右代宮絵羽/エヴァ・ベアトリーチェ

登録日:2016/06/29 (水) 00:29:14
更新日:2023/09/12 Tue 22:55:19
所要時間:約 11 分で読めます




うみねこのく頃に』の登場人物。

CV:伊藤美紀


右代宮金蔵の第2子(長女)。
秀吉の妻で、譲治の母。
序列は第3位。
常に優雅な態度を崩さないセレブ気質な女性だが、本性は苛烈で高飛車。
知恵が回り、狡猾で抜け目ない性格をしており、常に他親族たちを見下している。
金と権力には親族の中では人一倍貪欲で、隙あらば金蔵や蔵臼から金をせびろうと狙っている。
戦人にはよくからかったりして、親族の中では比較的仲のいい方。

しかし、自分の家庭ではよき妻、よき母として振る舞っており、夫と息子を誰よりも愛し、夫秀吉とは今も仲睦まじい熟年夫婦である。
料理好きで、家庭料理は絶品と譲治からも太鼓判を押されており、よく近所の奥様を食事会に招待することもあるとか。

幼い頃から右代宮家の当主になることを夢見、日々勉強や鍛錬を積んできたが、「女であること」を理由に父金蔵からは願いを一蹴され、
また兄蔵臼からは侮蔑され馬鹿にされ続けてきた。
この反動のせいか、弟の留弗夫や妹の楼座には彼らを見下し威張り散らして、特に楼座にはきつく当たっていた。
そして、幼い頃からの仕打ちのために、蔵臼には彼の当主としての器の無さに辟易していることも相まって、激しい憎しみを抱いており、
親族会議の度に激しくぶつかり合っている。
同様に、彼の妻夏妃も嫌っており、特に感情的で怒ったり泣いたりしやすい彼女に集中的に口攻撃(「下女」だの「端女」だの)を浴びせることも多い。
これには、蔵臼や金蔵が何かとつけて「常に亭主を立てて淑やかに振る舞うのが理想の女性」と絵羽の振る舞いを侮蔑された過去から、
夏妃にその女性像を見出し、なおかつろくに実力のない彼女が次期当主夫人として振る舞うことが癪に障るためと思われる。

秀吉との馴れ初めは作品が終了した今も不明だが、EP3において秀吉が「あの頃みたいに更生させてやる」と言ったことと、
蔵臼の結婚で焦っていたことから、かなり荒んでいた頃に結婚したのではないかと推測できる。
夏妃が不妊症に悩んでいることを幸いとして、秀吉を婿養子として結婚した後譲治を出産し、金蔵に「夏妃は世継ぎの子産みとして失格」と吹き込んだ上で、次期当主の座を譲治に着かせようと画策していった。
その後、譲治には当主として名に恥じないように厳しく教育を施し、手に塩をかけて育てていった。
しかし、時折自分の夢を息子に押しつけていることへの罪悪感に心を痛めており、子離れしようとする譲治の態度もあってなおさら苦しんでいる。
なお、その教育の賜物として成長した譲治は、小中学校で「女性に優しい紳士」として振る舞ったものの「いじられキャラ」として不遇の青春を送っていた。
譲治の結婚相手も自分で選んだ女性をお見合いさせることを薦めており、もちろん紗音との恋には大反対。
紗音に対しても「無能無資格無教養の使用人風情に釣り合わない」と牽制をかけた。

ブルジョワ生活はおそらく四兄弟の中で一番満喫している人物。
旅行好きで世界中も旅している。美容のために太極拳やカポエィラを習得しており、譲治にも一通り武術を教えた。

本編の親族会議では、夫秀吉の会社の株が大量に買い占められ資金繰りに困っていたため、留弗夫夫妻、楼座と組んで、
蔵臼に金蔵の資金の横領(あるいは、金蔵の死の隠蔽)をネタに金をせびろうとした。


≪エヴァ・ベアトリーチェ≫
EP3で初登場した絵羽の心の中に住んでいるもう一人の彼女である「魔女」。
中学生の頃から当主を夢見る彼女を励まし続けていた「理想の当主像」である。
EP3では絵羽が当主への欲が強まったため再び現れた。
そして、碑文の謎を解いて黄金を見つけたことをきっかけに、六軒島の魔女ベアトリーチェに認められ、
魔女として存在を許され、依り代であった絵羽から(幻想世界では)分離する。
当初はしおらしかったものの、徐々に子供のような残酷さを現すようになり、悪意と高慢さを振り撒きながら他人を小馬鹿にし続ける。
最終的には共同戦線を組んだ戦人とベアトによって正体を明かされ消滅したが、EP4以降は様々な依り代をもって登場し、EPごとにその役目は異なる。





≪各EPでの活躍≫

Episode1
親族会議では途中で抜けたため第一の晩からは逃れた。
金蔵の書斎の扉にレシートを挟み、書斎を密室にして直後に金蔵が消えたことから、密室完成前に会っていた夏妃が金蔵失踪に関係していると告発。
その後彼女との口論の末(あやうく逆上した夏妃に射殺されるところだった)、頭を冷やすという名目で、秀吉と共に屋敷内の客室で休むことに。
客室で心細くなるうちに二人でそういう行為に及ぼうとした矢先、チェーンのかかった密室状態の客室内で、
第二の晩の生贄として、夫と共に死亡。
ベッドの上でアスモデウスの杭を眉間を刺されていた。


Episode2
親族会議に来た謎の女ベアトリーチェが「金蔵の遺産狙いの愛人の娘」と断定し敵視する。
第一の晩で、密室状態の礼拝堂で臓物を引きずり出された死体で発見された。
お茶会では楼座に彼女の二枚舌のサラダが振る舞われた。


Episode3
主役的存在。
金よりも当主の座に執着し、ベアトリーチェが出した碑文の謎の解読に集中。そして、他親族のヒントのお陰で解読し、隠し黄金を発見した。
その直後楼座も解読し、黄金の所在は今のうちは黙っておき、後で名乗り出た後山分けすると二人で約束する。
しかし、エヴァ・ベアトリーチェが魔女としての称号を受け継ぎ、黄金を独占するために他親族を次々と殺害してしまう。
その最中で秀吉と譲治まで殺され、自分の中の魔女の暴走を抑えきれず苦しむことに。
だがこれらは幻想描写。メタ世界の戦人に犯人として特定された通り、第二~第八の晩の実行犯は絵羽本人である。
そして、自分を疑い掴みかかってきた朱志香と揉み合いになって、銃で彼女の目を撃ち失明させてしまい、自分が犯人だと気付いた戦人を射殺した。
その後は六軒島から生還した…らしい。


Episode4
横領の件を兄夫婦からはぐらかされたものの、今度は父の死の隠蔽について強請ろうとしたが、その夜に金蔵があっさり登場し目的はご破算に。
金蔵から第一の晩の生贄として選ばれ、秀吉が射殺された直後にシエスタ姉妹近衛兵の射撃で頭部を撃たれ死亡。


Episode5
黄金をヱリカと戦人が発見したことを機に、金蔵の死の隠蔽疑惑がかかっている蔵臼と夏妃を激しく追及。
翌日譲治を殺され、さらに昼には秀吉まで殺され、半狂乱になる。
だがその一方で、金蔵の書斎扉のレシートの封印をネタに、夏妃から金蔵死亡隠蔽を吐かせようとし、
「何か起こるかも」という理由でヱリカに殺害予定現場のガムテープによる封印を提案して夏妃のアリバイをなくすなど、狡猾さを存分に発揮する。
(これは彼女が犯人の片棒を担いでいるため)
ヱリカによって犯人として夏妃が告発された際には、怒りで我を忘れて彼女に暴行まで振るっていた。


Episode6
譲治から、紗音との婚約を告白され説得しようとしたが拒否され、逆上し魔女エヴァに変身。
「これまで厳しく育てた恩」を盾に息子を文字通り束縛しようとしたが、「僕の立派になった要素の全ては紗音のおかげ」と自分の教育を否定され、
ダイレクトな子離れとして、これまで自分が教えてきた魔王レベルの武術を浴び、死亡。
その後「死体」は貴賓室に運ばれ、第一の晩の犠牲者として発見されるも、狂言を見破ったヱリカに首を斬られ本当に殺された。


Episode7
理御を「次期当主様」と嫌味ったらしく呼び、あからさまに彼女を疎ましく思っている様子。









≪1998年の世界≫

EP3以降登場する1998年の世界では、絵羽が六軒島事件で唯一生還したカケラが描かれている。
事件の後、彼女は離れ屋敷の九羽鳥庵で発見され、六軒島大爆発の被害範囲から逃れたのだ。
そして彼女は右代宮家の全財産を相続し、同時に当時体調不良で親族会議を欠席した留弗夫と霧江の娘の縁寿を引き取った。

…だが、何が起こったのか全く謎の事件から生還した彼女を待ち受けていたのは「疑惑の女」の称号。
一族全員死亡の大惨事を唯一生き残ったという状況証拠で、マスコミから「事件の黒幕」「魔女」というレッテルを貼られ、世間から罵られプライバシーまで奪われた。
その悲惨な境遇に置かれるうちに、右代宮グループの会長として様々な事業にも関わった際も、無理な事業拡大でグループを傾かせ、
周囲に冷たく当たるうちに会社の中でも孤立していった。
縁寿に対しては、最初はそれほど険悪ではなかったが、家族を失い悲しむ彼女から「人殺し」呼ばわりされたことを機に関係が悪化。
出来の悪い縁寿を公然と罵倒し、憎み合う日々を送る。(聖ルチーア学園に隔離させた時も、彼女に友達を作らせないよう根回ししていた)
そんな中でも、唯一心を許せる夫と息子を亡くし、日々心を弱らせていった。(カルト宗教に走ったこともあったという)

1998年、絵羽もすっかり老いて病床に伏せっきりになり、「狙われている」と被害妄想まで激しくなった。
寿命を感じた彼女は縁寿に同じ苦しみを味合わせるために右代宮家の当主権と全財産を相続させ、彼女に「復讐」を果たす。
さらに12年前の六軒島事件の真相を何も語らないまま、疑惑だらけの人物として病死した。

そして、絵羽の死をきっかけに、縁寿はベルンカステルと契約を交わし、運転手の天草と共に六軒島事件の真実を知る旅に出る。
だが、実質縁寿は状況証拠と自分に酷い仕打ちをしたことを理由に絵羽を犯人と決めつけており、真実を知る旅の目的も、絵羽の罪を暴き立てることにすり替わっていた。
そんな彼女に対して、生前絵羽が唯一信頼していた小此木社長は「秀吉と譲治を愛する彼女が殺すわけがない」と縁寿の姿勢に苦言を呈している。

実際、EP4において縁寿は「自分が白き魔女として絵羽に寄り添っていられたら彼女の心も癒えて関係が変わっていたんじゃないか」と後悔していた。
なおEP4では、六軒島でエヴァが須磨寺霞の憎悪を煽り、最終的に絵羽の姿になって縁寿に銃を向けたが、逆に彼女に憐れまれていた。


































…実は六軒島事件は、留弗夫と霧江による大量殺戮であった

彼女は無実とは決して言えないが、その真実を隠していた。

【当日の経緯】
  • ベアトリーチェの手紙を基に、親族一同が碑文の謎に挑戦
  • 絵羽が中心になってアイデアを出し合い、見事解読に成功
  • 黄金を発見し、事件の計画者ベアトリーチェが黄金と10億円キャッシュカード、さらに銃と爆弾を贈呈
  • 黄金を巡って親族間で諍い、絵羽が夏妃と揉み合いになって銃が暴発、夏妃が死亡
  • さらに秀吉がうっかり蔵臼を殺してしまい、隠蔽するか否かで絵羽と楼座が口論に
  • チャンスとばかりに霧江と留弗夫が全員を撃ち、10億円独占のために関係者全員の口封じとして皆殺しを敢行
  • 生きていた絵羽が復讐として留弗夫と霧江を殺害

…というように。この時、絵羽が霧江と対峙し、縁寿の話題になった時、霧江は「留弗夫がいない以上縁寿という駒も必要なくなった」と言い放ち、
縁寿を置いて姿を消すと宣言。その態度に、同じ「母」である絵羽は激昂し、彼女を殺す。
そして絵羽は、「霧江は最期まで縁寿のことを想っていた」という幻想を守るために、口を閉ざすと決意。
縁寿に母親代わりとして責任を持って育てようとしたが、縁寿には拒絶され、マスコミで心を弱らせていることも相まって、
彼女に譲治の姿を重ねるうちに自己嫌悪と憎悪に苛まれ、縁寿を不当に扱って彼女をより孤独にさせてしまった。


…だが、夏妃を故意ではないとはいえ殺してしまったことは事実なので、「そもそも最初のうちに自首していればこんなややこしいことにはならなかったのではないか」というツッコミどころもある。
(過失致死ならば弁護のしようによっては罰金で済むケースもある)
とはいえ、黄金が見つかった時点で霧江曰く「暴発がなければ絵羽が大量殺人を犯していた」と推測しており、EP3のケースがある以上、彼女が黄金を独占するために手を染める可能性は十分にあり、そもそも暴発をきっかけに霧江がやらかしたのだから結果は同じだったかもしれない。


Episode8
縁寿に母親として接してあげられなかった後悔から、6歳の彼女をひたすら可愛がる。
特に漫画版では二人でかくれんぼの鬼として屋敷を散策する姿が、作画の夏海ケイの絵柄と相まって実に可愛らしい。
だが、生前真実を打ち明けられない苦しみから逃れるため、あの日の真実を書き込んで封印した日記が「一なる真実の書」として縁寿に狙われる羽目になる。
結局日記を奪われ、縁寿もそれを目の当たりにしてしまったが、なんやかんやあって立ち直り、ようやく絵羽の真意を知った縁寿は彼女と和解し、
「お母さん」と呼んでもらえた。

本EPではエヴァも登場。
縁寿への母性の象徴として現れ、ヱリカと共に縁寿に味方するが、真実云々のためではなくあくまで縁寿の意思を尊重するため。
真実に耐えきれず死んだ縁寿を、最期は悲しんでいるようだった。
縁寿と戦人が図書の都に潜入した際は、彼らのアシストを行い、最期は戦人と共に黄金郷の扉を閉めた。

漫画版で、偽書作家の八城十八に会いに行き、日記を託したと判明。
これを機に、十八は偽書の執筆を打ち切ることにした。







ヘソでも噛んで追記修正しちゃえばぁ…?

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最終更新:2023年09月12日 22:55