復讐 ブラックサイコ

登録日:2016/08/08 Mon 02:44:44
更新日:2023/07/29 Sat 04:27:24
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《復讐 ブラックサイコ》はデュエル・マスターズのクリーチャーである。

概要

DMR-17で登場したデーモン・コマンド/侵略者
レアリティはベリーレア。

復讐 ブラックサイコ VR 闇文明 (5)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 7000
進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
侵略-闇のコマンド
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。

本弾から登場した「侵略」能力を持つクリーチャーの一体。
「侵略」は「指定されたクリーチャーの攻撃時に、その攻撃しているクリーチャーに重ねてノーコストで進化することができる」能力であり、
このクリーチャーは闇のコマンドを指定している。

能力は過去そのハンデス力とマナコストのかみ合い具合によって大暴れした呪文である《スケルトン・バイス》をcip内蔵したものになる。

スケルトン・バイスと比べると、1コスト重くなったうえに使用するのに進化元が必要になってしまったが、
革命編では進化システムの強化によって進化クリーチャーの難点が改善されており、それも相まってスケルトンバイスとはまた違う強さを手に入れている。

  • ①進化元緩和による汎用性の大幅な向上
これまでのシリーズの進化クリーチャーは同じ種族のクリーチャーを進化元にしなければならないものが多く、どれだけ強力な進化クリーチャーでもその種族を軸に添えているデッキでなければ採用は難しかった。
しかし、革命編で登場した進化クリーチャーは種族縛りがほぼ消え、(一部を除く)ほとんどの進化クリーチャーが文明縛りでの進化が可能になった。

軽めのコストで強力な能力を備えたブラックサイコは特にこの恩恵を受けている。
適当なハンデス持ちクリーチャーから進化して相手に追撃を食らわせられるのは非常に強力。
特にビーピングハンデスを持つ《解体人形ジェニー》からつながるのは大きく、相手の次の手をピンポイントに潰した後に大雑把な2ハンデスを食らわせればそれだけで相手のデッキを機能停止に追い込むことすら考えられる。
もしブラックサイコがデーモン・コマンドからしか進化できなかったとしたら、進化させること自体大変だっただろう。

  • ②侵略による高い奇襲性
普通に進化しても強力なカードだが、このカードの真の強みは自身のコストを踏み倒すことのできる侵略を持っていること。
侵略条件は闇のコマンドと少し重いが、マナを消費せずに2枚もの手札を弾き飛ばせることの強力さは語るまでもない。
後述する軽量侵略元やマナブースト、超次元クリーチャーを絡めれば3~4t目には上の動きを決めることができる。
これはかつての《スケルトン・バイス》にちかい速さであり、後述する打点としての役割も含めてまさに「スケバイが体を得て戻ってきた」という印象である。*1

  • ③ハンデスなしでも優秀な打点
基本的にハンデスを持つカードはそれ以外に取り立てて優秀な点がないことが多い。(裏を返せばそれだけハンデスが強力であるということでもある)
そのためハンデスを打つころには手札が枯渇している相手や、逆に手札をコンスタントに増やすデッキには効果が少ないということもある。

しかし、ブラックサイコは進化クリーチャー特有の高い能力補正により、ハンデスに加えてP7000のW・ブレイカーというそれなりに恵まれた打点を持つ。
これによりハンデスが利きにくい相手にも、シールドブレイクによるアタッカーや相手のビートダウンに対しての殴り返し要因として機能する。
一応進化としては低い打点だが先述した通り適当なハンデスクリーチャーから簡単に進化できるため、手札を削った後の場を荒らすカードとしては十分。

  • ④他の侵略への繋ぎとしての有用性の高さ
コマンドから侵略できるということからもわかるように、こいつ自身もまた闇コマンドであり、
そのために《超復讐 ギャロウィン》や《S級不死 デッドゾーン》、《禁断の轟速 レッドゾーンX》などへの侵略が可能。
彼らよりも少し軽く、ハンデスによって対抗手段を奪うことのできるブラックサイコはこれらの繋ぎとして最適。
ギャロウィンは革命編で収録されているカードのみが使える限定レギュレーションで、デッドゾーンとレッドゾーンXは革命編の通常レギュレーション終盤において猛威を振るっているが、これにはブラックサイコの存在があったことも大きく、まさに縁の下の、いや進化の下の力持ちといえる存在である。

また侵略は「進化元が適正になるならば、同時に侵略して好きな順番で重ねて良い」という裁定が登場しているため、
「闇コマンド攻撃時に手札のブラックサイコと墓地のデッドゾーン/レッドゾーンXを同時侵略して手札と場にタッチしつつ盾を殴る」という
大変いやらしいコンボを決めることもできる。

やっぱりデュエマのベリーレアは強かった。

なお背景ストーリーでは《超復讐 ギャロウィン》が率いる「復讐」の侵略者の一員。
しかし復讐の侵略者は「やられてなくてもやられたことにして倍返し」という「復讐を辞書でひいてこい」と言わざるを得ない連中である。
こいつも特にカウンターやリベンジと言ったタイプの能力とはいえないクリーチャーである*2

相性のいいカード

復讐 プレネッガー C 闇文明 (3)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 5000
進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
侵略-闇のクリーチャー
我が軍を壊滅寸前まで追い込んだのみならず、レッドゾーンを倒しに火の国にむかっただと!? デス・ザ・ロストめ...。いつか絶対やり返してやる!

闇クリーチャーからなら何からでも進化…どころか何からでも侵略ができる軽量進化デーモンコマンド。
単体ではウィニーが大きくなる程度しか意味を持たない侵略クリーチャーだが、ご察しの通り出すのが容易な闇コマンドであるため、
1t目に出したウィニーを2t目でプレネッガーに侵略する→3t目のプレネッガー攻撃時にブラックサイコ、
というひどいムーブができる。ちなみに3t目に素のコストを払ってプレネッガーというプレイングも可能。自由すぎる…

ただし、《ねじれる者ボーン・スライム》のプレイヤー攻撃時に侵略させるとボーンスライムの自壊効果を受け継いでしまい、自壊してしまう。
また、「途中で侵略元が適正になる組み合わせでも侵略宣言時に条件を満たしていないクリーチャーには侵略できない」という裁定があるため、
「プレネッガーに侵略時にブラックサイコも同時に侵略する」ということはできない。
まどろっこしいがプレネッガーを侵略元にするならば、上述の通り次の攻撃をはさむかまず適正コストを払ってプレネッガーに進化させておかねばならない。

復讐 ギャロウズ UC 闇文明 (5)
クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 4000
このクリーチャーを召喚する時、自分の手札から進化クリーチャーを1体相手に見せてもよい。そうしたら、このクリーチャーのコストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
スレイヤー
軽量化して召喚できるコマンド獣。
似たタイプのカードとして《侵略者 フワシロ》や《殺意の悪魔龍 マガンド》というライバルもいるが、
「進化獣をチラ見せするだけ」というデメリットの低さが強み。
ただ、馬鹿正直にブラックサイコやギャロウィンを見せると、相手に警戒され優先的に除去を食らう可能性がある。
カードの性質上、早めに侵略を狙うデッキが主戦場となるため、ギャロウズ同様に侵略デッキが主戦場かつブラックサイコ達より厄介ではない
プレネッガーや《不死 ゾンビーバー》などを優先して見せることでなるべく相手からのヘイトを集めないようにしたい。

ちなみにフワシロは「コマンド化に少し墓地肥やしが必要」、マガンドは「攻撃するたびに盾が手札行き」という点がネックとなる。
どれもそこまで大きな問題ではないため、好みやデッキの採用カードに応じて枚数を調整して決めるとよいだろう。

轟音 ザ・ブラックV P 闇/火文明 (4)
クリーチャー:ソニック・コマンド/イニシャルズ 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
このクリーチャーが攻撃する時、相手は自身の手札を1枚選び、捨てる。
序盤から攻めつつ、後半はD2フィールドの力で押し切る!
それがボルトロンV軍団!!

闇文明が追加されパワー低下と引き換えにハンデスを得た《轟速 ザ・レッド》。
【赤黒レッドゾーン】において、5コストの《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》共々活躍する。
一撃奪取 ブラッドレイン》や《一撃奪取 トップギア》をはさみ、
3t目に召喚したザ・ブラックVから進化すると、「P7000WBがトリプルハンデスをしながら出てくる」という
なんともすさまじいことになる。

更に、墓地に何らかの要員で《S級不死 デッドゾーン》などが落ちていれば一緒に重ねてよりでかくすることも可能。
1t目に《闇戦士 ザビ・クロー》または《ねじれる者ボーン・スライム》を投げて2t目に《第二種 タマネギル》に革命チェンジを行い、
3t目にタマネギルからゾンビーバーに侵略して自分のデッキを5枚墓地に落とす、と言ったようなことをすることで、
「ノーコストで自分の墓地を肥やし、相手の手札を消しつつ墓地にいる除去持ちT・ブレイカーを重ねて攻撃」という
ひどいコンボができる。
…理想的すぎる?とはいえ闇は墓地利用が得意な文明であり、いくらでも別ルートをねじ込めるのでかなりえげつない事にはなる。

極魔王殿 ウェルカム・ヘル ≡V≡ 闇文明 (5)
ドラグハート・フォートレス
このドラグハートをバトルゾーンに出した時、または自分のドラグナーが攻撃する時、闇のコスト5以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、自分のクリーチャーを4体破壊してもよい。そうした場合、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
龍解後⇒《極・魔壊王 デスゴロス》
闇単におけるエンジンとして知名度の高いドラグハート。
ブラックサイコはちょうどリアニメイト範囲に収まるため、適当なウィニーに重ねてハンデスと打点追加ができる。
このため侵略を度外視しても運用できる(腐っても打点付きの生きたハンデスである)上、闇単なので結局コマンドはいる。
…つまり、ブラックサイコをひたすら使いまわせるというなかなかめんどくさいことができることになる。
現在ウェルヘルが殿堂入りしたのでブンブン回ることは少ないが、それでも警戒したいムーブである。

超次元リバイヴ・ホール C 闇文明 (5)
呪文
クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
►自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
►コスト7以下の闇のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。

勝利のガイアール・カイザー ≡V≡ 闇/火/自然文明 (7)
サイキック・クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーは、バトルゾーンに出したターン、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。
《勝利のプリンプリン》、《勝利のリュウセイ・カイザー》とV覚醒リンク後⇒《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
墓地にブラックサイコがいた場合でも、リバイブ・ホールがあればブラックサイコを回収しつつ、
ブラックサイコを載せるためのSAとアンタップキラー付きの下敷きが出せる。
このため、5コストあれば普通にデモニック・バイス相当のムーブができるが、リバイブ・ホールは超次元呪文なので、
「他の用途にも使えてしまう」のが強み。デモニック・バイスは泣いていい。

超復讐 ギャロウィン SR 闇文明 (6)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 8000
進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
侵略-闇のコマンド
W・ブレイカー
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーが破壊された時、このクリーチャーがタップしていたら、相手のクリーチャーを1体破壊し、《超復讐 ギャロウィン》以外の闇のクリーチャーを1体自分の墓地から手札に戻す。
タップ時に自分の闇クリーチャーが破壊されると、除去と墓地回収を行う進化クリーチャー。
非常に制圧力が高く、こいつを寝かせてブロッカーを並べるだけで相手はろくに攻撃できなくなる。
自分を潰しても効果を発動できる上に、自身を回収できない点も《白骨の守護者ホネンビー》や《暗黒鎧 ゴルドバット》を介すれば簡単に解決するため、
猛威を振るったREV限定レギュレーションではこいつを潰すためだけに《ナチュラル・トラップ》の採用が検討されたほど。

ブラックサイコを使えばより早出ししやすくなるうえに、ハンデスによって相手が確保していた破壊以外の除去カードを叩き落とすことができる。
ついでにもしブラックサイコを敷いたギャロウィンがやられてもブラックサイコを回収することはできる。

S級不死(ゾンビ) デッドゾーン SR 闇文明 (6)
進化クリーチャー:ソニック・コマンド/S級侵略者 12000
進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
S級侵略[不死]-闇のコマンド(自分の闇のコマンドが攻撃する時、自分の手札または墓地にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーを-9000する。

禁断の轟速 レッドゾーンX SR 闇/火文明 (6)
進化クリーチャー:ソニック・コマンド/S級侵略者/イニシャルズ 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化-自分の闇または火のクリーチャー1体の上に置く。
S級侵略[轟速]-闇または火のコマンド(自分の闇または火のコマンドが攻撃する時、自分の手札か墓地、またはバトルゾーンにあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選び、相手はそれに封印をひとつ付ける。
他者の介入により、墓地侵略を得て蘇った《轟く侵略 レッドゾーン》。それぞれタイプの違う除去能力を持ち盤面を直接荒らすことが可能。

こちらも上の勝利ガイアールと相性が良く、「デッゾ/レッゾXに侵略するついでにサイコ載せとこ」くらいのおまけ感覚で侵略できる。
デッキがほぼ闇単になってしまうギャロウィンとは違い、超次元を採用する闇デッキならば簡単に採用できる汎用性のある能力をもっており、
それぞれ【超次元デッドゾーン】【赤黒ソニック・コマンド】の主力カードとして名をはせている。

Kの反逆 キル・ザ・ボロフ SR 闇文明 (8)
クリーチャー:デーモン・コマンド/革命軍 8000
革命チェンジ―闇のコスト5以上のコマンド
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、闇のクリーチャーを1体、自分の墓地から山札の一番下に置いてもよい。そうしたら、相手のクリーチャーを1体破壊する。

DMR-23で登場した、真のKのマスター・イニシャルズ(裏切ったので種族に含まれてはいないマスター革命軍ではいけなかったのだろうか)。
コマンドを対象とした革命チェンジを持つ。うん、なんで闇文明に出した。
要はブラックサイコやデッドゾーンの効果を毎ターン使いまわせるということである。
このカードによって、多重侵略の欠点である息切れの速ささえも克服してしまった…

まとめ

まとめると単体でも厄介な能力を持つ上に、同僚との補完性能も高い非常に優れたカードである。
その汎用性の高さからすでに規制されているスケルトン・バイス同様に規制するべきだというプレイヤーも少なくないが、
裏を返せばそれだけこのカードが強力なカードであるということの証である。

いくつかの調整版が登場し、今なお最凶クラスのカードとして語られるスケルトン・バイス。
このブラックサイコはその強力さを改めて実感させてくれるカードであるといえる。

そして、2017年2月26日より殿堂入りすることが決定。
同時に《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》も殿堂入りが決定し、【赤黒ソニック・コマンド】で大量ハンデスを狙うことは難しくなった。

余談

上に書いた通り、闇文明の進化侵略者はどれも強力な能力を持っており革命編の環境において多大な影響力を発揮している。
が、ブラックサイコの所属する「復讐」の侵略者の背景ストーリーでの活躍は正直言ってほぼ無いに等しい。
一応壁の雪山を壊そうとしたり、闇文明の革命軍を襲撃したりしていたらしいが、上のプレネッガーのフレーバーテキストを見ればどうなったか察しがつくだろう。
ついでに「復讐」の侵略者の後釜ともいえる「不死(ゾンビ)」の侵略者もデッドゾーン(=後のレッドゾーンX)以外は《ミラクル・ミラダンテ》によって壊滅させられている。

ちなみにこのカードが収録されているパックの闇の侵略者のスーパーレアは《復讐 チェーンソー》。
強力な除去能力を持っているがその条件は「手札をすべて捨てる」という非常に重いもので、捨てた手札の数までしか除去できない上に破壊するクリーチャーは相手が選ぶ。
「手札をキープしていなければ効果を発揮できないが、手札を持ちすぎていると自分が損をする」という扱いに困るカードであるため、
たびたび「こいつじゃなくてサイコがスーパーレア相当のカードだろ」と言われている。


追記・修正はブラックサイコで落とされた手札から出てきたマッドネスを即座にデッドゾーンに焼かれた人にお願いします。

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最終更新:2023年07月29日 04:27

*1 もちろん前述のとおり、《スケルトン・バイス》とは違うのだが

*2 むしろ引かれる前に出さないと効果的ではない