Gフォース(平成ゴジラシリーズ)

登録日:2011/06/14(火) 13:55:24
更新日:2023/10/25 Wed 18:36:07
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『Gフォース』とは、東宝が製作した特撮映画シリーズである『ゴジラシリーズ』の内、
VSメカゴジラ 』、『VSスペースゴジラ』、『VSデストロイア』の3作に登場した架空の軍事組織である。
英語での表記はそのまま『G-Force』。




概要

1992年。留まるところを知らないゴジラ被害の恐怖から世界を解放する為、
特に被害の大きい日本が中心となって国連G対策センターが茨城県筑波市(現つくば市)の筑波山の麓に設立された。
国連直轄組織という関係上、殆どの職員は英語に堪能である。現場ではもっぱら日本語と英語を適宜使い分けている。


その中でもGフォースはゴジラ抹殺を目的とした戦闘部門であり、世界中から若く優れた者を集めた精鋭実働部隊である。
精鋭揃いだけあって『人類最強の戦闘集団』と呼ばれ、若者達の憧れの的であると同時に厳しい訓練で恐れられてもいる。

世界中から優秀な兵士が選抜されているが、ゴジラとの交戦経験が豊富な為か、あるいはゴジラへの憎しみか、
劇中に登場する隊員は麻生司令や佐々木隊長を含め自衛隊から出向あるいは志願してきた人物が多い。


各国の軍隊を上回る権限を持ち、場合によっては自衛隊を指揮下に収めて作戦を行う。

主要な装備は自衛隊や協力する国家から提供された兵器に対怪獣用の改造が加えられた物が使用され、
自衛隊が運用してきたメーサー兵器や、遠隔操作仕様に改造された74式戦車は勿論、アメリカ軍から提供されたF-16等、非日本製の兵器も運用される。

そしてGフォース最大の戦力は、海底から引き揚げられたメカキングギドラから得た23世紀の科学技術を基に開発された
対ゴジラ用戦闘マシン2号機メカゴジラ、そしてMOGERA等のロボット兵器である。
なお1号機ガルーダはメカキングギドラ回収以前の機体であり、「現代科学の粋を集めた」だけの機体である。

これら以外にも対G用海底軍艦の建造も計画されていたが、後述の理由から中止されてしまった。



世界中が協力して誕生した組織だったのだが、ガルーダとメカゴジラが一度はゴジラを活動停止まで追い込んだものの、
ラドンというイレギュラーの登場によりゴジラは復活し、スーパーメカゴジラも破壊されてしまう。

続けて、超能力でゴジラをコントロールしようする「Tプロジェクト」が失敗し、
純粋に火力でゴジラを倒そうという「Mプロジェクト」も肝心のMOGERAがスペースゴジラとの戦闘に使用され、
結局ゴジラとは殆ど戦えないままスペースゴジラ共々ゴジラに破壊、大破されてしまい、これも失敗に終わった。

これらの失敗により組織が縮小されてしまい、新たな対G兵器の開発計画も中止されてしまった。

そして登場最終作である『ゴジラVSデストロイア』でも通常の火器しか持たないGフォースの装備では、
暴走状態で何時メルトダウンを起こすか分からないゴジラや、弱点である冷凍攻撃以外では成長を促してしまうデストロイアには手出しが出来ず、
作戦のほぼ全てを自衛隊に委ねざるを得ず、監視と作戦の立案しか出来なかった。


今作を持って同世界観のシリーズが終了した為にその後は不明だが、組織が更に縮小されたか解散したのは想像に難くないだろう。

結局、鳴り物入りで登場した組織であったが、最後の見せ場を自衛隊に奪われたりとあまりにも中途半端な結果に終わってしまった感は否めない。




国連の肝いりの元に設立された組織であるが、実は水面下でかなりの駆け引きがあったらしく、
メカゴジラはアメリカの、MOGERAはロシアの意向が強く関わっていたらしい。*1

この辺りの政治的な駆け引きは日本政府も同様で、ムック本『ゴジラVSGフォース』によればGフォースに予算を出しているのは国連なので、自衛隊の人員や対G兵器を敢えてGフォースに移籍させる事でゴジラ対策で湯水の如く消えていく防衛費を浮かせているのだという。

なお、VSデストロイア当時、MOGERAに代わる四号機が登場しなかったのは、
既に巨大ロボット技術を獲得した米露双方がもはや用無しと見なして手を引いた事で、Gフォース自体が既に縮小していたからだそうである。




中心人物

◆麻生孝昭 大佐(演:中尾彬)
Gフォースの総司令官。打倒ゴジラに執念を燃やし、その為には手段を選ばない。
自衛隊出身で、『VSスペースゴジラ』に登場する結城晃は自衛隊時代からの部下である。
別世界の2000シリーズでは機龍(メカゴジラ)、ファイナルウォ―ズでも海底軍艦でゴジラを一度は封印する等、何かとゴジラに縁がある。


◆兵藤巌 中佐(演:上田耕一)
Gフォース兵器開発部門の主任。『VSスぺースゴジラ』では副司令官に昇格した。
オーディオコメンタリーによれば司令官の座を狙っているらしい。
『VSデストロイア』では登場しなかったので勘違いされやすいが、しながわ水族館の警備員は「田山孝夫」という全くの別人であり、落ちぶれた訳では無い。
彼を演じた上田耕一氏は平成ゴジラの全作品に登場している人なので混乱するのも無理はない。


◆佐々木拓也 大尉(演:原田大二郎)
Gフォース・メカゴジラ隊隊長。
厳しさにかけては超一流だが、時にユーモアな面も見せる。
メカゴジラのメインパイロットも務めたが、登場は『VSメカゴジラ』のみ。


◆結城晃 少佐(演:柄本明)
MOGERA隊指揮官。
元陸上自衛隊で、麻生司令官はその頃からの上官だった。
『VSビオランテ』での大阪の戦いで殉職した権藤吾郎一佐の親友であり、彼の仇を討つ為に単独バース島に渡ってゴジラ打倒のチャンスを狙っていたが、
麻生の肝入りでMOGERAの指揮官に着任した。
基本的に一匹狼な人物で、目的の為には命令違反も厭わない。


◆瀬川隆之(演:佐原健二)
国連G対策センターの長官。基本的には人格者だが、時には非情な判断を下す。
初出は『ゴジラVSキングギドラ』であり、当時は防衛庁長官だった。


◆国友満(演:篠田三郎)
国連G対策センターの2代目長官。Gサミットの議長も兼ねる。
興味深い意見を持つ者と感じれば民間人でもG対策センターに招く柔軟さを持つ。
『VSモスラ』に登場した深沢重樹とは他人の空似であろう。


◆三枝未希(演:小高恵美)
『VSビオランテ』から続くシリーズ常連の超能力者。国連G対策センターに勤務しているが、Gフォースの要請で作戦に参加する事もある。
ベビーゴジラと触れ合って以降はゴジラ自身に理解を示す様になり、その一生を見届けた。




主な装備

ここでは架空の兵器や実在の兵器との差異にのみ触れる。


◆ガルーダ
対ゴジラ用戦闘マシン1号機。形式番号UX-01-92。
武器は高出力メーサーキャノンが2基のみ。
機動力に重点を置いた設計が成され、高い機動性を得たが攻撃力に欠けていた為に開発は中止。
見学者用の展示物と化していたが、開発チームの一員だった青木一馬によって密かに改良され続けていた。
その後、青木の提案(もとい脅迫)によってメカゴジラと合体出来る様に改造されてスーパーメカゴジラへのパワーアップを果たした。
結局は破壊されたものの、そのコンセプトはMOGERAやスーパーXⅢへと受け継がれた。


◆メカゴジラ
詳しくは『メカゴジラ(VSシリーズ)』を参照。


◆MOGERA
詳しくは『MOGERA』を参照。


◆92式メーサービーム戦車
◆93式自走高射メーサー砲
◆93式メーサー攻撃機
詳しくは『メーサー兵器(平成ゴジラシリーズ)』を参照。


◆61式<改>戦車
高額で配備の進まない90式戦車の代用としてGフォースに配備された物。
61式の車体に74式の砲塔を載せているが砲塔は固定されていて、事実上の突撃砲となっている。
最大の特徴は遠隔操作式の無人戦車である事で、93式自走高射メーサー砲によって管制される。


◆74式<改>戦車
こちらは実在の74式戦車と殆ど変わらないが、やはり無人化されていて93式自走高射メーサー砲から無線でコントロール出来る様になっている。


◆F-16<改>
アメリカ製のF-16C戦闘機をベースにカナード翼の追加や対ゴジラ用装備の追加等の改造を行ったGフォース所属特別仕様機。


◆F-15
映像未登場になったGフォース仕様のF-15戦闘機。
神戸上空でスペースゴジラと空中戦を行う予定だったが、残念ながら撮影されず。


◆AH-1 コブラ
攻撃ヘリ。エンブレムがGフォースのものになっている。
鹿児島湾でゴジラを迎撃する。
撃墜シーンも撮影されていたが、本編未使用。


◆護衛艦
海上自衛隊からGフォース海軍に譲渡された模様。艦橋の側面部分に「G-FORCE」と書かれている。
はるな型護衛艦やはつゆき型護衛艦が登場。
AH-1 コブラなどと共に、鹿児島湾でゴジラを迎撃するがゴジラの放射熱線を受け、爆沈する。*2




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最終更新:2023年10月25日 18:36

*1 現にメカゴジラを開発したアシモフ博士はアメリカ人、MOGERAを設計したマミーロフ博士はロシア人

*2 爆沈シーンはゴジラVSビオランテの流用