シャーロック・ホームズ(大逆転裁判)

登録日:2016/07/17 (日) 10:35:01
更新日:2024/03/11 Mon 02:14:36
所要時間:約 6 分で読めます





ボクこそが。この世界で知らぬ者のない、
世紀の大探偵にして‥‥かつ、名探偵。


あの“シャーロック・ホームズ”
‥‥だったのですよ!


シャーロック・ホームズとはアーサー・コナン・ドイルの推理小説シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公だが、
当項目では大逆転裁判シリーズ』の主要登場人物であるシャーロック・ホームズについて解説する。


声:川田紳司


■概要

世界で最も有名な大探偵。初登場時の年齢は34歳。
鹿撃帽、インバネスコート、パイプといった御馴染みの衣装に加え、ゴーグル、銃、化学薬品の入ったカートリッジなども装備している。髪の色は金色。
所持している鞄の中には、科学捜査に使う道具や捜査資料が色々と入っている。
同居人の少女アイリス・ワトソンからは「ホームズくん」と呼ばれ慕われている。
アイリスの父親は現在日本に渡っているジョン・H・ワトソン教授で、彼が日本に行っている間アイリスを下宿で預かっている。
専用曲は「霧の街の大探偵」。
ちなみに、英語版での名前はモーリス・ルブラン作品に登場したホームズオマージュの探偵と同じ『Herlock Sholmes』。



黙っていれば男前だが、自らを「世紀の大探偵にして名探偵」と称して憚らない自信家。おまけに自由気ままでどこか掴みどころのない性格。原作も大体こんな感じ。
神出鬼没な人物で、少し経ってから視線をずらせば机の上に乗っていたり、フックにぶら下がっていたり、洋箪笥の中にいたりと、妙なところに大抵出没している。ちなみに本の山の中にいた時は、割と絵になっていた。
落ち着きもあまりなく、よく会話中に拳闘の真似事をしたり、珍妙な決めポーズをとったりしている。
「どうやら。すべて見えたようだ」「我が推理がささやく真実」など、初登場時には過去作に登場した某探偵っぽい台詞を連発していた(ちなみに年齢も同じ34)。
これに関しては、恐らくその探偵がホームズをリスペクトしてそのような振舞いをしていたものと考えられる。多分後付けだろうけど。
ちなみに彼の自己紹介にある「名探偵」は「名物探偵」の略である。
一応アイリスの保護者であるが、ホームズの行動を見てると彼のほうが子供のように見えなくもない。

「大探偵」を自負するだけあって、自分の推理に絶対的な自信を持っている。
それ故に推理力は優秀であり、あまりに鋭い観察力と論理で、時には信じられない推理を導き出す。本領を発揮した際は、もはや未来予知とかそういうレベル
彼にとって推理とは「純粋論理の芸術」。推理の初歩は「言わずもがなをハッキリ言ってみる事」であり、実際やってみるとこれが案外効果的であるとのこと。
相手を追い込んで隠したいものの方に目を向けさせて看破するテクニックの持ち主。
真相が分かった際には「論理と推理の実験劇場」と銘打って、相手に反論の隙を与えないまま自信満々に推理を披露する。
だがその推理は、事件の本質を突きながらもどこか着眼点がずれている事がほとんどであり、相手を動揺させる効果はあっても決め手や説得力に欠ける場合が多い。
そんな時には成歩堂龍ノ介にその推理を検討してもらい、真の推理を導き出すようにしている(この時の龍ノ介は結構ノリノリである)。
ただし、かつての相棒と組んで同じように実験劇場を披露した際は、「お遊びは抜き」と前置きして一度も頓狂な推理をせずに進めており、わざとずれたことを言っていた可能性もある。
推理力は一応優れているが意外と忘れっぽく、自分で事件を解決した事を忘れ、翌日に再び関係者を集めて同じ事件を解決したなんて事もあったりする。

ストランドマガジンで連載されている「シャーロック・ホームズの冒険」の主人公のモデルとなった人物。
この作品は彼の活躍をアイリスが小説化したものであり、その影響で最近は忙しい日々を送っている模様。
なので初対面の相手に対してよく「ボクこそが、あの“シャーロック・ホームズ”なのですよ!」と自己紹介しているが、聞き間違いをされてアノシャーロック・ホームズさんと覚えられている事も(特に日本人相手に)多々ある。
ちなみに御琴羽寿沙都は「シャーロック・ホームズの冒険」の大ファン。

数多くの国の言語を習得しており、日本語も問題なく話せる。しかし流石にカタカナまでは理解できない。
様々な知識も有しているがその知識には怪しい点も多くあり、日本の「学生服」を露西亜の民族衣装と覚えていたり、ヘビは笛の音に合わせて踊るものだと思い込んでいた事もある*1
基本的に何があっても動じず、失敗も笑い飛ばしてチャラにする楽天家だが、一度落ち込むととことん後ろ向きとなり、「死のう」という言葉を連発するようになる。

手先が器用であり、現場では自ら発明した道具を駆使して捜査を行っている。たまにアイリスの発明の手伝いを行う事もあるらしい。
彼の仕事場には彼が1年がかりで発明した「万能解析鏡」が置いてあるが、完成した日の晩に「考えてみれば、特に解析したいものなんかない」事に気づき、以降は放置したままになっている。一度その解析鏡を手放した事がある。
寂しくなった時によく食べている板キャラメルも彼が作成したものであり、絶妙な配合で作成したおかげで鍵などの型もくっきり取れるようになっている。
手先が器用だからなのか、手錠の開錠もいともたやすく行う事ができる。鍵次第では数秒で開錠できるが、流石に数字錠は無理。

趣味はヴァイオリンの演奏。
元々は趣味ではなかったのだがアイリスが小説内において「ホームズのヴァイオリンの演奏は素晴らしい」と書いたことにより、知り合いから演奏をせがまれることが激増。
今更「実は弾けません」とは言えず、指にマメができるほどに毎日何時間も猛特訓し、人に聞かせることができるレベルになった。
演奏ができるようになってからは暇な時や考えをまとめたい時にヴァイオリンを演奏するようになる。
とある質屋でストラディバリウスを見つけるとすぐさまそれを安値で買い叩き、以降はそれと共に素晴らしい音楽を演奏するようになる。
「音楽のない世界は生きるに値しない」という考えを持っていて、自分の思うような演奏が出来ない時には「音楽の女神に見捨てられた」と激しく落ち込む。
この他にも、部屋にある皇帝の石膏像を床に叩きつけて粉々にするのが趣味であるとのこと。ちなみにこの時の彼はすこぶる機嫌がいいらしい。
夕暮れ時には窓辺で黄昏を楽しむのが日課となっていて、たとえ他人の家に上がりこんでいても欠かすような事はない。
それなりに大きい家に住んでいるが借家であり、調子に乗って散財することもあって度々家賃に頭を悩ませている。

上記のとおり、『大逆転』の世界では群を抜いて濃いキャラではあるが、アイリス曰く「自分が思っているほど存在感があるワケじゃない」らしく、作中でも度々他の登場人物に放置or忘れられていた。


■作中での活躍

※ネタバレ注意

第2話「友とまだらの紐の冒險」で初登場。
亜細亜のさる王家に伝わる宝冠の謎を解いた帰りの蒸気船内で殺人事件に遭遇し、そこで龍ノ介たちと知り合う。
この時にも例の自己紹介を行うが、龍ノ介からは当初「小説を読みすぎて自分を名探偵だと思い込んでいる可哀想な人」だと思われていた。
実は龍ノ介を殺人事件の真犯人だと断言した人物なのだが、その事は「これはこれ、それはそれ」の一言で片付け、彼と共に共同推理を行い、事件を解決に導いた。
被害者が日本の司法留学生であったため、「日本に帰らないとならない」と意気消沈する龍ノ介たちだったが、そんな彼らを見て「それなら代わりの人物を探せばいい」と助言した事で、龍ノ介は弁護士になる決意を固めた。
ちなみにこの事件で被害者を死なせた人物は某国からの亡命者であったが、事件後はその人物のために大英帝国の移民局へかけ合い、亡命の手助けを行っていた。

大英帝国に到着早々倫敦警視庁から「ある事件現場から逃走した男を見つけ出してほしい」との依頼を受け、持ち前の推理ですぐさまその人物の所在を暴きだす。
その人物が後に龍ノ介の依頼人となったので、龍ノ介たちと意外と早い再会を果たす。ちなみに、倫敦に到着後はすぐに龍ノ介たちを自宅へ招こうとしていたらしい。
この頃の龍ノ介は前回の裁判が原因で人間不信に陥っていたが、そんな彼に「誰かを信じる事ができるか‥‥それは結局のところ自分自身を信じられるかどうかのこと」だと説く。
その言葉で龍ノ介は再び立ち上がり、裁判では見事無罪を勝ち取った。
事件が解決後は龍ノ介たちを自分の下宿に招き入れ、下宿先として屋根裏部屋を提供した。

その2ヵ月後、下宿近くの質屋で殺人事件が発生し、そこにいた賊に撃たれてしまう。
幸い被弾はしていなかったものの、弾は腰にあるカートリッジに命中しており、それが破裂した事が原因で負傷し、病院で緊急手術を行う。
命に別状はなかったが手術に使った麻酔が強力であったため、術後もなかなか目覚めなかった。
手術が済んだ夜に、寿沙都からある証拠品を託され、それを持って翌日のジーナ・レストレードの裁判に警官に扮して颯爽と登場。
龍ノ介に証拠を渡した後は、無理をした反動により高熱でぶっ倒れてしまうが、渡した証拠品を切り札に龍ノ介が奮起したおかげでジーナに無罪判決が下される。

閉廷する頃にはようやく完治し、日本に帰る寿沙都を見送るために特別列車を手配。龍ノ介とアイリスと共にドーバー港へと向かう。
これによって龍ノ介は無事に寿沙都を見送る事が出来たのだが、列車を手配する際にかなりの無茶をしたせいで鉄道会社から訴えられそうになっており、その責任を全て龍ノ介に擦り付けていた*2

ちなみに、第5話の時点でアイリスは「バスカヴィルの魔犬」の原稿を書き上げていたが、ホームズは「今はそれを公表するべき時ではない」としてその原稿を質屋に預けていた。
実在の「シャーロック・ホームズシリーズ」でも、ワトソンはホームズの許可を貰わなければ事件に関する作品を執筆・公表できなかったが、この件がそのオマージュなのかは不明である。




ホームズ「以上。シャーロック・ホームズの《名項目》でした。」

Wiki篭り「‥‥ひとつ、気になったのですが。」

ホームズ「いつものだね。‥‥それでは始めるとしましょうか。シャーロック・ホームズの『 追記と修正の実験劇場 』を‥‥!」



追記・修正開始
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Hold it, Mr. Holmes !
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 逆転裁判
  • 大逆転裁判
  • シャーロック・ホームズ
  • 川田紳司
  • 探偵
  • 名探偵
  • 名探偵?
  • 大英帝国
  • イギリス
  • 倫敦
  • ロンドン
  • 変人
  • 残念なイケメン
  • 神出鬼没
  • ×アノシャーロック・ホームズ
  • 論理と推理の実験劇場
  • 楽天家
  • スチームパンク
  • ハーロック・ショームズ
  • 大逆転裁判2
  • バイオリン
  • ストラディバリウス

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月11日 02:14

*1 ヘビには耳がなく、ヘビ使いが笛を鳴らすのは一種の演出。ただし、元ネタの人物も原典の『まだらの紐』でも口笛のような音について「蛇を口笛で呼び戻していたのだ」と説明するくだりがあるので、こういう思い込みがあったほうが忠実かもしれない。

*2 その時に龍ノ介が叫んだ「異議あり!」によって、物語は締めくくられている