さすがにボス戦で枯れる可能性は高いが。

また、艦載機がなくとも砲撃もできる。威力に期待はできないが、イベントボスが相手だと、大破状態から砲撃で与えるカスダメでも50を越えたりすることもあるためバカにならない。
他にも大発動艇を積めるため陸上攻撃も可能だし、対潜攻撃も可能だったり、輸送護衛部隊ならば輸送力№1と、意外とマルチに使える艦娘である。
しかし、基礎能力が低いため流石に器用貧乏感が否めず、何より大破撤退のリスクが大幅に上がってしまうという問題があるため、常時出撃に向いた艦種ではないと言える。
艦隊司令部施設が積めないため、出番の多い連合艦隊で旗艦にして庇わせるという手も使いにくい。*15
第2艦隊旗艦は大破進軍しても轟沈しないとされるのでそこに入れる手は一応あるが、夜戦の火力は振るわないし、そもそもボス戦の夜戦までに大破している可能性も高いので一長一短。
通常海域ならば、3-5の下ルートで潜水艦・水母と共に投入して殺られる前に殺れ理論で先制攻撃で敵艦隊を叩く運用もできるが、
随伴艦も含めてどうしても大破しやすいし、艦載機はボスまで辿り着いたら最悪全滅を覚悟する必要がある。何せ3-5のボスは空母最大の敵であるツ級である


とまあ、出撃すると艦隊のお荷物感が否めない速吸だが、洋上補給がそれに見合う一点突破の超重要性能であることもまた事実。
ちゃんと育てて艦隊決戦の切り札にしてあげよう。

キャラクター概要

上はジャージに下はスカート姿、ジャージの下は体操服*16であり、飛行甲板と肩から掛けてる補給用のボックス。
「はいっ!!」を中心とした、ハキハキした口調だが、提督に対してはちゃんと丁寧な口調を維持。



どう見ても運動部のマネージャーです、本当にありがとうございました。



料理もでき、手作りチョコやケーキなどなかなか手の込んだ料理を作ってくれる。
ただし、やる気はあるしポンコツ感はないが有能なばかりでもなく、時報でうとうとしちゃう一面も。
戦闘では弱気な面を見せる。航空機の関係で随伴艦次第ではMVPを取ることは意外と多かったりするが、自分でMVPを取ると相当驚く。まあ補助艦だからしゃーない。

瑞雲系が積めるためか「水上機もいいですよね」という発言も。
某師匠「航空補給艦の時代だな」

などと言っていたら、2017年の富士急ハイランドにおける瑞雲祭りではしっかり限定イラストを貰った上に、
日向師匠から「速吸のやつも頑張っているか」と名指しで同志扱いを受けていた。




神威

給油艦、神威と申します。はい、北海道神威岬の名前を頂いてます。できる限り、頑張りますね。

史実概要

読みは「かもい」である。
初見の大半は「かむい」と読んだと思われるし、名の由来となった北海道・積丹半島の神威岬も「かむいみさき」なのだが、艦名は「かもい」である。

1921年、日本がアメリカに発注して、翌22年にアメリカで竣工した給油艦。
ちなみに神威を作っていたニューヨーク造船所で建造されていたのがレキシントン級巡洋戦艦2番艦…途中から空母に変更されたサラトガである。

補給量の重油は1万トンと後輩の速吸を上回る大容量で、さらに石炭なども2500トン搭載できる日本海軍最大の特務艦であった。

戦時真っただ中に作られた速吸と異なり、神威が作られた頃は第一次世界大戦も片がついた後。
給油艦と言っても戦時中でなければ海外まで燃料の買い付けに行ったりもする。
この頃は航空機も未発達な時代なので空から襲われるリスクもあまりなかったため、神威は燃費はいい代わりにかなり鈍足に作られていた。
戦時における安全確保という点では今一つな点はあったが、平和な時代の補給艦の任務に対応できる仕様になっていたと言える。

しかし満州事変の発生により日本周辺がきな臭くなると、先輩給油艦の能登呂が水上機母艦に改装されて活躍したことを踏まえ、神威も水上機母艦として改装された。
ただ、この時点ではまだ給油艦としての機能も残されていた。
1937年にはアメリカの冒険飛行家アメリア・イアハートが冒険中行方不明になった際、機雷敷設艦の沖島や駆逐艦夕凪・朝凪(両名とも神風の妹)の捜索活動を行っている。

戦時中も輸送・補給任務で各地を駆けずり回っていた。
1944年、潜水艦ボーフィン*17の雷撃を受けて大規模修理し、このとき再度給油艦に戻されている。
だが、マリアナ・レイテと日本が敗れ、日本は太平洋の制海権をほぼ喪失。水面下からは跋扈する潜水艦、海上からは航空攻撃を受け、日本は輸送にも難儀するようになる。

1944年暮れから45年年始にかけ、神威は日本に大量の石油を輸送するヒ87船団の旗艦となる。
既に日本国内の石油備蓄はほぼ底をつき、日本はこれ以上石油が入ってこなければ残存艦艇を動かすどころか国民生活も成り立たなくなりかねない苦境になっていた。
しかし、先行する船団が襲われたことを受けて一旦香港に退避していた神威は空襲に襲われ、直撃弾を4発食らって大破。
やむなく神威を置いて出発した船団も、参加タンカー九隻のうち運べたのは二隻だけ*18、スリガオ海峡を生き延びた歴戦の駆逐艦である時雨が潜水艦ブラックフィン&ベスゴと戦って沈没(これにより白露型駆逐艦は全滅)という散々な結果となった。
香港に残された神威は修理が試みられていたが、更に4月にも空襲に襲われては、神威をどうにかする術など残されていなかった…

香港に大破状態で放置されたままの神威は、戦後、日本からも詳細が分からないままイギリス軍によって解体されたのであった。

ゲーム中において

絵師はアキラ、声優は瀬戸麻沙美

2017年春イベントに実装された2隻目の給油艦。1隻目の速吸からは約1年9カ月の間が空いた。
ただし攻略報酬として実装された速吸と違い、神威はドロップ限定、しかもE3・E5(最終海域)のボスドロップ限定というマゾ仕様。
両海域とも掘りには連合艦隊を要する上、どの海域も複数ゲージのため丙掘りも困難という非常に掘りにくい艦娘であった。
A勝利で落ちるのと、ドロップ率がそう悪くなかったため攻略中に来てくれたと言う提督もそこそこいたようではあるが…。

しかし2017年夏には大型艦建造に神威が登場。資源と建造運は必要だが、ある意味では入手しやすい艦娘になったとも言える。
なお、神威を旗艦にすると、Saratogaを大型艦建造で狙えるようになる。

未改造では給油艦だが神威改に改装すると水上機母艦に艦種が変わり、更にそこから神威改母に改装すると給油艦に戻るという史実通りではあるのだが変わった特性の持ち主。
速吸との違いは射程が中であること、探照灯が装備できること、燃料の消費が低めなこと。
あと、艦攻が積めない代わりに二式大艇やカタリナが何故か装備できる。
神威と速吸の双方を持っている提督は、この特性からどちらを採用するか悩むことになるだろう。
探照灯を持てる上に元より夜戦の火力は期待できない事から探照灯要員としての適性は高いが、そうなると艦隊の最後尾に置きたいため、道中での大破率が上がるのが難点と言える。

なお、神威改時点の水母としての性能としては攻撃面以外では水母最弱。なんと耐久と搭載数以外のスペックが秋津洲改にすら劣る。
甲標的は持てるので先制雷撃こそ可能だが、雷装が0から全く伸びないのでまるゆにすら雷撃が劣るという…
逆に言えば、全てのスロットを心置きなく水爆か水戦につぎ込めるとも言えるが。その点を考えれば、一応秋津洲よりは攻撃面は上である、多分。
ただし、水母としても燃費が一番良いので遠征要員としては非常に優秀。

速吸さえいれば、神威は水母として遠征要員に専念できるのでは?と思う提督もいるかもしれないが、
クォータリー任務『強行輸送艦隊、抜錨!』において、長らく速吸と給油艦状態の神威を同時に編成する事で一番安全なルートを通れる可能性があったため、
出来れば給油艦としての神威も所持しておきたいところである。
なんだかんだで燃費のいい神威がいると給油艦の運用でも幅ができるし。
2023年現在だとこの枠にさらに燃費が安く攻撃能力と引き換えに生存能力が非常に高い宗谷と回避能力こそ低いが艦載数は補給艦系トップで燃費は神威と同等の山汐丸がいるので速吸と神威がどちらも1-6に呼ばれない可能性もあったりする




キャラクター概要

地名の由来がアイヌ語にあることもあってか、アイヌ属性が強調されている。
「イアイライケレ(ありがとうございます)」「イランカラプテ(こんにちは)」など、アイヌ語がしばしば口に出る。ウコチャヌプコロとは言ってないですよ
アイヌ民族の衣装をモチーフにした格好だが、利根型改二の衣装のスリット部分がさらに大幅に広くなったような恰好であり、横乳や見えフンが非常にエロい。

…が、神威はアメリカ生まれなので本当の所アイヌ要素は名前だけだったりする。というか、そんなクソ寒そうなアイヌ衣装があるわけないだろ!
料理(和食やカツレツ)も作ってくれており、家事能力は十分に標準以上である。

ヒ87船団仲間の思い入れが比較的深いようで、船団仲間の時雨・浜風・磯風に声をかけたり、時報では自分を置いて壊滅してしまった船団に思いをはせて暗くなってしまうことも。

絵師の同じ瑞穂と同様、差分イラストにも恵まれており、公式的にも優遇されている部類と言えるだろう。


二次創作での扱い

速吸は有効に使える場面が限られている上に特別武勲がある訳でもなく沈んでしまったせいか、二次での出番はそんなには多くない。
出撃をすると、戦闘能力が低く大破撤退要因になりがちなことについてコンプレックスを抱いていたりする場合が多い。
他方、鎮守府内では献身的な働き者として扱われる場合が多い。

公式4コマでは99話に装備の洋上補給が先行登場し、速吸は103話で着任となった。
洋上補給だけがやってきたときはドラム缶の女王夕張に装備可能性が取り沙汰されたが、できませんと回答。
後に速吸が来た時に、妖精さんにストローを運んでもらって燃料補給してもらう様子が実演された。

着任後、しばらく甘味処間宮の私室を間借りしていた*19ようだが、118話で特務艦寮ができ、後に速吸もそちらに移ったことが判明している。

神威の着任は185話。
アメリカ出身艦ということで先に着任していたSaratogaもわざわざ迎えに来ていた。

二次では鹿島に次ぐ二代目有明の女王候補…と言われた時もあったが、流石に鹿島ほどの人気には恵まれなかった。
とはいえ、比較対象の鹿島が凄まじ過ぎるだけで神威も標準以上の人気はあると思っていいだろう。イラストの半分近くがR-18だが…
洋上補給もできるのだが、洋上補給よりも普通の食材などの物資を扱っているシーンの方が多い気がする。






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最終更新:2023年08月09日 16:51

*1 間宮・伊良湖は「乗員たちへの食糧や生活サービスの提供」を目的とした「給糧艦」であって、「艦船への補給」を目的とした給油艦とは異なっている。

*2 ただし複数個装備させて1個だけ使うと言う芸当はできず、全部使ってしまう

*3 彩雲を使う手はあるが、補給艦&洋上補給を投入する海域で彩雲を投入する余裕があるかどうかという問題がある。

*4 なしでも別ルートでの甲クリアは可能だったが、海外艦の保有数等の条件で難易度がガラッと変わってしまった可能性がある。

*5 間宮は間宮林蔵に由来して名付けられた樺太の間宮海峡、伊良湖は伊勢湾・三河湾・太平洋をつなぐ愛知県沖の伊良湖水道である。

*6 なお、名前は韓埼(からさき)と稲取(いなとり)で決まっていた。

*7 運送艦は給油艦・給糧艦・給炭艦を内包するかなり大きな定義である

*8 改白露型の江風が白露を「白露のアネキ」と呼んでいるので、風早が実装されても姉妹関係は維持されるのかもしれないが、その辺は実装待ちである。

*9 着水した航空機からパイロットを救出することで、主に駆逐艦の役目。航空機そのものは海水につかると壊れてしまうため、捨ててしまう。アメリカはパイロットの救出重視の姿勢が徹底していたため、パイロットの士気も高く帰ってきたパイロットたちのおかげで高い練度を保持するようになり、戦争後期における日米のパイロット力量の逆転につながった。日本は資源不足からそこまでパイロットの保護を徹底している余裕がなかった。

*10 ビスマルクで8700t、未実装の信濃は9000tだが、それでもお釣りがくる。戦力アップと引き換えに燃料タンクを小さくしたヴィットリオ・ヴェネト級なら2隻満タンにできる。

*11 この輸送作戦は護衛の主力として大鷹がついていたが、その大鷹が瞬時に血祭りにあげられ、統制を失った速吸含む多数の輸送船たちは潜水艦の餌食になるばかりとなった。ただでさえ物資が枯渇していた日本海軍にとって、貴重な物資も貴重な輸送船も多くの兵たちも失ったことは致命打にも等しい大惨事となった。

*12 戦艦・空母クラスの大型主力艦はともかく、フル写真が残っていなかったり、観艦式の際に他の艦と並んでいる写真しか残っていない艦は多く、陽炎型ネームシップの陽炎は進水前の艦首の写真のみ、武勲艦である霞も他の艦に混じった写真や坊の岬沖海戦で燃料が流れ出し沈没寸前な遠景写真しか見つかっていない。

*13 他に野水が担当している翔鶴・瑞鶴・阿武隈・鬼怒の絵もついている。

*14 速吸改で最高33。戦艦改で一番回避の低い武蔵改で最高63である。

*15 史実では第一補給部隊で正式ではないが事実上旗艦をやっていたんだが…

*16 但し体操服を着ているのは上だけで、スカートの下はショートパンツやブルマではなくパンツである(重要)

*17 アメリカの潜水艦。神威大破よりも疎開船の対馬丸撃沈事件で有名かと思われる。

*18 しかも一隻は落伍して後続の船団と一緒にやってきたのでありヒ87船団の成果とは言い難い。

*19 このため、4コマの速吸は間宮の従業員も兼任している