登録日:2016/08/07 Sun 23:50:10
更新日:2024/04/08 Mon 09:49:01
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サスケ…復讐なんてやめとけ
俺はそんな与太話を聞きにきたんじゃねえ! 俺は、お前を、ぶっ殺しにきたんだ!
【復讐というもの】
「復讐」とは恨みを持つ者へ仕返し、仇討ちをすること。
それを成そうとする生き様そのものを指すこともある。
報復(リベンジ)と似た意味で使われるが、こちらはどちらかというとされたことをそっくりそのまま返すことで、復讐とは若干ニュアンスが異なる。
また、一般に復讐の場合、マイナスの意味合いが強い。
例えば「試合で負けた相手に再試合で勝利する」と言う場合、これもある種の仕返しだが、前向きな意味合いが強いためか復讐と呼ばず「雪辱」と呼ぶことが多い。
復讐という言葉は現実の世界で耳にすることもある。
現代の法律(法治国家)では、復讐は認められていない、というより、「復讐は犯罪を正当化しない」といった方が正しいだろうか。
つまり、結婚・婚約もしていない人物を
NTR(もちろん脅迫やレ○プは犯罪なのでNG)
したり、転売屋にあの手この手でドラゴンの迷路やらトリスタンやらを買うように誘導して大損させたりすることは、犯罪ではないので合法的な復讐手段になる。
ただし、
現代の日本は自力救済を原則として禁止しており、逆に相手に損害を与えたとして民事訴訟に発展し得るケースや、復讐者の行動が違法行為に該当する場合もあるので注意が必要である。
歴史上の法律ではバビロニアのハンムラビ法典が有名か
著名な「目には目を、歯には歯を」の通り、「
やられたらやりかえせ」といった物かと勘違いされているが、本来の意味では
「倍返しのような過剰な報復や"報復の報復"を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」、犯罪に対応する刑罰の限界を定めることが
この法律であり復讐の連鎖を止める予防線のような物であった。
ちなみにハンムラビ法典は被害者が自由人・平民・奴隷のケースで処分が違っており、「目には目を」の適用は自由人同士だけであった。
身分違いだったりすると
解決方法は銀の支払である。
他に馴染みのあるところでは、江戸時代の日本に存在した「仇討ち(敵討ち)」制度がある。
もちろん江戸時代においても殺人は犯罪であり、公権力による処罰の対象であったが、加害者が消息を断った場合などに、主に被害者の親族が一定の手続きを取ることで仇討ちが許可されることになっていた。
こちらも法で定められた制度であり、一定の条件をクリアすれば復讐を遂げることが公的に認められていた例のひとつと言える。
仇討ちを果たすまで家督相続できなかったり俸禄が出ない状態になったりして一旦お家取り潰しにされたりして、復讐心以外にも何年でもかけて果たさねばならない事情があったりすることもある。互いに親族の力を借りて多対多の抗争になったりもした。
もちろん"仇討ちの仇討ち"は禁止されていたほか、許可を得ていない仇討ちに関しては調査の上で明確に「仇討ちである」と証明できない限り普通の殺人として罰せられた。
そして衝撃的な事実として、成功率は良くて1〜2%、親が子の仇を討つことはできないと言う制約もある。
仇討ちのもっとも有名な事件の一つに、主君の浅野に代わり家臣が吉良を討った赤穂事件、いわゆる「忠臣蔵」がある。
しかし、赤穂浪士たちは上記の許可を得ていたわけではない。そもそも浅野に切腹を命じたのは江戸幕府である。
現に仇討とはみなされずその咎で切腹となっており(それでも斬首刑でないだけまだマシだったわけだが)、本事件を「仇討ち」とみなすかどうかは意見の分かれるところである。
当時の人間の中には「如何見ても浅野の恨みに直接関係が無く非戦闘員の茶坊主見習の子供まで殺しているので、極めて悪質な殺人犯として極刑に処すべし」と言う意見を出した者も居た。
生物学的な観点で言うと、復讐心と言うのは人間が有する最大の武器の一つと言っても過言では無い。
たとえ、相手を殺したとしても、血縁者や仲間が集団で波状攻撃をかけてくると言う習性は捕食者にとっては不気味極まりないし、個体としての戦闘力が勝っていたとしても集団で手段を選ばず攻撃をかけ続けてくれば身の危険を感じてしまう。
紀元前300年代の動物学者アリストテレスの著作『動物誌』では「真っ当なライオンは中途半端な攻撃で逆上させない限り、人間を殺さずにテリトリーから追い払うに留める」と著述している。
ライオンと人間では十数倍のパワーの差が有り、尚且つライオンの方が格闘戦に適した身体構造をしているので、走るのが遅い人間はライオンの絶好の獲物になりそうなのだが、『人間を殺すと仲間が集団で波状攻撃をかけてくる』ので紀元前の時代でも獲物にするにはハイリスクと認識しているのだ。
更に言うと、人間同士の復讐合戦に歯止めをかける為に刑法や裁判官と言うものも生み出されたので、人間の社会を発展させる大きな鍵となった。
復讐心は人間以外の高度な社会性を有する動物も種によっては有していると思われ、
ゾウが仲間を殺した人間を覚えていて襲い掛かったり、人間が
シャチに材木をぶつけて怪我を負わせたら、群れの仲間が仕返しの為に帰路で待ち伏せていたりといった逸話が存在する。
【創作において】
さて、復讐と言うと取り沙汰されやすいのはやはりフィクションの世界であろう。
アニオタ諸君らも日本の作品で一度は復讐というものに触れたことがあるはずだ。
日本の作品における復讐の最大の特徴の一つは、「正義」や「ヒーロー」などのように作品によって捉えられ方が異なること。その解釈は大きく分けて
「復讐は何も生まない、してはいけないこと」
そして、「復讐を成さぬ生き方は選べない、絶対に遂げるべきこと」
ざっくり言うとこの2つ。
いずれも悲劇的な決意のもとその判断を下している場合が多い。
前者は少年誌、後者は青年誌で見る機会が多い…かも。
その結果は復讐を成し遂げたり、結果的には復讐であってもあくまで「一人のヒーロー」として戦ったりとさまざまだが、基本的には復讐されるような悪にはしかるべき罰が降りかかる事が多いだろう。もちろん主役サイドの人物が復讐されるケースもあるが。
とはいえ、違法行為による復讐も、必ずしも全てが取り返しの付かないような、命のやりとりがある事前提の行為に走るものばかりではない。
例えばジャンルとしては「コン・ゲーム」(詐欺もの)と呼ばれる作品だが「百万ドルを取り返せ!」がある。
本作は原題 "Not a Penny More, Not a Penny Less"(1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく)の名の通り、
幽霊会社などを用いて自分達の金を奪った男から、主人公らが気づかれる事なく金を奪い返そうとする物語である。
ニセの画商として偽物の絵を売りつけたり、身分偽装を行ったりとバレれば確実にお縄になる行為はしている。
しかし取り返す側の4人はそれ以外の行為をしていないし、過剰に奪ってもいない。
あくまでやられた分をやり返すに留めている。
こういった類の物語であれば後味も爽やかに、またはコミカルに終わる事もある。(上記定義では報復の類だが)
【少年誌など子供向けでの例】
ドラえもんによく見られる。
いじめられているのび太が報復のため道具を出して貰い、調子に乗る→乗りすぎて自滅orジャイアンたちに逆襲される
は黄金パターン。
また、ドラえもんたちはそのような時に作中ではっきり「ふくしゅう」と言う単語を使っている。
「ほうふく」との違いを説明するのが困難だとかいろいろあるのだろうが。
スネ夫の場合は
無敵砲台が有名な例の一つだろう。こちらも「やり返す」としている。
日本語WordNet(英和)での「strike back」の意味
動詞
1
反撃する、そして、特に悪に悪を報いるように、相手と同じ手段で報いる
このため語の意味上は報復にかなり近いニュアンスとも取れるのだが、ミュウツーは自身を生み出したロケット団という集団のみならず
人類全体を憎み、彼らに対する攻撃のため主人公サトシなど無関係な人間も巻き込んでいる。
【復讐を否定し続ける者、反対する者、思い留まったケース】
こちらの考え方は主に「たとえ復讐を遂げても、自分の愛した人は戻らない」「復讐すれば今度は自分が復讐されて、復讐の連鎖が始まってしまう」といった思いに起因する。
パッと思い浮かぶのは
鋼の錬金術師、
NARUTO‐ナルト‐と言ったところか。
特にハガレンは戦争、陰謀により多くの命が失われ様々な人の思いが渦巻いており、復讐にその人生を捧げようと決意したキャラクターも存在していた。だが登場人物の多くは「許さないという思いを忘れず、しかし耐えねばならない」という決断を下した。これらの要素はNARUTOにも共通する部分は多い。
特殊なパターンとしては、
【復讐する気満々だったが、相手の人柄を知って思い入れが出来てしまう】
旗本である主の愛妾に手を出したことがバレ、手討ちにされかけて返り討ちにしてしまった主人公は、彼女とともに逃げ、
昼は茶屋、夜は人斬り強盗として二人で暮らしていたが、女が死体から装飾品を剥ぎ取る姿に自分の罪を客観視し恐れたことで女を捨てて出家。
僧として滅罪のために全国行脚し、難所で命を落とす者を見た彼は、そこに橋を渡して少しでも落命する者をなくそうと考え、約20年を費やした。
ようやく藩からの援助を得て橋が架かる目途が立ったところに、かつて返り討ちにした主の息子が、家を潰した要因となった主人公を殺して家を再興するべく現れる。
事情を知った主人公は大人しく斬られようとするが、事業を手伝っていた石工は必死で制止し、その頭領が主の息子に事業が終わるまで仇討ちを待つように提案。
それを受け入れた彼は、少しでも早く仇討ちするため工事を手伝い、1年半後に終了。そして主人公は斬られようとするが、その心に打たれた主の息子は仇討ちを捨てるのであった。
【奪われた大切なモノを取り戻せば復讐など不用】
【死した後に願いと祈りが生者に届き復讐を思い止まらせる】
【復讐すべき対象がすでに何らかの理由でいなくなっていた】
【自分の力では復讐できないと悟ってしまい、諦める】
【巡り巡って命を狙う理由が、自分の復讐のルーツと関係なくなる】
逞しく前を向こうという生き方。実際復讐には見返りなどなく、深い悲しみに囚われ続けるくらいならば自分の中で折り合いをつけて生きていく方が有意義なのかもしれない。顔を上げて生きていけば新たな幸せを見つけやすいだろう。
前を向くどころか後ろ向きな理由で復讐をやめてるのと、明らかにおかしいのがある?なんのことかな?
【自分に任せろ】
後述の「復讐の代行者」と若干通じるものがあるが、復讐を実行しようとする被害者を「代わりに自分が戦う」と約束する事で、思いとどまらせるというもの。
復讐のために危険を冒したり、犯罪に手を染めたり、自分の家族や仲間を復讐者に育て上げようとする事を阻止する行為である。
大きな力を持たない被害者の説得に使われる事が多いが、場合によっては「そいつはどのみち自分の標的だから下がっててくれ」というような、あっさりした例もある。
ドラマ等で一般的なのは「後の事は我々警察に任せて下さい」というものだろう。
ただし、これによって被害者を思いとどまらせても、結局、加害者を罰する事に失敗した場合、被害者は
失望からさらに復讐心を増大させてしまう恐れがある(
法や警察が加害者を罰しなかった事から復讐者になった例はかなり多い)ため、この例の使用には、
加害者を必ず罰するという強い覚悟と責任が伴う事を忘れてはならない。
「ただいまー」
「お? どうだった? 復讐は」
「しんだ」
「なー。復讐は何も生まねーよなー?」
また「死んだ本人は復讐を望んでいないのでは」という思いから復讐を否定する例もあるが、これは個人の性格や状況により異なり、
「
後で調べたら本人は復讐を望んでいた事が判明した」という例もあるため、本人が復讐を望んでいない事が明確にされない限り、あまり説得力のある復讐否定とは見なされない。というより、大抵の場合は「復讐を望んでいるが、その為に誰かが不幸になるのは望まない」というのがほとんど。
ただし瀕死の状態で「復讐はやめておけ」と遺言されている場合もあったりする。
忍たま乱太郎の土井先生とか。(元ネタは浄土宗の開祖法然上人)
ちなみに、復讐心故に殺人鬼になったキャラ等に見られる「加害者と同じ種族や職業の者全てを復讐対象にする」(例:戦争で家族を敵国の人間に殺された事で、敵国の人間全てに復讐しようとする)や、
怪奇系作品の悪霊等に見られる「加害者の血を引く者まで復讐対象にする」といった、「加害者と共通点を持つ存在全てを復讐対象にする」ものは、
復讐の範囲が広すぎる上に、罪も無いのに加害者と共通点があるという理由だけで狙われる人が出るのは理不尽でしかないため、全面的に否定される。
これらの例の中には、後述する、復讐達成後に何をして良いのか分からなくなった結果、復讐の範囲を広げてさらに復讐を続けるようになった者や、復讐を続けるうちにそれが一種の快楽となり、手段と目的が入れ替わって、復讐の名目で人を狙うようになった者も存在する。
ただし、加害者が悪の組織の一員である等、組織ぐるみで悪事を行っている場合は、組織自体を止めなければ同じような被害者が増える恐れがあるため、この限りではない。
【復讐を肯定できる者、賛成する者、実行したケース】
こちらは「愛する者を殺したものが生きているなど許せない」「復讐こそが自分の生きる意味である」というキャラが多い。最近はこちらの作品観を持ったものが多いかもしれない。復讐鬼などと呼ばれることも。
復讐は悪とされるパターンは多いが、
ガン×ソード GUN SWORD、
ニンジャスレイヤー、
ウロボロスなど復讐劇そのものを描いた作品もある。
古い所で言えば、忠臣蔵もある種の復讐劇である。
そういった作品の復讐者は、傾向として苛烈な人生を送り、周りと関わりを必要以上に持とうとしない、そしてブレないといったことが挙げられる。
たとえ周りがどうであろうと自分に従うという生き方。自分のアイデンティティを奪われて平気な人など存在しない。何にもならない、また悲しみが生まれる、そんな客観的な物言いで自分の信念を曲げることは少なくとも彼らにはできないのだ。
またこれは主にヒーロー作品に多い例であるが、復讐対象そのものが「滅ぼすべき悪」である場合、復讐=「悪を滅ぼして人々を守る」に繋がるため、肯定されやすい。
ただし、これには「仲間や人々を守る事を最優先とし、復讐は二の次にする」「自分のような犠牲者/被害者をこれ以上増やさない」といった強靭な意志が要求される。
たとえ目の前に復讐対象がいたとしても、誰かを守るために「『今は』お前の相手をしている暇はない」と言えるようになれば合格と言える。
第3勢力やライバルキャラに多い「復讐のために無関係な人々を巻き込む事を省みない」という例は、復讐そのものは肯定されたとしても、その手段が否定される。
【復讐方法がプレイヤーの手に委ねられる】
何かしらの理由で復讐することがテーマのゲームがあるとして、そのゲームの主人公は敵に対して並々ならぬ憎悪を抱いている。
…抱いているのだが、その方法はプレイヤーの手に委ねられるというケースがある。
例えば、
Dishonoredというゲームでは、相手を派手にぶっ殺すことは可能であるのだが、相手の社会的信頼を失墜させる、国外に身柄を売り払う、
決して許しはしないが、あえて見逃すといった形で復讐を成就させることができる。
師父-SIFU-というゲームでは、相手を殺すのとは別に、
「舐めプをかまして相手の心をへし折る」という形で相手を社会的に殺すことが可能になっている。
【復讐心はこじれるもの】
悲しみを耐える生き方。復讐を果たす生き方。そのどちらも自分で考えぬき出した結論ならば(法的問題は置いといて)正しいのだろう。
そしていずれの場合にも心に傷は残り続ける。新しい愛すべきものを見つけても、復讐を完全達成できたとしても傷すべてが癒える事はない。
そして、行き着く果てはもしかしたら…
【復讐と冤罪】
復讐に走るにはそれだけの根拠があるものだが、実はその根拠は「復讐者が考えている真実」でしかない場合も多い。「本当に復讐すべき存在」が別にいるならばどうなるか…?
そうでない場合も結果として、誤解から筋違いな復讐心が生まれ、無関係、あるいは関係はあっても何も悪くない人物が復讐の対象とされる例もある。所謂「逆恨み」である。
肉親を殺した奴が許せないと思って復讐を計画しやり遂げたが、実際はただの事故だった。実は真犯人は別にいた。自殺だった。
肉親こそ復讐者を害そうとしており、復讐者を守ろうとしてやむを得ず肉親を殺害していた。
悪事に走った肉親に殺されそうになったために正当防衛で殺害した。肉親が有害な存在と化した際には殺害するようにと肉親自身に頼まれていた。
肉親のための行為を台無しにした奴に復讐したら、実は犯人は罪を後悔して親族に償おうとしていた。(知っていたらやらなかった)
なんて辺りが王道パターンである。
例えば最初のヒュンケルに関しては『(育ての)親の仇だと思い込んでいた人物は親を殺しておらず、親は別人によって殺されていた』という典型例である。
特に推理物では、しばしば復讐が達成されてから真実が明らかになり、復讐者は自分の復讐心の誤りに気付かされる。
こうなると、復讐者はよほど性根が腐っているか、凝り固まった信念を抱いているのでない限り、激しい後悔に襲われることになる。
特に殺人事件ともなれば取り返しがつかず、間違った復讐心を抱かされたことに同情されることはあっても、勝手な思い込みで他者を害した罪が許されることはまずない。
復讐者はただの凶悪犯罪者となり、復讐対象にされた何の罪もない人物が被害者になる。時には本当に復讐すべき人物だけが野放しにされることもある。
そうなれば、後味の悪さは最悪である。
また「正当防衛」「本人に頼まれていた」「殺した事を償おうとしていた」といったパターンの場合、復讐者が「肉親を殺した事には変わりない」と主張して復讐を止めようとしない「逆恨み」になる例も見られる。
殺人のように取り返しがつかない犯罪でなければ、事件をきっかけに誤解が解け、めでたしめでたしで終わるケースや、
事件をきっかけに警察が動き出し、真の悪は司法によって断罪されると言うそれなりに救いのある事件もある。
その場合、最初から警察に任せた方が全然よかったことが多いわけだが、時に警察の担当者が無能だったり証拠不十分などで法的に警察が対応できず、
復讐に関連するいざこざの中でやっと警察が動けるようになる事件というのも確かにあるのだ。
【復讐の代行者】
警察でもなく、被害者でもないが違法行為によって(地獄少女はそもそも人間の法とか以前)加害者への復讐を行う存在。
そうした「裏世界のプロ」を描く作品もまた存在している。
それぞれの違いを挙げると
人を呪わば穴二つ。復讐対象は生きたまま地獄へと流されるが、依頼者も死後は地獄に落とされる
項目上部の社会的抹殺にあるように、絶対殺す的なものでもない。基本インガオホーな。
悪事が過ぎたりメンバーに関係がある組織だと感情的に強く出る場面はなくもない。
恨み屋と似たような形だが、こちらは代行する本人もまた謂れのない悪意によって踏み躙られ復讐の道に堕ちた過去があるため「凄惨な拷問で被害者と同じ絶望を体験させてから殺す」拷問殺人を基本としている。
状況によっては加害者をあえて殺さずに生かしておく場合もあるが、その場合は「生き地獄」に追い込んでいたり「自暴自棄で死を望んでいる」など生かしておいたほうが苦しむ場合に限る。
また、同作に登場する「朝食会」という組織は、対象の捕獲・道具の準備・アリバイ工作などで「復讐のお膳立て」をするのみで復讐自体はあくまで本人に行わせるという特殊なタイプの復讐屋。
なんの落ち度もないにもかかわらず家族、恋人、親友といった大切な人を惨たらしく殺され、なおかつ犯人が裁きを受けないことに絶望した人々の依頼を受けて復讐を代行する。
上記の二つと似ているが、社会的抹殺や生かして地獄を見せることがある前者と違って拷問ソムリエの場合は殺害一択。
それも残虐な方法で地獄の苦しみを味あわせながら殺すことをポリシーとする。(曰く「楽な死など許さない」)
また、前者二つの場合は標的が海外に逃げた場合どうなるかは前例がないため不明なのだが、拷問ソムリエの場合は海外の同業者と協力してどこまでも標的を追いかけていき、捕縛する。(曰く「どこにいようと逃さない」「空が繋がっている限り見つけ出す」)
怨み屋が数百万~数千万の現金、鴨ノ目武が「○○三ヶ月分」を依頼料として貰うのに対し、拷問ソムリエの場合は依頼料の言及がないためどうなっているのか不明。
お金を持っていなさそうなホームレスの依頼を受けたこともあるので依頼料を取らない可能性もあるが、その場合は資金調達をどうしているのか気になるところである。
基本的に依頼者は弱者で、その依頼者が強者によって理不尽な死を遂げた事への怒りから
依頼料を
中村主水など主人公が自腹で支払ってメンバーを動かし加害者を攻撃するなどのケースが複数見られる。
つまり義憤的要素や生前の依頼者の意思はあれど、ビジネスとしては依頼者との契約成立が絶対条件ではない。
逆に依頼者がうさんくさいと思ったら裏を取り、復讐者側に問題があることなどが発覚するケースがある。
ちなみに、対象を必ず殺害するわけではない。(少数だが、社会的抹殺などを行う例も実はある)
基本的に「銃などを用いた非合法な武力の提供者」というだけなので、余りメインではない。
護衛依頼などの過程で返り討ちにするケースもあるので、積極的に対象殺害を行うケースはたまにあるくらい。
ただし無感情にビジネスライクな処理だけをしてはいかず、時には依頼料に対する採算などを無視した行動を起こす描写もある。
性質上、依頼者の生存率は(ゴルゴでも必殺や地獄少女よりは比較的)高い。特にシティーハンターでは生存率も高いしハッピーエンドになっている事も珍しくはない。
依頼を受ければ逆恨みでも引き受け標的を呪殺するが、代償として依頼人は寿命を10年分失う。
そのため依頼が叶った後寿命切れで他界したケースや、寿命不足で断られたケースもある。
シティーハンターは主に立場の弱い美女が依頼に絡む少年漫画なので、復讐対象は場合によると殺さないと次に依頼者らに害を及ぼす可能性がある。
(ヒロインの香自身も、兄が死んで主人公リョウの元に身を寄せた理由は「兄が犯罪組織によって殺害された」ため)
そうした点もあって「復讐の依頼により復讐者も不幸になる、凄惨な死や自殺を遂げる」といったことは余りない。むしろプラスになり、爽やかに終わったり。
一方で地獄少女や必殺シリーズ(主に後期)では、依頼者の死亡率・不幸率は半端ではない。
が、地獄少女が「人を呪わば…」であるのに対して主水らは依頼成立前の時点で依頼者が惨殺され、
「ゆるせねえ あいつらゆるせねえ!」的な視聴者、そして自身らの抱いた感情に応じる形で依頼者の死後に人を殺す事も多い。
このため必ずしも復讐心=悪とはなっておらず、むしろ理不尽な権力や暴力を振るう加害者こそ罰せられて当然、因果応報であるという印象が強くなっている。
【物の怪による超法規的措置~人間の法なぞ己には何の関係もない!~】
「人間ではないものの復讐行動」に関して、人間の法や倫理規範が云々という話が通じるかと言うと微妙なところである。
地獄少女の"業務"に対して、人間が「逮捕」や「裁判」が出来るだろうか?「呪い」といった超常現象を認定するか否かは、実は法的にも問題になる。
(現実的な推理モノで表面上呪殺しているパターンでは、トリックを暴き殺傷行為であると明示するまで裁きようがないという話が見受けられる)
妖怪を描いた漫画
うしおととらでは、妖怪・鎌鼬三兄妹の一人が人間たちを惨殺しながら「人間は勝手に自分たちの住処を奪っていく」と
山野を住宅地にしていく人間に対して怒りを露わにしている。
これに対して幼い頃に大人の都合で好きなものを失った主人公も「つらかったろうなあ」と感情そのものには共感している。
人を殺す事に対して共感も肯定もしていないが、罪を償え滅びろという強硬な態度ではない。「きっと別天地があるだろう」と、同情的に殺害を止めようとしている。
もし人間同士であれば土地所有権は法律や契約によって定義されるが、それは人が勝手にやっていることである。
そもそも人間の法体系の外で生きる妖怪の居住権は・・・
細野不二彦の霊能モノ「ジャッジ」では、人間の
有害物質不法投棄により死んだ魚などの動物霊が人間を怨み、
その怨念を晴らすために主人公が”指定されていない自然のある場所”へ投棄している違法業者への攻撃を行う。
しかし、ダイオキシン等が出るような物質を用いて便利な生活をしているのは人間なのだと業者の社長側が批判しており、事実として社会システムの末端に過ぎない廃棄物処理業者というのは復讐相手として正しいか否か?といった問題も示されている。
とはいえ業者自体は不法に安く処理するために社員に犯罪を強いたりしていたので、社長は処されたが。
ちなみに同作において上記のように動物霊が登場するのは稀なケースで、通常は主人公が怨みを聞き届けるのは人間の霊。
ずさんな工事によって死んだ子供や、
効果的な薬剤が利権のため握り潰されたせいで苦しみ死んだ患者などが、
地縛霊となってしまっているのを成仏させるため加害(上の場合は工事業者や利権の為に動いた医者)者を攻撃している。
「死んだ人間は全力で復讐を望んでいるんだよなぁ・・・。」
そしてそれが果たされれば依頼者は綺麗に成仏でき、そうでなければ地上に苦しんで死んだ時の姿で縛られ、泣き暮らすという死体蹴りというか追い打ち状態。そのため悪人を慈悲心で見逃す霊はいない。
ただし、自分が成仏できない理由は復讐心だと思っていたが、復讐を果たしても成仏できないなどの理由で自分の復讐以外の本当の願いに気付くといったケースはある。
上位的な物の怪が復讐心を抱いた人間を焚き付けて、コンビを組むケースもある。ただ、その物の怪は大抵が人間の相棒を上から目線、
最悪自分の本来の目的の為の駒程度にしか見てないケースが多い。反面、人間側の思想があまりにも陰性・陰険・陰湿で行動・言動がえげつない場合、
「人間って聞いていたより深すぎる…」等と感性の段違いさにドン引きしつつも、それとなく疑問を呈したり遠回しに諭したりする人間側の良心役を担う存在もいる。
ただその善意すら裏目に出て人間に振り回され、最悪物の怪が音を上げるケースも少なくない。
果ては人間が人間をやめて、別種族に転生してやりたい放題なんてこともある。
このように心理的構造・認識・法的立場などがハナから現生人類と無関係な存在の「復讐」は、創作上でも人類間の復讐エピソードとは違った色彩を持っている。
【人間以外に復讐する場合】
これとは逆に、人間「が」妖怪「に」復讐するなどの場合、こちらもまた法的・倫理的問題にはならない可能性がある。
うしおととらの紅煉は元人間であった存在が心底からの邪悪さをもって魂を削っていった結果妖怪となり、人を殺し喰らい楽しむ存在となった。
彼に対する復讐が遂げられた時、復讐を遂げた人物はめちゃくちゃスッキリして妻子の元へと旅立っていった。
「あくまをころしてへいきなの?(クッソ悪い悪魔)」
「うん(バァン)」
これやったら人としてどうなの?と思う人はどれだけいるだろうか?
上記は人間の変化・転生体に近いが、一切人間と関係ない異界から来た悪魔を討っても人界を守ったと評されるだけでお咎めなしどころか表彰される……そんな展開だってありうるだろう。
鬼滅の刃における鬼殺隊の面々の中には、元は人間であった鬼に親や仲間を殺されたという理由で鬼への復讐心を抱いている隊員も存在する。
そして鬼になった時点で鬼は
数少ない例外を除いて人を食い殺すことを何とも思わなくなる……
という理由もあって鬼に対する復讐心自体を咎められる描写はない。
流石に復讐を優先させるあまりに周囲の被害を鑑みない、とまでなると咎められていたが。
「歴史改竄術式の暴走により、人類は新宿区を残し絶滅した。君も、家族も、人類史にその痕跡すら無く、消滅したのだ。君は、それを赦せるか」をキャッチコピーとするPBW『チェインパラドクス』の敵である異種族クロノヴェーダはほぼ全てが真正の鬼畜外道揃いであり、新宿区以外の大地を歴史ごと奪い都合のいい歴史であるディヴィジョンと呼ばれる世界で人間を虐げている。
当作品におけるPC(主人公)であるディアボロスは現代の時間軸にいた者は新宿区にいた事で消滅から逃れるも、新宿区以外の大地と人類が抹消された事で新宿区にいなかった大切な人と日常を奪われている。
ディヴィジョンにてクロノヴェーダに反抗した者に至ってはほぼ全員がクロノヴェーダに惨敗し、殺害されて新宿区で蘇るという凄絶な過去を有している。
そんな彼ら/彼女らは『失われた世界を取り戻せる唯一の希望』として新宿区にいた事で歴史改竄による人類絶滅から生き残った人々から大々的に支援を受ける程である。
リアルに言うなら熊に家族を食い殺されたので猟師となり、熊を合法的に射殺したらそれは悪い事なのか?
家族を食った人食い熊だけを殺すなどする分において違法でも何でもない上に報復など別に他の熊は考えないかも知れない。
(動物でもゾウあたりは家族の死を認識して怒る可能性があるらしいが)
サメ映画の人食いザメなども最後には殺されるケースがあるが、殺した主人公側が手を取り合って喜んでも法的・倫理的に対人の復讐に比べれば問題ははるかに少ない。
人間以外「に」対する復讐は、やりようによっては純粋なエンターテインメントで済む可能性もあったりはする。
【復讐の代償と復讐の連鎖】
さて、ここまで復讐について散々説明してきたが、こういうケースを見たことはないだろうか。
復讐者「おのれ、父の敵め…覚悟!」
仇の子供「やめて!お父さんを殺さないで!」
仇「子供がいたとは知らなんだ…罪はいつか必ず償う、だが私の子が一人前になるまで見逃してくれ!頼む…!」
親の仇ではあるが、何も知らない子供にとっては良き親でもあった場合。
誰だって見知らぬ人が突然「親の仇」と叫んで親に襲いかかったら当然止めようとするだろう。
ここで手を下せばその子供が自分と同じ悲しみを背負い、見逃せば復讐に生きてきた自分の気が晴れない。
司法に突き出しても良いが、それでも結局子供は親を失い、自分と同じ孤独を味わうかもしれない。
「ならばお前の子供も仇だ!」と子供を手に掛けようものなら、間違いなくその自分はただの鬼。
「親を失った復讐心を晴らせる」と「親を失うかもしれない子供を救える」の板挟み…ここで即見逃せる聖人などほんの一握りかもしれないが、仇と同じことをして果たして自分の気は本当に晴れるのだろうか……?
それでも仇を討つ選択を選び、復讐を達成した場合もその後穏やかに暮らせるとは限らない。
寧ろその一件が顕にされて自分も犯罪者となって追われる身になってしまうか、復讐相手にその子供の様な家族がいた場合はその家族の恨みを買わないわけがなく
復讐相手の家族によってさらに復讐されて殺されてしまうというケースすらある。
とりわけ後者はガンダムシリーズで度々復讐の連鎖というテーマとして取り上げられている。
また、復讐を果たした本人にその結果を受け止める覚悟があったとしても(忠臣蔵の赤穂浪士が「自分たちの行い=重罪」と理解し自首した等)、家族や恩人など、関係者にまで大きな迷惑がかかることもある。
ナルトの雷影は「ワシ達はサスケを始末する、その後お前が踏み止まれ!!」は一つの解決策と言えなくないが、その雷影も白眼の件で「かつてアナタが日向の白眼を狙いやった事は木ノ葉では何も解決していない戦争の火種をつくった雲側に対し木ノ葉は血の涙をのんで戦争を回避した尊い犠牲の上にアナタ方は存在している事を忘れないでもらいたい」と指摘されている。
復讐という目的を達成できたから後は穏やかに暮らせる?いや甘い。
直接復讐したい相手が既にこの世の者ではなくなっていたことが判明した場合は、話が穏やかに終わるケースが多い。
復讐は果たしたが仲間・地位・財産を失ってしまうケースすら、まだ生温い。
酷くなれば上で挙げたケースのように相手の命を奪う復讐をしてしまったが為に投獄されたり自らも命を奪われてしまう等悲惨な末路を
迎えてしまう事もあり、仇を討つ等で復讐を成功させたからといってメデタシメデタシ、となるとは限らない。
そして当然だが因果というものは相手だけでなく自分にも返ってくるものであり、復讐するという事は復讐者やその家族・友人等の無念を晴らせるかもしれないが
それは同時に復讐された加害者やその家族等の恨みや怨念を死ぬまで背負う事も意味しており、相手を苦しめた分が自分に返ってきてもおかしくなく、下手をすれば復讐者が大切にしている者が狙われることだってあり得るのだ。
だがそれも承知の上で復讐を実行せずにはいられない者もいる…それが復讐なのだから…
復讐をテーマにした作品ではそうした現実を描く例もあり、やられたからやり返し、やったからやり返され、
殺されたから殺し返し、殺したから殺し返されるという負の連鎖(俗に言う無限ループか)を描く事で視聴者へ復讐する事の虚しさを伝えるものもある。
一族郎党皆殺しにして復讐の連鎖を断つべきところを、ついつい仏心を出したばかりに自分や一族が殺されるなんて事例も古くは源平合戦を筆頭に歴史上結構ある。
また、創作においてたまにみられるケースだが上記のようにならないように
心を鬼にして幼子をも手に掛けて一族郎党皆殺しにして復讐の連鎖を断ったつもりが今度は
皆殺しにされた一族と関係の深かった別の一族の者(皆殺しにされたのは実は宗家で分家が生き残っていたパターンや皆殺しにされた一族の者に恋人がいてその仇討ちというパターンが多いか)が
仇を取らんとばかりに復讐者へ襲い掛かるというケースもある。
結局のところ誰の恨みも買わない復讐というのは意外に難しいということなのである。
【読者・視聴者から見た復讐】
読者・視聴者といった傍観者の視点で復讐を見る場合、復讐を肯定する条件として、以下の状況が揃う事が挙げられる。
- 被害者が理不尽な理由で被害に遭っている
- 加害者が更生もしていなければ報いも受けていない
- 加害者をそのままにしておくと、悪事を繰り返して被害者をさらに増やす恐れがある
ただし復讐の手段に関しては、これに「無関係な人々をむやみに巻き込まない」という条件が追加される。
復讐否定の理由としては「復讐達成後に復讐者の人生が崩壊するのではないか」という指摘もある。
復讐のために犯罪に手を出した結果、社会から犯罪者として扱われる事になったり、復讐のために全てを投げ出した結果、達成後に何もできなくなってしまうという可能性である。
これは復讐肯定を前提とした話であるが、最も理想的な復讐というものがあるとすれば、それは「無関係な人々を巻き込まずに、理不尽な加害者にそれ相応の罰を与え、達成後に自分の受けた被害を相殺できるほどの幸福を手に入れる」という事であろう。
ただし、合法性にこだわるのであれば罰が合法的なものに制限される等、話はいくらか変わってくるし(違法性を完全否定する事で復讐否定になり、理想的な復讐を語る前提から外れる事もある)、前述の通り、復讐自体は何かを生み出すものではないため、そのような都合の良い結果に行き着いた復讐者は少ない。
加害者、より具体的には「責任の所在」がなんなのかも重要である。
例えば子供のいじめの加害者がいるとしよう。復讐者はいじめっこをターゲットにしがちだが、子供は本来
少年法に守られる未熟な存在である。
いじめを放置していた大人やいじめを産む社会システムといった外部の要因を全て無視し、いじめっこのみを復讐の対象とすることは、怒りをぶつけやすくてスッキリはするだろうが、本当に理想的な復讐と言えるのだろうか?
「死者は蘇らない」「復讐は犯罪だ」という意見に対し、「死者や法律ではなく自分が納得できるかが大事」として「復讐を肯定する」ような意見はよく見られるが、
実際には復讐肯定には上に挙げたような暗黙の前提があり、要約すると「司法で裁けない悪を私刑で排除する」という
ダークヒーローの正義であることが多く、
「納得するため」でも矮小な動機による無差別テロ攻撃などの
復讐全般を肯定しているわけではない
のは留意する必要があるだろう。
彼らの話をよく聞いて突き詰めると「復讐肯定派」が実際に肯定しているのは「復讐」ではなく「法で裁けない悪の排除」だったりして論点がズレていたりする。
敵が社会では裁けない悪人なら復讐して正義?それは「復讐そのもの可否」とは芯がズレてる話ですね。だってそんな行為は復讐者
バットマンじゃなくて義憤の人
スーパーマンがやっても「正義」でしょう?
元を正せば「復讐反対派」も「死者は蘇らないし、死人が喜ばないから復讐はダメ」などと論点が妙だったりするので(犯罪だからダメ、と言えば「復讐は納得するためにやる」という反論は来ないだろう)
復讐議論は論点をどこに置くかきちんとしないと明後日の方向に行きがち。
「復讐と八つ当たりは違う」と語る者もいるが…自分が納得するために復讐する者にとって、他人に自らの行為が八つ当たりか復讐か勝手に判断されることほど納得できないことはないだろう。
「相手が復讐されるに値する極悪人で、無関係な人間に迷惑を掛けない復讐ならOK」?
その「社会正義に則った復讐のみ許容される」という理屈は「自分がスッキリするから復讐する」という理屈とは完全に真逆ですよね?
【復讐論まとめ~「動機」の良し悪しと「行為」の良し悪しを一緒くたにしてはいけない】
なぜこんな復讐論がややこしいことになっているのかというと、
復讐が「感情」や「動機」や「行為」と混じり合っている言葉で、定義が曖昧なまま各々が「復讐」について語っているからか。
復讐とは「恨みを持つ者へ仕返し、仇討ちをすること」だが、仕返し行為には裁判を起こすなどの合法的な報復から、違法な私刑、相手の家族を狙う、相手と同じ国の人間を殺すなど色々ある。
典型的な復讐は仇の殺害だが、殺人に関する善悪すら時代や状況によって違う。
のび太が
ジャイアンに反撃するのも復讐である。スポーツマンが試合で負けた相手に勝とうと努力するのも復讐だろう。
恨みを忘れて幸せに暮らすのも一種の復讐であると言えなくもない。
「復讐とはなんなのか」の共通認識がない以上、「復讐の善悪」を語れるはずもない。
"復讐そのもの"のはありきたりなモチベーションでしかなく、それだけでは否定も肯定もできず、そこから実際に何をするのかが大事なはずである。
「復讐のために何かをする」という「感情・動機」は、その「何か=行為」が褒められるかとは切り離して考えるべきではないだろうか。
「お願いだってばよ! もう見たくねーんだ! 追記されない項目を!」
「修正されなかった項目がどうなるか知っているか…? どうにもならない…どうにもならない…!」
- 亜人の佐藤ことサミュエル・T・オーウェンには那由多 不可思議の絶望 苦痛 恐怖を味遭わせたかったものだ。こういう奴を復讐をするのはベリーハードだけどな。 -- (名無しさん) 2023-09-02 21:19:21
- 冤罪を犯した刑事達がお咎めなしなのは納得いかない 奴らは恐らく間違った事に関して後悔なんてしていないだろうから -- (名無しさん) 2023-09-03 13:00:34
- イジメを行う連中が出てくる漫画はそいつらを罰する作品が多い。「いじめるアイツが悪いのか」で更生じゃなく罰してほしいって台詞があるし、「地獄くらやみ花もなき」では罪をなされた者はせめて罪人に罰を与えてほしいと願うという台詞があるし当然の事なんだけど。 -- (名無しさん) 2023-09-26 18:38:41
- いじめ加害者には兆倍の苦痛 絶望 恐怖を味わって欲しい そうでないと溜飲が下がらないし、罪過が釣り合わない -- (名無しさん) 2023-10-08 13:15:58
- いじめの場合はまず法的な整備をどうにかするのがさき、罪にたしいて裁く方法がないから私刑ものがはやるのだろうね -- (名無しさん) 2023-10-08 18:57:09
- 復讐の対象者を許すか許さないか決めるのは当事者だけである 何故部外者が偉そうにしゃしゃり出てくるのか理解できない -- (名無しさん) 2023-10-28 13:36:10
- ↑ここで長く討論されているみたいに、復讐とはいうけれどもそれにほんとうに「正当性」があるのか(逆恨み説)、そもそも法的にそれを赦してしまうと法治国家として成り立たな説(法の観点からの否定)とか全部ふっとぶことになるのだが -- (名無しさん) 2023-10-28 14:19:10
- 「復讐は何も生まない」一番この言葉が使われるのは「復讐成功したとしても大切な人は帰ってこないから」ならもし人の命が可逆的なモノになったらどうなるのだろうか -- (名無しさん) 2023-11-05 18:55:30
- いじめの加害者が「いじめを犯罪と思ってない」「自分達は未成年なので法に守ってもらえる」「親が何とかしてくれる」と思ってるから処刑ものが流行るのかもしれない -- (名無しさん) 2023-11-06 09:47:07
- 復讐は何も生まないぞ。レイプされたぐらいどうってことはない。死んだわけでもない。報復など虚しいだけだ。堂々と胸を張ってくれたまえ。 -- (名無しさん) 2023-11-06 12:40:03
- ↑それはもう警察の仕事じゃないですかね? -- (名無しさん) 2023-11-06 14:05:57
- 虚しいと思えるくらい心に整理がつけられるのは復讐終わってるからなんだよな。今復讐しようと思ってる人に言っても何も伝わらない -- (名無しさん) 2023-11-06 14:42:17
- ↑それをすることによって相手側と同じにとはいわないが、それをすることで「まっとうな人としてのなにかを」決定的になくすことになることは確実だからね -- (名無しさん) 2023-11-06 15:37:12
- 「人を呪うような想いを抱く」のと「相手を呪い同じ穴に陥る」と後者は光がさすことはあれどその穴で暮らすことになる -- (名無しさん) 2023-11-06 15:41:20
- ↑4 うむ、警察の仕事だ。だから犯人不明なんてときは街頭で呼びかけるだとか被害者の会だとかそんなものはやめたまえ。復讐は何も生まない。そのあふれるエネルギーをもっと有意義なことに使おうではないか! -- (名無しさん) 2023-11-07 08:52:02
- 体を適当に乗っ取って生き延びる悪霊タイプの厄介さだな。直接退治したら自分が操られてしまうから結局被害者ばかり増える。 -- (名無しさん) 2023-11-07 10:32:16
- ↑それはただしいたいおうでは?違法性がなく建設的(のちに同じ被害者をださないという運動)や犯人逮捕のために個人が働きかけるのは違法ではないよ? -- (名無しさん) 2023-11-09 08:34:09
- 2↑すっごく勘違いしてそうだからいうけれど、法的に被害者に該当する人々の働きかけは「社会運動」であって復讐ではないし、ビラくばりは「活動」だよ、なんでもかんでも「復讐」に該当させればいいってものではない、法律的な正当性を無視すれば場合によっては軽犯罪で加害者になる -- (名無しさん) 2023-11-09 20:08:01
- ↑いけないなぁ、報復が目的のくせに嘘なんて吐いちゃ。報いを望まないならそんなムダな活動、余計にやらないほうが建設的さ! -- (名無しさん) 2023-11-11 14:49:22
- ↑報いの過程を「私刑」にもとめる復讐と、社会的規約にのっとる運動や活動を理解できないのならまずは辞書をひくことだね、それと初歩的な法の本でもおすすめするよ -- (名無しさん) 2023-11-11 16:40:08
- ↑どちらも過程は違っても復讐であることには違いないさ。 -- (名無しさん) 2023-11-11 20:37:00
- ↑復讐は私刑のように「個人の裁量」に委ね行われるものと、署名活動によって社会的運動により法的整備をうながし「第三者機関にその裁量を委ねる」(ビラくばりもまた最終的に警察という公的機関に委ね、法的処罰に委ねる)という、“個人の正義に左右される”ものと“法的な第三者機関に第三者目線からの法的処罰を求める”つまり、「個人の裁量で相手を罰することをしない」という意識は大きくちがう -- (名無しさん) 2023-11-11 21:05:08
- ↑そんな努力に犯人も見つからないまま、4年も5年も費やしてごらん。ムダなエネルギー使ってるんなら、とっとと切り替えて前を向いて生きるこった -- (名無しさん) 2023-11-13 23:55:48
- 報告にあった違反コメントを削除しました。 -- (名無しさん) 2023-11-15 08:03:38
- フィクションの復讐者って「外道に愛する者を奪われた可哀想な人」が多いけど、『発情アニマル2』に登場した復讐者の場合は外道の親族で身内の愚行を棚に上げて「外道に凌辱された被害者」に対して、あろうことか「誘惑して愛する者を殺した(意訳)」などと逆恨みした加害者家族だった -- (名無しさん) 2023-11-22 19:46:42
- 「復讐の教科書」や「十字架のろくにん」みたいに復讐対象達のボスを殺せば終わるけど倒し損ねて何十話も後で倒したパターンは多い。サクサク復讐するのが一番だろうに -- (名無しさん) 2023-12-15 14:54:57
- ヨリシロトランクという復讐の大体の疑問である「復讐しても大切な人は帰ってこない」を解決した作品 -- (名無しさん) 2023-12-30 04:06:32
- ミスミソウや復讐の教科書や復讐の同窓会を読んでるといじめを見て見ぬふりをしたり唆す教育者も復讐者を生む元凶だと感じるな -- (名無しさん) 2024-01-05 12:14:15
- 聖母の断罪の鬼怒川も復讐者やろうとしてるけど、そいつ含めたいじめっ子達に息子を殺された母親が断罪するのに対して鬼怒川は自分達のした事を省みず棚に上げて仲間の仇討をしようとしてるから逆恨みでしかない -- (名無しさん) 2024-02-06 10:56:43
- ↑2見て見ぬふりはその時点で共犯者 -- (名無しさん) 2024-03-30 20:45:30
最終更新:2024年04月08日 09:49