バロック・バンジークス

登録日:2016/07/17 (日) 10:39:21
更新日:2024/02/26 Mon 13:22:45
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‥‥いい目をしている。
日本人よ。



怯え、恐怖、不安。
それらの感情を、必死に押し殺し‥‥



ありもない《勇気》という幻想にすがりつき、
立ち向かってくる、無謀なる瞳‥‥


‥‥そうでなければならない。
我が“いけにえ”は‥‥な。


大逆転裁判シリーズ』の主要登場人物。



大英帝国の倫敦にある中央刑事裁判所(オールドベイリー)の検事。初登場時の年齢は32歳。
濃紺を基調とした英国貴族風の服に身を包み、その上に黒のマントを纏っている。
やや陰気な雰囲気が漂う人物で、見た目はどことなくドラキュラっぽい。
眉間にはヒビ‥‥ではなく、大きな十字の傷が斜めに入っている。
腰にはサーベルを携えている。これは成歩堂龍ノ介が所持している日本刀との対比となっている。
本作における、龍ノ介のライバル検事。
専用曲は「大法廷の死神」。

山崎剛ディレクションのライバル検事はボイスが固有に対しこちらは異議あり!の文字のデザインが固有となっていて、
彼のイメージカラーの紺色に、明治時代の倫敦のようなブラックレター風の古風な書体になっている。

大英帝国の法曹界では広く名の知れた存在で、巷では「死神」の異名で呼ばれている。
彼が検事席に立つ法廷では、被告人は“いけにえ”と呼ばれ、これまで彼が起訴した事件で命が助かった被告人は1人もいないらしい。このページ冒頭のセリフ中の“いけにえ“は、明らかに弁護人を指しているように聞こえるが。
それは「全ての被告人を有罪にしてきた」という事ではなく、たとえ被告人に無罪判決が下されたとしても、数日後に被告人を待っているのは“非業の死”であるという。
そのため、いつしか彼の前に立とうという弁護士はいなくなり、彼自身も5年前から法廷に立たなくなってしまった。
彼が手がける事件の被告人は決まって名の知れた凶悪犯で、その誰もが極刑が確定している極悪人ばかりである。
なので彼が「傷害事件」や「強殺事件」など小さな事件を手がける場合は逆に大騒ぎとなるようで、「この事件にバンジークスが出てくるのには、何か特別な理由があるのでは‥‥?」と勘ぐる市民も現れるようになる。
「死神の呪い」で嘗ての被告人が死んだことで当然彼が真っ先に容疑者として疑われたのだが、捜査の結果、完璧なアリバイがあったことで無関係だと警察が公表。そのため死神の伝説により一層箔がついてしまっている。
この「死神の呪い」について「これで犯罪を抑制できるのなら喜んでその名を引き受けよう」という覚悟を示している。
一方で不信感や犯罪の可能性を感じ取っており、裏では独自の調査を進めている。


その不穏な噂とは裏腹に検事としては至極真っ当な人物で、証拠の捏造や証人との取り引きなどの不正行為は一切行わない。
検事としての手腕も優れており、御琴羽寿沙都からは「すかさず弁護側の逃げ道を塞いでくる手腕は、優秀と言わざるをえない」と評されていた。
不正を一切行わない反面、法廷では様々な問題行動モーションを見せてくれる。
審理中に葡萄酒をグラスに注いで口に含むなんて序の口で、グラスを「神の聖杯」と称しておきながら片手で粉々に砕いたり、或いはそれを後ろのランプに叩きつけたり、または「聖瓶」と称したボトルのほうを後ろの傍聴席に投げこんだり、検事席に踵を振り下ろしたりと、とにかくやりたい放題。
その後は決まって「裁きの庭にて、○○する無礼。どうかお許し願いたい」と詫びている。稀に詫びない事もある…というか、最初からお許し願いたいというだけで詫びてもいない
法廷で鞭を振り回したりコーヒーをがぶ飲みしてカップを投げたり突然エアギターをやったり鷹や手刀で攻撃したり数珠で相手を締め上げたりする検事の行為が霞むほどである(彼ら(一部除く)と違って攻撃してこないぶん幾分かマシなのだが)。
これらの行動は法廷の名物となっており、裁判長ですら「出ましたッ!バンジークス卿の神の○○!」と囃し立てるほどである。

財力を駆使して善人ぶる大悪党と同じくらい、過去に何か問題があったのか「無邪気なふりをして近づき、最後には全て裏切る存在」と称して日本人を忌み嫌っている。
それ故、日本人である龍ノ介に対しても冷たい視線と強い憎悪を向ける。
実は一目で龍ノ介を日本人と見抜いた数少ない人物(基本的に他の人には東洋人と呼ばれている)。
他にも、大英帝国の法典に記されている「最終弁論」を、「我が国が生んだ、最も憎むべき悪習」と嫌っていて、最終弁論で評決が覆される事を快く思っていない。

上記の通り、彼が主に担当する被告人は全て重大犯罪に関わる者達ばかりであるため、時たま組織の残党などに敵討ちの名目で襲撃されたりもするが、腰にサーベルを提げているだけあって実力も高いらしく見事に切り抜けているらしい。
決してジュラルミンケースで攻撃したりしない


拘りが強いらしく、彼の執務室には最高級ワインとボトル、クリスタルで作られた特注のグラスを幾つも所持している。どれも彼が現地まで足を運び、直に選んだ自慢にして貴重な品々である。その貴重な品々を法廷で投げたり粉☆砕しているんですけどね
その他ワインの樽も幾つも所持しており、最早ワインセラーと呼ぶべき光景となっている。しかし拘りが強すぎる余り、しっくりくるようなワイン樽の並びを整理したりボトルにワインを詰める作業も全て自らの手で行っているという。
因みにこの執務室は「大逆転裁判2」の第3話で訪れることが出来るが、部屋の中のものを調べると龍ノ介らの余りにも酷いコメントに律儀にツッコミを入れてくれる。興味のあるかたは是非ともプレイしてほしい。


作中での活躍

※ネタバレ注意

第3話「疾走する密室の冒險」にて、事件の担当検事として登場。
5年ぶりの法廷だったらしく、裁判長から法廷に戻ってきた心境を問われ、その帰還を歓迎されていた。
この事件ではとある高利貸しを起訴するが、裁判中に不審な証拠と証人が登場した事により、裁判は無罪判決で決着を迎える。
その後はこれらの不正な証拠を生み出した責任を問われる事となるのだが、無罪判決を受けた被告人に「これで“終わった”などと思わない事だ」と忠告する。
この台詞を受けた被告人は、単なる負け惜しみだろうと捉え特に気にする素振りを見せなかったが、その数時間後、その人物は「死神」の噂どおりに炎に包まれた馬車の中で焼死という非業の死を遂げてしまった。
因みにこの事件を通じて初めて龍ノ介と出会うのだが、なぜかこれ以降は彼が弁護を行う裁判を事件の大小を問わず担当するようになる(龍ノ介はこの現実を前に「不運だ‥‥」と嘆いていた)。


彼が度々龍ノ介の担当する裁判に現れていた本当の理由は1つ。龍ノ介を通じて日本人の本質を確かめたかったからである。
かつて彼には絶対の信頼を寄せていた日本人がいたのだが、ある時その人物から突如酷い裏切りを受けてしまう。
それ以来日本人を信用できなくなってしまい、日本人全員を「裏切り者」という色眼鏡で見て敵意を顕にするようになった。
法廷で龍ノ介と出会った事によりその日本人の事を思い出してしまうのだが、龍ノ介の「事実を曲げずに、真相を追求する姿勢」に興味を示すようになる。
第5話でも、何度もピンチに陥りながらも被告人を信じぬいて最後まで守り通した龍ノ介の熱意に驚き、それに奇妙な感覚を覚えつつも素直にその功績を賞賛した。
その時に龍ノ介に「貴公を通じて日本人の本質を確かめたかった」と明かすが、彼から「かつて何があったのですか?」と問われても「いつかその時が来れば。おのずと知ることになるだろう」と返し、その質問に答える事はなかった。
そして「貴公に出会った意味を‥‥私なりに考えてみるとしよう」と言い、龍ノ介との再会を望みながら去っていった。


続編である「大逆転裁判2」にも登場。今作では従者として謎の仮面の男がお供している。そしていよいよ彼の「死神」に纏わる真実に迫ることになる。
相変わらずの腕前とやりたい放題っぷりを見せつけてくれるが、大きなターニングポイントとなるのが第3話。被告人となってしまったベンジャミン・ドビンボー博士とは大学時代の親友同士であったことが判明する。
彼の性格を事細かに把握していたり、「ベンジャミン」とファーストネームで呼ぶ、数少ない友人と称するなど友達思いな一面を見せた。
一方で彼が被告人となってしまった裁判には真っ先に担当検事を買って出た。これは他の信用ならない者に彼を裁かせるわけにはいかないという彼なりの気遣いである。裁判では彼が犯人だと言いつつも彼が発明した瞬間移動については「実験は成功した」と主張した。「検事としてのバンジークス」、そして「友人としてのバロック」が合わさった上での主張だろう。
事件が解決してすぐ、親友を死神の魔の手から逃がすため独逸へ帰国させる手配をしていたことも判明。護送には自身も同行するという徹底っぷりを見せ、改めてベンジャミンとの友情の深さをプレイヤーに見せつけるのだった。

この事件の弁護を担当していた龍ノ介らには、この頃から日本人への不信感とは別に信頼も生まれ始めていた。「信用ならない者に友人を裁かせるわけにはいかない」と言っていた彼が龍ノ介にベンジャミンの弁護を認めたのは、それを意味している。
裁判が終わってすぐに10年前に大英帝国を恐怖に陥れた「プロフェッサー事件」について語り始める。証拠品として提出されたプロフェッサーの蝋人形のには素顔を晒さないよう鉄仮面が装着されていたが、信頼の証からかその隠された素顔を明かすのだった……。










バンジークス「‥‥裁きの庭にて、項目を追記・修正する無礼。
       どうかお許し願いたい」


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最終更新:2024年02月26日 13:22