レム(Re:ゼロから始める異世界生活)

登録日:2016/08/12 (金) 01:11:15
更新日:2023/05/16 Tue 15:08:12
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「ここから、始めましょう。一から……いいえ、ゼロから!」



Re:ゼロから始める異世界生活』の登場人物。


概要

ロズワール邸にて働く双子メイドの妹。
髪をショートカットにして、垂らした前髪で右目を隠した少女。
姉のラムと容姿は瓜二つだが、ピンクの髪色のラムと違ってレムの髪色は水色。
また、ラムよりもわずかに胸が大きく、こっそりと自身のメイド服の採寸を変えて姉にばれないようにしているが、レムが知らないだけでラムにはばれている。
赤くて胸が小さいのがラム、青くて胸が大きいのが レム、茶色くて体が大きいのがロムである。覚えておこう。

この世界でも希少な鬼族の数少ない生き残りの一人で、感情が昂ぶり、戦闘状態に入ると額より純白の角が突き出し、身体能力が一気に向上する。
また、角は大気からマナを集めるゲートとしての役割も担っており、鬼化状態であれば普段よりはるかに強力な魔法を使うこともできる。
一方で、この状態で戦闘態勢に入ると一種の暴走状態に陥り、周りのものが見えなくなってしまう。
水系統の魔法を得意としており、実力はロズワール評価で上の下。治癒も攻撃も、スタンダードにこなすことができる。
得物には鉄球に棘のついた鎖付きの武装モーニングスターを扱っている。
通常二本角がある他の鬼族と違って角は一本しかないが、それで能力が劣っている訳ではなく、鬼族として見れば平均的。
また、死に戻りをした際にスバルが発する魔女の匂いを感じ取ることができる人間の一人でもある。


過去の事件から姉のラムに対して非常に強い罪悪感と劣等感を持っている。
そのため自己に対する評価が非常に低く、逆に姉への評価が異常に高い、非常に歪な精神状態となっていた。
本来ならば心優しい性格なのだが、こうした精神状態が彼女のこれらの面を覆い隠してしまっている。
ラムと瓜二つの格好をしているのもこうした姉へ抱く気持ちからくるもの。

一見冷静なようだが実のところは全然落ち着いているわけでも冷静なわけでもなく、即断傾向が強く、何かと先走りがちで早とちりで行動を起こすことも多い。
これらの面と元から持っている天然の気も相まって時折とんでもない行動に出たりもする。
レムりん天然かわいい!
その所為でスバルが2回くらい死んだけど。


メイドとしての能力は非常に高く、ほぼ全てにおいて姉のラムを上回っており、ロズワール邸の機能の9割は彼女によって支えられている。
反面慇懃無礼な毒舌なところがあり、ラム以外へは営業用スマイルすらなかなか見せようとしない。
後にスバルの活躍によってラムに対する劣等感が改善されたことでこうした面は成りをひそめ、ラム以外の面々にも笑顔を見せるようになった。

現在はそうした感情を見事に取り払ったスバルに完全に心を奪われていて、スバルに対しては女性としての強い愛情を抱いている。
スバルがエミリアのことを好きであることは知っているが、それを受け入れたうえで自身がスバルのそばにいることを望んでいる。

作者曰くスバルに対してレムの中には彼女自身が定めた下記のようなルールがある。
レムルール①「スバルくんの影は踏まない」
レムルール②「スバルくんの吐いた空気は自重して吸わない」
レムルール③「スバルくんが寝た後にスバルくんの部屋を掃除し、スバルくんが起きる前におはようの挨拶をしてから仕事をする」

また、作者曰くスバルのためにあらゆる障害の前に立ち塞がり、手足の何本がなくなっても命尽きるまで尽しちゃうタイプであり、未だに依存癖が完治したわけではないようである。
その辺りの危うさは、特に3章で表れている。
魔女教に囲まれて絶体絶命の危機に陥りながら、スバルが攫われたことに激怒して「今ここで自分が死にゆく意味すら奪うのか(=スバルが無事なら死んでもいい)」と叫んだり、
瀕死の状態でスバルの戒めを解くことを優先して魔法を使った結果力尽きるなど、「スバル>自分」の価値観で行動している。

レムにとってのスバルは英雄であり、絶対的な信頼を寄せている。
たとえスバルが自分を見捨てたところで彼女だけは絶対にスバルを見捨てず、スバルが諦めたり挫けたりすることを認めない。
それはレムの手前、スバルは甘えたり諦めたり挫けたりすることが絶対に許されないということでもあり、作中では誰よりもスバルに厳しい人物がレムであると評されている。


作者曰く「最初のプロット上の面影が欠片も残ってない」というくらい作者の意図を飛び越えて動きまくった成り上がりヒロイン。
また、web版ではある事件からマヨネーズに対してトラウマを持っており、
それゆえスバルを肯定して生きているレムでも勝手に人の皿にマヨネーズをかけるのだけは許容していないらしい。


作中での活躍

物語開始以前

本来二本ある角が一本しかない双子は鬼族にとって「忌み子」であり、レムも本来ならばラムと共に処分されるはずであった。
しかし、ラムが鬼族としてマナを扱う天賦の才*1を持っていたことで状況は一変し、二人は鬼族の中に迎え入れられることとなった。
両親は二人を愛してくれており、一族の鬼たちもレムのことを応援してくれていたが、それはかえってレムの劣等感を強めていった。
そんな中鬼族の集落は魔女教の襲撃を受け、一族はラムとレムを除いて皆殺しにされてしまう。
そしてラムが魔女教に角を折られてしまい、その時にレムはこう思ってしまったのだった。
「ああ、やっと折れてくれた」と。

最終的に二人はロズワールに拾われ、二人はロズワール邸にて働くこととなった。
しかし、魔女教によってラムの角が折られてしまったときに感じてしまった気持ちに対する罪悪感と、
「角があったころのラムならもっとうまくできたはず」という劣等感がレムを苛み続けることとなった。


第2章

一周目ではロズワール邸の使用人となったスバルがあまりにもドジを踏み、
間者とみるには悪目立ちし過ぎていたことから、スバルのことを怪しい人物ではないと判断し、ある程度信頼していた。
逆に二周目と三周目では死に戻りによって魔女の匂いを発したうえ、
何かを探るような怪しい行動をとり始めた*2スバルを危険分子と判断し、最終的に殺害するに至っている。
四周目では、部屋から出てこないスバルを訝しみながらもその行動から間者ではないと判断したようだが、魔獣の呪いにかかり衰弱死した。

五周目では最初は二・三周目と同じようにスバルを怪しんでいたが、スバルとエミリアとのやり取りを見たことでスバルへの容疑はいったん保留にする。
3日目にスバルとともにアーラム村の子供たちを連れ去った魔獣の群れに鬼化により暴走状態となって立ち向かい、その際にスバルに命を救われる。

全てが解決した後、レムはスバルに今まで抱えていた心境を打ち明ける。

「どうして、レムの方に角が残ってしまったんですか? どうして、姉様の方の角が残らなかったんですか? 

どうして、姉様は生まれながらに角を一本しか持っていなかったんですか? どうして――姉様とレムは、双子だったんですか?」

そう問うレムに対してスバルはこう答えた。

「たぶん、そんなこと気にしてんの、レムの方だけだぜ?」

「角がないラムの角の代わりを、レムがやればいいんだよ。二人で仲良く、『鬼』ってやつをやったらいいじゃん。ハートフルな感じがする」

「俺の故郷じゃ、『来年の話をすると鬼が笑う』っつーんだよ。だからさ。笑えよ、レム。笑いながら、未来の話をしよう」

「……鬼がかってますね」

「だろ?」

この時から彼女の中でスバルは英雄となったのである。


第3章

ロズワールからの密命を帯び、治療を受けるスバルとともに王都のクルシュ邸に滞在することとなる。
このとき彼女がロズワールから受けた密命とは、
  • エミリア陣営の代表としてクルシュ陣営との同盟交渉を進めること
  • そのことは決してレムの口からはスバルに漏れ伝わらないようにすること
  • スバルが自らの力のみでそのことに気が付いた場合のみ、スバルに交渉権限を委譲すること
  • スバルの行動は決して妨げないこと
という、実に奇妙なものであった。

一・二周目ではアーラム村を襲撃した魔女教に、三周目では村への道中で遭遇した白鯨の手にかかって死亡する。

四週目では、村の子供たちを、ラムを、そして何よりもエミリアを救うことを諦めざるを得ない状況に追い込まれたことにより心を打ちのめされ、
せめてレムだけは襲い来るであろう死の運命から救いたいと願ったスバルから懇願される。

「俺と逃げよう……俺と、生きてくれ……っ。お前だけは死なないでくれ」










ここでルートは2つに分岐する。










「スバルと共に逃げる」→ifルート





「スバルを励ます」→このままスクロール











そんなスバルに彼女はこう返すのだった。


「レムは、スバルくんと逃げることはできません。だって、未来のお話は、笑いながらじゃなきゃダメなんですよ?」

「諦めるのは簡単です。でも」
「――スバルくんには、似合わない」

「レムは知っています」
「スバルくんは未来を望むとき、その未来を笑って話せる人だって知っています」
「スバルくんが未来を、諦められない人だって、知っています」
「スバルくんはみんなを……エミリア様も、姉様も、ロズワール様や他の人のことも、諦めてなんかいないはずです」
「レムは知っています」
「スバルくんがどんなに先の見えない暗闇の中でも、手を伸ばしてくれる勇気がある人だってことを」

「空っぽで、なにもなくて、そんな自分が許せないなら――今、ここから始めましょう」


「ここから、始めましょう。一から……いいえ、ゼロから!」


そうして、スバルはエミリアを救うべく行動するための勇気と気力を取り戻し、彼女の期待に応えるためにも再び立ち上がる。


動き出したスバルはクルシュ陣営との同盟の締結に成功、ロズワール領への道を封鎖する白鯨に戦いを挑む。
その結果、見事白鯨を打ち倒すことに成功したスバルたちだったが、
この戦闘によってレムは消耗しきり、フェリスに戦力外通告を言い渡され、クルシュたちと王都へと帰還することとなる。

しかし、すべてがうまくいったかと思われたのもつかの間、
スバルたちがペテルギウス・ロマネコンティと激闘を繰り広げる裏で彼女たちもまた何者かの襲撃を受ける。

襲撃者たちは、

「魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアス

「魔女教大罪司教『暴食』担当、ライ・バテンカイトス」

そう名乗った。

戦力差は明らか。打ち倒すことはおろか、逃げることすら不可能に近い。
それでもレムは彼らに戦いを挑むのだった。

「ロズワール・L・メイザース辺境伯が使用人筆頭、レム」
「今はただのひとりの愛しい人。――いずれ英雄となる我が最愛の人、ナツキ・スバルの介添え人、レム」
「覚悟をしろ、大罪司教。――レムの英雄が、必ずお前たちを裁きにくる!!」

この戦いでレムは『暴食』担当、ライ・バテンカイトスに「名前」と「記憶」を喰われ、スバル以外の誰からも忘れられたまま眠り続けることとなった。

このことを知ったスバルは即座に自害し死に戻りを起こすが、
すでにセーブポイントは昏睡状態に陥ったレムにスバルが対面したその瞬間に更新されており、彼女を取り戻すことは叶わなかった。

これ以降、スバルは大罪司教を打ち倒し、レムを元に戻すことを目的の一つとするようになった。

「――俺は、必ずお前を、取り戻す。レム、必ずお前を、俺は取り戻してみせる」

「俺が必ず……お前の英雄が必ず、お前を迎えにいく。――待っていろ」

「必ず。――必ずだ!!」



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最終更新:2023年05月16日 15:08

*1 ラムが角を持ったまま成長していれば、その能力は剣聖に次ぎ、世界を永久凍土に沈める「終末の獣」と肩を並べ、三大魔獣の一角たる白鯨を単身で討伐出来る域にも達せた程

*2 スバルは自分が死んだ理由を調べていた