シャーロット・リンリン(ONE PIECE)

登録日:2016/08/02 Tue 00:13:00
更新日:2024/04/09 Tue 21:19:30
所要時間:約 50 分で読めます


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お菓子をくれない奴は殺さなきゃね……


くれると言ったのにくれない奴は嫌いだよ


ニガイお菓子くらいにね……



シャーロット・リンリンとは、漫画ONE PIECE』の登場人物。


●目次


【プロフィール】

本名:シャーロット・リンリン
異名ビッグ・マム、天候を従える女・妖怪大花魁
年齢:68歳
身長:880cm
懸賞金:5000万ベリー→5億ベリー→43億8800万ベリー
肩書き:元四皇万国(トットランド)女王
所属:羊の家ロックス海賊団船員→ビッグ・マム海賊団船長
所属船:クイーン・ママ・シャンテ号
悪魔の実:ソルソルの実(超人系(パラミシア  ))
覇気武装色見聞色覇王色
出身:偉大なる航路(グランドライン)
誕生日:2月15日
星座:水瓶座
血液型:X型(現実だとA型)
初登場:単行本66巻・第651話・『新世界からの声』
趣味:お茶会・珍獣収集
好物:甘いお菓子
嫌いなもの:リコリス菓子
一人称おれ
笑い方:ハ〜ハハママママ
CV:藤田淑子→小山茉美


【概要】

四皇の1人で、異名は“ビッグ・マム”
ビッグ・マム海賊団の船長にして万国(トットランド)女王。
ピンク色の髪の老婆で、ONE PIECE世界の人物の例に漏れず、超がつくほどの巨体。


子供の頃から海賊になっており、60年以上にわたって活動してきた大ベテランの古参海賊で、
キャリアでいえばロジャーや白ひげの先輩にあたる。
大海賊時代到来以前の若い頃はロジャーの前の世代で最強の海賊だったロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団に所属しており、同じくロックス海賊団に所属していた“白ひげ”や“百獣のカイドウ”とは顔見知り。

38年前に海軍本部中将のモンキー・D・ガープと、後の“海賊王”ゴールド・ロジャーによってロックス海賊団が壊滅した後は、自分の海賊団を立ち上げ、ロジャー、白ひげ、金獅子のシキと新世界の覇権を争っていた。
ロジャーと白ひげが死亡し、シキが行方を眩ました現在では、事実上四皇どころか作中に登場する海賊の中でも最古参の海賊となっており、全盛期のロジャーやロックス台頭前の海を知る数少ない人物でもある。

後述の趣向から自身の名をナワバリに貸し出し、その見返りとして膨大なお菓子を定期的に自身に供給するよう手配している。
またカイドウと同じく、4つある「ロード・ポーネグリフ」の一つを所有している。

あまり注目されないが、年齢も68歳と白ひげ亡き今現役の海賊としてはトップクラスの最高齢。そしてその人生のほぼ全てを海賊として生きてきた「絶対的な経験値」も彼女の巨大な武器である。

【人物】

昔の田舎のおばあちゃんのような非常に男勝りな性格で、それに加えて傍若無人・独裁主義という言葉が当てはまる話の分かるとは言い難い人物。
基本的に自身の要求を拒否した者は絶対に許さず、例え「親の葬式で当日欠席する」などと丁寧な返事をしたとしても、自身に恥をかかせた罰として「拒否した者の身内の誰かの首を送り付ける」という、えげつない報復を躊躇いなく行っており、これには部下であるペコムズからも恐れられている。

魚人島編では、大量の財宝を貰えることでお菓子の納期に間に合わなかったことを許しても良いのではないかという提案をしてきたタマゴ男爵に対し、「欲しいものを妥協する海賊がどこにいる!!」と一喝しており、部下はもちろん子供達からも恐れられ、リンリンに逆らう者は存在しない。

「来る者は拒まず、去る者は殺す」の考えの下、傘下を抜けたいと希望する者に対し無理に引き止めはしないが、代わりに自分が戦力を失う落とし前としてそれ相応の対価をルーレット形式で要求するだけでなく、
ルーレットに表示されている数字の分、共に生け贄となる“仲間の犠牲の数”が決まるという、義理堅いジンベエでさえ「死と悪意しか感じられない」「理不尽な制裁」と称する無茶苦茶な内容である。
その為、傘下を抜けたいと申し出た者は、結局全員命を落としており、恩や仁義を重んじるジンベエさえもルーレットを断念し、ルフィベッジと組んで反乱を起こすと言う手段を取らざるを得なかった。

家族であろうと失態には厳しいようだが、基本的には「ハハハ…誰にだって殺したい人間の100や200はいるもんだ!!仲良くやんな我が子達」と、喧嘩しかける幼い子供達をいさめるなど(一応)母親らしい一面を見せることもある。
なお他人であっても、10歳以下の相手には希に「マザーモード」と呼ばれる穏やかな顔になる事があり、この状態の時は敵がすぐ近くにいてもその相手を優先させる。
また慢心している様子はやや多いものの、指揮を執る際は慢心を見せず、ルフィがホールケーキアイランドに侵入した際は即座に自身の最高戦力スイート3将星の一人シャーロット・クラッカーを討伐に向かわせている。
普段の傲慢さと無縁な狡猾さも、彼女が大海賊団をまとめる首領であることを思わせている。

このように極めて傍若無人な暴君ではあるものの、逆らわなければ基本的に被害は少なく、それなりにビジネスを行い裏社会との強い繋がりを持つなど、言うなればマフィアの頭領といった側面が強い。
この豪胆さと狡猾さが普段のリンリンの特徴といえる。
ただし冷酷非情ではあるが、相手が誰であれ善意から来る損得なしの恩を受ければその恩をしっかり憶えておく律義さがあり、自分が受けた恩は仇で返さないという(彼女なりの)仁義もしっかり持つ。
なので例え同盟相手であろうと、自分の中の仁義を無下にされたと感じてしまえば一瞬でブチ切れ、例え同盟相手であろうと容赦なく覇王色の覇気を纏わせた怒りの鉄拳を振るう。
本人の言葉を引用すれば「非道な海賊の世界にも仁義ってもんがあるだろうがアホンダラァ!!」とのことだが、このことは基本的に自分の口で言いふらさないため、同盟相手からすれば一切見えない地雷原が仕込まれていることになる。
ただしそれでも「去る者は殺す」という信念は揺るがず、例え溺愛していた子供であっても自分の味方にならずに逃げようとするならば躊躇いなく殺せる理不尽さは相変わらず。
こんな出鱈目で無茶苦茶な理屈であっても、マムは一切の疑問も躊躇いも抱かない。

そして、心の中では今でも育ての親・心の親ともいえるマザー・カルメルのことを慕っている。
四皇という、海賊王に次いで海の栄華を極めた立場にいる彼女だが、そんな彼女にとって人生最良の記憶は、カルメルと羊の家の子供達に囲まれ、クロカンブッシュを用意してもらって祝ってもらった自身の6歳の誕生日会であり、それから60年以上経って尚、彼女はカルメルの願いを自分なりに叶えようと行動してきた幼さを未だに抱えている。
また、マザー・カルメルの事については他人はおろか実子にも語ろうとはせず、茶会の客が彼女の事について尋ねようものなら一瞬で激怒し「おれの思い出に踏み込んで来るんじゃねェよ!」と一喝して覇王色の覇気で気絶させるほどである。

また、珍しい生き物の類いにも目がなく、無類の珍獣コレクターとして名高い。
世界各地の希少種・絶滅種を人間/動物を問わず捕獲しており、普段は息子モンドールの能力を利用した「本の檻」の中に大事にしまわれ、自慢用に図鑑形式で閲覧出来るようにまでさせている。

傍若無人な海賊たちの中でも一際異彩を放つ思考と価値観。だがその理由は一言で説明できるだろう。
彼女の精神は6歳の頃から成長していないのだ。

◆お菓子好き

上述の通り大の甘党で、甘いお菓子が大好物。
しかし持ち前の強欲が合わさることで常軌を逸した貪欲さが発揮され、初登場時にお菓子の納期が遅れたため国を一つ滅ぼしてきたという部下の報告を聞いて、「お菓子が納められないのならば殺さなくてはいけない」という趣旨の発言もしている。

定期的に「お茶会」と称されている行事を行っており、その時も自分の気に入っているお菓子を部下達に用意させる。その菓子および材料を調達するためならば、略奪はおろか戦争も辞さない
ただし、財宝に興味がないかと言えば全くそうでもなく、世界各地の珍しい宝物・珍品を多数所持しており、あくまでお菓子優先なだけで海賊らしく普通にそちらも大好きである。
このため、魚人島から送られた伝説の玉手箱をお茶会で開くことをメインの楽しみの一つにしていた。

後のファンブックにて嫌いなものがリコリス菓子と追加された。
北欧でポピュラーな甘草を用いた菓子だが、漢方のような味わいで好き嫌いが分かれる。

◆夢

そんなリンリンの夢は意外にも、世界中全ての種族が差別される事の無い理想郷を建国する事と作中でも類を見ない平和的なもの。
ホールケーキアイランドを中心とする自身の縄張りである海域は「万国(トットランド)」と呼称され、彼女はその海域の頂点に立つ女王でもある。
領土内は基本的に平穏を保ち、様々な種族の住民は(寿命を代価に)平和を謳歌している。

また家族全員と同じ目線(●●●●)で食卓を囲むという夢を持っているが、一般的な「立場などに関係なく平等」と言う意味ではなく「物理的に全員が同じ目線の高さ」と言う意味である。そのために文字通り家族全員を巨大化させたがっており、シーザー・クラウンに人体巨大化の研究を依頼していた。
これは幼少期の頃に、カルメルが語った言葉をそのままの意味で誤解釈した結果だと思われる。
ただし、人体の巨大化は天才科学者のベガパンクですら実現できていない人類未踏の研究である。
エンポリオ・イワンコフのような悪魔の実の能力者ならば可能かもしれないが、そんな人間はそうそう見つからないようだ(当然かもしれないが)。
シャーロット・ブリュレによればその対象には知性を持たない動物なども含まれており、珍獣コレクターとしての一面は夢に基づく保護活動の一環でもある模様。
とはいえ、どの種族に対しても偏見がないのかと言えばそうでもなく、三つ目族に対しては「気味が悪い」とも評している。

また、希少な種族さえも暮らしているこの万国には巨人族がいない。
これはリンリンが過去に巨人族と確執を抱え、全世界の巨人族に嫌われているため。
他にもあと二種類の種族が不在であり、その内の一種「ルナーリア族」である百獣海賊団キングを直接スカウトした事もある(無論断られたが)。最後の一種についてはどうやらすでに絶滅している可能性もあるらしい。

種族融和の夢を反映したかのように、彼女のネーミングは万国(トットランド)<tutto(イタリア語)・天上の火(ヘブンリー・フォイアー)<Feuer(ドイツ語)・天上の(ヘブンリー)ボンボン<bonbon(フランス語)・威鼓(インドラ)<इन्द्र(サンスクリット語)と国際色豊か。


◆食いわずらい


“クロカンブッシュ”を持って来い―――!!!

クロカンブ~~~~ッシュ!!!

どこにある!? どこにいる!? この味じゃねェ お前でもねェ!!

全部違ァ~~~う!!!


普段は暴君ながらも狡猾さと豪胆さを併せ持つリンリンの最大の問題点。
起こることこそ少ないものの、時折、頭に浮かんだ食べたいものが食べられないと起こる「食いわずらい」という癇癪を起こすことがある。
いったんそうなると一切の理性・見境がなくなり、色々なものを食しながら怪獣の如く暴れ、自分の領土や部下、果ては実子*1であろうとも蹂躙してしまう。
その癇癪を収めるには、彼女が望むお菓子を食べさせて満足させる以外に手はない。
しかし、彼女が癇癪を起こした際に欲しがるお菓子も毎度同じではないのに加え、作ったり材料を集めたりするのが難しいものも多いため、止めること自体が容易ではない。
この状態では目的のものを食べない限りは食事も殆ど摂らない(満足できないため)、わずか十数時間で劇的に痩せていく特徴もある。

ただしこの急激な痩せ方はデメリットだけではなくメリットも発生する。
食いわずらいを発症すると理性を失い暴れ回るが、なんと一定時間が経過し痩せた状態になると理性がある程度回復するだけでなく身軽さが増して俊敏になり、膨れ上がり険しい顔付きになったゼウスに乗り、自身の髪にプロメテウスを宿らせ燃え盛る地獄の業火を纏うような姿になりナポレオンを振りかざすという、世にも悍ましいとしか形容し難い更なる強化形態へと変貌する。
ゲーム的に例えれば「HPが失われていく代わりに全ステータスが上昇する」といったところだろうか。加減しろ馬鹿!
これは長男のペロスペローすらも知らず、三男ダイフクも「何だ!?ありゃ!」と震え上がった。


【人間関係】

◆大家族

夫43人、息子46人、娘39人の129人家族という大所帯。
現在68歳で、約8年前までの約42年間、毎年子供を産み続けていた。
子供の数に反して夫の数が少ないが、これは子供達には双子や三つ子などが複数組もいるからであり、一番多いのは18歳の兄弟姉妹、男女5人ずつの10つ子。
夫達の容姿・種族は様々であり、子供達の容姿もバラエティ豊かで、海賊団の一員として名を上げている者も多い。

傘下入りを望む者達には、条件として自身の子供と血縁を結ぶことを要求する。娘達は政略結婚のために海賊に嫁いでいることも多く、結婚後もシャーロット姓を名乗り続ける。しかし中には自由な結婚を求めて海に飛び出した娘もいる。
本人は「政略結婚なので相性はどうでもいい」とのことだが、一応アラディン・プラリネ夫妻やベッジ・シフォン夫妻の仲はとても良好。

ただし血のつながった子供達には(一応)情のある反面、過去の夫達に対しては「血のつながりもない赤の他人」と意に介することはない。
90巻SBSによれば、海賊らしく男をさらってきては自分に種付けさせ、子供が生まれてしまえばそれ限りで放逐される。その目的は色んな種族の子供を持つこと。

子供達はカタクリスムージーなど母のために努力する者が多いが、全員が慕っているわけではなく、リンリンからの処罰を恐れ保身に走る者、まれにリンリンから虐待を受けて憎悪し裏切る者もいる。
リンリンの、家族に対してもブレーキが利かない性格の弊害が出てしまっているともいえる。
ただ、良くも悪くも真面目なカタクリに対しては、何か思うところがあるのか、普段の傲慢さだけでなく、家長としての厳しさが混じったような口調で問い詰めようとした場面も*2


◆カイドウとの関係

上記のように血縁のない者には非常に冷淡な彼女だが、現時点で確認できる唯一の例外はカイドウ
今でこそ同じ四皇である彼とは共に現在から38年前に壊滅したロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団の船員であった(今では犬猿の仲)。

カイドウはロックス海賊団が崩壊した日にリンリンからウオウオの実の幻獣種を譲り受けるという「でかい借り」があり、昔の話だと返答してはいるものの借りの存在は認めている。
ウオウオの実は水中生物の能力を持った悪魔の実であり、ゴッドバレー事件の時に天竜人による「先住民一掃大会」の景品のひとつで、当時奴隷だったイワンコフが脱出する際に口にする寸前に奪い取って手に入れた。
また、カイドウは彼女をビッグ・マムとは呼ばず本名のリンリンと呼んでおり*3、リンリンも「仲良くいこうぜ昔みたいに」と発言をしている。

カイドウへの好感度自体は非常に良く、ロックス海賊団在籍の頃から「ロックスはろくでもない奴だから気を付けろ」「何かあったらおれを頼れ」と姉貴風を吹かしており、事実上の敵対関係となった現在でも「おれはお前を今でも弟のように思ってんだよ!!」とまで言い切っている。
「来る者は拒まず、去る者は殺す」がモットーの筈の彼女が、である。
カイドウへの態度を見た一部の読者からは「めんどくさい絡み方をする親戚のおばちゃん」「邪悪なおねショタ」呼ばわりもされた。

当のカイドウもまた、リンリンとの出会いを覚えており「思えば…長ェ付き合いだったなババア…!」と思うところありげに呟くなど、煙たがりつつも内心彼なりにリンリンのことが嫌いではなかった様子。


◆巨人族との関係

シフォンによれば幼少期のやらかしの結果すべての巨人族との間で確執があったため巨人族からは凄まじく忌み嫌われている。
一度、巨人族の国『エルバフ』の王子ロキがローラに一目惚れしたことから結婚に持ち込めば巨人族との確執は解消されるだろうと目論んでいたが*4、当のローラは結婚式当日に出奔。
これがきっかけとなって巨人族との関係はより悪化し、シフォン・ローラ姉妹との確執も生まれることとなった。
万国に巨人族がいないのもこのためで、また巨人族の兵力が手に入れられなかったことから人間の巨大化計画を目論むようになった。
ビッグ・マム曰く

もしも、あの時あいつさえ黙って結婚してりゃ…! 得られた力は強大だった…!

おれはとっくに!! “カイドウ”も“赤髪”も!! “白ひげ”さえもぶっ潰して!!! 今頃は…

海賊王になってたんだ!!!

とのこと。
結婚が無事に執り行われたとして、過去の確執も相当なものなのでちゃんと目論見通りになったかはなんとも言えないところだが。
先述の発作も含め、そんな問題だらけの性格や極端すぎる気性から、彼女の存在を知る者は彼女を毛嫌いしている場合が多く、ジンベエからは「話のわかる人物とは言い難い」、サンジの父ヴィンスモーク・ジャッジからは「イカレたババア」と評される。
更には、実の娘であるシフォンも夫のカポネ・ベッジからビッグ・マム暗殺計画を聞かされても「何も感じなかった」「自分の家族は夫と子供だけ」と言い切っている。


【戦闘能力】

四皇の称号に恥じず覇気を含めて天災じみた基礎戦闘力の持ち主。
生まれつきとてつもない強さを持っていたようで、5歳にして巨人族の村を半壊させ、当時のマザー・カルメルからは海軍に属せば将来の大将・元帥クラス、CPに属せば天竜人達の最強のになる逸材」とされていた。
現在は、四皇に恥じぬ実力の持ち主で、『ギア4“バウンドマン”』状態のルフィでも足元にも及ばず、同じ四皇のカイドウとの一騎打ちを夜通し続けられた*5

食いわずらいを起こした彼女が暴れ始め万国を滅ぼそうとすれば、「最高戦力であるスイート3将星の面々ですらそれを抑えるのは不可能」とカタクリは語っていた。
長男シャーロット・ペロスペローもまた、逆に「彼女が死ねばビッグ・マム海賊団は終わり」と断言しており、彼女なしではカイドウやマーシャル・D・ティーチといった他の四皇の攻撃を阻止する事は不可能な様子。
四皇大幹部級の猛者が束になっても止められない全盛期の四皇の実力の高さを物語っている。

四皇らしく覇王色の覇気の持ち主でもある。
特に肉体の頑健さは他の追随を許さない。ブルックでも傷一つつけられず、サンジは「鉄の風船」「とても傷つけられるとは思えない」、カポネ・ベッジは「銃でも大砲でも傷つかない体」と評した。ユースタス・キッドの磁力を用いた鉄槍掃射攻撃も難なく弾いている。
腹が立ってリンリンに一発攻撃してから逃げようとしたギア4バウンドマン状態のルフィの攻撃を、武装硬化させただけの腕で正面から防ぎ、腕が震える程度で無傷だった*6
覇気も強力すぎるため、覇気のみで対抗できるオペオペの実の通常の技で瞬間移動や切断することもかなわない。
極少数の強者のみが身につけられる「覇王色を纏う」技術も会得している模様。これにより、サンジの蹴りをいくら喰らっても立ち上がれる程の脅威のタフネスさを誇る動物系古代種の能力者であるページワンを一撃でノックアウトした。ただし、技術的にかなり高度なためか、披露されたのは今のところその一度きりであり、リンリンがこの技を意識して使えるのかは不明。
また、万国編終盤にて空腹が極限に達して一時的に痩せてしまった際には、ルフィたちを驚愕させるほどの身軽さを見せていた。

加えて、ただの力任せではなく、『二角帽“ナポレオン”』に仕込んだで巨人族の技を真似た剣技も扱う。ナポレオンが刃に移ることで変形することもできる。
カイドウと交戦した際には、初手の武器を激突させた衝撃で天が割れ*7、戦いの衝撃は鬼ヶ島を崩壊しかねない勢いで駆け巡った。

なお、彼女の持つ悪魔の実の力は筋力やタフネスなどの基礎戦闘力を底上げするものではなく、これらの怪物の如き身体能力は全て悪魔の実に頼らず有している代物。
単なる身体能力だけで他の能力者を凌駕する規格外の怪物であり、これだけの戦闘技能を持ちながら、前述のモリアが行ったような狡猾な防衛・監視システムを築くなど、武芸者が躊躇いそうな搦め手も用いている。
フランキーラディカルビームに対しては、しっかりホーミーズを盾にしようとするなど、敵の技を慢心して受けることもほぼない。

前述の通り規格外の身体能力・基礎戦闘力の持ち主だが、弱点がないわけではなく、「マザー・カルメル」なる人物との思い出を大切にしているようで、彼女の写真を給仕が落とした時には周囲を破壊する程の覇王色の覇気を数分間にわたって放出しながら発狂して泣き叫び、その間だけは膝をすりむいて怪我するまでに体が脆弱化する。
ただし現状リンリンが明確に負傷したと言えるのはカルメルの写真が割れた時に負ったこの膝の擦り傷のみである。
また、頭脳的にも作中でそこまで劣っているというわけではないのだが、自身の天性の身体能力を過信している面もあり、単純にリンリンの防御を突破せずに倒そうとする搦め手には弱い。例えば、普段ホーミーズに依存しているからか、本人は月歩のような飛行能力は持ち合わせていないらしく、ローの鬼ヶ島からの墜落作戦にハマってしまった際は本気で焦っていた*8

また、カイドウと同じく皮膚は頑強なものの、内部破壊にまで至った武装色の覇気や、トラファルガー・ローのオペオペの実の覚醒を用いた体内への直接攻撃、大規模質量を用いてリンリンに骨や内臓にまで負荷がかかるほど押しつぶしにかかる「面攻撃」にはノーダメージとはいかない。
もっとも、内臓や骨に損傷を受ける大規模なダメージを受けても意識を失わず、自分を治癒しながら戦闘を続行可能。

劇中でも、トラファルガー・ローやユースタス・キッドが「覚醒」なども用いてリンリンにダメージを与える事こそ成功したがノックアウトには至らず、結局「場外に突き落とす」という方法しか取れなかった。

◆悪魔の実の能力


寿命は大好物さ!!

超人系悪魔の実「ソルソルの実」の能力者。
実の名称は、「ソウル=魂」の他に「寿命を剃/削る(ソル)」からだという考察もある。
「ソル」はラテン語で太陽を意味する言葉でもあり、もう一つの魂たる影を操るカゲカゲの実とは名称も対照的。

自他の魂*9を操り、自分の魂を具現化し黒いスライムのような存在として使役できる他、同意を得た相手や自身に臆した相手から寿命を奪う事ができる。
生命エネルギーはどこから確保しているのかというと、半年に一度、万国の住人から一ヶ月分の寿命(生命)を抜き取ることで、代わりに住民達の安全を保証している。*10

奪った寿命は無機物に入れる事で人格を与える事が出来たり、動物に入れば擬人化を起こす。
ただし、「カゲカゲの実」とは逆に他人や死体に魂を入れる事はできない。
そうして生まれた存在はホーミーズと呼ばれ、ビッグ・マムの命令には決して逆らえない。
一度ホーミーズ化させた対象の場合、追加で別の魂を加えることで強化することが可能。
国民達から確保した生命エネルギーは国中にばらまかれ、さながらドレスローザのおもちゃのように、万国ではしゃべるカーペットや植物やお菓子、『歌う船』なる奇妙なものも見ることが出来る。
そして万国はそうした意思を持つ草花たちによって監視されており、ビッグ・マムの目を盗んで潜入する事は限りなく不可能に近い。
また、擬人化した動物達は海賊団の一員として行動していることもある。

一見すると戦闘力はさほど高くないように見えるが、なんと擬人化させられるものには雲やといった自然現象まで含まれる。
これらを従えさせられる、つまり天候を自在に操る能力すらあり、最近では将星の一人スナックを討ったウルージさんの船をクラッカー軍と共にあっという間に沈めたという。
加えて、擬人化した全てのものたちを含めると、その戦力はとてつもないともいえる。

ルフィ勝利に関しての新聞記事を読んだ際、怒りのあまり島の周囲を特大規模の悪天候に変え、多数の落雷を発生させてしまう描写がある*11

一方で、能力者自身を強化する場合は本人の寿命を削り取り強化のリソースにする必要があるため、事実上の最後の奥の手のような扱い。
作中では一年分の寿命を強化に費やした際は、ただでさえ巨大な体がさらに肥大化している。
他にも応用として、自身の骨をホーミーズに変えることで骨折を治癒することもできる。

ホーミーズへの指示や、ソウルポーカスは声に出す必要が有る為、 「対象となるホーミーズや、敵が声の届かない位置にいる」、「何らかの理由で声が出せない」などの状況下では思うように能力を行使できない

またホーミーズには自我があるものの、操るのは基本的に能力者自身なので、
高い指揮統制能力が求められる(命令も絶対に聞いてくれるというわけではないので、その意味でも能力者の性格や素質が問われる)。
どんな我の強い影であろうと必ず支配下に置く命令絶対遵守のカゲカゲと違い、
独立した生命であるがゆえに感情(死への恐怖)や理由次第で敵に寝返る可能性は普通にあるため、それがある意味、1番の弱点と言える。


ホーミーズ

ビッグ・マムのソルソルの実の能力によって命を吹き込まれ擬人化した物体の総称。

詳細はホーミーズ(ONE PIECE)を参照。

◆技

  • 魂への言葉(ソウル・ポーカス)

ライフ(寿命) オア トリート(お菓子)……!?

ソルソルの実の基本能力。
人が必ず持つ生への執着に直接話しかけ、僅かでもビッグ・マムに臆したり死を恐れた者から寿命を奪う。
その際は「ライフ オア デッド?」のように“〇〇 or Dead?”と二択を迫る。
誰であろうと、自分に少しでも歯向かう意思を見せた者たちから次々と寿命を奪い取ってきた。
特に食いわずらいの発作が発生している時は非常に危険度が高い。
ただし、そもそもビッグ・マムに恐怖していない者に対しては発動しても寿命を抜き取れないという割と重大な弱点がある。
…とはいえビッグ・マムの声が届く範囲内に居て尚彼女に一切の恐怖を抱かない…というのは並大抵の海賊にはまず不可能であり、
作中でこの技に耐えられたのは人並外れて豪胆なジンベエ、キッド、ローの3名だけである。
「ポーカス」はおそらく英語のテンプレ的な魔法の呪文「hocus pocus」*12から。

プロメテウス主体

  • 天上の火(ヘブンリーフォイアー)
プロメテウスを掴んだ状態で殴ると同時にプロメテウスを叩きつけることで、拳が命中した場所に広範囲の爆炎を発生させて攻撃する。
ファイアーではなくフォイアー(ドイツ語)。

  • 天上の(ヘブンリー)ボンボン
プロメテウスの口から火炎弾を連射し、火炎弾が着弾した周囲を爆炎で焼き払う。

  • 盗まれた火(シュトーレンフォイア)
プロメテウス自身が熱線に変じて体当たりを行い、相手の死角から攻撃を仕掛ける。

ゼウス主体

  • 雷霆(ライテイ)
「天上の火」のゼウス版。
ゼウスの口に手を突っ込みその中の雷を掴んでそのまま叩き付け、雷撃で粉砕する。
劇中ではこの技でヴィンスモーク・ジャッジを一撃で沈めた。

  • 威鼓(インドラ)
天に浮かぶゼウスから放つ雷撃により相手を撃ち抜く。
由来はバラモン教、ヒンドゥー教のデーヴァ神族に属する雷霆神。

  • 天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)
天候を操作し、局所的な雷の雨を降らせ広範囲を攻撃する。
例えるなら小規模な「万雷(ママラガン)」。
降り注ぐ雷はホーミーズ化しており、例え避けても雷そのものが敵を追尾し感電させる。
後にヘラでも使用した。


ナポレオン主体

  • 威国(いこく)
に変じたナポレオンを振るい衝撃波を飛ばす大技。
「エルバフの槍」と称した通り本来は巨人族の遠当て技の一つで、ドリーとブロギーが使用した「覇国」の系列にあたり、一人でも放てる簡易版といったもの。エルバフの戦士の技を見よう見まねで修得したのだろうか。
本家の巨人族最強クラスが二人がかりで放った、島をも丸ごと飲み込む巨大海洋生物の体に風穴を穿つ「覇国」に比べればさすがに劣るが、頑丈極まるホーミーズであるキングバームの胴体を抉り、そのまま建物も貫通し島の外の海上まで衝撃が届く威力を持つ。
そのため威力はリンリンの操る技でもトップクラス。

  • 皇帝剣(コニャック) 破々刃(ハハバ)
プロメテウスとナポレオンの合体技。
刀剣に移ったナポレオンにプロメテウスの炎を纏わせた「燃える巨剣」で攻撃する。
武装色で防御したジンベエを吹っ飛ばすほどの威力。
刀身の長さをある程度までコントロール可能な為リーチにも優れる。

  • 刃母(はは)()
プロメテウスの炎を纏わせたナポレオンを振り下ろし、豪快に一刀両断する剣技。

  • マーマ急襲(レイド)
ヘラとナポレオンの合体技。
ヘラの雷撃をナポレオンに纏わせ跳躍、縦回転でクルクル回りながら回転力と重力をかけて強烈な縦の斬撃をぶちかます。


ヘラ主体

  • 震御雷(フルゴラ)
右拳にヘラを取り憑かせて膨大な電気エネルギーを蓄え、敵を殴り飛ばすようにレーザーの如き電撃をぶつける遠距離技。


複合技

  • 鳴光砲(メーザーほう)
ヘラ、プロメテウス、ナポレオンの合体技。
雷撃に変化したヘラを纏ったナポレオンをに見立て、その後部に合体したプロメテウスが口から吐き出すようにして巨大な雷撃を伴う矢を放つ。
レーザー光線の如く標的を撃ち抜き、着弾した場所に大爆発を引き起こす。
ゼウスでは成立しなかったらしく、ヘラが生まれて初めて使用可能になった技。

  • 鳴光剣(メーザーサーベル)
ヘラ、プロメテウス、ナポレオンの合体技その2。
電気エネルギーの巨大な光刃をナポレオンからビームサーベルの如く発生させ横薙ぎに切り裂く技。
その切れ味たるやキッドの大技「パンクコルナ・ディオ(磁気大魔牛)」を上下真っ二つにしてしまう程である。

  • 母訪砲(バホウほう) 三千里(ミザリー)
ヘラ、プロメテウス、ナポレオンの合体技その3。
鳴光剣の切っ先から稲妻の体と炎の髪を持つ巨大な女性の様なホーミーズ「三千里(ミザリー)」を生み出し、嗾ける。
嗾けられた三千里(ミザリー)は生きているかの様に(というか実際生きてる)相手に襲い掛かる。
恐らく並の海賊なら触れただけで焼け死んでしまうだろう。
アニメではパンチのラッシュ、ダブルスレッジハンマーでキッドを一方的に痛め付けて彼が走馬灯がみえる程の瀕死に追い込ませた。
不発したがトドメに電流を帯びた地獄突きをしかけていた。
技名の元ネタは「母を訪ねて三千里」。


合体技

  • 覇海(はかい)
カイドウとの合体技
四皇版の「覇国」とも言え、破壊力だけなら間違いなくONE PIECEの作中でも最強クラスと言っていいくらいの絶大な大技。
わずかに足止めしたロロノア・ゾロは重傷を負い、その足止めをしたゾロに皮肉屋のユースタス・キッドが素直に「一瞬でもよく止めたな ありがとよ…」と素直に感謝するほど。


【来歴】

◆過去

幼少期

子供の頃のビッグ・マムは、純粋な人間であるにもかかわらず、肉体が5歳の段階で巨人族の子供並みのサイズという巨漢の少女であった。
今の強欲且つ冷酷な人格とは異なり、子供らしくお菓子が大好きで無邪気。
そして他者への思いやりもある優しい子供である……が、
  • 争うと熊を仲直りさせるため2匹を同じ檻に閉じ込める
  • 檻に閉じ込めた熊が狼を殺したため、熊を叱るため1発だけ殴った結果、一撃で熊を殴り殺す
  • 巨人族の子供の肌に止まった蚊を潰すため叩いた結果、相手の骨を複数本へし折る
  • 手長族だから普通の人間より関節が1つ多いことが普通であるのを理解せず、手長族の子供の関節を親切心で引き千切ろうとする
  • 魚人族に付いているひれを親切心で引き千切ろうとする

など彼女の実態は行動自体に一切の悪意はないが、(というかほぼ完全な善意なのだが)規格外の身体を持つが故に行う行為1つ1つが惨事を引き起こす規格外の怪物であった。
彼女が親に捨てられた理由も、故郷で大惨事を起こしたが故の国外追放。
結果彼女の存在そのものが手に負えなくなった両親(リンリンとは対照的に普通の人間と同じ体格)は、巨人の国エルバフに住まう女性「聖母マザー・カルメル」に一縷の希望を託し、涙ながらに彼女を捨て去った。
両親に捨てられたリンリンはカルメルに拾われ、彼女が庇護する孤児達が住まう「羊の家」で生活を送ることになる。

羊の家でも、無邪気さと絶大な力によって同じ孤児院に住む孤児や巨人族に被害を与えてしまうが、それは5歳児故の無知と自分の力加減を知らなかったことが原因であり、彼女の行動の底にある善意を察していたカルメルに時にたしなめられつつも心優しいまなざしで見守られ、リンリンもカルメルに懐いていった。
カルメルの辛抱強い見守りと教育もあり、10か月後にはエルバフの巨人族に受け入れられた模様で、周囲と打ち解け幸福な時間を過ごしていた。
しかし、「冬至祭」という12日間の断食を行う時期(普通の人間なら死んでしまう)に入り、断食に備えて食すお菓子『セムラ』が、彼女の運命を大きく揺るがすことになる*13
セムラの味の虜になったリンリンはマザーの言いつけ通りに我慢して断食を続けるものの、セムラへの欲求を我慢できず、7日目に恐らく人生で初めての食いわずらいを発症。
その結果、たった一人でエルバフの巨人族の村を半壊状態にしてしまった。

更に、暴れるリンリンを殺害しようと立ちはだかった巨人族の英雄「滝ひげのヨルル」がリンリンに背負い投げで返り討ちにされてしまう(もう一度言うが彼女は人間である)。
騒動自体は巨人族が保管していたセムラを全てリンリンに食べさせたことで収まったが、老齢であったヨルルはそのまま死亡(享年344歳)。
後に全巨人族に伝わるこの出来事により、リンリンはハイルディンやヨルルの戦友の山ひげのヤルルを初めとする巨人族から憎まれる事となったのだった。

なおこの回のタイトルは

ナチュラル・ボーン・デストロイヤー(生まれながらの破壊者)

武藤敬司の事ではない。

彼女の本質を端的に表したタイトルと言えよう。

カルメルの嘆願により命は許されたがエルバフからは追放され、とある島に「羊の家」や子供たちごと移住することになった。
しかしそのしばらく後に開かれた誕生パーティにおいて、大量のセムラが振る舞われたことが再び彼女の運命を狂わせる。
大好物の山を前に嬉し泣きしながら夢中で食らいついたリンリンは、勢い余ってテーブルどころか周囲の子供たちとマザー・カルメルをも食べてしまったのである(明言されていないがほぼ確定)。こんなことになってしまったのは、セムラの山を前にして感動のあまり前が見えなかったのが原因。
我に返った時には当然ながらカルメルも子供たちもおらず、自分のしでかした事に気づかないままパニックを起こして泣き出してしまい、この件がトラウマになった。

この時、エルバフから羊の家の様子を見に来ていた巨人族の一人が一部始終を目撃しており、青ざめて逃げ帰った彼の報告によって、リンリンは巨人にとってはもはや名を呼ぶことすら憚られる程に憎悪される存在となった。
そして、同じく目撃していたのが、島に住みついていた料理人崩れの海賊で、現在ビッグ・マム海賊団の料理長を務めるシュトロイゼンであった。
あらゆるものを食材に変える「ククククの実」の能力者であった彼はリンリンの成したことを巨人族とは逆に面白がり、彼女に接触して当座の保護者として行動を始めた。

カルメルに続く理解者を得たリンリンは、カルメルが日ごろから口にしていた「種族の関係なく、誰もが目線を並べてテーブルを囲める」という理想を形にした「夢の国」を夢想するようになるが、その矢先にカルメルが持っていたソルソルの能力を使えることが判明。
シュトロイゼンに扇動される形で「夢の国」のために動き始めた。
しかし……


甘いお菓子を持って来い!!! そうすれば約束してあげる!!!

『平和』と!!! 『夢の国』を!!!

おれの言う事をきけばみんな幸せに決まってる!!!

きかないやつはわがままだから殺さなくちゃ!!!



シュトロイゼンに諭されて実際に行った所業は今と殆ど変わらないソルソルの実の能力を使った侵略と略奪であり、劇中では子供の姿で一つの国を焼き滅ぼしているかのような地獄絵図を引き起こす。
海軍及び世界政府も、これら子供とは思えない蛮行の数々に驚愕し、危険人物として当時6歳である彼女に5000万ベリーの懸賞金をかけるに至った*14

ロックス海賊団へ

その後は上述の通りロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団に参加。
白ひげエドワード・ニューゲートや見習いとして居たカイドウとは仲間だった。
特に彼女なりにカイドウをかわいがっていた様子。

38年前のロックス海賊団の壊滅後は、ビッグ・マム海賊団を立ち上げ、他の四皇達と新世界の覇権を争う。


◆偉大なる航路編

第一部終盤の「マリンフォード頂上戦争」によって“白ひげ”が死亡し、続く「落し前戦争」の敗戦によって白ひげ海賊団が衰退した後は、ジンベエ魚人島の保護のためにビッグ・マム海賊団に傘下入りを願い出る。

みかじめ料代わりのお菓子とジンベエという一大戦力目当てでこれに応じ、それまで白ひげ海賊団の縄張りだった魚人島を自分の縄張りとした。

◆魚人島編

ホーディ・ジョーンズの反乱が終結した直後の魚人島に、タマゴ男爵ペコムズをお菓子の徴収役に派遣するが、納入予定のお菓子が納められない事を聞いて激昂し、タマゴ男爵たちのもとへ電伝虫で確認の連絡を入れる。
そのタマゴ男爵たちが「納入不能」の報告を恐れてためらううちにルフィが受話器を取ってしまい、これがリンリンとルフィのファースト・コンタクトとなる。

リンリンは淡々と魚人島への報復措置を予告したが、ルフィがそれに激昂し自分が納入予定のお菓子を全て食べてしまった事を正直に告げたことで、魚人島を標的から外した代わりに麦わらの一味を標的にすることを宣言する。

◆ホールケーキアイランド編

裏社会で「戦争屋」と知られるヴィンスモーク家と接触し、ヴィンスモーク家の三男と娘のプリンを結婚させて同盟を結ぼうと連絡する。
しかし、実際にはヴィンスモーク家の戦力である「ジェルマ66」の科学力のみが目当てであり、結婚式の場でヴィンスモーク家を皆殺しにしてクローン技術のみ奪う腹積もりでいた。
この事が記憶を消せる能力を持つシャーロット・プリンが慢心してレイジュに話したことで慢心によりこっそり聞いていたサンジに漏れてしまい、これがきっかけで度々反乱の機会をうかがっていたファイアタンク海賊団と麦わらの一味の結託を招く。

リンリンはウェディングケーキを楽しみにするあまり、潜入していたブルックたちに逃げられるなどのアクシデントに気付かず、結婚パーティー当日にベッジ主導の反乱が勃発し、会場は混乱。
さらにジンベエが離反した直後にマザー・カルメルの写真が割られてしまい、ショックのあまり無防備となってしまう。
これこそリンリン最大の隙と見たベッジが、必殺を期して毒ガス弾を撃ち込んだ。

しかし発狂して泣き叫ぶリンリンから放たれる覇気でガス弾が自壊。
連合軍の退路であったブリュレの鏡も割れてしまい、図らずも連合軍の反乱計画を頓挫に追いやった。
しかもリンリンは怒りの矛先を見出したことで予想以上に早く正気に戻り、ベッジが変化した城に対して渾身の暴力を叩きつける。

「城」内部でサンジから絶縁を宣言されたジャッジジェルマ66が脱出の時間稼ぎのため現れる。
が、リンリンに「腰抜け」と言われて怒り一発だけ技を入れてきたルフィが「お前の次はカイドウを倒す」と啖呵を切るが、これを聞いたリンリンは怒りが振り切れて完全に激昂。
ルフィのギア4による攻撃も真正面から難なく止めてみせる*15という怪物そのものの力を見せた。


ハ~ッハハハママママ……カイドウ……!?
アレはお前らにゃ倒せねえし……だからよ、お前ら……

何でおれの縄張りから出られるって、夢見てんだよォ~ッ!!!


ルフィ達のしんがり役として、またジェルマ復興の祖先の悲願を果たせない己の不甲斐なさとリンリンの裏切りへの怒りに燃えるジャッジを一発で撃破。それを見てジャッジ救援にやってきたニジとヨンジもリンリンは一蹴し、ビッグ・マム海賊団のメンバーによりルフィとサンジ、レイジュを無力化。さらに捕まっていたブリュレも反撃に加わり、連合軍を壊滅に追い込んだ。

ところが、この時魚人島から持ってきた秘宝「玉手箱」を狙い、CP-0のステューシーが潜り込んでいた。
混乱のゴタゴタで城の外縁部に落ちていたこれをお茶会の客だったル・フェルドやステューシー、モルガンズらが回収しようとしたところ、滑って麓に落ちた玉手箱(送り主は魚人島の国王ネプチューンで、中身はある事件がきっかけで仕掛けた爆弾)の爆発の衝撃で根本を崩された城が倒壊を始めてしまった。

連合軍はこの隙を逃さんと一斉に逃亡。
リンリンらビッグ・マム海賊団は、高所からの転落で全滅しかねなかったが、リンリンはゼウスに助けられ、更にシュトロイゼンの機転で城が本物のケーキに変わったことで、街の住民共々クリームまみれになっただけで済んだ。
カタクリスムージーが指揮を取り連合軍を追撃にかかるが、


ウェディングケーキ……
あれは素材から厳選して……楽しみにしてたんだ……

ウェ ディング ケーキ……!!


楽しみにしていたケーキを食べ損ねたリンリンは、よりによって今、という最悪のタイミングで「食いわずらい」を発症してしまった。
止めに入ったオペラ抹殺して突き進むさなか、時間を稼ごうとペロスペローが「麦わらの一味が予備のケーキを持って逃げた」という嘘をついたことで、ゼウスに乗り巨人族の技である「威国」を繰り出しつつルフィ達を猛追。

しかし移動手段にしていたゼウスがナミの「ブラックボール=雷雲」に釣られてリンリンの手を離れ、やむなく自らの足で追撃することになる。
ゼウスを利用したナミの「ゼウス・ブリーズ・テンポ」で大穴に落ちるなどの足止めも喰らい、ついにはサニー号での逃亡を許してしまう。

今度はついてきたペロスペローの能力で海の上に道を作ってそこを歩いていたが、業を煮やしたリンリンは足場になっていたアメウミウシをホーミーズ化、間接的に海を操ってサニー号を追うが、これもジンベエの操舵で抜けられ、ストレスが極まった彼女は目標を忘れて近場の島に向かうなど迷走。

その後、プロメテウスに乗ってなおもサニー号に追いつくが、ここに来て空腹が限界に来たのか、もとの肥満体型からガリガリに痩せ細り髪を振り乱した山姥のごとき形相へと変貌しており*16、剣形態に変化させたナポレオンを振るい、サニー号に乗り込んで大暴れする*17
ジンベエの抵抗に遭いこの時点では取り逃がすも、若干判断力が戻ったところで、サンジが再現したウェディングケーキの匂いを嗅ぎ付け、カカオ島へ直行。
誰にとって幸いで不幸なのか、その味はリンリンが期待した通りのものであり、とりあえず食いわずらいは収まり体型も元に戻った。

が、この時リンリンの脳裏をよぎっていたのは、運命の日となった誕生日パーティーの記憶であり、ここからすると本人も「あの日」何が起きたのかは薄々わかっているようだが……。
その後、ペロスペローから現状報告を受けるが、ケーキの美味さに魅入られたままで全く聞いていなかった。

それから少ししてようやく正気を取り戻し、麦わらの一味が脱出した直後、ジェルマ66とジンベエ率いる魚人海賊団の前に出現、宣告を下したところでホールケーキアイランド編は幕を閉じる。


ちなみにその後、ルフィ一味の大暴れを取り扱った世界経済新聞の記事で、ルフィがこの一件の勝者であるかのごとく書かれていたのを見て大噴火していた。
モルガンズも怖いもの知らずである。
…と言っても、ジェルマやミンク族に魚人海賊団の協力、玉手箱の爆発というハプニング*18こそあったものの、新進気鋭の海賊団1つに最高幹部2名が打ち倒され、本拠地の居城は倒壊させられ、一世一代の結婚式まで台無しにされて、追撃にも失敗した今回の戦いを客観的に見ると、確かに敗北扱いされても仕方ないのかもしれない。

「勝者」だと!?
ハァ!? おれがいつ 誰に負けたァ!?

あいつだぜママ!! この記事 絶対!!

あぁ、覚えてろモルガンズ……

いや! 覚えてろォ!! “麦わら”ァ~!!!

◆ワノ国編

おリンさん

ワノ国にルフィ達が向かったのとほぼ同じ頃、カイドウに電伝虫で連絡。
「いいかい、手を出すんじゃないよ。おれが麦わらの首を獲りにワノ国まで行く」と釘を刺している。
当のカイドウは「何の冗談だ、断る」「あの小僧に恨みがあるのはおれだ!!! 来るなら殺すぞリンリン」と突っぱねたが、当然の如く警告を無視して子供たちと共にワノ国に侵入しようとする。
しかし滝を登りきった瞬間、カイドウの右腕“火災のキング”に船を蹴落とされリンリンのみ海へと落下、運よく九里へと漂着するが記憶喪失になってしまい、幼少時の頃のような無邪気な性格に。
お玉たち九里の人々によって助けられ「おリンさん」と呼ばれた後は、「見ず知らずの自分に親切にしてくれた九里の人々にたらふくお汁粉を食べさせたい」という善意から、ルフィが捕らえられている兎丼へと向かい、丁度兎丼に来ていた百獣海賊団の大看板“疫災のクイーン”を僅か二撃で粉砕した。

しかし、お目当てのお汁粉は既にルフィに完食されており、それを知ったリンリンはルフィに怒りの矛先を向け、兎丼全体を巻き込むまでに大暴れする。
その間に復活したクイーンは必殺の無頼男爆弾(ブラキオボムバ)をリンリンの脳天に直撃させたが、リンリンの規格外の耐久力の前にクイーンの必殺技も殆ど効果は無く、逆に記憶が蘇り完全復活するという事態に。
突如殺意満々で睨まれたクイーンも死を覚悟したが、幸いにもリンリンが眠りにつき、猛獣用の麻酔100本と純度100%の海楼石の鎖と錠で拘束され、カイドウの本拠地・鬼ヶ島に連行された。

その鬼ヶ島で、カイドウと一昼夜に及ぶ一騎打ち*19の末、「俺達で手を結んで世界を取ってから、改めて決着をつける」とまさかの和解
四皇同士による前代未聞の海賊同盟が締結され、世界中のありとあらゆる勢力にとって最大最悪の脅威が誕生した。

金色神楽

火祭り「金色神楽」当日は花魁姿で宴会に参加し、討ち入りのために潜入して来たウソップ達と再会した時にはゼウスを奪還するべく追いかけ回した。
そして能力で大量のホーミーズを産み出し、カイドウと共にひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を入手することを宣言した。
一度はナミにゼウスを再び奪われるが直ぐに取り返して彼女を始末しようとしたが、突如現れたフランキーの操る『クロサイFR-U4号』の後輪が顔面に直撃したことで倒れ、ゼウスは同乗していたブルックに斬られた。

そしてジンベエとロビンの連携で屋外へ一度退場するも、途中不死鳥マルコと交戦しながらも「一人でマルコと戦うのは面倒」と途中で後回しにしてプロメテウスとゼウスの力でカイドウのいる屋上へ。
カイドウの能力で鬼ヶ島が空を飛び花の都へと向かう中、鬼ヶ島屋上でルフィ・ゾロ・ロー・キッド・キラー達と対峙する。

カイドウとの連携でルフィやキッド達を圧倒するも、ローとキッドによってゼウスが捕らえられ、自身は屋上から落下するも、プロメテウスによって海に落ちずに済み、彼のリクエストで新たなホーミーズのヘラを生み出す。

そして怒りながらキッドを探している最中にナミやウソップと再び遭遇し、麦わらの一味と気づいて睨みつけるも、一緒にいたお玉が「おリンちゃん!!」と声をかけてくると、記憶喪失となっていた自分を助けてくれた相手だと思い出してなぜここにいるのか気にかけていたが、自分におしるこをご馳走してくれたおこぼれ町の面々がカイドウの部下によって町ごと壊滅したと聞かされる。
記憶を無くしていたとはいえお玉とおこぼれ町の人達に親切にしてもらったことに恩義を感じていたためこの行為にマジギレ
そこへナミ達を追ってページワンが現れるが、

おめェらよォ……
非道な海賊の世界にも……

仁義ってモンがあんだろうが

アホンダラァ!!!

何と「カイドウの部下」というだけでページワンを攻撃対象とし、覇王色の覇気を纏った渾身の一撃を叩き込み、首の骨が折れる音がする程にノックアウトしてしまった。
…当然ながら、侵入者を追い回していただけのページワン(とうるティ)は上記の事情など露知らず、リンリンの語る仁義云々など何の話かさっぱり分からないのは言うまでもない。


決戦

その後、ヘマをやらかし続けたゼウスを見限ってヘラの餌にした後、お玉が自身を避けたことを理由にお玉の抹殺を躊躇いなく決心するマム以外にとってはダブスタ以外の何者でもない暴君っぷりを発揮。

お玉♡なぜおれから逃げるんだい…!?
おれは“去る者”が大嫌い……!!!

殺さなきゃねぇ〜〜〜!!!

そのままナミ、ウソップ、お玉を殺そうとした矢先にユースタス・キッドの乱入を受け3人への攻撃は防がれ、遅れて駆けつけたトラファルガー・ローから共闘という形で最悪の世代2人と対決する。


何十年も“君臨”してんだおれ達は!!!
てめェらが……!!

ミルク飲んでた頃からよォ!!!


当然リンリンは二人を圧倒。追い詰められたキッドとローは、命を削ることを覚悟で悪魔の実の「覚醒」を使用。
通常のローの「ROOM」の技は効かないリンリンだったが、ローの刀に付与されたオペオペの実の力「K・ROOM(クローム)」で体を刀が貫通し、内臓に直接攻撃を受けてしまう。更にキッドのジキジキの実の力「付与(アサイン)」によって磁力を付与され大量の鉄くずで押しつぶされて大ダメージを受けてしまう。



こんなに痛ェ思いしたのは…何十年振りだろうね…

お前らを認めるよ……!!

トラファルガー・ロー…キャプテン・キッド‼︎

麦わらのルフィも然り…お前ら確かにこの座を奪いに来たんだね…


奪ってみやがれ!! 「四皇」の座をよォ!!


追い詰められたリンリンは、ソルソルの実で自分の寿命1年を代償に巨大化しパワーアップ。
キッドとローを一度倒したリンリンは、屋上でルフィと戦っているカイドウの元へ加勢に行こうとするが、なんとか生きていたローの急襲に遭い「覚醒」による脳への衝撃をもたらす体内攻撃と、キッドの「面」で内臓も骨も押しつぶしに来る質量攻撃で骨が折れるほどの重傷を負う。

それでも自分の折れた骨を「ホーミーズ」に変えることで強引に治癒させたリンリンは更にローから脳や内臓へのダメージを負いながらも、キッドの磁力を付与した塔に貼り付けて身動きを取れなくしてから「磁気大魔牛」を叩き込むという戦法を貼り付けられた塔を引っこ抜きながら立ち上がり防ぐというとんでもない力技で応戦し、「母訪砲(バホウほう) 三千里(ミザリー)」で反撃。
だがローのタクトで落下してきた建造物に押しつぶされた隙を突かれて再度ローの覚醒した刀で刺され、リンリンの殴打に耐えて刀を最大限伸ばしたローの「穿刺波動(パンクチャーヴィレ)」で内臓に大ダメージを受け、同時にワノ国地下にまで繋がる大穴を空けられてしまう。
悶え嘔吐くリンリンを前に、キッドも最後の大技を構える。
ついに絶体絶命となったリンリンだが、四皇としての意地か自らを鼓舞するかのように啖呵を切る。


かかって来い!!! おんどれァ!!!
倒せんのかい!!?

おれは「ビッグ・マム」だぞ!!!!



だから消すんだよ…!!!


そこへキッドが「電磁砲(ダムド・パンク)」で弾丸を放ち、リンリンを穴に押し込めて落下させようとする。


お前らの時代は終わりだ!!!


勝利を宣言する2人を前に、尚もリンリンは踏みとどまり、魂への言葉(ソウル・ポーカス)で抵抗する。だが、恐怖する周囲の百獣海賊団戦闘員達の寿命は奪えたが、リンリンを恐れないキッドとローには通用しなかった。
更にローの「R・ROOM(リ・ルーム)(サイレント)”」で声を奪われてリンリンはヘラやプロメテウスに助けを求めることが出来なくなってしまう。
三千里(ミザリー)」はローに両断され、キッドの追撃の「電磁砲」で地下に押し込められたリンリンは、そのまま鬼ヶ島地下に保管された大量の爆弾と共に、空飛ぶ鬼ヶ島の地下を突き破りローが地面に空けた大穴へと落下。

“新世代の海賊達”によってたたき落とされた“海の皇帝”リンリンはそれでもまだ意識を保っており、一人声なき咆哮をして回顧する。
ゴール・D・ロジャーがもたらした大海賊時代
金獅子のシキ白ひげら同世代が“去って行く”中、リンリンはロジャーが遺した“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”という夢に魅せられた海賊達を迎え撃ち続け、リンリンもまたその海賊王の座を目指し続けた。


ああ畜生ォ…だいたいよォ…
おいロジャー
お前何であんな事言い出しやがった!?

世界はまんまとのせられた
「大海賊時代」!? お前は死ぬからいいけどよ!

世界中で名乗りを上げるガキ共の相手すんのは
おれらだぞ!!

教えて死ねよ!!“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)
ちゃんとあんだろうな!!

何がある!?どこにある!?
この国にもあるんだろ? ああ口惜しい!!


リンリンの人生は、ロジャーに触発された新世代達を相手にし続け自分もまたロジャーの次の海賊王を目指すという、ある意味ロジャーが遺した言葉の“後始末”でもあった。
海の皇帝・怪物と恐れられ、家族からは頼られる母であっても、やはり海を駆け上がってきた海賊達が立て続けに挑みに来るのはリンリンにとっても心労だったようで、ロジャーへの“文句”・唯一の“弱音”ともとれる言葉を発しながらもローが空けた穴の底にあるマグマへと落下。


キッド!! ロー!!
あいつら許さん………!!!


おれがこれしきで!!
死ぬと思うなよォ!!!


それでもまだ折れてはいないようで、キッドとローへの恨み言と負け惜しみを叫ぶと、一緒に落ちてきた爆弾も大爆発し、ついにリンリンは敗れ去った。
台詞通り本当に生きながらえている可能性も十分あるのが恐ろしいところだが……何にせよ、四皇の一角が新世代によって引き摺り降ろされたことは間違いない。

その後、同盟相手のカイドウも死闘の末にゴムゴムの実の真の力を覚醒させたルフィに敗北。
鬼ヶ島での戦いで、一挙に2人の大海賊が四皇の座から陥落することとなった。


【余談】

  • 担当声優
魚人島編で演じていた藤田氏が2017年より体調不良のため一部を除いて全ての作品の出演を見合わせたことでホールケーキアイランド編からは小山氏が代役として出演する事になった。
藤田氏は復帰の目処がたたないまま2018年12月28日に逝去されたため、そのまま小山氏が二代目として演じる事になる*20
藤田氏はキテレツ(木手英一)、小山氏はコロ助(初代)の為、『キテレツ大百科』の声優同士である。
ちなみに藤田氏は10代後半に人形劇『ひょっこりひょうたん島』で大海賊の息子役を演じており、キャリア初期と最後期2つで海賊役ということになった。

  • 容姿
実はホールケーキアイランド編で正式に登場するまで容姿はかなり変化している。
エニエス・ロビー編終盤 ・ガープから四皇の存在が語られた時にシルエットとして登場。
・当時のシルエットはカイドウと共に現在とは別人のような容姿(カイドウにも角が描かれていなかった)。
魚人島編終盤 ・本人初登場
・目と鼻が非常に大きく巨大な二頭身の体格と現在と異なりより人間離れした容姿。
ホールケーキアイランド編 現在の容姿
上記の担当声優変更もあり、特にアニメでは魚人島編とホールケーキアイランド編では最早別人レベルでイメージが異なる。

  • アニメ版
ホールケーキアイランド編での登場時のホーミーズ達とミュージカルを歌うシーンだが、アニメ版はその部分をかなり力を入れており「ブラッディー・パーティー」の曲名も付けられている。曲調もファンシーと狂気が入り混じっている。
この部分だけ公式でYouTubeにて動画をあげており、作者も「ぜひ見てほしい」とコメントするなど、自信作であることが窺える。
ウェディングケーキを食べた時に歌ったミュージカルもまるで夢の様な力の入れようであった。

アニメ989話では、ウソップとチョッパーが乗るブラキオタンクとの対決が、アニメオリジナルで追加。
戦車退治と聞いて加勢に現れた百獣海賊団の軍服を着た集団を率いたりわずか2分半で全滅、「戦車の弱点を知ってるかい、それは真上からの攻撃なのさ!ビッグ・マム爆撃機襲来!」と妙に戦車に詳しいことを言いつつ爆弾を持ち、小山の上からブラキオタンクに向かって落下しながら両手を広げて「キーン!」というなどやりたい放題をしていた。

また天上の火(ヘブンリーフォイアー)を使う時叩きつけるだけでは無く投げつけたり天満大自在天神を発動する際雷を帯びたナポレオンでゼウスを豪快にぶっ叩いて発動するなど全体的にアグレッシブさが強調されている。

  • 出産期間
彼女はSBSにて、「42年間毎年子供を産み続けました」と語られている。
リンリンは現在68歳、そして長子である長男ペロスペローが現在50歳、末子の39女アナナが8歳。
つまり彼女の初産は18歳で、そこから60歳まで毎年出産をしていたということになる。

ファンタジーにしてもぶっ飛びすぎだろうと思われるだろうが、
現実世界では2021年5月4日にアフリカ・マリ共和国の女性が9つ子を出産し、ギネス世界記録には過去に18歳から40年間にわたり、27回出産、69人の子供を生んだ記録がある。
出産記録の現実世界との比較は以下の通り。
出産回数 出産人数 最大出産人数 出産期間 最高齢出産
リンリン 不明 85人 10つ子 42年 60歳
ギネス記録 27回 69人 8つ子 40年 57歳(自然妊娠によるもの。体外受精での記録は70歳。ただし、明治時代の記録では81歳の日本人女性による出産記録がある)
全ての項目においてギネス記録を少しずつ上回っているのは、さすがビッグ・マムというべきか。

子育てに関しては基本的に放任主義のようだが、ペロスペローやカタクリをはじめ立派に成長した者も多いためわりと成功した部類といえる。*21

  • 若いころ
年齢 年代 容姿の違い 登場シーン
5歳 63年前 ぽっちゃりした肥満体型 作中の回想シーン
24歳 44年前 ・現在の姿からは想像もつかないような美女 カイドウの回想シーンで判明
28歳 40年前 ・24歳時と殆ど変わらない美女
・成長や海賊活動によって痩せていたと思われる
SBSで判明
30歳頃 約38年前 ・人生で最も美人だった頃
・シルエットでも見事なナイスバディを見せている
海軍本部でセンゴクがロックスについて説明した際のシルエット
42歳 26年前 48歳時よりもやや若い容姿 ・原作:パウンドの回想とワノ国編の回想でのロジャーの会話中の吹き出し内の1コマ
・アニメ:パウンドの回想内のオリジナルシーン
48歳 20年前 ・加齢と肥満の兆候が見られる
・往年の美貌は面影を残している
SBSで判明
68歳 現在 太った魔女のような姿 作中での容姿

なお、ナポレオンは28歳時には被っておらず、シュトロイゼンと出会ってすぐに生まれたゼウス、プロメテウスよりもかなり後に生まれたものらしい。

  • 見える
巨人族に匹敵する巨体・作中のキャラにありがちな「胴体の割りに足が極端に小さい」体格で猛烈なジャンプをかましまくる為、ワンピースの女性キャラでは珍しく物凄く見える
ちなみに白。究極の誰得

  • ジェルマへの対応
ジェルマを罠にかけたことでジャッジから「悪党としての最低限の仁義も弁えないクソ女(意訳)」と非難されたが、そもそもの話万国側が次期大臣候補*22の実子を嫁に出しているにもかかわらず、
ジェルマ側は「息子を出したくない」からと国王であるジャッジ直々に勘当と国への出入り禁止を言い渡した三男を婿に出した挙句、
その三男を万国側の責任で万国まで連れて来させるという非礼をやらかしてしまっている為、
リンリンの視点からは「仮にも世界政府加盟国家とは言え国土すら持ってない奴らが四皇である自分、ひいては万国を明確に見下して嘗め腐った」と見えてしまう。
そりゃあ彼女の性格からしたら皆殺しにしたくなるのは残当とも言える。


食人描写

カルメルや子供達を食べてしまった描写は直接描かれてはいないが、実は人間が人間を食べるもしくは食べようとするシーンはこれまでに数回程描かれている
以下一例

かつてサンジと共に遭難した際に食料の全てをサンジに与え、自身は自らの片足を切断して食べることで飢えをしのいでいた*23
なおアニメでは当時の放送時間は主にゴールデンタイムということもあり、大人の事情でサンジを助けようとして船の残骸に挟まれたのを碇で切断して無くなった事になっている。
そのため、アニメ版におけるゼフは数十日もの間ずっと何も食べず水だけで生きていたという原作以上に過酷なサバイバルを送っている
描写の変更について作者はSBSにて、ショッキングな描写なのでちびっ子への配慮だと自ら説明している。

  • クマテ族
扉絵シリーズ第一弾『小さなバギーの大冒険』にて、東の海のとある島の先住民クマテ族バギーと離散したバギー海賊団構成員達を料理しようとするシーンが描かれている。
調理方法は巨大な鍋に人間をそのまま入れて煮込むというシンプルなものだったが、最終的にクマテ族は身体のパーツを取り戻して復活したバギーに倒されているため未遂に終わっている。
またアニメ版のアルビダによるとクマテ族は美食家で有名らしい。

ドラム王国にてワポルがチェスとクロマーリモを食べるシーンだが、こちらはバクバクの実の能力で2人を合体させるのが目的であり、尚且能力の性質でワポルは普段から家や武器などあらゆるモノを食べる雑食この上ない食生活を送っているため、食人と言い切れるかは微妙なところである。






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最終更新:2024年04月09日 21:19

*1 ただし、食いわずらいに詳しい様子のモンドールが「ウソだろママ!」と驚愕している為、作中で行われた実子を手に掛けるケースはかなり珍しい事ではある模様。

*2 その時は緊急時だったため、たまたま普段とは違う口調になった可能性もあるが。

*3 他の海賊や海軍は基本的に異名のビッグ・マムで呼んでいる

*4 もちろんそれだけでなく、巨人族の兵力の獲得も目的

*5 どの程度まで本気で戦ったのかは不明

*6 同じく武装硬化でガードしたドフラミンゴは、防ぎ切れず大ダメージを受けている

*7 シャンクスと白ひげが交戦した際にも同じ現象が起きている。

*8 墜落したその先は海であり、ホーミーズ達は足止めされていたため、墜落して仕舞えば、いくら四皇とはいえそのまま溺死する可能性が高い

*9 生命エネルギー、寿命

*10 つまり、寿命が70年だったら60歳で死ぬ計算になる。危険に事欠かないこの世界で、強力な庇護を受ける代価としては安いと言えば安いかもしれない。

*11 この時点で『雷雲“ゼウス”』はビッグ・マムのところにはいないため、能力によるものとは考えにくい

*12 日本語で言う「チチンプイプイ」「アブラカタブラ」のような言葉

*13 セムラはスウェーデンに実在する菓子で、昔は四旬節の断食の時にのみ食べられていたらしい。

*14 後に幼くして7900万ベリーもの懸賞金をかけられた人物が現れたが、そちらは政治的な意味合いが強い。リンリンの場合、純粋に破壊の深刻さからこれほどの懸賞金がかけられている

*15 武装色を使ったものの

*16 長男のペロスペローですらこの状態のビッグマムは見たことがないらしい。

*17 ちなみにこの時の姿はアニメ版で描かれた若い頃のビッグマムの姿に似ている。

*18 ルフィたちは中身が爆弾だとは知らなかったが、記事では全て計算ずくということにされた。

*19 アニメでは戦闘シーンが追加されており、威国と雷鳴八卦の激突も見られる。必見。

*20 藤田氏がビッグ・マムを演じたのは2014年のゲーム『超グランドバトルX』が最後となる。

*21 横暴で身勝手な母リンリンとは裏腹に、彼女の子供達は家族想いの者が多い事を考えると、反面教師というやつかもしれない。

*22 プリン本人が前代のローラを想って断っていただけで実力的には恐らくすぐになれる

*23 足を切断する際も刃物など持ち合わせていなかったため周囲にあった岩で潰すようにして切り取っている。