メーサー殺獣光線車

登録日:2011/04/16(土) 13:56:42
更新日:2023/07/22 Sat 19:53:06
所要時間:約 4 分で読めます






メーサー殺獣光線車は東宝特撮映画ゴジラシリーズに登場した架空の兵器。
その独特のフォルムから人気を博しており、平成VSシリーズでは派生のメーサー兵器が登場している。


□登場作

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(ゴジラシリーズではない)
地球攻撃命令 ゴジラガイガン
ゴジラメガロ
ゴジラ×メカゴジラ
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』



◆66式メーサー殺獣光線車


装置車
全長:14.5メートル
全幅:3.5メートル
全高:6メートル
乗員:4名

牽引車
全長:6メートル
全幅:3メートル
全高:2.5メートル
乗員:3名

フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』に登場。所属は陸上自衛隊
パラボラ型の砲塔を搭載する装輪式の装置車と装軌式の牽引車で構成される。動力は小型原子炉*1
射撃レーダーも備えており、本来はミサイル迎撃システムとして開発していたとも言われている。

回転砲座の下部にある小型原子炉から十万ボルトのメーサー光線を発生させ*2、パラポラから目標に向けて照射する。

・劇中での活躍
太平洋沿岸部で突如出現し、船舶を撃沈。
その後、羽田空港で人々を襲った人型巨大生物ガイラ殲滅のため自衛隊が展開した”L作戦”の主力兵器として導入。
61式戦車等の砲撃を耐え、反撃を試みていたガイラに対し絶大な効果を挙げ、ガイラを一時は絶命寸前のところにまで追い詰めた。

後に動きの素早い怪獣に対する改良型の70式メーサー殺獣光線車が登場している。

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』では70式共々アンギラスガイガン&キングギドラの迎撃に出動し、
アンギラスやガイガンには一定の効果があったもののキングギドラには効果がなく、逆に引力光線で全滅させられてしまった。

『ゴジラ対メガロ』でもメガロに使用。
なお、同作と上記の『対ガイガン』では過去のライブフィルムの流用のため、逃げ回るシーンにガイラが所々写っている。


◆90式メーサー殺獣光線車


全長:19メートル(装置車10メートル、牽引車8.4メートル)
全高:6.1メートル
全幅:5.3メートル
総重量:132トン
ゴジラ×メカゴジラ』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場。66式の後継機。
モデルチェンジがなされ、出力も15万ボルトに強化されているが基本構成は変わらない。
自動化により乗員は2名*3となり、メーサー砲の操作も牽引車から行われる他、走行しながらの射撃が可能になっている。

所属は特生自衛隊

66式メーサー殺獣光線車の改良型で、パラポラからマイクロ波を照射し、目標の水分を瞬時に蒸発粉砕する。
また、改良型の90式メーサー殺獣光線車<改>(光線の色は黄色)も配備されている。

劇中ではメーサー車開発の経緯と、特生自衛隊結成の経緯が説明されている。
1954年の初代ゴジラ来襲以降、生態系の激変によって日本に度重なって出現した巨大生物に対し、
有効な迎撃手段を持っていなかった自衛隊は、1961年に南洋から飛来した巨大蛾モスラ戦において
隣国のロリシカ国から貸与された原子熱線砲を研究し、1966年に現れた人型巨大生物ガイラとの戦いで、メーサー殺獣光線車を開発。
多大な戦果を挙げた。

しかしその威力ゆえに専守防衛の能力を大きく超えたものとしてメーサーを主体とする部隊が必要となった。
かくして同年、メーサー砲を主力とした対特殊生物自衛隊(特生自衛隊)が結成された。

・劇中での活躍
上記の経緯で結成された特生自衛隊配備で登場。
『ゴジラ×メカゴジラ』では冒頭で房総半島に上陸したゴジラの迎撃に出動。
主人公の家城茜が搭乗するメーサー殺獣光線車がゴジラと相対するが、台風による大雨によってメーサーの効力が激減。
その後、家城の機転でゴジラの眼を狙って攻撃するが、ゴジラの反撃に遭い敗退する。

後半でゴジラが品川埠頭に現れると、90式戦車等と共に迎撃に当たるが、熱線によって一掃された。
ゴジラをひるませること自体はできているほか、過去の怪獣にはかなりの戦果を挙げているため対怪獣兵器としてはかなりの実績を誇る。

『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では再びゴジラが品川に出現した際に
90式メーサー殺獣光線車<改>を中心とした部隊が迎撃するも、あっさり撃破される。

絵コンテ段階では、メーサー殺獣光線車を護衛艦のヘリコプター用飛行甲板に搭載し、ゴジラとの海戦を検討されていたが不採用となった。

ゴジラ FINAL WARS』にも登場したが、過去のシーンのみの出番だった上に残骸のみが登場というなんともしょっぱい扱いだった。



ちなみに、その独特のフォルムや戦闘描写から東宝特撮ファンやゴジラファンに絶大な人気を誇っており、電動リモコン版なども発売されている。

特撮リボルテックもある。

特にWAVEが1991年に発売したプラモデル(「66式メーサー殺獣砲車」名義)には、開発経緯や運用に当たっての紆余曲折、メーサービームの仕組み、世界観がつながらないはずのハイパワーレーザービーム車や92式メーサー戦車への流れが詳細に語られた冊子が付属している*4
後の特生自衛隊にも通じる、リアリティ抜群の設定が目白押しなので、興味がある人は中古品を探してみるといいだろう。
ただしこれは2016年に発売された再販版(「66式メーサー殺獣光線車」名義でモノクロの写真が箱になっている)には収録されていない。
高荷義之氏による迫力のあるボックスアートが描かれているのが冊子の入っている方である。


追記・修正はメーサー殺獣光線車を愛してやまない人のみお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ゴジラ
  • 東宝
  • 兵器
  • 陸自
  • 切り札
  • ロマン
  • 自衛隊
  • 実はトンデモ技術
  • L作戦マーチ
  • メーサー殺獣光線車
  • 光線
  • 戦車
  • 架空の兵器

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年07月22日 19:53

*1 牽引車自体の動力はディーゼルエンジン。

*2 炭酸ガスと窒素を変換させて発生させるとのこと。

*3 運転手兼砲手と補助要員。

*4 ここでの設定はホビージャパン1986年9月号に収録された記事を加筆・修正したもの