○古都トレド(スペイン)
かつての西ゴート王国の首都で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教による異文化の混合が色濃く残る。ギリシャ人画家エル・グレコが活躍した地としても知られている。
○フランスのサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路(フランス)、サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路:カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群(スペイン)、サンティアゴ・デ・コンポステラ(旧市街)(スペイン)
キリスト教三大巡礼地とそこに至る巡礼路。巡礼路沿いにもロマネスク様式の修道院や聖堂が建てられ、巡礼路を経てロマネスク文化も伝播していった。
○アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術(スペイン)
旧石器時代に描かれた著名な洞窟壁画。もとはアルタミラ洞窟のみでの登録であったが、2008年他の17の洞窟と併せて拡大登録された。
○ビスカヤ橋(スペイン)
世界最古の運搬橋。橋梁から吊るされたゴンドラが人や自動車を対岸まで運ぶ。
○
アントニ・ガウディの作品群(スペイン)
アラモスタウンバルセロナに建つ、建築家ガウディが設計した建造物。最も有名なサグラダ・ファミリアはかつて完成までに100年以上かかるとも言われていたが、技術の進歩などもあり現在は
2026年の完成が予定されている。その他にも独特なオブジェクトが並ぶグエル公園やドクロのようなバルコニーを有するカサ・バトリョなど独特のデザイン性を有する建築物が点在している。
○イビサ、生物多様性と文化(スペイン)
地中海に浮かぶバレアレス諸島の南西部にあるイビサ島。有数のリゾート地でありドラッグ汚染のイメージを抱く人もいるかもしれないが、周辺海域の生態系にも恵まれている他、かつて島を支配したフェニキア人・カルタゴ人・ローマ帝国・ビザンツ帝国などの足跡も残る複合遺産である。
○グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン(スペイン)
ナスル朝の首都であったグラナダに建つ宮殿。特にアルハンブラ宮殿は「イスラーム建築の華」と称えられ評価が高い。
○
マデイラ島の照葉樹林(ポルトガル)
大西洋に浮かぶマデイラ諸島にある、氷河期の影響を免れた太古の森。余談だがマデイラ島はサッカー選手の
クリスティアーノ・ロナウドの出身地でもある。
○
パリのセーヌ河岸(フランス)
ミアレシティパリ市内を流れるセーヌ川沿いに位置するエッフェル塔・ルーブル美術館・コンコルド広場・ノートルダム大聖堂などの有名スポットが登録範囲内となっている。ちなみにエッフェル塔が経つシャン・ド・マルス公園に隣接する場所にUNESCOの本部が建っていたりする。
○ヴェルサイユの宮殿と庭園(フランス)
「朕は国家なり」で有名な太陽王ルイ14世の時代にパリ郊外に建造された絢爛豪華な宮殿。特に鏡の間が有名であり、当時招待された外国特使たちを皆驚嘆させたという。
○シャルトル大聖堂(フランス)
フランスにおけるゴシック建築の最高傑作として名高い。ステンドグラスも圧巻。
○モン・サン・ミシェルとその湾(フランス)
大天使ミカエルのお告げにより、ノルマンディの海に浮かぶ岩山に建てられた大修道院。観光地としての人気は絶大で、名物料理はオムレツ。
○ポン・デュ・ガール(ローマの水道橋)(フランス)
古代ローマ時代に建設された、ガルドン川に架かる水道橋。
○リヨン歴史地区(フランス)、アヴィニョン歴史地区(フランス)
「●●歴史地区」の名で歴史的町並み・文化が世界遺産登録されている例が多数ある。フランスでは絹織物で栄えたリヨンや教皇庁が存在したアヴィニョンが登録されている。
○
ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―(フランス、スイス、ベルギー、ドイツ、アルゼンチン、インド、日本)
物件名の通り建築家ル・コルビュジエの設計した建造物で、
初の複数大陸に跨った世界遺産。登録物件はフランスを中心とした7ヶ国17件で(うち10件がフランス)、日本からは
東京都の上野にある
国立西洋美術館が登録された。
○
ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(イタリア、バチカン市国)、
バチカン市国(バチカン市国)
ローマ市内に点在するコロッセオ、フォロ・ロマーノ、パンテオン、
カラカラ帝の浴場などの
古代ローマ時代の遺構や、バチカン市国内にあるサン・ピエトロ大聖堂などの著名な建築物群。ちなみにイタリアは現在保有する世界遺産物件が最も多い国でもある。
○フィレンツェ歴史地区(イタリア)、ナポリ歴史地区(イタリア)
イタリアには特に「●●歴史地区」という物件名の世界遺産が多い。メディチ家の支配下にあったフィレンツェではルネサンス文化が栄え、ベッキオ橋や街のシンボルであるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂が有名である。ここを見て死ねとも言われるナポリは過去に支配者がコロコロ変わった影響が残る街並みであり、遠くにベスビオ山を眺める風光明媚さや洗濯物がはためく下町情緒あふれる光景などが見られる。
○ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域(イタリア)
上述のベスビオ山が紀元79年に大噴火したことで火山灰に埋もれた街。そのためか保存状態が比較的良好で、1700年の時を経て発掘され噴火当時の人々の暮らしぶりが明らかになった。
○ピサのドゥオモ広場(イタリア)
広場には大聖堂・鐘楼・洗礼堂・納骨堂が立ち並ぶ。白大理石で覆われたロマネスク様式の大聖堂も見る価値があるが、この鐘楼こそかの有名なピサの斜塔である。
○レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院(イタリア)
イエス・キリストが裏切者の存在を指摘する場面を描いたダ・ヴィンチの超傑作が置かれているミラノ市内の教会。
○
ヴェネツィアとその潟(イタリア)
アルトマーレご存知水の都にしてアドリア海の女王。15世紀頃はヴェネツィア共和国の首都として繁栄し、シェークスピアが戯曲の題材にしたようにヴェニスの商人らが活躍していた。時折アックア・アルタと呼ばれる異常潮位現象が発生し、シンボルのサン・マルコ広場など街中が浸水することがあるのも有名。
○
ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(イタリア)
ポルトロッソジェノバの東側に位置する村々で、海と断崖絶壁に挟まれたわずかな土地に立ち並ぶ色とりどりの建物が印象的。
11世紀頃に要塞として築かれた歴史を持ち、1000年にわたり村々の間を行き来するのは船のみという、いわば陸の孤島だった。
その名前は「五つの土地」を意味しており、20kmほどの間に西からモンテロッソ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオ・マッジョーレの5つの村で構成されている。
○アマルフィ海岸(イタリア)
30kmに渡って続く急斜面の断崖に幾つかの町が点在する光景が「世界一美しい海岸」とも称されている。
○アルベロベッロのトゥルッリ(イタリア)
トゥルッリとはイタリア南部のアルベロベッロに見られる、白壁の建物にとんがり屋根がついた住宅のことである。トゥルッリが建てられた当時は家屋に税が課せられていたため、いざという時にはとんがり屋根を破壊して「これは家ではない!」と主張し課税を逃れるためにこのような形状の住宅が建ち並んだんだとか。
○
サンマリノの歴史地区とティターノ山(
サンマリノ)
国内最高峰のティターノ山とその周辺に建ち並ぶ、現存する世界最古の共和国サンマリノの歴史を物語る建造物群。
○ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群(ドイツ)
プロイセン王国時代の宮殿群など。その代表格であるサンスーシ宮殿はフリードリヒ2世の命によって建てられたロココ建築で、階段状のブドウ畑の先に建つ光景が風情あり。またこの名前から第二次世界大戦を思い浮かべる人も多いだろうが、そのポツダム会談が行われたのがサンスーシ宮殿の北東に位置するツェツィーリエンホーフ宮殿である。
○アーヘン大聖堂(ドイツ)
カール大帝の時代に建てられ、その後神聖ローマ帝国では歴代皇帝の戴冠式が行われた地。ちなみに世界遺産を英名のアルファベット順に並べると先頭に来る。
○ケルン大聖堂(ドイツ)
ドイツ文化を代表する世界最大のゴシック様式の建物。色々あって建設が遅々として進まず着工から600年以上経った1880年にようやく完成、当時は世界一高い建造物であった。近年は周辺に景観を破壊しかねない高層ビルの計画が持ち上がり一時危機遺産リスト入りしていたことも。
○ライン渓谷中流上部(ドイツ)
古城やブドウ畑が続くライン川の一帯で、川下りは観光の定番の一つとなっている。伝説やハイネの詩で知られる巨岩ローレライも有名。
○古典主義の都ヴァイマル(ドイツ)
ゲーテやシラーに代表されるドイツ古典主義の中心を担った街で、ゲーテが晩年を過ごした自宅などが残されている。世界遺産とは関係ないがヴァイマル憲法が制定されたことでも知られる。
○ラヴォーの葡萄畑(スイス)
レマン湖北岸の丘陵地帯に広がる段々畑。スイスワインの代表的な産地である。
○
キンデルダイク=エルスハウトの風車網(オランダ)
海面より低い地域が多いオランダには欠かせない
ネーデルガンダム排水用風車が林立する地域。その風車が建ち並ぶ光景はオランダという国を象徴するものの一つとなっている。
○ブリュッセルのグラン・プラス(ベルギー)
ベルギー首都の旧市街に位置する広場で、作家ユーゴーに「世界一豪華な広場」と評された。広場の周囲を市庁舎や多数のギルドハウスが取り囲んでいる。
○ウェストミンスター宮殿、ならびに聖マーガレット教会を含むウェストミンスター寺院(イギリス)
首都ロンドンのウェストミンスター地区に位置する建造物群。現在は英国議会の議事堂として使われるウェストミンスター宮殿、戴冠式などの王室行事が執り行われ歴代君主や政治家・詩人などが埋葬されているウェストミンスター寺院など。宮殿は著名な時計塔のビッグ・ベンも含まれる。
○マリタイム・グリニッジ(イギリス)
世界標準時の基準となっているグリニッジ天文台が有名な港町。街の水運史と関わりを持つ歴史的な建物も貴重。
○
ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群(イギリス)
天体観測施設とも宗教的な祭祀の施設とも言われている謎多き環状列石。
ストーンヘイジではないよ
○アイアンブリッジ峡谷(イギリス)
鉄橋としては最も古くに造られた部類に入る。織機・紡績機の改良と共にイギリスにおける産業革命を支えた製鉄技術の発達を象徴する建造物と言えよう。
○海商都市リヴァプール(イギリス)
現在はザ・ビートルズの出身地としても知られるイギリス第2の都市。18世紀は三角貿易の拠点であり、イギリス→(日用品・武器)→アフリカ→(奴隷)→アメリカ→(綿花・砂糖)→イギリスという形で貿易が盛んであった。奴隷絡みのため負の遺産としての要素もあり、再開発計画のため危機遺産にもなっている。
○
エディンバラの旧市街と新市街(イギリス)
スコットランドの首都。エディンバラ城やホリールード宮殿に象徴される旧市街と18世紀に建設されたジョージアン様式の建物が並ぶ新市街から成る。
訪れても田舎者だからといって追い返されるなんてことはない(多分)。
○ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸(イギリス)
北アイルランドに位置する、柱状節理(←詳しくはググるべし)によりできた玄武岩の多角柱が続く海岸。その奇観は一帯に伝わる巨人伝説になぞらえジャイアンツ・コーズウェー(巨人の石道)と名付けられた。
○クロンボー城(デンマーク)
海峡通行税の徴収拠点として設けられ、その後歴代デンマーク王が居住した。シェークスピアの戯曲「ハムレット」の舞台として知られている。
○
西ノルウェーフィヨルド群―ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド(ノルウェー)
ノルウェー西海岸には
Nice boat.の背景として有名なソグネフィヨルドなど多数のフィヨルドが連続している。そのうちの2つが世界遺産リスト入りした。
○ドロットニングホルム宮殿(スウェーデン)
首都ストックホルム郊外に建つ「北欧のヴェルサイユ」と称された離宮。18世紀後期、国王グスタフ3世の下演劇や舞踏会が催され文化が成熟した。
○
シングヴェトリル国立公園(
アイスランド)
930年に
世界初の民主議会「アルシング」が開かれた地。海嶺の地上露出部分(つまりプレートの境目)でありギャウと呼ばれる大地の裂け目も見られる。
○ワルシャワ歴史地区(ポーランド)
ポーランドの首都の旧市街エリア。第二次世界大戦時にドイツ空軍により徹底的に破壊されたが、戦後市民の努力により忠実に復元された。このような経緯から、世界遺産登録にあたっては復元文化財に顕著な普遍的価値の真正性があるか問われたが、最終的に破壊からの復元および維持への人々の営みが評価されて無事世界遺産リスト入りし、その後建材自体が新しくても建材や工法が過去の伝統を維持している場合にも真正性が認められるようになった。
○タリン歴史地区(エストニア)、リガ歴史地区(ラトビア)、ビリニュス歴史地区(リトアニア)
バルト三国首都の旧市街はいずれも世界遺産となっている。いずれも支配者がコロコロ変わる激動の歴史を歩んでおり、それが街並みにも反映されている。
○シュトルーヴェの測地弧(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、モルドバ、ウクライナ)
10ヶ国に跨る珍しい世界遺産。天文学者のフリードリヒ・フォン・シュトルーヴェが設けた測量点で、これを用い地球の大きさを測定することに成功した。
○ウィーン歴史地区(オーストリア)、シェーンブルン宮殿と庭園(オーストリア)
およそ7世紀に渡ってハプスブルク家が支配してきたオーストリアの首都。旧市街から5kmほど離れたシェーンブルン宮殿が先立って世界遺産登録され、その5年後旧市街にある王宮・聖シュテファン大聖堂・自然史博物館などのさまざまな様式の建造物がウィーン歴史地区として宮殿とは別に登録された。
○ザルツブルク歴史地区(オーストリア)
岩塩の交易により栄えた街であり、「塩の城」を意味する名がついた。バロック建築が多く建ち並ぶ他、下ネタ好きでも知られる作曲家モーツァルトの生家もある。
○ゼメリング鉄道(オーストリア)
世界初の山岳鉄道。開通したことでウィーンからアルプス山脈を越えてグラーツなど南部の都市、更にはヴェネツィア・リュブリャナ(スロベニアの首都)・ザグレブ(クロアチアの首都)など国外へと向かうことが可能になった。現在は電化され現役バリバリで運行しており、車窓からアルプスの景色を眺められる。
○ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り(ハンガリー)
市内をドナウ川が流れるハンガリーの首都。元々はドナウ川西側がブダ、東側がペストと独立した都市であったのが1873年に合併した。ブダ地区には小高い丘の上にブダ城(王宮の丘)が建ち、ドナウ川に架かる橋のうちその見た目から名がついた鎖橋が有名。更にペスト地区には1896年に開通したヨーロッパ初の地下鉄が通る。
○
シギショアラ歴史地区(ルーマニア)
ドイツ出身の商工業者によって栄えた街。吸血鬼ドラキュラのモデルとなった
ヴラド・ツェペシュ伯爵の生地として有名。
○カルパティアなどの欧州各地のブナ原生林群(ウクライナ、スロバキア、ドイツ、アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、イタリア、ルーマニア、スロベニア、スペイン)
日本の世界遺産である白神山地と同じブナの原生林で、維管束植物・菌類・コケ・大型哺乳類など生物相に富む。元々は2007年にウクライナとスロバキアに跨るカルパティア山脈のみが登録されたが、2011年にドイツのブナ林が追加された上、2017年の拡大登録では他9ヶ国も追加された結果上述のシュトルーヴェの測地弧を上回って12ヶ国に跨る世界遺産物件となった。
○プリトヴィツェ湖群国立公園(クロアチア)
高さの違う湖が滝で繋がるという珍しい景観。ミネラル・有機物の量や日照角度の違いにより湖群は様々な色彩を見せる。
○ドゥブロヴニク旧市街(クロアチア)
クロアチア南端に位置するアドリア海と城壁に囲まれた旧市街。連なる赤レンガの屋根がアドリア海に映える光景が美しく、その街並みは「アドリア海の真珠」と称されるほど。
○アテネのアクロポリス(ギリシャ)
ご存知古代ギリシャ文明を象徴する都市。丘の上に建つ有名なパルテノン神殿を始めとして当時の遺跡が多く残る。
○
メテオラ(ギリシャ)
ミチーナ奇岩の上に修道院が建つ光景は一度見たら忘れられない。
奇岩の頂上を結ぶロープウェイもあるがよくあるロープウェイを想像したら大間違い、画像検索すればわかるが高所恐怖症でなくてもビビること請け合いである。
○オリンピアの考古遺跡(ギリシャ)
古代オリンピックが行われた地でかつてスポーツ施設があった。現在オリンピックの聖火はここにあるヘラ神殿にて凹面鏡を用いて太陽から採火されている。
○アトス山(ギリシャ)
海と山に隔てられたギリシャ正教の聖地。修道士による自治が行われており女人禁制である。
○神学者聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟を含むパトモス島の歴史地区(ホーラ)(ギリシャ)
聖ヨハネが神の啓示を受けて黙示録を記した地。エーゲ海に浮かぶ島々には他にもロードス島・デロス島などに世界遺産がある。
○ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群(トルコ)
人気の観光地の一つで、奇岩が林立する光景が目を引く他、洞窟住居や修道院も見られる。
○イスタンブール歴史地区(トルコ)
ヨーロッパとアジアの境目と言える地。アヤ・ソフィアは聖堂として建てられ、オスマン帝国時代にはモスクとして転用され、現在は博物館である。その他、ブルー・モスクの異名を持つスルタンアフメト・モスクやオスマン帝国の君主が暮らしたトプカプ宮殿などが並ぶ。
○トロイの考古遺跡(トルコ)
ホメロスの叙事詩「イリアス」に記されたトロイア戦争の実在を信じたドイツ商人シュリーマンが発掘した遺跡。遺跡が本当にイリアスなのかどうかは議論が分かれているが、この発掘が考古学の発展に寄与したことは間違いない。
○城壁都市バクー、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の塔(アゼルバイジャン)
カスピ海に面したアゼルバイジャンの首都。旧市街にはイスラムの建物が建ち並ぶ。
○モスクワのクレムリンと赤の広場(ロシア)
クレムリンはロシア語で城塞を意味し、ここでは建ち並ぶ宮殿や大聖堂を指す。クレムリンに隣接する赤の広場では、玉ねぎ型の屋根にカラフルな外観の聖ワシリー大聖堂が有名。
○サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群(ロシア)
かつての帝政ロシアの首都。聖イサーク大聖堂やペトロパヴロフスク要塞など多くの建造物が登録範囲内に含まれているが、とりわけエルミタージュ美術館が有名。
○バイカル湖(ロシア)
世界最高の透明度と深度を誇る湖。生息する水生生物の約8割がバイカルアザラシなどの固有種である。